このたび、あこがれ騎士さまの妻になりました。

 「リリー。アナタ、結婚なさい」

 それは、ある日突然、おつかえする王妃さまからくだされた命令。
 まるで、「そこの髪飾りと取って」とか、「窓を開けてちょうだい」みたいなノリで発せられた。
 お相手は、王妃さまのかつての乳兄弟で護衛騎士、エディル・ロードリックさま。
 わたしのあこがれの騎士さま。
 だけど、ちょっと待って!! 結婚だなんて、いくらなんでもそれはイキナリすぎるっ!!

 「アナタたちならお似合いだと思うんだけど?」

 そう思うのは、王妃さまだけですよ、絶対。

 「試しに、二人で暮らしなさい。これは命令です」

 なーんて、王妃さまの命令で、エディルさまの妻(仮)になったわたし。
 あこがれの騎士さまと一つ屋根の下だなんてっ!!
 わたし、どうなっちゃうのっ!? 妻(仮)ライフ、ドキドキしすぎで心臓がもたないっ!!
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