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小話 レイクルーゼの秘密
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※※※その1 踊り子
王太子殿下がセキュリティを確認しに今日の午後に学校にお見えになるらしい。
忙しい方なので、私が対応するので指示して頂けないかと尋ねたらボガルノ先生に借りた本を返したいとおっしゃったので遠慮なく来ていただくことにした。
で、授業後、生徒会室に来た。
私は生徒会長の机を見るなり引いた。
引きすぎて後ろの棚に背中をぶつけた。
あの机の上にあるのは紛れもなく私が交流会で着ていた踊り子の服!!
なぜ!なぜここにある。
バタン。扉が開いた。ランス会長が入って来たと思ったので思わず大声で叫んだ!
「ランス会長!何であの服が机の上にあるんですか!」
胸ぐらを掴んで訴えて…た…のだが
「すごい出迎えだね。」
「お、お、お、王太子殿下~!!」
すぐに手を離した。
「し、し、失礼しました…あ、あ、予定より早い、ですよね?」
「君でもそんなに取り乱すことがあるんだね。」
いやいや私だって人間だ。あるわ!!
「失礼ですが、何故あの服が会長の机の上にあるのか知っていらっしゃいますか?」
「ああ、私が頼んだからね。」
「はぁ!?あ、いや…いえ。」
大声が出てしまった。
「どうなさるんですか?」
「あ、いや…そうなんだがね。」
何がどうなんだ?
「殿下…が着るんですか?」
「はっ?」
…きっと私達2人の間に黒い鳥がアホーといいながら飛んで行ったことだろう。
その後大笑いされた。かなり笑上戸なんですね。しばらく私は殿下がお腹を抱えて笑いのを頭を斜め下に向け上目遣いで見ていた。
その後その服は私のクローゼットの一番奥にかけられている。一番信頼できるメイド以外知らないはずだ。
ちなみに一緒に置いてあったメイドの服はルーズローツ様にお渡しした。そのメイドの服がルーズローツ様の手元にあるか、シャーリーの手元にあるかは私は知らない。
ルーズローツ様はかなり喜んでいた。
※※※その2 スイートポテト
今日はシャーリーがお菓子をご馳走してくれるということでヴィクセレーネ公爵家にお邪魔した。
相変わらず青系の服を着ている。まあルーズローツ様が青のリボンばかり贈るから仕方ないわね。
ヴィクセレーネ公爵家は昔ながらのおちついた古き良き建物だ。割と落ち着く。しかし私の前にいる人は落ち着きがない。
「すみません!レイクルーゼ様。なかなか竈門の温度が思ったより上がらなくて…」
鼻の上に黒い煤をつけて彼女は笑う。
「ってあなた、自分で料理なさってるの?」
「ええ。」
キョトンとした表情で亜麻色の瞳が瞬きをする。
公爵令嬢自ら作ってるの?今日はどんなお菓子が出てくるの?私生きて帰れる?
と…何これ!
目の前に並べられたのはクレープ??
様々なフルーツに、ふんわり光沢のある生クリーム。
チョコレートソースやフルーツで作られたソースがあるわ。
更にその奥は何?
ガトーショコラ?
スイートポテト?!!
