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8.名前はこれでいいですか?{異議あり!↑ いいよ}
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「凄い、これがオーガの里なのね……」
スノウは目を輝かせた。しかし――
「おい、エルフはでていけー!」
「お前らのせいでうちの息子が!」
やはりエルフというだけでかなりのバッシングをうけるようだ。
「わ、私は……」
うつむいてしまったスノウと……しまった、まだ名前聞いてねぇや。またかよ。まあ、とにかくエルフの二人は歓迎されていないことは確かだ。
でもあまりに二人が可哀想なので、なにか言ってやろうと思った時だった。
「沈まりなさぁぃ」
知らぬ間に変身が解けていた竜姫の二人が静かに声を発した。
「りゅ、竜姫様……」
うん、竜姫様すげー。あれだけ騒がしかったこの場が、たった一言で水を打ったように静かになった。
「いいですか、このエルフは脅されていただけなのです。もう一人のエルフはニホンからの転生者だということです」
場がざわめいた。
「よってこの二人はエルフであっても客人よぉ」
この言葉に、皆、安堵したかのように肩の力を抜いた。
「ふむ、異論はないようですね」
そうか、良かった。
神社に移動した俺は、まず二人の竜姫に名前を聞いた。
「なあ、ふたりとも名前はなんて言うんだ?」
すると二人は苦笑いをした。
「実は、龍姫の習わしでね、名前は無いのよ」
「そうか……」
それは困りましたな。
「希色さんのお好きなように及びください」
「うん、わかった」
そうだな……あっ、良いのが思い浮かんだぞ。
「じゃあ、姉がパイドラン、妹がモモジリドラゴン! 異論は受け付けない!」
どうだ! いいだろ! さあ、二人の表情は――!?
「……わ、悪くないんじゃなぁい?」
うん、その反応でわかっちった。
「ネーミングセンスが壊滅的なのね……」
転生者がポツリとつぶやいた。
「なんだとぉ!?」
このエロフめ! せっかく考えたんだぞ!
「じゃあ、そういうお前の名前はなんなんだよぉ?」
「あっ! そ、それは」
「あれー? もしかして言えないの~?」
俺が煽ると転生者はキッと俺を睨んで諦めたように言った。
「佐藤 美那(さとう みな)よ……」
「別に変じゃないじゃん」
「い、異世界っぽくないかなって……」
いや、別に気にしなくていいとおもうよ?
「と、とにかく、略してパイドランはイド、モモジリドラゴンはモモ、これならどうだ!」
文句は言わせねぇ!
「まあ、良いんじゃないかしら」
美那からオッケーが出た。
「いいですね、私、気に入りました!」
「それならいいわぁ」
よっし! これで決定だ!
スノウは目を輝かせた。しかし――
「おい、エルフはでていけー!」
「お前らのせいでうちの息子が!」
やはりエルフというだけでかなりのバッシングをうけるようだ。
「わ、私は……」
うつむいてしまったスノウと……しまった、まだ名前聞いてねぇや。またかよ。まあ、とにかくエルフの二人は歓迎されていないことは確かだ。
でもあまりに二人が可哀想なので、なにか言ってやろうと思った時だった。
「沈まりなさぁぃ」
知らぬ間に変身が解けていた竜姫の二人が静かに声を発した。
「りゅ、竜姫様……」
うん、竜姫様すげー。あれだけ騒がしかったこの場が、たった一言で水を打ったように静かになった。
「いいですか、このエルフは脅されていただけなのです。もう一人のエルフはニホンからの転生者だということです」
場がざわめいた。
「よってこの二人はエルフであっても客人よぉ」
この言葉に、皆、安堵したかのように肩の力を抜いた。
「ふむ、異論はないようですね」
そうか、良かった。
神社に移動した俺は、まず二人の竜姫に名前を聞いた。
「なあ、ふたりとも名前はなんて言うんだ?」
すると二人は苦笑いをした。
「実は、龍姫の習わしでね、名前は無いのよ」
「そうか……」
それは困りましたな。
「希色さんのお好きなように及びください」
「うん、わかった」
そうだな……あっ、良いのが思い浮かんだぞ。
「じゃあ、姉がパイドラン、妹がモモジリドラゴン! 異論は受け付けない!」
どうだ! いいだろ! さあ、二人の表情は――!?
「……わ、悪くないんじゃなぁい?」
うん、その反応でわかっちった。
「ネーミングセンスが壊滅的なのね……」
転生者がポツリとつぶやいた。
「なんだとぉ!?」
このエロフめ! せっかく考えたんだぞ!
「じゃあ、そういうお前の名前はなんなんだよぉ?」
「あっ! そ、それは」
「あれー? もしかして言えないの~?」
俺が煽ると転生者はキッと俺を睨んで諦めたように言った。
「佐藤 美那(さとう みな)よ……」
「別に変じゃないじゃん」
「い、異世界っぽくないかなって……」
いや、別に気にしなくていいとおもうよ?
「と、とにかく、略してパイドランはイド、モモジリドラゴンはモモ、これならどうだ!」
文句は言わせねぇ!
「まあ、良いんじゃないかしら」
美那からオッケーが出た。
「いいですね、私、気に入りました!」
「それならいいわぁ」
よっし! これで決定だ!
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