石ころ転生～目指すは人間としてのんびり生活！～

秘境-妖精の森-

08.新たな命

さて、新たな体を作り上げ大変満足していた俺だか、今、非常に戸惑っている。

何故かって？

その答えは、俺の目の前の土に魔力を混ぜることによる植物の育成の実験の結果にあった。


まず、何もしなかった土は予想通り何も変化をしなかった。
次に、魔力を混ぜた土(タネ無し)と同化した土(タネ無し)はこの前と同じように青々と草が生い茂っている。まぁ、これも予想の範囲内と言えるだろう。

問題は最後の２つだ。
魔力を混ぜた土(タネ有り)と同化した土(タネ有り)である。
まず、魔力を混ぜた土(タネ有り)には緑から青のグラデーションの花の蕾が。
同化した土(タネ有り)には緑から黄色のグラデーションの花の蕾が生えていた。

何が問題なのかって思っただろう？…いや、既におかしいと思うけどね。だって、何もしなかった土に何も起きなかったように、実験を始めてからまだ1日くらいしか経ってないんだからさ。


まぁ、それは置いておいて、俺が何に驚いているかというと、その大きさだ。
俺の現在の体は約30センチ、そしてその花の蕾の大きさは俺の体のだいたい3分の2程。
そう、約20センチもあるのだ。

デカくないか…？
俺が小さいからそう感じるだけか…？
まぁ、ここは魔法の世界。魔法関係の意味のわからないことは後回しだ。


結果として、俺の魔力には植物の育成を促す効果があることが伺われる。
実際、魔力を注いだ４つの土には、もう魔力は感じられない。植物が成長する際に使ってしまったのだろう。
まぁ、成長過程は体作りに熱中しすぎて全く見てなかったけどな。


ていうか、この大きな蕾…また魔力を注げばまだ成長するのか？

気になる…やってしまえ！


俺は両方の土に魔力を注ぐ。
蕾は大きさこそ変化しないものの、だんだんと硬く色づき開花の準備をしているようだ。

思ったよりも魔力を取られる。十分に回復させてから挑んだのだが、開花のする頃にはかなり減っているだろう。

しかたない。1度休憩にするか。魔力回復しないとな。

俺は体をぐるぐると回しながら凝りをほぐしていく。土だから凝りとかないけど。ほら、気分だよ気分！ちょっと仕事頑張った！みたいな感じになるだろ！？


まぁ、ふざけるのもここら辺にしておいて、魔力注ぎ作業を再開しますか！


再び魔力を注ぐと、今度は蕾が薄っすらと光始める。
俺がその光に目を奪われていた瞬間に、一気に魔力を搾り取られた。


やばい！俺はすぐに手を離す。

今ものすごく魔力減ったぞ。危ねぇ、あと少しで強制スリープだったぜ…


俺の魔力を一気に搾り取って行きやがった蕾は、それぞれの色の光に明滅しながら硬く閉じていた蕾をゆっくりと開いていく。
眩しくてどんな花か見えない。
が、蕾は開ききったのだろうかだんだんと光は小さくなっていく。

そして光が消えた。







そこには2人の小さな人形がいた。