キラキラ輝いている。
スイートポテト大好物です!特に前世の母が作ってくれたものは右に出るものがいません。
私はおそるおそるスイートポテトに手を伸ばした。
震えていたかもしれない。でも…
「レイクルーゼ様?!美味しくないですか?どうかしましたか!」
隣でシャーリーが慌ててる。
美味しくないわけないじゃない。
何でこの味なの。
私のお母さんの味と似てる。
「うまくできないからと近くのお店のパティシエの方に相談したら失敗しないレシピと隠し味を教えてもらったんですが…美味しくないですか?」
隠し味!?そうかそれが一緒なんだ。
「ごめんなさいね。知り合いの味に似ていたの。そっくりだわ。懐かしくて…つい。」
ぽつっ…私の手に涙が落ちて来た。
私はいつのまにか泣いていたようだ。
シャーリーが慌てる訳だわ。
「シャーリー美味しわ。ありがとう。もう一つもらえるかしら?」
彼女はとても嬉しそうに笑った。
隣にすっメイドが来て彼女に声をかけた。
「お嬢様、サリラスク伯爵ご令嬢の方のお使いがお見えになり、お渡ししておきました。それでこちらを置いてかれました。」
「ありがとう。何かしら?」
「あ、レイクルーゼ様すみません。このスイートポテト好評なんですよ。先日もお友達に差し上げたのですが、その方にも喜んでいただけたんです。だからせっかく今日作ったのでその方にもお渡したんです。私の自信作です。お礼にこれもらっちゃいました。ふふふ。」
シャーリーは嬉しそうだ。
彼女は割と世話焼きなのね。
女の私でも惹かれてしまうわ。
可愛いすぎ。
ルーズローツ様の気持ちが分かる。
何だか仲良くなれるかもしれない。
…いや、ぜひ仲良くしたい。
結局スイートポテトはお土産にしてまでもらってきた。
まあ、シャーリーが強くて進めるから…。仕方なく…ね。
明日も食べられる。
しかしよく考えるとおかしい。
まず公爵令嬢自ら料理すること。つぎはスイートポテト。この国には似た物はあるが形とか味が少し違う。形、卵黄を塗るところは前世の世界のものだ。最後は彼女の言葉、近くの店?パティシエ?スイートポテト?
どれも彼女が転生者だと言っているようなものだ。
じゃあルーズローツに情報を提供してるのはシャーリー?
いや、これはない。絶対にない。
ルーズローツに情報を提供してるのは絶対にお姉ちゃんだ。
近くにいるんだ。
しかしシャーリーは転生者みたいだけどどうもゲームは知らないみたい。まあ、もうルーズローツは離してくれないと思うから今更知っても遅いわね。
今日のスイートポテト、お姉ちゃんにも食べさせてあげたいな。
王太子殿下がセキュリティを確認しに今日の午後に学校にお見えになるらしい。
忙しい方なので、私が対応するので指示して頂けないかと尋ねたらボガルノ先生に借りた本を返したいとおっしゃったので遠慮なく来ていただくことにした。
で、授業後、生徒会室に来た。
私は生徒会長の机を見るなり引いた。
引きすぎて後ろの棚に背中をぶつけた。
あの机の上にあるのは紛れもなく私が交流会で着ていた踊り子の服!!
なぜ!なぜここにある。
バタン。扉が開いた。ランス会長が入って来たと思ったので思わず大声で叫んだ!
「ランス会長!何であの服が机の上にあるんですか!」
胸ぐらを掴んで訴えて…た…のだが
「すごい出迎えだね。」
「お、お、お、王太子殿下~!!」
すぐに手を離した。
「し、し、失礼しました…あ、あ、予定より早い、ですよね?」
「君でもそんなに取り乱すことがあるんだね。」
いやいや私だって人間だ。あるわ!!
「失礼ですが、何故あの服が会長の机の上にあるのか知っていらっしゃいますか?」
「ああ、私が頼んだからね。」
「はぁ!?あ、いや…いえ。」
大声が出てしまった。
「どうなさるんですか?」
「あ、いや…そうなんだがね。」
何がどうなんだ?
