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幕間 ダマガラン王太子のつぶやき
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隣国での留学初日。
せっかく子猫ちゃんを探そうとしていたが彼女は歓迎の舞踏会にはいなかった。
ヴィクセレーネ公爵一家はいるが彼女だけいなかった。
ザイン公爵一家もいない。
俺に会わせたくないってことか。
まあ、あの坊っちゃん、かなり子猫ちゃんを大事にしてるからな。
ザイン公爵家のものには手は出さないからつもりだから、暇つぶしにからかうと面白そうなんだな。
ちなみに彼女はザイン公爵家の坊っちゃんだけでなく、こちらのレオンハルト王太子殿下にもかなり気に入られてるみたいだ。何でそんなに彼女がいいのか知りたいんだけどな。
しかし三日間も舞踏会はつまらない。もう一日でいいよ。
護衛がしっかりついてるからあまり休めないし。女も連れ込めないな。
って実はあまり女は好きじゃない。
おしゃべりでドレスの値段、宝石の価値、地位のことしか頭にないんだ。王太子という地位だけで俺を見る。
単にそこに上辺だけのものが存在する。
必要ない。そんなものは必要ない。
自分の飾りにしか興味のない女なんていらない。
女達に話しかけられるだけで寒気がする。
しかし王太子と言う地位についている限り妃は必要になる。
だからあの子猫ちゃんはよかったんだ。
媚らないし、自分を売り込まない。
王太子と言う自分ではなく、ハイドフランツとしての自分を見てるように感じられた。
更に何だか見ていて楽しそうだし可愛い。
自分が好む人、自分を本当に好きになってくれる人、ただ一人いればいい。
俺はその一人をずっと愛し続けていきたいんだ。
側妃なんていらない。その人を正妃としてずっと隣にいて欲しいだけなんだ。
寄ってくる女の中にもしかして自分の唯一がいるかもしれない。
表情や仕草だけみても中身がわからない人がいるかもしれない。
本当に運命の人なんてすぐにわかるのだろうか?
わからないかもしれない。
だから寄ってきた女を品定めするように抱いてきた。
いまだにそんな人はいない。
どこかに本当にいるんだろうか?
やはりあの子猫ちゃんじゃないのだろうか?
一度ゆっくり話したいな。
「ダマガラン王太子殿下。お話よろしいですか?」
ほら、また来た。
ようやく三日間の舞踏会が終わった。
疲れたな。
今日からは学校へ行くが護衛が教室までついてくる。
堅苦しい。
少し前からシルバーサ王国に動きがある。
何やらいろいろ企んでいるようだ。
留学への道中にも一度襲われた。
シュライン騎士団長が見事な剣さばきで蹴散らしてくれたから大事はなかった。
おかげでどこに行くにも護衛がいる。うんざりだ。
まあ、自国よりマシが。何たって母上が危ないからっ泣きついて離れないんだ。
何か物音がすればすぐに暗殺者が来たから隠れなさいとか、人と会えばあの人はきっとスパイであなたを殺しに来たのよ、とか。疲れてたからな。
1か月だけど羽が伸ばせる。
少し周りを見てみるがやはり子猫ちゃんはいない。
ちなみにあのザインのガキもいない。
少しクラスの奴に聞いてみたら子猫ちゃんは魔科の一年生だった。
ザインの坊ちゃんのガードが硬いからあまり手は出せないらしいが、口を揃えてみんな可愛いと言う。
俺は法科だからこの厳重な警護から抜け出し魔科に行くのは大変そうだ。
しかもようやく手に入れた情報では一週間ほど休みらしい。
幼なじみのザインの坊っちゃんの一家とご旅行らしい。
あいつはそこまでして俺と会わせたくないのかな?
それとも暗にザイン家が動かなければいけない政治的案件が何かあるのか?
まあ一応隣国の事は少しぐらい知っているよ。
ザイン家が王家の闇だってこと更に彼らが赤の魔法を使うことくらい。
後はかつては対になる青の魔法が存在したこと。
このくらいかな?
