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本編

★Another end 001・蛇と共に★②

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「う……♡うぅ……♡」


白狐は目の前に突き出された蛇紅の





★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


蛇紅「……」(指でバッテン)

白狐くん「フッー!!(怒り)」


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★




白狐は脳を蕩けさせながら、卑猥な光景を見続けていた。


「私が妊娠するまで……毎日たくさんしましょうねぇ……♡」


蛇紅は妖艶な笑みを浮かべ、白狐の頬を優しく撫でた。

妊娠……そうだ、孕ませなきゃ……
メスを孕ませるのが自分の使命なんだから……

白狐の脳裏に無意識のうちにそんな考えが浮かび、理性は溶けて無くなっていった……



―――――――――



龍ヶ峰地方、蔡藤家当主・蔡藤道蛇の居城……稲穂山城。
その城の廊下で、一人の半化生が慌ただしく走っていた。蛇の下半身を持ち、黄色い髪を揺らしている。


「はぁー!忙し忙し!まったく、なんでこんなに仕事が多いのぉ~!」


彼女はぶつくさと文句を言いながら書類の束を運んでいく。
子供のような背丈ではあるが、キビキビと働くその姿は見た目よりもずっと年上だ。


「も~!!それもこれも紅ちゃんがちっとも姿を見せないからだよぉ!!」


そう言って、彼女……蛇黄は怒りの声を上げる。しかし、その声はどこか寂しげであった。


「すぐ帰ってくるって言ってたのに……うぅ……」


蛇紅は涙目になりながらも、気を取り直して歩き続ける。蛇の尾がぴょこぴょこと揺れ、それに合わせて彼女の髪も跳ねていた。


「早く帰ってこないと、私の仕事が終わらなくて大変なんだからねぇ!はぁ……ぐすん」


そう言って立ち止まり、俯いて泣き始める蛇黄。だがすぐに顔を上げ、キッと前を見る。


「でも、紅ちゃんが帰ってくるまで私が頑張らないと!うん、頑張るぞ~!」


蛇黄は再び走り始め、目的地へと向かう。だが、その途中で蛇の胴体が絡み、転んでしまった。


「ふぎゃ!?」


勢いよく地面に叩きつけられ、ゴロンゴロンと転がっていく蛇黄。しばらくすると仰向けになって止まった。


「う……うぅ……」


全身を襲う痛みに顔を歪め、起き上がることが出来ない。
仰向けに倒れる彼女だが、そんな彼女の前に一人の人影……いや、蛇影が現れる。


「姉さん……大丈夫……?」

「あ、雪ちゃん!」


白い……雪のような白銀の髪をした少女が、蛇黄の前に立つ。
蛇黄と同じく蛇の下半身を持つ彼女は、無表情で小さな蛇の少女を見下ろしていた。


「うわぁん!痛かったよぉ……助けてぇ~」


蛇黄はわんわんと泣きながら彼女に抱きつく。
雪と呼ばれたは蛇の少女は彼女を抱き寄せ頭を撫でると、蛇黄は少し落ち着きを取り戻した。


「黄姉さん……どうしたの……?そんなに……慌てて……」

「どうもこうもないよぉ!紅ちゃんがいないから忙しくて大変だったんだよぉ!」

「紅姉さん……?あぁ……」


白蛇の少女は首を傾げ、蛇黄の方を見た。


「全く、何時帰ってくるのやら!帰ってきたらお仕置きだからね!」

「黄姉さん……知らないの……?」

「え?なにが?」

「紅姉さん、産休で暫く休むって言ってたよ……?」


……………

…………

………

……





「は?」


蛇黄の間抜けな声と共に、手に持っていた書類が床へと散らばった。



―――――――――



一体どれくらいの時が過ぎただろうか。
既にここに来る前の記憶は薄れ、遥か遠い過去となってしまった。
それくらい時が進み、そして今、白狐が在るのはこの淫れた世界。淫欲と快楽に支配された魔境である。


「パパァ……♡」

「お父様……♡」


目の前には二人の美少女がいる。どちらも可愛らしく、愛おしい我が娘だ。
自分と違うのは二人共が蛇の尾を持つ半化生であり、母方の血を濃く受け継いでいるということ。
二人は瞳にハートマークをうかべながら、白狐に抱き着いていた。


「今日もパパの





★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


謎の蛇娘達「ざぁこ♡パパの意気地なし♡♡」(指でバッテン)

白狐くん「フッー!!♡(わからせ準備中)」


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★




―――もう、この幸せが壊れる事は無いだろう。

永遠に続くであろう愛の巣の中で、白狐は心の底からそう思った。
部屋の隅で、翠色に輝く綺麗な勾玉が光ったような気がした。



―――――――――



蛇紅に拐われた白狐はその後何百年にもわたり毎日イチャラブセックスをして幸せに暮らし、沢山のエッチな子供と孫と曾孫に囲まれて交尾三昧の日々を送り天寿を全うした。

かつて稲穂山城があった場所にはキツネとヘビを模した墓石が寄り添うように建てられており、今では子宝の神様として祀られているという……


★Another end 001・蛇と共に★



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


おまけ

あったかもしれない夫婦の会話

蛇紅「そう言えばアナタ、やけにエッチな事に手慣れてるみたいだけど経験あったの?」

白狐くん「えっと……僕……小さい頃からママとエッチな事を何百回もして育ったから……他にも色んな人ともしたからセックスの回数は千を軽く超えてるかなぁ」

蛇紅「えっ……(脳破壊)」







登場人物紹介に【蛇雪】【蛇狐魅】【蛇狐恵】が追加されました。
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