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人生いろいろ③
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今まで平穏だった日常…刺激がほしいって言う人もいるけど……私はいらないかな…
「フィナ聞いてるのか?」
「……聞いてますよ…それよりしれっと名前を呼び捨てで呼ぶの止めてくれません?」
「……なぜだ?私達は友達だろう?」
「……脅迫してくる人を友達と言えるか知りませんが」
「フィナは面白いことを言うな」
あははっと笑う横で眉間にシワができる私の絵面がひどい…
「フィナはなぜ私のことを名前で呼ばないんだ?」
(もう知らん、考えるのも疲れた)
「名前で呼んでもいいんですか?」
「もちろんだ」
「……では、キル王子…」
「……………」
「……………」
(……えっ?名前で呼べと言うから呼んだのになぜ黙るの?)
「…良いものだな…」
「……はい?」
「…名前で呼んでもらえたのが久しぶりだったから嬉しかった」
(私はいつも親や友達から名前で呼んでもらえるけど…キルは第一王子だからなかなか名前よりも身分の呼び方をされるんだろうな)
「2人のときだけですからね」
「あぁ、2人だけのひみつだな」
「……ぁ………ィナ………おい!フィナ!!」
ハッと声をする方へと目を向けるとコルが目の前にいた…
「えっと……なに?」
「なに?じゃねぇよ!さっきからずっと呼んでたんだぞ!」
「ごっごめん、ちょっと考え事してて…」
「お前…どんぐり取りに行ってからずっと変だけど大丈夫なのか?」
「だっ大丈夫よ!」
「ほんとか?……お前……もしかして…いや…でも…」
コルがゴニョゴニョと言葉を濁らせると斜め後ろから溜息が聞こえてきた
「はぁ~、コルはフィナが悪霊に取り憑かれたんじゃないかと心配してるんですよ」
「あれ?モルいたの?」
「いましたよ!あなたが部屋に入ったあとすぐに!」
「そうなの?わからなかった~」
「入ってすぐに椅子に座るなりボーッとしてましたからね」
「おい!2人だけで話するなよ!俺も入れろ!」
「あぁ~はいはい、なんだっけ?悪霊?」
「だっ…だってそうだろ!どんぐりを取りに行ったのにどんぐり忘れて帰ってくるし!」
(まぁ~いきなり王族に話しかけられて一方的に友達にされたからね~忘れるわなどんぐりなんて)
「しかも次の日も同じ場所に行ったのに帰ってくるのが遅いしどんぐり少ないしさ!」
(どんだけどんぐり大好きなんだよ!)
「しかも3日連続でどんぐり取りに行くんだぜ?」
(いや、少ないって言うから取りに行ったんでしょうが)
「しかも……どんぐりじゃなくて松ぼっくりになってるしさ…もう何かあったとしか考えられねぇよ…」
(うーん……なんだろう…心配されてるはずなのに…どんぐりしか情報が入ってこない)
「まあ、コルが言うのも一理ありますね」
「えっ?どんぐりのこと?」
「違います、そうじゃなくてフィナの様子がおかしいって話ですよ…何か悩み事でもあるんですか?」
(モルは淡々としてるから周りから誤解されやすいけど…分かりづらいってだけで本当は友達想いの優しい子なんだよね)
「ありがとうモル…だけどもう大丈夫!最近色んなことがあったんだけど無事に解決したから!だからちょっと気が抜けてしまって…あはは」
「それならいいんですが…もしまた悩みができたら言って下さいね?リナ達もずっと心配してましたから」
「私、そんなに顔に出てた?」
「なに言ってんだよ~1番顔に出るのはフィナだろ」
「私、自分ではポーカーフェイスだと思ってたのに…」
「お前…自分の顔…鏡で見たことあるのか?」
(それ自分可愛いって思ってるブス女に言うセリフだから!)
「それは置いといて」
(置いとかれる…私の情緒)
「リナやセダも心配してましたよ」
「そっか…みんなに心配かけてたんだね…」
「そうだぞ!なにかあったら1人で悩んでないで相談しろよな!」
「うん!コル、モルありがとう」
私には相談できる友達や心配してくれる友達がいる…それがあたり前のように思ってた…友達がいないキル王子は寂しかっただろうな…私なんかが友達になれるかわからないけどキル王子が寂しくないようにしてあげたい…何か友達としてできることはないかな…
「コルとモルは私がしてあげたことで嬉しかったことある?」
「「嬉しかったこと……どン」」
「どんぐり以外で」
「うーん…手作りのお菓子もらったとき!お前料理上手いからなぁ~」
「なるほど~」
でも王族に手作りってダメなんじゃあ……
「お菓子もですが小物入れとかも作ってくれたことも嬉しかったですよ、普通は刺繍入りのハンカチとかなのでもらったときはびっくりしました」
「あー、あれはびっくりしたよな~売り物かと思った」
「そうなんだ…」
たしかに食べ物より小物入れの方が使いやすいし良いかもしれない…部屋に戻ればハギレもあるし作って明日渡そうかな…
「フィナ聞いてるのか?」
「……聞いてますよ…それよりしれっと名前を呼び捨てで呼ぶの止めてくれません?」
「……なぜだ?私達は友達だろう?」
「……脅迫してくる人を友達と言えるか知りませんが」
「フィナは面白いことを言うな」
あははっと笑う横で眉間にシワができる私の絵面がひどい…
「フィナはなぜ私のことを名前で呼ばないんだ?」
(もう知らん、考えるのも疲れた)
「名前で呼んでもいいんですか?」
「もちろんだ」
「……では、キル王子…」
「……………」
「……………」
(……えっ?名前で呼べと言うから呼んだのになぜ黙るの?)
「…良いものだな…」
「……はい?」
「…名前で呼んでもらえたのが久しぶりだったから嬉しかった」
(私はいつも親や友達から名前で呼んでもらえるけど…キルは第一王子だからなかなか名前よりも身分の呼び方をされるんだろうな)
「2人のときだけですからね」
「あぁ、2人だけのひみつだな」
「……ぁ………ィナ………おい!フィナ!!」
ハッと声をする方へと目を向けるとコルが目の前にいた…
「えっと……なに?」
「なに?じゃねぇよ!さっきからずっと呼んでたんだぞ!」
「ごっごめん、ちょっと考え事してて…」
「お前…どんぐり取りに行ってからずっと変だけど大丈夫なのか?」
「だっ大丈夫よ!」
「ほんとか?……お前……もしかして…いや…でも…」
コルがゴニョゴニョと言葉を濁らせると斜め後ろから溜息が聞こえてきた
「はぁ~、コルはフィナが悪霊に取り憑かれたんじゃないかと心配してるんですよ」
「あれ?モルいたの?」
「いましたよ!あなたが部屋に入ったあとすぐに!」
「そうなの?わからなかった~」
「入ってすぐに椅子に座るなりボーッとしてましたからね」
「おい!2人だけで話するなよ!俺も入れろ!」
「あぁ~はいはい、なんだっけ?悪霊?」
「だっ…だってそうだろ!どんぐりを取りに行ったのにどんぐり忘れて帰ってくるし!」
(まぁ~いきなり王族に話しかけられて一方的に友達にされたからね~忘れるわなどんぐりなんて)
「しかも次の日も同じ場所に行ったのに帰ってくるのが遅いしどんぐり少ないしさ!」
(どんだけどんぐり大好きなんだよ!)
「しかも3日連続でどんぐり取りに行くんだぜ?」
(いや、少ないって言うから取りに行ったんでしょうが)
「しかも……どんぐりじゃなくて松ぼっくりになってるしさ…もう何かあったとしか考えられねぇよ…」
(うーん……なんだろう…心配されてるはずなのに…どんぐりしか情報が入ってこない)
「まあ、コルが言うのも一理ありますね」
「えっ?どんぐりのこと?」
「違います、そうじゃなくてフィナの様子がおかしいって話ですよ…何か悩み事でもあるんですか?」
(モルは淡々としてるから周りから誤解されやすいけど…分かりづらいってだけで本当は友達想いの優しい子なんだよね)
「ありがとうモル…だけどもう大丈夫!最近色んなことがあったんだけど無事に解決したから!だからちょっと気が抜けてしまって…あはは」
「それならいいんですが…もしまた悩みができたら言って下さいね?リナ達もずっと心配してましたから」
「私、そんなに顔に出てた?」
「なに言ってんだよ~1番顔に出るのはフィナだろ」
「私、自分ではポーカーフェイスだと思ってたのに…」
「お前…自分の顔…鏡で見たことあるのか?」
(それ自分可愛いって思ってるブス女に言うセリフだから!)
「それは置いといて」
(置いとかれる…私の情緒)
「リナやセダも心配してましたよ」
「そっか…みんなに心配かけてたんだね…」
「そうだぞ!なにかあったら1人で悩んでないで相談しろよな!」
「うん!コル、モルありがとう」
私には相談できる友達や心配してくれる友達がいる…それがあたり前のように思ってた…友達がいないキル王子は寂しかっただろうな…私なんかが友達になれるかわからないけどキル王子が寂しくないようにしてあげたい…何か友達としてできることはないかな…
「コルとモルは私がしてあげたことで嬉しかったことある?」
「「嬉しかったこと……どン」」
「どんぐり以外で」
「うーん…手作りのお菓子もらったとき!お前料理上手いからなぁ~」
「なるほど~」
でも王族に手作りってダメなんじゃあ……
「お菓子もですが小物入れとかも作ってくれたことも嬉しかったですよ、普通は刺繍入りのハンカチとかなのでもらったときはびっくりしました」
「あー、あれはびっくりしたよな~売り物かと思った」
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たしかに食べ物より小物入れの方が使いやすいし良いかもしれない…部屋に戻ればハギレもあるし作って明日渡そうかな…
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