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11.夢見る円舞曲
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「やはり、該当する令嬢はいらっしゃいませんでした」
「そうか。ご苦労」
都にある自分の屋敷。その一角にある書斎にはいってすぐ報告を受ける。
特に落胆するでもなく、執事のブレアムから受け取った書類を眺める。
「レディ・シャーロット・ローレンスの交友調査録」
―― 大伯母上の交友関係について調べておいて欲しい。
家に残っていたブレアムに頼んでおいた仕事だ。
あの令嬢を捜すなら、大伯母上と親交のある家を調べていったほうが早い。その昔、仕事上の付き合いのあった家から、気の合う友だち程度の家まで。そのなかで、十六、七歳から二十歳程度の女性のいる家を探ってもらったのだが。
(収穫なし……か)
仕事で都に帰るたびに、ブレアムから調査報告をもらっているが、あまりいい答えは返ってこない。
大伯母上の、いやその伴侶だった亡き大伯父上の交友関係を探ってみても、彼女に行きあたる報告は出てこない。
(いや……)
妙齢の令嬢というだけなら、いくつか名前は上がっている。
レディ・キャロライナ、レディ・ミランダ、レディ・ジェシカ……。
すべて僕が出会ったこともある、どこにでもいるような令嬢ばかりだった。
(これはやはり、大伯母上に紹介してもらえるのを待つしかないのか)
そう長いこと都を離れていることに、父上はいい顔をしないだろう。
しかし、大伯母上伝手でしか彼女に会えないのだとしたら、父にはもうしばらく目をつむっていてもらうしかない。
「ああ、それと、これはあまり参考にならないかもしれませんが……」
遠慮がちにブレアムがつけ加えた。
「ハルトフォード子爵家に、気になるご令嬢がいらっしゃいました」
「ハルトフォード子爵家?」
聞きなれない爵位名だ。
「5年前に破産し、当主が亡くなったので、現在爵位は空位となっておりますが」
「なるほど」
このご時世、別に珍しい話でもない。
「アシュリー家と申されます。シャーロットさまとも、旦那さまとも交流があったようなのですが、その破産を機に残されたご家族の行方は知れておりません」
それもよくある話だ。
この時代、さまざまな産業、事業に投資する貴族は少なくない。
鉄道、紡績、自動車、鉄鋼、海外投資。
昨日までは注目の産業であっても、今日になれば古い役に立たない骨とう品のような事業になることもある。そうなれば投資した金はムダになり、回収するめどなど立ちはしない。なにが次世代を作るのか、それを見極めるのは、自分たちのような成り上がり商人であっても難しい。
機を見るに敏な商人ですらそうなのだから、ゆったりとした過去からの時間に浸りきった貴族など、簡単に騙され、投資し、せっかくの資産を失うなど珍しいことでも何でもない。そして、その困窮した貴族の横っ面を金ではたいて、爵位を手に入れるのが昨今の商人のやり方だ。
援助してやるから、娘と結婚させろ。
落ちぶれたと言っても貴族の持つ地位は、その先の商いにおいて充分に利用価値がある。
ハルトフォード子爵家の娘は、そういう目には遭わなかったのだろうか。5年前といえば、まだ幼かっただろう。結婚という利用価値もなかったのかもしれない。
「その令嬢の名前は残念ながらわかりませんでしたが、少なくとも髪は黒ではなかったようです」
ブレアムが手にしたメモを読み上げる。
「そうか。ご苦労」
あの夜会の令嬢でなければ、それ以上の興味はない。
どこにでもあるような没落話より、あの令嬢の素性捜しだ。
大伯母上と一緒に夜会に参加するぐらい親しいはずなのに、あの屋敷を一度も訪れない、不思議な女性。
手紙でやり取りしていないのか。
モーガンたちにも、さり気なく郵便物に注意するように伝えてあるが、それらしいものが届いたこともない。
