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第14話-1 溺愛王子に付き合いましょう。

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ある程度予想はしていましたが私は今日、エディシス様と同じ部屋で寝るらしいです。
今日だけではなく2泊3日なので明日もです。
やはりそのつもりだったんですね。
私確認しましたよね?別ですよねって?

王宮ならまだしもここは辺境伯様のお屋敷ですね。
まだ、結婚前の男女が一緒の部屋で寝るなんていけないです!
周りに示しがつきません。

じゃあ王宮ならいいのか?
って自分で何突っ込んでいるのだ。
今日の私は変だ。
記憶を失くしてから初めての旅行で浮かれているのか?
いや…違う…。
そうじゃない。
私は…。

「ラティア、何か期待してる?」

耳元でエディシス様が話しかけてきた。
「ひゃっ!」

ニヤリとする彼に少しムッとした。

ベッドは一つ・・。
一応ソファはあることは確認した。よし大丈夫だ!!

「エディシス様はベッドで寝てください。私はここで寝ます。」
シーツを1枚持ってソファに寝転がった。
「はっ?そんな固いところで女性を寝かせられるか!私がそっちで寝る!」

一応紳士として基本的なことは分かっているようですね。

「いえいえ、王太子殿下をこんなところで寝かせられるわけないじゃないですか!」
「公爵令嬢をこんなところに寝せられない!」
「私はいいんです!あなたはこの国の代わりのない王太子です。風邪ひいたり腰痛めたらどうするんですか!」
「私はそんなにやわじゃない!」
「いいです!私がここで寝るんです!」
私はシーツをガバっと頭からかぶりソファーの陣地取りに成功した、かのように見えた。

「えっ!!」
突然シーツごと体が浮きあがった。
どうもエディシス様が私をシーツごと抱え上げたようだ。
シーツが頭から掛かっているので目の前は真っ白だ。

「もういい加減にしろ!」
ボンっとベッドにおろされた。
「あ~!だったら二人でここで寝ればいいだろう!
いつも寝ているのに何で今日だけよそよそしいんだ!」
「だってここは人のお屋敷で・・・なんか恥ずかしくて・・・。」

エディシス様が温かい目で私をみた。
「大丈夫。この部屋の両隣にはだれもいないように指示してあるし私が呼ばなければ誰もこないよ。ハーデスの部屋は一つ挟んで右だ。」

「さ、さようですか…」

まあ、用意周到な。
身の危険を感じます。

「やだやだ、やはりラティアは期待してるんじゃないか。」

って色気たっぷりで、首元のシャツのボタンに手をかけて
一番上を外した。

「してません!!してないから!」

彼は突然ケラケラ笑い出した。
「はははっ、何もしないよ。前にも言ったけどちゃんと君が私に向き合うまでは何もしない。」

揶揄われたようだ。

「エディシス様!もうっ!」

私は枕を投げた。
彼は軽くそれを受け止めた。

「しかし早くその気になってくれると嬉しいけどね。」

待てよ。誰も聞いていないとなると今がチャンスじゃないか?
私の気持ちを伝えてよう!
…ってこの状態で言ったら危険を感じるどころか
自分から差し出しているようではないか!

と考えこんでいたら突然エディシス様がベッドから立ち上がった。

やはりソファーで寝てくれるのだろうか?

窓まで歩いていった。
そして窓を開けて暗くなってしまった外をみた。
暗いので何も見えない。波の音だけが聞こえる。
どこかで汽笛がなっただろうか。
冬の風が冷たく部屋の中に入ってくる。
潮の匂いのする風だ。
エディシス様はしばらく黙ったままだった。

私も立ちあがりエディシス様の横に並んだ。
エディシス様は私を見て静かに微笑んだ。
そして窓の横にある椅子に掛けてあった自分の上着をかけてくれた。
また外を見る。
しばらく何も言わない、ただ暗くなった世界をみているだけだった。

