身代わり悪役令嬢は、フラグを圧し折れない。~だって、本職「侍女」ですからっ!!

 「ねえ、リュリ。アナタ、協力してくれるわよね」
 ローゼリィお嬢さまの一言で始まった、とんでもないお願い。
 お嬢さまは、あたしたちのいるこの世界とは別の所、異世界からの転生者で、今いるこの世界は、「ゲーム」のなかなのだと言う。そしてお嬢さまは、「悪役令嬢」。主役の女の子をイジメて、婚約破棄、断罪、下手すりゃ処刑という、最悪な未来の待つお立場なのだ。
 ――げぇむ?
 ――てんせい?
 ――あくやくれいじょう?
 なんのことやらサッパリわかりませんが、とにかく、あたし、リュリはお嬢さまのためにガンバリマスッ!! 最悪な未来を回避するために、なんだってお手伝いいたしますともっ!!
 ……って、え!?ええっ!?
 お手伝いって、まさか、お嬢さまの身代わりに学園に通うことなんですかっ!?
 いや、それは、ちょっとさすがに。
 しかも、そこにはお嬢さまを破滅させる未来を引き寄せてしまう、「攻略対象者」の皆さまもいらっしゃるのっ!? それも七人っ!! 
 うえええっ!! あたし、バレずにお嬢さまのフリ、出来るんでしょうかっ!!
 ええいっ、こうなったら、女は度胸よ、根性よ。やってやろうじゃない……の、って。やっぱり無理です、お嬢さまぁ!!
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