オレの師匠は職人バカ。~ル・リーデル宝石工房物語~

 街の中心からやや外れたところにある、「ル・リーデル宝石工房」
 この工房には、新進気鋭の若い師匠とその弟子の二人が暮らしていた。
 南の国で修行してきたという師匠の腕は決して悪くないのだが、街の人からの評価は、「地味。センスがない」。
 仕事の依頼もなく、注文を受けることもない工房は常に貧乏で、薄い塩味豆だけスープしか食べられない。
 「決めた!! この石を使って、一世一代の宝石を作り上げる!!」
 貧乏に耐えかねた師匠が取り出したのは、先代が遺したエメラルドの原石。
 「これ、使うのか?」
 期待と不安の混じった目で石と師匠を見る弟子のグリュウ。
 この石には無限の可能性が秘められてる。
 興奮気味に話す師匠に戸惑うグリュウ。
 石は本当に素晴らしいのか? クズ石じゃないのか? 大丈夫なのか?
 ――でも、完成するのがすっげえ楽しみ。

 石に没頭すれば、周囲が全く見えなくなる職人バカな師匠と、それをフォローする弟子の小さな物語
24h.ポイント 21pt
9
小説 26,496 位 / 190,745件 児童書・童話 113 位 / 3,689件

あなたにおすすめの小説

閉じた海。

若松だんご
青春
14歳の少年、航輝。 もう海に出る船もほとんどない寂れた漁師町に両親と祖父と暮らしている。 海には、コンビナートと高速道路を繋ぐ橋の橋脚が林立していて、その先にある海と空を切り取っている。額縁のように、手に届かない世界のように。 「まるで牢獄みたいだ」 航輝は思う。 いつか、あの先の、幼い頃に感じた海をこの手に取り戻す。 少年の海への憧れ。 ゴムボートを手に入れたという友達和宏、幼なじみの健太。 航輝は彼らを誘って、海に出ること、あの橋脚の向こうの世界へと冒険を提案する。 中学3年生の夏。 少しずつ未来が決められていくことに反発し、思いっきりバカをやりたかった三人の、ひと夏の無茶で無謀な冒険物語。

迅英の後悔ルート

いちみやりょう
BL
こちらの小説は「僕はあなたに捨てられる日が来ることを知っていながらそれでもあなたに恋してた」の迅英の後悔ルートです。 この話だけでは多分よく分からないと思います。

アオハルオーバードーズ!

若松だんご
青春
 二度とない、高二の夏! 十七の夏!  「アオハルしたい!」と騒ぎ出した友人、健太。彼に巻き込まれるようにして始まった、「アオハルオーバードーズ計画」。  青春に、恋は外せない、必須事項。だから。  僕は、「家が近所」という理由で、クラスメイトの山野未瑛と強引にカップルにされてしまう。  全校生徒20人にも満たない、廃校寸前の小さな海辺の高校。僕たち二年生は、わずかに6人。それぞれが誰かとお試しカップルになり、「恋とはなにか」を探す日常。  いっしょに登下校。互いにお弁当を作ってくる。時に二人で買い食いして。時にみんなでカラオケしたり。思いっきりバカをやったり、腹の底から笑ったり。  騒がしく落ち着かない初夏の僕たち。  僕、大里陽と絵を描くのが好きな山野未瑛。言い出しっぺ川嶋健太と一年生の長谷部明音。陸上部の長谷部逢生と海好き鬼頭夏鈴。本好きで日下先生推しの榊文華。  アオハルってナニ? 何をしたら、アオハルなわけ?  試行錯誤、行き当たりばったり。正解なんて見つからない。正解なんてないのかもしれない。  でも、楽しい。でも、苦しい。そして、切なく。そして、愛しい。  なんでもない、普通の初夏。他愛のない高校生活。そんな一日一日が、キラキラと輝く宝物のように、サラサラと指の隙間からこぼれ落ちる砂のように流れ去っていく。    伊勢志摩の小さな海辺の町で繰り広げられる、甘く切ない恋の物語。

彼の理想に

いちみやりょう
BL
あの人が見つめる先はいつも、優しそうに、幸せそうに笑う人だった。 人は違ってもそれだけは変わらなかった。 だから俺は、幸せそうに笑う努力をした。 優しくする努力をした。 本当はそんな人間なんかじゃないのに。 俺はあの人の恋人になりたい。 だけど、そんなことノンケのあの人に頼めないから。 心は冗談の中に隠して、少しでもあの人に近づけるようにって笑った。ずっとずっと。そうしてきた。