私はその横顔を見ていた。

しばらくして
「ここは私の母の部屋だったんだ。」
エディシス様がようやく口を開いた。
「王妃さまの?」
「ああ、いや。そうだね。それもわからないんだった?
 私の母は側妃なんだ。ジェイデンは王妃様の子だよ。」
「は?」
異母兄弟。だからお二人は髪色とか目の色とか似ていなかったんだ。
「も、申し訳ありません!!」
「母はこの辺境伯の姉にあたる。つまり辺境伯は私の伯父になるんだ。
父がまだ王太子になる前に外交でここに泊まった時に母を見染めたらしい。」
「私は…何も知らなくて…。申し訳ありません。」

しかし11歳までの記憶にもない。

「はははっ、君は私に何の関心もなかったんだね。
少し傷つくな。」
「申し訳ありません…」
「謝ってばかりだね。」

彼は寂しげに窓の外を見た。
しかし王妃様にはお会いしたことはあるがエディシス様のお母様にはあった事がない。
王宮にはいないのかしら?
そんなことを考えていたらエディシス様が話し出した。

「私が4歳の時だった。母が里帰りをしたんだ。私も付いてきて一緒にここに泊った。
母は馬が乗るのが好きでね。あの日も私を前に乗せて愛馬に乗って街から海に抜けようとしていた。
突然目の前にウサギが飛び出してきたんだ。それを避けようと馬をジャンプさせた。
しかし子供がいたんだ。馬にひかれそうになったウサギを助けようと子供も飛び出してきたようだ。
そのため馬を着地させる場を失った。手綱を強く引いたため馬がびっくりして暴れたんだ。
当然乗っていた母と私は地面に叩きつけられた。母は頭から落ちた。私も少し体を打ったが母に抱きしめられていたから傷すらなかった。
しかし、どんなに待っても母のこげ茶色の瞳は開くことはなかった。大丈夫かと私に問いかける事もなかった。どんどん冷たくなっていく母を目の前に泣きながら呼び続けるしかなかったんだ。」
エディシス様の顔をみた。その横顔は悲しそうで辛そうで懐かしそうだった。

「悲しいことをお話させてしまい申し訳ありません。」
「いや、君は何も悪くはない。ただね、
なんだか今日は海が静かで誰かに聞いてもらいたかったんだ。」

「それでも・・・記憶を失くした時に、私は国ではなくてあなたに関する知識を学ばなくてはいけなかったんです。」

涙が止まらない。

「ラティア…」
彼は窓の外に向けていた視線を、私の方に向けた。
「もう14年も経つ。私なりに思い出にはしているつもりだ。だから泣かなくてもいい。」

エディシス様は窓枠に手を乗せた。
そして一度優しく笑うと再び窓の外を見た。
先ほどまで雲がかかって見えなかった月が薄らと見えていた。

「4年前に公爵家出の王妃様の子であるジェイデンを押す勢力が強くなった。側妃の子である私の後ろ盾は弱い。だから父上が時期宰相と言われた公爵家の令嬢、そう君との婚約を決めたんだ。」
「…そうだったんですね。」
「私の瞳は茶色だ。割と王族は金髪に、碧眼が多くてね。父上は私の子供のことも考えてくれたんだ。まあそれはそうなるとは限らないけどね。」

私は目に手を当てた。…私の目…水色だ。

「でもね、私は嬉しかったんだよ。5年間の記憶がなくても8年前なら覚えているだろう。」
「ええ、王妃様のお茶会でお会いしましたね。」
「あの時から私は君が好きだったんだ。」
私の顔を見ることなく外の暗闇に視線を向けたままエディシス様が言った。

