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その11 図書館にて

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ただいま絶賛勉強中!来週からテストです。
この前休んだ分が痛い。
前世大学時代から30年・・・テストなんて縁がなかったから甘かった。
割と地道に勉強をする方だったが久しぶりだとなかなかコツが戻ってこない。 だってチェックシートとか無いし・・・。
夜も灯りがあまり明るくないから勉強する気になれない。
ふらふらっとベッドに吸い寄せられていく。で、一夜漬けならぬ三日漬けです!
更に以前はバリバリ理系の頭でわけのわからない歴史とか経済とか覚えろとか!全然わからない!!!!!

「ルース!わからない!!!無理。」
「は?前世は頭良かったのよって自慢してなかった?」
「無理なのは無理なの。記憶教科は苦手なの。どこが大事なのかどこを覚えればいいのかわからない。もう教科書丸暗記?時間無い!」

「あら仲のよろしいこと。」
「レイクルーゼ様!」
「お勉強されることは良いことですがここは図書館ですよ。もう少し静かにしていただかないと他の方に迷惑ですわ。」
「申し訳ありません。」
レイクルーゼ様は私の二つ上なのでこの学校の最上級生だ。
やはり政科だ。
あのお茶会から会えば声をかけてくれるようになった。
「これではルーズローツ様も勉強が出来ないでしょう?」
「あ、いえ。僕はもう試験範囲は終わっていますので大丈夫です。」
「それならいいのですが。あら?シャーリー?闇雲に覚えても駄目よ。そうね、私が重要なところに線を引いて差し上げますのでそこを中心に流れを整理なさってください。」
「ありがとうございます。」
神様!女神様!天使様!レイクルーゼ様!!!!!

「魔科の専科はどうなさるの?」
そうなんだ・・・そっちも困っている。いくら少し魔力があるといっても本当にお情け程度だ。

「・・・魔法学と精製学はなんとかなりそうですが・・・」
「まあ。そちらもお困りのようですね。
実技はコツですので一度感じてしまえば大丈夫のはずです。
しかし魔科を選択なさっているので少しは魔力に自信があるのですよね?」

隣でルースが首を振る。こいつ!

「・・そうですが・・・。私が教えて差し上げれればいいのですが、
そういえば同じクラスに魔導士騎士団ミストローガ侯爵のご子息がいらっしゃいましたよね。
彼はお父上様同様すばらしい魔法使いです。彼に教えていただければよろしいかと思います。」
「そうですね。明日お願いしてみます!」
「シャーリー!僕が教えるから!!任せて。レイクルーゼ様、ご提案ありがとうございます、が、魔科の実技なら僕で十分ですのでご心配なく。」
「しかしルーズローツ様はあまり人にお教えされるのがお上手ではないようですね。」
「そうよルース!あなたも自分の勉強しなきゃ。」
「あ、僕はもう完璧だから大丈夫。気にしないで。この教科終わったら実技も見てあげるよ。」

『他の男と話すのはダメなん?心狭っつ。ルーズローツ溺愛すぎっ!本当にこのルートなんやね。』

「ん??レイクルーゼ嬢?何かおっしゃいましたか?」
「あ、いいえ。何も言っておりません。さあシャーリー、教科書を見せて。その間あなたはこの問題を解いていて。」

ちらりとレイクルーゼ様が私の教科書に線を引くのを見る。結構頭に入ってくる!おかげでなんとかなりそうだ。やはりルースはあまり教え方がうまくないのね。

「あらシャーリー様こんなところにいらっしゃったんですね。」
今度はデェリス様が声をかけてきた。
「ちょうどよかったわ。ボガルノ先生に配布物があるとのことで部屋に来てほしいといわれたのです。どうしましょうか?せっかくお会いできたので一緒に今から行きますか?」
「デェリス様。そうですね。行きたいのですが、せっかく皆さんが勉強を教えてくださっているので・・・」
「大丈夫よ。線を引き終わるのにもう少しかかるので取りにいかれたら?」
「僕も自分のことやってるからいいよ。」
「それでは少し席を外しますね。失礼します。」
二人の好意に甘えてわたしはボガルノ先生のところに行くくとにした。

「ねえシャーリー様?先ほどの方はレイクルーゼ=アインシュバッツ侯爵令嬢様かしら?」
「あら、ご存知でしたか?レイクルーゼ様はお綺麗ですのやはり有名人ですよね!」
「そうですね・・・。」
なぜかデェリス様は振り返ってレイクルーゼ様の座っている方向を見ていた。

「あっ、ヴィクセレーネ様こんにちは。」
今度は廊下でルピアさんとすれ違った。今日はよく人と会う日だ。
「ルピアさんごきげんよう。あなたもボガルノ先生に頼まれたの?」
「はい。明日配布するプリントをいただいてきました。」
「あら、やっぱり。先生今日も配布し忘れたのね。私たちも今いくところなの。
本当に政経の教科委員は大変ね。 来期はやめた方がいいわね。呼び止めてごめんなさいね。それではあなたもテスト頑張ってね。」
「ありがとうございます。ヴィクセレーネ様。失礼いたいます。」
ルピアさんの後ろ姿を見送った。隣からデェリス様が声をかけてくた。
「あの方は先日もお会いした方ですよね?ルピアさまとおっしゃいましたか?」
「そうよ。どうかした?」
「いえ、少し先日見かけたのですが・・・あ、いえ、私の気にしすぎですね。シャーリー様、さあ急ぎましょうか。」
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