15 / 29
第一章-すれ違い-
-part13-指切りげんまん
しおりを挟む
「ねぇ。どうして、フード深く被ってたの?」
「特に理由はない。なんとなくフードを被っていただけで」
「へー。偶々、制服の上にパーカー羽織ってフードを深く被ってたんだ」
奈菜は、どうしてフードを深く被っていたのかをしつこく質問してきた。
「もしかして・・・」
「・・・・」
「謎の組織に命を狙われていて。顔がバレないようにしてるとか」
「あるわけないだろ。そんあ事。てか、奈菜は昔からそういうの好きだよな。確か。幼稚園の頃、将来なりたい夢は、美人スパイだったけ?」
俺が昔話をすると、奈菜は耳まで真っ赤にして、両手で叩いてきた。
「や~め~て~。私の永遠に忘れておきたい黒歴史を話さないでぇ!!!!」
「なんだっけなー。決め台詞。『私がいる限り―』」
「ねぇ。本当にやめて。分かった。もう聞かないからさぁ」
・・・奈菜が少し泣きそになっている。
ちょっと、からかい過ぎた。
「ごめん。あまりにも面白かったから。つい」
「ひどいよ。紘一はさ。偶に人の事を弄ぶ時があるよね」
「そんなことは・・・」
「もういい。許してあげる。私は心が広いからさ。その代わり、今週の土曜日。暇?」
許された。・・・心が広い人なら、代わりの見返りなんて求めないじゃないか?
「土曜日なにかあるのか?」
「え・・・」
奈菜が、驚いた顔をする。
「なんで、驚いてるんだ?」
「いや。断られると思ってたから。紘一って、二年生になってから、休日誘っても、何かしらの理由をつけて断るじゃん」
「うん。理由を聞いてから、断るつもりだった」
「断るのぉぉ!!」
今週の土曜日は、中村のすれ違い実行があるからな。
当然、その予定を話す正直に話すことは出来ないから、用事があるだとだけ、美穂に伝えた。
「期待させておいてぇぇ!!」
「・・・でも、日曜日なら空いてるぞ」
「へぇ?本当に?」
さっきまで、涙目を浮かべていたのに、次は笑顔でこっちの様子をうかがっている。
「あぁ。今のところは予定はないから」
「それじゃあ。場所と時間はまた明日いうからさ。絶対に。絶対に日曜日予定入れたら駄目だよ。・・・ほら、小指出して」
俺たちの他にも通行人がちらほらといた。
流石に知らない人が見ているかもしれないここで。と、少しばかり抵抗していると。奈菜が俺の右手を手に取り、小指と小指を交じ合わせて歌う。
「指切りげんまん。嘘ついたら、針千本、飲ーます。指切った!」
歌い終えると、奈菜はすぐに手を離して、自分の後ろに隠すようにした。
そんなに、俺と指切りしてるのを他人に見られるのが恥ずかしかったのか。
・・・すぐに手を離されて、ちょっぴり名残惜しいさを感じていた。
「特に理由はない。なんとなくフードを被っていただけで」
「へー。偶々、制服の上にパーカー羽織ってフードを深く被ってたんだ」
奈菜は、どうしてフードを深く被っていたのかをしつこく質問してきた。
「もしかして・・・」
「・・・・」
「謎の組織に命を狙われていて。顔がバレないようにしてるとか」
「あるわけないだろ。そんあ事。てか、奈菜は昔からそういうの好きだよな。確か。幼稚園の頃、将来なりたい夢は、美人スパイだったけ?」
俺が昔話をすると、奈菜は耳まで真っ赤にして、両手で叩いてきた。
「や~め~て~。私の永遠に忘れておきたい黒歴史を話さないでぇ!!!!」
「なんだっけなー。決め台詞。『私がいる限り―』」
「ねぇ。本当にやめて。分かった。もう聞かないからさぁ」
・・・奈菜が少し泣きそになっている。
ちょっと、からかい過ぎた。
「ごめん。あまりにも面白かったから。つい」
「ひどいよ。紘一はさ。偶に人の事を弄ぶ時があるよね」
「そんなことは・・・」
「もういい。許してあげる。私は心が広いからさ。その代わり、今週の土曜日。暇?」
許された。・・・心が広い人なら、代わりの見返りなんて求めないじゃないか?