「殿下…が着るんですか?」
「はっ?」
…きっと私達2人の間に黒い鳥がアホーといいながら飛んで行ったことだろう。
その後大笑いされた。かなり笑上戸なんですね。しばらく私は殿下がお腹を抱えて笑いのを頭を斜め下に向け上目遣いで見ていた。
その後その服は私のクローゼットの一番奥にかけられている。一番信頼できるメイド以外知らないはずだ。
ちなみに一緒に置いてあったメイドの服はルーズローツ様にお渡しした。そのメイドの服がルーズローツ様の手元にあるか、シャーリーの手元にあるかは私は知らない。
ルーズローツ様はかなり喜んでいた。
※※※その2 スイートポテト
今日はシャーリーがお菓子をご馳走してくれるということでヴィクセレーネ公爵家にお邪魔した。
相変わらず青系の服を着ている。まあルーズローツ様が青のリボンばかり贈るから仕方ないわね。
ヴィクセレーネ公爵家は昔ながらのおちついた古き良き建物だ。割と落ち着く。しかし私の前にいる人は落ち着きがない。
「すみません!レイクルーゼ様。なかなか竈門の温度が思ったより上がらなくて…」
鼻の上に黒い煤をつけて彼女は笑う。
「ってあなた、自分で料理なさってるの?」
「ええ。」
キョトンとした表情で亜麻色の瞳が瞬きをする。
公爵令嬢自ら作ってるの?今日はどんなお菓子が出てくるの?私生きて帰れる?
と…何これ!
目の前に並べられたのはクレープ??
様々なフルーツに、ふんわり光沢のある生クリーム。
チョコレートソースやフルーツで作られたソースがあるわ。
更にその奥は何?
ガトーショコラ?
スイートポテト?!!
キラキラ輝いている。
スイートポテト大好物です!特に前世の母が作ってくれたものは右に出るものがいません。
私はおそるおそるスイートポテトに手を伸ばした。
震えていたかもしれない。でも…
「レイクルーゼ様?!美味しくないですか?どうかしましたか!」
隣でシャーリーが慌ててる。
美味しくないわけないじゃない。
何でこの味なの。
私のお母さんの味と似てる。
「うまくできないからと近くのお店のパティシエの方に相談したら失敗しないレシピと隠し味を教えてもらったんですが…美味しくないですか?」
隠し味!?そうかそれが一緒なんだ。
「ごめんなさいね。知り合いの味に似ていたの。そっくりだわ。懐かしくて…つい。」
ぽつっ…私の手に涙が落ちて来た。
私はいつのまにか泣いていたようだ。
シャーリーが慌てる訳だわ。
「シャーリー美味しわ。ありがとう。もう一つもらえるかしら?」
彼女はとても嬉しそうに笑った。
隣にすっメイドが来て彼女に声をかけた。
「お嬢様、サリラスク伯爵ご令嬢の方のお使いがお見えになり、お渡ししておきました。それでこちらを置いてかれました。」
「ありがとう。何かしら?」
「あ、レイクルーゼ様すみません。このスイートポテト好評なんですよ。先日もお友達に差し上げたのですが、その方にも喜んでいただけたんです。だからせっかく今日作ったのでその方にもお渡したんです。私の自信作です。お礼にこれもらっちゃいました。ふふふ。」
シャーリーは嬉しそうだ。
彼女は割と世話焼きなのね。
女の私でも惹かれてしまうわ。
可愛いすぎ。
ルーズローツ様の気持ちが分かる。
何だか仲良くなれるかもしれない。
…いや、ぜひ仲良くしたい。
結局スイートポテトはお土産にしてまでもらってきた。
まあ、シャーリーが強くて進めるから…。仕方なく…ね。
明日も食べられる。
しかしよく考えるとおかしい。
まず公爵令嬢自ら料理すること。つぎはスイートポテト。この国には似た物はあるが形とか味が少し違う。形、卵黄を塗るところは前世の世界のものだ。最後は彼女の言葉、近くの店?パティシエ?スイートポテト?
どれも彼女が転生者だと言っているようなものだ。
じゃあルーズローツに情報を提供してるのはシャーリー?
いや、これはない。絶対にない。
ルーズローツに情報を提供してるのは絶対にお姉ちゃんだ。
近くにいるんだ。
しかしシャーリーは転生者みたいだけどどうもゲームは知らないみたい。まあ、もうルーズローツは離してくれないと思うから今更知っても遅いわね。
今日のスイートポテト、お姉ちゃんにも食べさせてあげたいな。
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