まあ、来週にはどこかで会えるかな。
会えば少し味見してしまうかもしれないけどね。
だってあの子が、運命の子かもしれないじゃないか。
容姿的にも王妃として俺の隣にたっても引けは取らない。
嫌だな、あまり女は好きじゃないのにあの子は気になる。
よりによって厄介な相手だ。
自分の唯一なんてインスピレーションだ。
会えばわかる。ましてや体を合わせればそれが確実になるはずだ。
しかし奇跡は起きるものだ。
学校が始まって、二日目。
昨日俺は奇跡を見た。そういう女が現れたのだ。
夜の月夜の下に佇む女性。月の光に照らされて輝く髪。
凛と背筋を伸ばし、艶かしく微笑む。
理想の人が目の前にいた。
思わず一歩足が出た。
言葉も交わしてないのに彼女が欲しかった。
手を伸ばせば彼女は私の手の中に入ってきた。
1日で彼女に溺れた。
運命の人だと分かるには一日いや一瞬あれば十分だった。
彼女が僕の運命だ。
レオンハルト王太子殿下、ザイン公爵の坊っちゃんに睨まれなくて良さそうだ。
ひとまず留学が終わった時には連れて帰れるといいな。
彼女と離れて過ごす日なんて考えられないな。
しかし、彼女の支度とか手続きとかもあるから年明けくらいになってしまう。
王太子って身分も面倒くさいな。
しかし逆にそれなりにわがままが通せる。
それまでは護衛のシュライン第二騎士副団長に協力してもらおう。毎日彼女を腕の中にいれていたい。
まあ、彼なら分かってくれるだろう。
おかげで留学中は楽しめそうだ。
せっかく子猫ちゃんを探そうとしていたが彼女は歓迎の舞踏会にはいなかった。
ヴィクセレーネ公爵一家はいるが彼女だけいなかった。
ザイン公爵一家もいない。
俺に会わせたくないってことか。
まあ、あの坊っちゃん、かなり子猫ちゃんを大事にしてるからな。
ザイン公爵家のものには手は出さないからつもりだから、暇つぶしにからかうと面白そうなんだな。
ちなみに彼女はザイン公爵家の坊っちゃんだけでなく、こちらのレオンハルト王太子殿下にもかなり気に入られてるみたいだ。何でそんなに彼女がいいのか知りたいんだけどな。
しかし三日間も舞踏会はつまらない。もう一日でいいよ。
護衛がしっかりついてるからあまり休めないし。女も連れ込めないな。
って実はあまり女は好きじゃない。
おしゃべりでドレスの値段、宝石の価値、地位のことしか頭にないんだ。王太子という地位だけで俺を見る。
単にそこに上辺だけのものが存在する。
必要ない。そんなものは必要ない。
自分の飾りにしか興味のない女なんていらない。
女達に話しかけられるだけで寒気がする。
しかし王太子と言う地位についている限り妃は必要になる。
だからあの子猫ちゃんはよかったんだ。
媚らないし、自分を売り込まない。
王太子と言う自分ではなく、ハイドフランツとしての自分を見てるように感じられた。
更に何だか見ていて楽しそうだし可愛い。
自分が好む人、自分を本当に好きになってくれる人、ただ一人いればいい。
俺はその一人をずっと愛し続けていきたいんだ。
側妃なんていらない。その人を正妃としてずっと隣にいて欲しいだけなんだ。
寄ってくる女の中にもしかして自分の唯一がいるかもしれない。
表情や仕草だけみても中身がわからない人がいるかもしれない。
本当に運命の人なんてすぐにわかるのだろうか?
わからないかもしれない。
だから寄ってきた女を品定めするように抱いてきた。
いまだにそんな人はいない。
どこかに本当にいるんだろうか?
やはりあの子猫ちゃんじゃないのだろうか?
一度ゆっくり話したいな。
「ダマガラン王太子殿下。お話よろしいですか?」
ほら、また来た。
ようやく三日間の舞踏会が終わった。
疲れたな。
今日からは学校へ行くが護衛が教室までついてくる。
堅苦しい。
少し前からシルバーサ王国に動きがある。
何やらいろいろ企んでいるようだ。
留学への道中にも一度襲われた。
シュライン騎士団長が見事な剣さばきで蹴散らしてくれたから大事はなかった。
おかげでどこに行くにも護衛がいる。うんざりだ。
まあ、自国よりマシが。何たって母上が危ないからっ泣きついて離れないんだ。
何か物音がすればすぐに暗殺者が来たから隠れなさいとか、人と会えばあの人はきっとスパイであなたを殺しに来たのよ、とか。疲れてたからな。
1か月だけど羽が伸ばせる。
少し周りを見てみるがやはり子猫ちゃんはいない。
ちなみにあのザインのガキもいない。
少しクラスの奴に聞いてみたら子猫ちゃんは魔科の一年生だった。
ザインの坊ちゃんのガードが硬いからあまり手は出せないらしいが、口を揃えてみんな可愛いと言う。
俺は法科だからこの厳重な警護から抜け出し魔科に行くのは大変そうだ。
しかもようやく手に入れた情報では一週間ほど休みらしい。
幼なじみのザインの坊っちゃんの一家とご旅行らしい。
あいつはそこまでして俺と会わせたくないのかな?
それとも暗にザイン家が動かなければいけない政治的案件が何かあるのか?
まあ一応隣国の事は少しぐらい知っているよ。
ザイン家が王家の闇だってこと更に彼らが赤の魔法を使うことくらい。
後はかつては対になる青の魔法が存在したこと。
このくらいかな?
まあ、来週にはどこかで会えるかな。
会えば少し味見してしまうかもしれないけどね。
だってあの子が、運命の子かもしれないじゃないか。
容姿的にも王妃として俺の隣にたっても引けは取らない。
嫌だな、あまり女は好きじゃないのにあの子は気になる。
よりによって厄介な相手だ。
自分の唯一なんてインスピレーションだ。
会えばわかる。ましてや体を合わせればそれが確実になるはずだ。
しかし奇跡は起きるものだ。
学校が始まって、二日目。
昨日俺は奇跡を見た。そういう女が現れたのだ。
夜の月夜の下に佇む女性。月の光に照らされて輝く髪。
凛と背筋を伸ばし、艶かしく微笑む。
理想の人が目の前にいた。
思わず一歩足が出た。
言葉も交わしてないのに彼女が欲しかった。
手を伸ばせば彼女は私の手の中に入ってきた。
1日で彼女に溺れた。
運命の人だと分かるには一日いや一瞬あれば十分だった。
彼女が僕の運命だ。
レオンハルト王太子殿下、ザイン公爵の坊っちゃんに睨まれなくて良さそうだ。
ひとまず留学が終わった時には連れて帰れるといいな。
彼女と離れて過ごす日なんて考えられないな。
しかし、彼女の支度とか手続きとかもあるから年明けくらいになってしまう。
王太子って身分も面倒くさいな。
しかし逆にそれなりにわがままが通せる。
それまでは護衛のシュライン第二騎士副団長に協力してもらおう。毎日彼女を腕の中にいれていたい。
まあ、彼なら分かってくれるだろう。
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