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王子様の独白★ナイトハルト視点
しおりを挟むサクラが消えた。
目の前で、私の腕の中で、あっさりと消えた。愛していると言って、あんなに幸せそうに笑っていたのに。
「サクラ?!どこに消えた、サクラ!」
残ったのは、私の贈った指輪だけ。
城中を探しても、国中を探しても見つからない。
私の少女は何処に消えたのか。
「殿下、彼女はもう思断ってください。指輪を頼りに魂の探索も行いましたが、この世界のどこにも見つかりませんでした。消えたと言うのは些か不思議ですが、もう命がないのは間違いないでしょう」
「魂……そうだ、魂だ。魂召喚の術を王室外秘の古書で見た。命の尽きる数刻前に魂を呼び寄せて来世への縁を結べたはずだ、看取って私も後を追う。詳しく調べてから……根回しもしなければ」
「殿下?!それは」
「彼女にまた逢いたい。サクラが居ないなら私の人生に価値はない」
愛しい、愛しいサクラ。
君がこの世界に居ないのなら、どこまでも探して見つけ出してみせよう。
どんな姿になっていても構わない。
どうかもう一度、腕の中に戻ってきてくれないか。
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