私も同じように暗闇に向かって言葉を紡いだ。

「私もエディシス様が初恋でした。」

エディシス様が一瞬私の方を見たような気がした。
でもまた窓の外に視線を移した。

「本当に次に会うのにが3年後だとは思わなかったよ。」
「入学式でしたね。」
「あれから婚約者が君になったと聞いて喜んで君に会いにいったら何か雰囲気が変わっててね。」
「すみません・・その辺は覚えていないんです。」
「今では考えられないよ。なんたって際どい服を着て化粧もきつくてね。」
「黒歴史聞くのは耐えられないんですが・・・。」
「わがままだとか噂を聞いた。君のかわりように少し戸惑ったよ。更にそのことでジェイデンを押す勢力がうるさく言い始めてね。君は王太子妃には向かないって。
だからジェイデンを王太子にと…。だから私は君と更に距離を置くようになってしまったんだ。
別に王太子の地位なんていらなかった。ただ母が望んだことだった。母は少しは野心があったのかな?今となってはわからない。
そしてこの地位にいることで初恋の君を婚約者にすることができた。だから王太子の地位に留まっていた。まさか君に婚約を喜ばれていないとは思わなかったけどね。君も同じ気持ちだと思い込んでいたよ。だから少し気分も落ち込んでいた。そんな時ダリアが優しい声をかけてくれた。私を褒め称えてくれた。私を甘やかしてくれる存在。私はそこに逃げ場を作ってしまった。今思えば馬鹿だったよ。逃げいては何もならなかった。皆に迷惑をかけた。」
「申し訳ありません・・・。」
「何謝っているの?覚えてないんでしょ?」
「でも・・・ただ一つ分かることがあります。確かに私はあなたとの婚約を破棄したかったんです。」
「わかっていたよ。」
「申し訳ありません・・・。」
「謝ってばかりだね。」

エディシス様はパタンと窓を閉めた。
「寒かっただろ?温かいものでも持ってきてもらうように頼もうか?」
「頼まなくてもそこにポットと茶葉があるので紅茶でもいれますね。」
「手伝うよ。」
「ありがとうございます。」
「私が暗い話をしたから泣かせてしまったね。」

ソファに掛けたエディシス様は懐かしそうに部屋を見回した。
そして優しく私を見て笑った。

私はエディシス様の前に紅茶を出した。
自分の紅茶にミルクを入れた。
一口紅茶を口にしたエディシス様は机の上の時計をみていた。
「もう遅くなってしまったね。これを飲んだら寝よう。
大丈夫だよ。何もしないから。」

「エディシス様…申し訳ありません。
こんなお母様との大事な思い出の部屋に私なんかが入ってしまいました。」
「私が伯父上に頼んだんだ。母に君を見せたくてね。だから気にするな。」

ふわりとエディシス様が私を抱きしめた、
「暖かい。君は生きてる。
記憶は失ってしまったけどよかったんだ。」
彼は私の肩に顔をうずめた。

また少しそのまま時間が過ぎた。
「ほら泣き止んで。明日は視察で人に会わなければいけないんだよ。目が腫れてしまうよ。」
ようやくエディシス様が頭を私の肩から外して
私の頬に手をあてて涙を拭きとってくれた。

「やっぱり君は人の痛みを一緒に感じてくれる人なんだね。
ねえラティア、君の心に触れさせてくれないか?」
「エディシス様」

流されてはいけないとは思っている。
お人好しだって怒られる。
ここは全力で拒否しないと戻れなくなる。
そうわかっていた。頭ではわかっていたはずだ。

しかし金色の柔らかい殿下の髪が私の頬に触れた。
濃い茶色の瞳が愛しいものをみるように私を見つめていた。
「ラティア・・・」
私の名前を紡ぐその口からでる声さえも優しさ、愛しさを感じる。

ああ、私はやはりこの人が好きなんだ…。

私は彼の背中に自分の手を回した。
彼が少し無邪気に笑った。

『母上…これがラティディアです。
私が愛する人です。
これから共に生きて、一生をかけて守り抜いていく人です。
母上、見守っていて下さいね。私は彼女と一緒に国を支えていきます。彼女と幸せになります。』
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