あの町に暮らしているのか、その確証すらない。
まるで、あの日、あの時だけ現れたかのような、不思議な女性。
いつになったら、大伯母上は彼女に相応しい男として認めてくださるのか。
全く見当がつかず、大きくため息をこぼすほかなかった。
* * * *
彼が都に戻られている時は、少しだけホッとする。
彼が嫌い……というわけじゃない。
身分を感じさせずに接してくるさまは、好ましいと思う。下の者だからといって、蔑んだりしない。そういうところは、奥さまによく似ていらっしゃる。
明るく朗らかで気さくな性格、貴族といっても遜色なさそうな物腰、容姿。
彼の優しさに勘違いする令嬢もいるんじゃないかしら。あの声で名を呼ばれ、あの瞳で見つめられたら、きっと。
そんなことを考えながら、チャプンと桶にモップを浸す。
私も、何もなかったら、のぼせ上がる令嬢の一人だったかもしれない。
父さまが生きていらして、今もハルトフォード子爵令嬢と呼ばれる立場だったら。
(ダメよ。「もしも」なんて考えちゃ)
桶の水に映った自分の顔を乱すように、モップを動かす。
考えても仕方ない。父さまはすでになく、私はただのメイドなんだから。奥さまのご厚意にすがって生きるしかない立場なんだから。
あの一夜、彼と踊ったひとときは、奥さまがくださった最高の時間だった。
彼に抱き寄せられ、音楽に合わせてステップを踏む。
優しく体を揺らしているだけかと思えば、スカートの裾が花のように広がるまでクルンッと体を回される。少し大胆。でも、音楽から外れることなく、しっかりと私を支えながら踊ってくださった。
(ステキだった……)
今だって夢見る。
目を閉じればそこは、シャンデリアの灯り煌めく大広間。色とりどりの華やかな淑女と、黒く光沢のあるテイルコートをまとった紳士たち。軽やかなヴァイオリンと、リズムを刻む低いチェロの音。
“僕と一曲踊っていただけませんか?”
“ええ、喜んで”
彼の腕に手をかけ、大広間の真ん中へ。
音楽に合わせるんじゃない。音楽が私たちに合わせるように奏でられる。
彼の巧みなリードで踊れば、誰もが注目するステキな私になれる。
うれしくって恥じらいながらも顔を上げれば、彼の若草色の瞳が私を捕らえて……。
「ご機嫌だね、レイ」
その声に、夢から目を醒ます。
私が手にしていたのは、彼の手ではなくモップの柄。
私がいるのは、大広間ではなく掃除中の階段の踊り場。
そんな現実に恥ずかしくなって、モップの柄を握りしめうつむく。
「キースさま、いつお戻りに?」
さっきのダンス、見られていたのだろうか。憧れを夢見て、モップと踊る姿を。
「ついさっきだけど、レイ、ダンス上手いね」
クスクスと笑いながら彼が階段を上がってくる。彼の背後には[[rb:従僕 > フットマン]]のモーガン。そちらは笑ってないけれど、顔を反らし、肩が小刻みに揺れている。笑うのをガマンしているのだ。
「もしよければ、このまま一曲お相手願いたいぐらいだ」
階段を上がりきった彼が、私の手を取る。その若草色の瞳が、奥さまと同じようにいたずらっぽく光り、手の甲に軽く口づけを落とされる。
「えっ、やっ、そのっ……!」
驚き後ずさる……が。
「きゃあっ……!」
モップに足を引っかけ、桶につまずく。
「危ないっ!」
階段を転げ落ちかけた体を、彼がガシッと抱きとめてくれた。
バシャッと水をぶちまけながら、桶がガラゴロと階段を落ちていく。
「……はあ。無事か? レイ」
「はい、ありがとう……ございます」
私の呆けたような返事に、彼が深く息を吐きだした。
彼が支えてくれなかったら、ああやって転げていたのは、私の体だっただろう。落ちていった桶を追いかけるモーガンの背中を見ながらそう思った。
「すまない、ふざけすぎた」
「いえ、私のほうこそ。申し訳ありません」
先に立ち上がった彼に手をとられ、私も立ち上がる。
「失礼、いたします」
軽く一礼だけ残し、階段を駆け下りるとモーガンから空の桶を受け取る。
水浸しになった階段。
今度は、踊ってなんかいないで、ちゃんと掃除をしなくてはいけない。
「そうか。ご苦労」
都にある自分の屋敷。その一角にある書斎にはいってすぐ報告を受ける。
特に落胆するでもなく、執事のブレアムから受け取った書類を眺める。
「レディ・シャーロット・ローレンスの交友調査録」
―― 大伯母上の交友関係について調べておいて欲しい。
家に残っていたブレアムに頼んでおいた仕事だ。
あの令嬢を捜すなら、大伯母上と親交のある家を調べていったほうが早い。その昔、仕事上の付き合いのあった家から、気の合う友だち程度の家まで。そのなかで、十六、七歳から二十歳程度の女性のいる家を探ってもらったのだが。
(収穫なし……か)
仕事で都に帰るたびに、ブレアムから調査報告をもらっているが、あまりいい答えは返ってこない。
大伯母上の、いやその伴侶だった亡き大伯父上の交友関係を探ってみても、彼女に行きあたる報告は出てこない。
(いや……)
妙齢の令嬢というだけなら、いくつか名前は上がっている。
レディ・キャロライナ、レディ・ミランダ、レディ・ジェシカ……。
すべて僕が出会ったこともある、どこにでもいるような令嬢ばかりだった。
(これはやはり、大伯母上に紹介してもらえるのを待つしかないのか)
そう長いこと都を離れていることに、父上はいい顔をしないだろう。
しかし、大伯母上伝手でしか彼女に会えないのだとしたら、父にはもうしばらく目をつむっていてもらうしかない。
「ああ、それと、これはあまり参考にならないかもしれませんが……」
遠慮がちにブレアムがつけ加えた。
「ハルトフォード子爵家に、気になるご令嬢がいらっしゃいました」
「ハルトフォード子爵家?」
聞きなれない爵位名だ。
「5年前に破産し、当主が亡くなったので、現在爵位は空位となっておりますが」
「なるほど」
このご時世、別に珍しい話でもない。
「アシュリー家と申されます。シャーロットさまとも、旦那さまとも交流があったようなのですが、その破産を機に残されたご家族の行方は知れておりません」
それもよくある話だ。
この時代、さまざまな産業、事業に投資する貴族は少なくない。
鉄道、紡績、自動車、鉄鋼、海外投資。
昨日までは注目の産業であっても、今日になれば古い役に立たない骨とう品のような事業になることもある。そうなれば投資した金はムダになり、回収するめどなど立ちはしない。なにが次世代を作るのか、それを見極めるのは、自分たちのような成り上がり商人であっても難しい。
機を見るに敏な商人ですらそうなのだから、ゆったりとした過去からの時間に浸りきった貴族など、簡単に騙され、投資し、せっかくの資産を失うなど珍しいことでも何でもない。そして、その困窮した貴族の横っ面を金ではたいて、爵位を手に入れるのが昨今の商人のやり方だ。
援助してやるから、娘と結婚させろ。
落ちぶれたと言っても貴族の持つ地位は、その先の商いにおいて充分に利用価値がある。
ハルトフォード子爵家の娘は、そういう目には遭わなかったのだろうか。5年前といえば、まだ幼かっただろう。結婚という利用価値もなかったのかもしれない。
「その令嬢の名前は残念ながらわかりませんでしたが、少なくとも髪は黒ではなかったようです」
ブレアムが手にしたメモを読み上げる。
「そうか。ご苦労」
あの夜会の令嬢でなければ、それ以上の興味はない。
どこにでもあるような没落話より、あの令嬢の素性捜しだ。
大伯母上と一緒に夜会に参加するぐらい親しいはずなのに、あの屋敷を一度も訪れない、不思議な女性。
手紙でやり取りしていないのか。
モーガンたちにも、さり気なく郵便物に注意するように伝えてあるが、それらしいものが届いたこともない。
あの町に暮らしているのか、その確証すらない。
まるで、あの日、あの時だけ現れたかのような、不思議な女性。
いつになったら、大伯母上は彼女に相応しい男として認めてくださるのか。
