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1.いきなり病院から呼び出し電話があった

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 スマホが鳴った。
 初期設定のままの電子音がなんとも雑でてらいのない音を撒き散らす。
 私は、スマホを手にとった。

「どこだこれ?」

 見たこともない番号であった。そもそも、社会に対し最低限の接点しかもっていない私は、見たことのある電話番号の方が少ない。
 一瞬、詐欺ではないか?と、思いつつも、市外局番が047であり、私の生活圏内からの電話であることは分かった。とりあえず出た。

「もしもし」
「はい、こちら加藤医院(仮)ですが。先日の血液検査の――」
「はぁ……」

 もう、この時点でろくでもない知らせということは、ほぼ分かった。
 二日ほど前に、この病院で血液検査をしているのだ。
 ちなみに、加藤医院は私のいくつかある持病の内「高血圧」「高尿酸症(いわゆる痛風)」の薬をもらっているところである。

「血糖値が異常に高く、すぐにこちらに来ていただきたいのですが?」
「え? すぐにですか」
「できれば」

 話の相手は看護師さんだった。
 どうやら、かなり血糖値がヤバイのだろうなぁと思った。
 実のところ、1~2月ほど前からおちんちんの皮が割れ、痛くてたまらんという状況が続いていた。
 これをネットで調べたとき、尿の糖分でおちんちんが炎症を起こすという情報を得ていた。
 尿が糖分を大量に含んでいるのだから「糖尿病」であろう。

 しかし私は以前「アントニオ猪木が水を大量に飲んで糖尿病を治した」という出所不明の怪しい情報にすがりつき、水を大量に飲む日々だったのだ。
 要するに、これ以上この身体に病気を抱えるのはめんどくせーという気持が大きかったわけで、なんとも自分の身体を無責任に放置していたわけである。

 あはははは。

 このあたりの精神活動は、まったくもって常人の思考法則に当てはめることの出来ない、私の脳の病気のせいかのか、先天的ななんらかの問題なのか分からないけれど、とにかく放置した。

 で、今回の結果である。
 でも、すぐに医者に行くのは面倒だった。
 だもんで「明日じゃ駄目ですか」と、ここに至っても危機感ゼロの対応を行う。
 そすうると、向こうさんも「はい、いいですよ」と、まあ1日、2日遅れはどうでもいいよ。もう完全に手遅れだからねという空気を纏わせる声音で私に言ったわけである。

 そして、今日病院へ行ったのだか、その際に見せられた血液検査の結果が以下のものだ。



 あはははあ、血糖値600超過!
 659という数字。
 第二次世界大戦機の速度でいうなら『P-38ライトニング』くらい?
 正常値の上限が109くらいなので、航空機黎明期にP-38が登場したようなもので、まさに圧倒的ある。
 
 イーデスブックスで本を出していただいたり、イラスト描いていただいております、五月七日ヤマネコさまよりは――



 と、呆れられる始末。
 あははは。
 これはやばいなと思う。

 で、病院で若い女性医師の話によりますと「入院した方がいい」というれべるとのこと。
 入院して、徹底的に食事療法、運動療法、薬物療法を管理して実施せねば、ならぬといった具合で説明しているわけです、私はぼんやりと「入院は無理だな――」と思う。
 というのは、入院すると相当に「お高いんでしょ?」という経済的事情である。
 聞いたら、やはり高かった。

 そんな理由でワシは、自宅で食事療法、運動療法、薬物療法をすることになった。 
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