やり直せるなら、貴方達とは関わらない。

いろまにもめと
BL
俺はレオベルト・エンフィア。 エンフィア侯爵家の長男であり、前世持ちだ。 俺は幼馴染のアラン・メロヴィングに惚れ込み、恋人でもないのにアランは俺の嫁だと言ってまわるというはずかしい事をし、最終的にアランと恋に落ちた王太子によって、アランに付きまとっていた俺は処刑された。 処刑の直前、俺は前世を思い出した。日本という国の一般サラリーマンだった頃を。そして、ここは前世有名だったBLゲームの世界と一致する事を。 こんな時に思い出しても遅せぇわ!と思い、どうかもう一度やり直せたら、貴族なんだから可愛い嫁さんと裕福にのんびり暮らしたい…! そう思った俺の願いは届いたのだ。 5歳の時の俺に戻ってきた…! 今度は絶対関わらない!

ただ、愛しただけ…

きりか
恋愛
愛していただけ…。あの方のお傍に居たい…あの方の視界に入れたら…。三度の生を生きても、あの方のお傍に居られなかった。 そして、四度目の生では、やっと…。 なろう様でも公開しております。

へし折れ、フラグ!!

若松だんご
恋愛
私の彼は死にやすい。 五百年ぶりの聖女として認められたアリューシア。彼女の婚約者として選ばれたのは、第一王子のセイラム。 しかし、セイラムは死にやすかった。 幼い頃から何度も継母である王妃に殺されかけ……というか、殺された。 でも。 ――チュッ。 アリューシアが聖女の証である竜の石に口づけ、時を戻す。 聖女として選ばれたアリューシアだけど、彼女にできるのは、この時戻しだけ。 時を戻して、セイラムが死ぬ未来を回避する。 何度でも、何度でも。 侍女のミレットと従僕のレフに協力を(強制的に)あおぎ、今日もアリューシアはセイラムを生かすために竜の石を使って時を巻き戻す。 セイラムを殺させやしない。彼と絶対幸せになるの。 そんな死亡フラグ、何度だって叩き折ってやるんだからっ!!

神嫁、はじめました。

若松だんご
キャラ文芸
 「申し訳ありませんが、この書類は受理できません」  パスポート取得のため、戸籍謄本を取りに行った役所で言われたこと。申請書の苗字が違う。住所が違う。そして。  「倉橋日菜子さん。アナタ、結婚されてますよね?」  ――は?  私、これからカレシと、うれしはずかし海外旅行に出かけるはずだったんですけど?  結婚? いつの間に? 誰が? 誰と?  ややこしい女はゴメンだと、カレシにフラれ(フリ返した)、向かった先は野賀崎町。私の曽祖父母が暮らす、一次産業と年寄りしか残ってない町。こんなしょぼくれた町だから、老眼ヒドすぎで戸籍を書き間違えたのよ。そうよ。そうに決まってるわ。    「よう来たなあ」  意気込んで町にたどり着いた私を待ち受けてた曽祖父母と、なぜか町の人たち?  「さあ、行くぞ、日菜子」  どこへ?  質問する間もなく、無理やり着替えさせられ運ばれたのは、山の中腹にある神社。  「待っていたぞ、吾妹子よ」  そこに立っていた青年。ってか、「ワギモコ」ってナニ?  「吾妹。つまり、吾の妻ということ。汝は吾の妻なのだ」  はぁあぁあっ!?  なに言ってんの、この人。顔はいいのに、中身は残念な人?  「吾は人ではない。この野賀崎を守る神だ」  なんかますますヤバい人ですけど???  どうやら、幼い頃に山で迷子になったのを助けてくれたのがこの(自称)神様で。その時、将来をともにすることを約束してたとかなんとかで。だから、(勝手に)私と入籍させてたんだとか。  「日菜子に悪い虫がつきそうだったからな」  だったからな――って。  「勝手に戸籍改ざんすんなっ!」  神様だって何様だって、勝手に結婚させられてうれしいわけない! 私を元の倉橋日菜子に戻して!