「土曜日なにかあるのか?」
「え・・・」
奈菜が、驚いた顔をする。
「なんで、驚いてるんだ?」
「いや。断られると思ってたから。紘一って、二年生になってから、休日誘っても、何かしらの理由をつけて断るじゃん」
「うん。理由を聞いてから、断るつもりだった」
「断るのぉぉ!!」
今週の土曜日は、中村のすれ違い実行があるからな。
当然、その予定を話す正直に話すことは出来ないから、用事があるだとだけ、美穂に伝えた。
「期待させておいてぇぇ!!」
「・・・でも、日曜日なら空いてるぞ」
「へぇ?本当に?」
さっきまで、涙目を浮かべていたのに、次は笑顔でこっちの様子をうかがっている。
「あぁ。今のところは予定はないから」
「それじゃあ。場所と時間はまた明日いうからさ。絶対に。絶対に日曜日予定入れたら駄目だよ。・・・ほら、小指出して」
俺たちの他にも通行人がちらほらといた。
流石に知らない人が見ているかもしれないここで。と、少しばかり抵抗していると。奈菜が俺の右手を手に取り、小指と小指を交じ合わせて歌う。
「指切りげんまん。嘘ついたら、針千本、飲ーます。指切った!」
歌い終えると、奈菜はすぐに手を離して、自分の後ろに隠すようにした。
そんなに、俺と指切りしてるのを他人に見られるのが恥ずかしかったのか。
・・・すぐに手を離されて、ちょっぴり名残惜しいさを感じていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
【完結】婚約者を寝取られた公爵令嬢は今更謝っても遅い、と背を向ける
高瀬船
恋愛
公爵令嬢、エレフィナ・ハフディアーノは目の前で自分の婚約者であり、この国の第二王子であるコンラット・フォン・イビルシスと、伯爵令嬢であるラビナ・ビビットが熱く口付け合っているその場面を見てしまった。
幼少時に婚約を結んだこの国の第二王子と公爵令嬢のエレフィナは昔から反りが合わない。
愛も情もないその関係に辟易としていたが、国のために彼に嫁ごう、国のため彼を支えて行こうと思っていたが、学園に入ってから3年目。
ラビナ・ビビットに全てを奪われる。
※初回から婚約者が他の令嬢と体の関係を持っています、ご注意下さい。
コメントにてご指摘ありがとうございます!あらすじの「婚約」が「婚姻」になっておりました…!編集し直させて頂いております。
誤字脱字報告もありがとうございます!
比べないでください
わらびもち
恋愛
「ビクトリアはこうだった」
「ビクトリアならそんなことは言わない」
前の婚約者、ビクトリア様と比べて私のことを否定する王太子殿下。
もう、うんざりです。
そんなにビクトリア様がいいなら私と婚約解消なさってください――――……
【完結】本当の悪役令嬢とは
仲村 嘉高
恋愛
転生者である『ヒロイン』は知らなかった。
甘やかされて育った第二王子は気付かなかった。
『ヒロイン』である男爵令嬢のとりまきで、第二王子の側近でもある騎士団長子息も、魔法師協会会長の孫も、大商会の跡取りも、伯爵令息も
公爵家の本気というものを。
※HOT最高1位!ありがとうございます!
あなたが「消えてくれたらいいのに」と言ったから
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
「消えてくれたらいいのに」
結婚式を終えたばかりの新郎の呟きに妻となった王女は……
短いお話です。
新郎→のち王女に視点を変えての数話予定。
4/16 一話目訂正しました。『一人娘』→『第一王女』
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
婚約していないのに婚約破棄された私のその後
狭山ひびき@バカふり160万部突破
恋愛
「アドリエンヌ・カントルーブ伯爵令嬢! 突然ですまないが、婚約を解消していただきたい! 何故なら俺は……男が好きなんだぁああああああ‼」
ルヴェシウス侯爵家のパーティーで、アドリーヌ・カンブリーヴ伯爵令嬢は、突然別人の名前で婚約破棄を宣言され、とんでもないカミングアウトをされた。
勘違いで婚約破棄を宣言してきたのは、ルヴェシウス侯爵家の嫡男フェヴァン。
そのあと、フェヴァンとルヴェシウス侯爵夫妻から丁重に詫びを受けてその日は家に帰ったものの、どうやら、パーティーでの婚約破棄騒動は瞬く間に社交界の噂になってしまったらしい。
一夜明けて、アドリーヌには「男に負けた伯爵令嬢」というとんでもない異名がくっついていた。
頭を抱えるものの、平平凡凡な伯爵家の次女に良縁が来るはずもなく……。
このままだったら嫁かず後家か修道女か、はたまた年の離れた男寡の後妻に収まるのが関の山だろうと諦めていたので、噂が鎮まるまで領地でのんびりと暮らそうかと荷物をまとめていたら、数日後、婚約破棄宣言をしてくれた元凶フェヴァンがやった来た。
そして「結婚してください」とプロポーズ。どうやら彼は、アドリーヌにおかしな噂が経ってしまったことへの責任を感じており、本当の婚約者との婚約破棄がまとまった直後にアドリーヌの元にやって来たらしい。
「わたし、責任と結婚はしません」
アドリーヌはきっぱりと断るも、フェヴァンは諦めてくれなくて……。
誤解されて1年間妻と会うことを禁止された。
しゃーりん
恋愛
3か月前、ようやく愛する人アイリーンと結婚できたジョルジュ。
幸せ真っただ中だったが、ある理由により友人に唆されて高級娼館に行くことになる。
その現場を妻アイリーンに見られていることを知らずに。
実家に帰ったまま戻ってこない妻を迎えに行くと、会わせてもらえない。
やがて、娼館に行ったことがアイリーンにバレていることを知った。
妻の家族には娼館に行った経緯と理由を纏めてこいと言われ、それを見てアイリーンがどう判断するかは1年後に決まると言われた。つまり1年間会えないということ。
絶望しながらも思い出しながら経緯を書き記すと疑問点が浮かぶ。
なんでこんなことになったのかと原因を調べていくうちに自分たち夫婦に対する嫌がらせと離婚させることが目的だったとわかるお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる