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十二話 『告白の返事』
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拓海くんにも告白の返事をしなくてはならない。私のどこに惚れたのか。それは分からないけどもとにかく、彼の気持ちには答えなければならないのだ。
だってそうしないと拓海くんに失礼だもの。だから私は決意した。今から彼に会いに行ってそして返事をする。佐藤先輩と同じことをするんだ。それが一番いい方法なんだ。
「うん……」
私は自分の頬をパンッと叩いた。覚悟はできた。私は今から、告白の返事をしに行く!
△▼△▼
「あ、あの……華恋さん……」
オドオドしながら私の名前を呼ぶ拓海くん。普段なら、かわいいとか思うところだけど今はそんな余裕はない。だって、これから彼に告白の返事をしなきゃいけないんだもん。緊張しない方がおかしいよ。
でもいつまでもこうしてはいられない。早く言わないと。
「……返事を……言わないと……って思って」
私がそう言うと、拓海くんはうんと言って黙った。顔は真剣な表情に変わっていく。
「……はい」
たっぷり間を開けて拓海くんはそう言った。私はそれを待ちながら勢いよく頭を下げた。
「ごめんなさい。私拓海くんの気持ちに応えられません!」
言い切った。もう後には引けない。私は拓海くんの反応を見ることは出来ない。怖くて顔を上げられない。心臓がバクバクしてる。
「……それって僕が子供だからですか?」
拓海くんは悲しそうな声でそう聞いてきた。私はそれにどう答えたらいいのかよくわからなかった。どうしたら拓海くんを傷つけずに済むか分からなかったからだ。……でもこのままじゃダメだよね。ちゃんと答えないといけない。
私は意を決して口を開いた。
「そういうわけじゃない。拓海くんが子どもだろとそうじゃなかろうと私の答えは、変わらない」
これは本心。私は拓海くんのことを嫌いではない。むしろ好きだ。でも恋愛対象として見れない。私にとっての拓海くんは弟みたいな存在で、それ以上もそれ以下もない。つまり、恋愛感情を持てないんだ。
これが私の出した結論だった。
「………そうですか。でも、ごめんなさい。僕、諦めたくないんです」
その表情は真っ直ぐに私を見つめている。……なんだろうこの感覚……デジャブ?
「華恋さんに恋人が出来たら諦められるけども、そうじゃないでしょう?……僕はどうしてもあなたのことが好きです」
真っ直ぐに見つめてくる拓海くんの目。目が……逸らせない。まるで魔法にかけられてしまったみたいに……
「ごめんなさい。勝手、ですよね……でも、僕の気持ちです。嘘偽りのない本当の気持ちなんです。僕はあなたが好きです」
そう言って拓海くんは去っていく。私はただ呆然とその場に立ち尽くしていた。……本当に……
「(………どうして)」
ただ、その言葉が頭に埋めつくされていた。
だってそうしないと拓海くんに失礼だもの。だから私は決意した。今から彼に会いに行ってそして返事をする。佐藤先輩と同じことをするんだ。それが一番いい方法なんだ。
「うん……」
私は自分の頬をパンッと叩いた。覚悟はできた。私は今から、告白の返事をしに行く!
△▼△▼
「あ、あの……華恋さん……」
オドオドしながら私の名前を呼ぶ拓海くん。普段なら、かわいいとか思うところだけど今はそんな余裕はない。だって、これから彼に告白の返事をしなきゃいけないんだもん。緊張しない方がおかしいよ。
でもいつまでもこうしてはいられない。早く言わないと。
「……返事を……言わないと……って思って」
私がそう言うと、拓海くんはうんと言って黙った。顔は真剣な表情に変わっていく。
「……はい」
たっぷり間を開けて拓海くんはそう言った。私はそれを待ちながら勢いよく頭を下げた。
「ごめんなさい。私拓海くんの気持ちに応えられません!」
言い切った。もう後には引けない。私は拓海くんの反応を見ることは出来ない。怖くて顔を上げられない。心臓がバクバクしてる。
「……それって僕が子供だからですか?」
拓海くんは悲しそうな声でそう聞いてきた。私はそれにどう答えたらいいのかよくわからなかった。どうしたら拓海くんを傷つけずに済むか分からなかったからだ。……でもこのままじゃダメだよね。ちゃんと答えないといけない。
私は意を決して口を開いた。
「そういうわけじゃない。拓海くんが子どもだろとそうじゃなかろうと私の答えは、変わらない」
これは本心。私は拓海くんのことを嫌いではない。むしろ好きだ。でも恋愛対象として見れない。私にとっての拓海くんは弟みたいな存在で、それ以上もそれ以下もない。つまり、恋愛感情を持てないんだ。
これが私の出した結論だった。
「………そうですか。でも、ごめんなさい。僕、諦めたくないんです」
その表情は真っ直ぐに私を見つめている。……なんだろうこの感覚……デジャブ?
「華恋さんに恋人が出来たら諦められるけども、そうじゃないでしょう?……僕はどうしてもあなたのことが好きです」
真っ直ぐに見つめてくる拓海くんの目。目が……逸らせない。まるで魔法にかけられてしまったみたいに……
「ごめんなさい。勝手、ですよね……でも、僕の気持ちです。嘘偽りのない本当の気持ちなんです。僕はあなたが好きです」
そう言って拓海くんは去っていく。私はただ呆然とその場に立ち尽くしていた。……本当に……
「(………どうして)」
ただ、その言葉が頭に埋めつくされていた。
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