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第31話
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和彦は、自らの手で着物の下から守光の欲望を引き出し、初めて舌を這わせる。
「――賢吾と千尋の味を、あんたはその柔らかな舌で知っている。そしてとうとう、わしのも味わうというわけだ」
感嘆しているのか揶揄しているのか、守光の口調からうかがい知ることはできない。和彦にわかるのは、守光がひどく興奮しているということだった。
守光の体への負担を考えると、制止すべきなのだ。だが当の守光は頓着せず、むしろ和彦の戸惑いに愉悦を覚えている節すらある。南郷にしても、守光を諌めるどころか、積極的に和彦の欲望を煽り、守光を目で楽しませている。
長襦袢をたくし上げられ、突き出した腰を震わせて内奥を嬲られている様は、さぞかし浅ましく、淫らだろう。相手が守光でなければ、和彦は泣き出しているかもしれない。
守光と南郷によって与えられる屈辱と羞恥は、甘い毒だ。たまらなく嫌なのに、体の奥から官能が溢れ出てくる。
「わしに教えてほしい。普段どうやって、わしの息子と孫を甘やかしているのか」
守光の指に髪を梳かれ、たったそれだけの刺激が、ゾクゾクするほど心地いい。そこに追い打ちをかけるように、南郷が内奥で指を蠢かす。
和彦は熱い吐息をこぼすと、震える舌で守光の欲望を舐め上げてから、先端に唇を押し当てる。
焦らすように軽く吸い上げてやると、千尋はすぐに息を乱し、切なげな声で和彦を呼ぶのだ。賢吾は常に余裕たっぷりで、和彦の好きなようにさせるが、高ぶりを覚えると、やや強引に頭を押さえつけてくる。
二人の長嶺の男の好みを、和彦は唇と舌を駆使して実践してみせた。守光は何も言わない。ただ、まるで子供でも褒めるように頭を撫でてきた。
この時間が延々と続くのかと思ったとき、和彦は顔を上げて息を詰める。さんざん南郷の指で蕩けさせられた内奥に、硬く滑らかな感触が押し当てられた。すでに体に馴染みつつある感触だ。
「心配しなくていい。痛い思いはさせん。――さあ先生、続けてくれ」
守光の欲望をゆっくりと口腔に含んでいくと同時に、内奥に道具を含まされる。下腹部に広がる苦しさから呻き声を洩らすと、南郷の片手が前方に回され、欲望を握り締められる。被虐的な状況にありながら、和彦の欲望は熱くなり、先端を濡らしていた。
前後を刺激されて背をしならせると、頭上で守光が微かに笑い声を洩らした。
「……尻だけでなく、喉の奥も締まったな」
内奥深くに道具を含まされたまま、和彦は頭を上下に動かし、守光の欲望に奉仕する。オンナとしての嗜みを教えると言っていた守光だが、指示を与えてくることはない。和彦の恭順ぶりを愛でるように、ただ頭を撫でてくるだけだ。
和彦は自分が、考える意思を持たない肉の人形になったような錯覚に陥りそうになるが、そのたびに意識を引き戻すのは、南郷の道具を使っての攻めだった。
内奥を道具でじっくりと犯されながら、口腔は守光の欲望で犯される。感じやすい粘膜を擦り上げられていることに変わりはなく、気がつけば、畳の上に精を迸らせていた。
下肢から力が抜けると、逞しい腕に腰を支えられて、内奥から道具が引き抜かれる。
倒錯した行為の仕上げは、口腔で守光の精を受け止め、嚥下することだった。
「――賢吾と千尋の味を、あんたはその柔らかな舌で知っている。そしてとうとう、わしのも味わうというわけだ」
感嘆しているのか揶揄しているのか、守光の口調からうかがい知ることはできない。和彦にわかるのは、守光がひどく興奮しているということだった。
守光の体への負担を考えると、制止すべきなのだ。だが当の守光は頓着せず、むしろ和彦の戸惑いに愉悦を覚えている節すらある。南郷にしても、守光を諌めるどころか、積極的に和彦の欲望を煽り、守光を目で楽しませている。
長襦袢をたくし上げられ、突き出した腰を震わせて内奥を嬲られている様は、さぞかし浅ましく、淫らだろう。相手が守光でなければ、和彦は泣き出しているかもしれない。
守光と南郷によって与えられる屈辱と羞恥は、甘い毒だ。たまらなく嫌なのに、体の奥から官能が溢れ出てくる。
「わしに教えてほしい。普段どうやって、わしの息子と孫を甘やかしているのか」
守光の指に髪を梳かれ、たったそれだけの刺激が、ゾクゾクするほど心地いい。そこに追い打ちをかけるように、南郷が内奥で指を蠢かす。
和彦は熱い吐息をこぼすと、震える舌で守光の欲望を舐め上げてから、先端に唇を押し当てる。
焦らすように軽く吸い上げてやると、千尋はすぐに息を乱し、切なげな声で和彦を呼ぶのだ。賢吾は常に余裕たっぷりで、和彦の好きなようにさせるが、高ぶりを覚えると、やや強引に頭を押さえつけてくる。
二人の長嶺の男の好みを、和彦は唇と舌を駆使して実践してみせた。守光は何も言わない。ただ、まるで子供でも褒めるように頭を撫でてきた。
この時間が延々と続くのかと思ったとき、和彦は顔を上げて息を詰める。さんざん南郷の指で蕩けさせられた内奥に、硬く滑らかな感触が押し当てられた。すでに体に馴染みつつある感触だ。
「心配しなくていい。痛い思いはさせん。――さあ先生、続けてくれ」
守光の欲望をゆっくりと口腔に含んでいくと同時に、内奥に道具を含まされる。下腹部に広がる苦しさから呻き声を洩らすと、南郷の片手が前方に回され、欲望を握り締められる。被虐的な状況にありながら、和彦の欲望は熱くなり、先端を濡らしていた。
前後を刺激されて背をしならせると、頭上で守光が微かに笑い声を洩らした。
「……尻だけでなく、喉の奥も締まったな」
内奥深くに道具を含まされたまま、和彦は頭を上下に動かし、守光の欲望に奉仕する。オンナとしての嗜みを教えると言っていた守光だが、指示を与えてくることはない。和彦の恭順ぶりを愛でるように、ただ頭を撫でてくるだけだ。
和彦は自分が、考える意思を持たない肉の人形になったような錯覚に陥りそうになるが、そのたびに意識を引き戻すのは、南郷の道具を使っての攻めだった。
内奥を道具でじっくりと犯されながら、口腔は守光の欲望で犯される。感じやすい粘膜を擦り上げられていることに変わりはなく、気がつけば、畳の上に精を迸らせていた。
下肢から力が抜けると、逞しい腕に腰を支えられて、内奥から道具が引き抜かれる。
倒錯した行為の仕上げは、口腔で守光の精を受け止め、嚥下することだった。
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