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その16 広場にて ルース視点

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何やら騒がしい。
何かあったのか?

シャーリー、何処だ。急いで探さないと。
武科の方だ。
みんなが走って逃げてくる。
何があった。シャーリーは!

たまたまその中に法科のクラスメイトがいた。
「イーサン!どうしたんだ。何があった?」
「ルース!君も逃げた方がいいよ。一角ウサギだ。一角ウサギが興奮して暴れているんだ。何か魔科の人達が襲われる。」

シャーリー!そこだ!君はそこにいる。

「イーサン!先生と生徒会に報告しにいってくれ!」

武科に走って行くが逃げてくる人が多くて進めない。
どうしたらいい?きっとシャーリーが襲われている。
彼女はヒロインだ。
絶対に何かある。

ディランが一緒のはずだ。彼は一応魔科の中では優等生。
何とかしてくれてるはず。
でも武科まで行けない。
どうする。僕が行くまでもっていてくれ!

しかし何故一角ウサギが学校にいるんだ。それも興奮した状態で…。
今日は交流会だから門は常に開いている。
しかしおかしい。
紛れ込んだらわかるはずだ。
武科か…何かあるな。

ようやく武科の広場に辿り着いた。
シャーリー達が噴水を背に追い込まれていた。
ディランとアレクシスが前で立つ。
その後ろにシャーリーがいる。ライアネスがシャーリーを守るよう彼女の隣に立っていた。

そんな状況だが僕は見てしまった。
集中しなきゃいけないのに見てしまったのだ。

シャーリー、可愛すぎだろ。
メイド姿が似合いすぎだ。
あ、いや、今はそんなことを考えるん…ん?シャーリー!スカートが短い!
だめだ屈まないで!
あ、だめだよ。みんな見てるから!
その可愛い姿は僕しか見てはだめだ。

あ、それは後でじっくり見よう。
とにかく助けにいかないと。

「きゃっ。」
シャーリー達とは違うところで声がした。ん?
何だあいつか。
人に押されたのか?
シャーリーがその声に気づいたみたいで、彼女の方を心配そうに見ている。
いやいや、シャーリー、今は自分の心配をしよう。
しかし僕は一瞬あいつが笑ったのをみた。
背筋がぞくっとした。
その一瞬でわかった。
そうだ、これは仕組まれたことだ。
シャーリーを狙っている。
もう容赦しないよ。
今はシャーリーを助けるのが優先だけどちょっとやり過ぎだよ。

シャーリーが突然叫んだ。

「眠りの魔法!」

シャーリー、さすが僕の愛しい婚約者。

正解!

興奮した一角ウサギをおさめるにはとにかく眠らせる。
ディラン…君はまだ使えないのか?
まあシャーリーをはじめ他の人はまだ無理だね。
ザイン家では一番初めに教えられるんだよ。だから僕が初めに覚えた魔法は眠りの魔法。一番得意な魔法なんだ。

一角ウサギの体当たりがディランの魔法の壁を破る。

「シャーリー!」

魔法を唱えながら走り出す。
シャーリーはしゃがんで背を向けた。
かすかに彼女の声が聞こえた。

「ルース…」

こんな時に僕の名前を呼んでくれるなんて幸せだな。
やっぱりシャーリーは僕が側にいてあげないといけないね。

間に合った。一角ウサギはディランに体当たりする前に眠った。

「怖かった…怖かったんだから。」

泣きながらシャーリーが抱きついてきた。よかった。

しかし…シャーリー。
僕にはちょっと精神的にキツイんだけど。スカートが少し捲れてしまって足が…足が丸見えなんだけど…。
スカート短すぎるだろ。
慌てて隠そうとするが短すぎだ。

すると、シャーリーはあいつのことを心配した。
僕の婚約者はなんて優しいんだ。
今度から愛しくて優しい婚約者と言うことにしよう。

しかし立って歩き出そうとしたらクンっと袖を引っ張られた。
シャーリーが服の袖を引っ張っていた。

「シャーリー??」
シャーリー自身もなんかびっくりしていたみたいだ。
服から手を離して
「ごめんなさい…」
と言われた。再度行こうとしたがまた引っ張られた。
「シャーリー、離してくれないといけないよ。」
「あ…っ…」
どうも無意識なようだ。
僕は良い方に考えるよ。
きっと僕を行かしたくないんだね。
君も怖い思いをしたんだ僕に付いていて欲しいんだ。
大丈夫。心配しないで。
僕は君のものだから君が望むなら側にいてあげるよ。

やっぱり君は僕のことが大好きなんだ。
顔がほころんでしまう。

だから早く気づいて自分の気持ちに。早く僕と一緒のところに堕ちてきて。

シャーリーを抱き上げた。
しまった!スカートがズレ上がってしまった。
シャーリーが真っ赤になって怒るから一旦下ろして上着をかけてあげた。

医務室に行って落ち着いたらじっくりみせてね。

似合いすぎ。
この服もらえないかな?
たまには着てもらおう。

魔科2年、グッジョブ!!
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