全く見当がつかず、大きくため息をこぼすほかなかった。
* * * *
彼が都に戻られている時は、少しだけホッとする。
彼が嫌い……というわけじゃない。
身分を感じさせずに接してくるさまは、好ましいと思う。下の者だからといって、蔑んだりしない。そういうところは、奥さまによく似ていらっしゃる。
明るく朗らかで気さくな性格、貴族といっても遜色なさそうな物腰、容姿。
彼の優しさに勘違いする令嬢もいるんじゃないかしら。あの声で名を呼ばれ、あの瞳で見つめられたら、きっと。
そんなことを考えながら、チャプンと桶にモップを浸す。
私も、何もなかったら、のぼせ上がる令嬢の一人だったかもしれない。
父さまが生きていらして、今もハルトフォード子爵令嬢と呼ばれる立場だったら。
(ダメよ。「もしも」なんて考えちゃ)
桶の水に映った自分の顔を乱すように、モップを動かす。
考えても仕方ない。父さまはすでになく、私はただのメイドなんだから。奥さまのご厚意にすがって生きるしかない立場なんだから。
あの一夜、彼と踊ったひとときは、奥さまがくださった最高の時間だった。
彼に抱き寄せられ、音楽に合わせてステップを踏む。
優しく体を揺らしているだけかと思えば、スカートの裾が花のように広がるまでクルンッと体を回される。少し大胆。でも、音楽から外れることなく、しっかりと私を支えながら踊ってくださった。
(ステキだった……)
今だって夢見る。
目を閉じればそこは、シャンデリアの灯り煌めく大広間。色とりどりの華やかな淑女と、黒く光沢のあるテイルコートをまとった紳士たち。軽やかなヴァイオリンと、リズムを刻む低いチェロの音。
“僕と一曲踊っていただけませんか?”
“ええ、喜んで”
彼の腕に手をかけ、大広間の真ん中へ。
音楽に合わせるんじゃない。音楽が私たちに合わせるように奏でられる。
彼の巧みなリードで踊れば、誰もが注目するステキな私になれる。
うれしくって恥じらいながらも顔を上げれば、彼の若草色の瞳が私を捕らえて……。
「ご機嫌だね、レイ」
その声に、夢から目を醒ます。
私が手にしていたのは、彼の手ではなくモップの柄。
私がいるのは、大広間ではなく掃除中の階段の踊り場。
そんな現実に恥ずかしくなって、モップの柄を握りしめうつむく。
「キースさま、いつお戻りに?」
さっきのダンス、見られていたのだろうか。憧れを夢見て、モップと踊る姿を。
「ついさっきだけど、レイ、ダンス上手いね」
クスクスと笑いながら彼が階段を上がってくる。彼の背後には[[rb:従僕 > フットマン]]のモーガン。そちらは笑ってないけれど、顔を反らし、肩が小刻みに揺れている。笑うのをガマンしているのだ。
「もしよければ、このまま一曲お相手願いたいぐらいだ」
階段を上がりきった彼が、私の手を取る。その若草色の瞳が、奥さまと同じようにいたずらっぽく光り、手の甲に軽く口づけを落とされる。
「えっ、やっ、そのっ……!」
驚き後ずさる……が。
「きゃあっ……!」
モップに足を引っかけ、桶につまずく。
「危ないっ!」
階段を転げ落ちかけた体を、彼がガシッと抱きとめてくれた。
バシャッと水をぶちまけながら、桶がガラゴロと階段を落ちていく。
「……はあ。無事か? レイ」
「はい、ありがとう……ございます」
私の呆けたような返事に、彼が深く息を吐きだした。
彼が支えてくれなかったら、ああやって転げていたのは、私の体だっただろう。落ちていった桶を追いかけるモーガンの背中を見ながらそう思った。
「すまない、ふざけすぎた」
「いえ、私のほうこそ。申し訳ありません」
先に立ち上がった彼に手をとられ、私も立ち上がる。
「失礼、いたします」
軽く一礼だけ残し、階段を駆け下りるとモーガンから空の桶を受け取る。
水浸しになった階段。
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