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異世界転移編
第66話 市場の買い物
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ムツキは今日はシャーリーと2人で出かけていた。
エレノアが気を利かせて2人で出かける事を薦めたのだ。
勿論、後日に自分も2人きりのデートの約束をしっかりと取り付けているのだが。
何はともあれ、今回、ムツキとシャーリーは、2人でのお出かけは初めて。
つまり、初デートであった。
2人は服装をばっちりエレノアとエリザベートにコーディネートされて城のエントランスに来ていた。
「それでは、お二人共、楽しんでらっしゃいませ」
「行ってらっしゃいね、ムツキ君、シャーリーちゃん」
2人に見送られてムツキとシャーリーはデートに出かけるのだった。
「ムツキ様、私、こうして殿方と出かけるのは初めてでして、あのなにかご不満があれば、その……」
「シャーリー、私もそこまで経験が多いわけではないよ。 エレノアとだってまだ数える程しか出かけたことなんてない。 平民だから貴族のエスコートにもなれてないんだ。 だけど、今日はシャーリーと一緒に楽しく過ごせる様に頑張るから、よろしくね」
「……はい」
ムツキの笑顔と共に発せられた言葉に、シャーリーは小さく頷いて頬を桃色に染めた。
ムツキはシャーリーが楽しく過ごせる様に、色々と考えたが、ここは異世界である。
なので映画館など、高校生くらいの時に友人がしていたデートプランは使い物にならない。
そこで、ムツキは色々と考えた結果、今日のプランをシャーリーに提案する事にした。
「シャーリーは甘いのは好きかな? 紅茶の淹れ方は凄く上手だったけど」
「はい、とても。 私は騎士もしていましたから、こう言ったかわいい趣味は似合わないかと思って1人でお茶をしていました。 だから、紅茶を入れるのは得意なんです!」
話としては、少し寂しいストーリーなのだが、シャーリーとしては紅茶の淹れ方を褒められたのが嬉しいのか、目を輝かせて嬉しそうに話した。
「そうか。 なら、色々と材料を買い出しして、お菓子を一緒に作ろうか? シャーリーの淹れた紅茶で2人でお茶会をしましょうう」
「お菓子を作るのですか? 難しそうです」
「私の国のお菓子で簡単に作れるお菓子があるんですよ。 レシピも覚えてますし、私はシャーリーと一緒に作りたいのですが、どうですか?」
一緒に作りたい。その言葉で、シャーリーの顔は茹蛸の様に赤くなってしまい、返事は頷くだけで精一杯の様だ。
「それじゃあ、買い物に行きましょうか」
ムツキが作ろうとしているのはホットケーキとレアチーズケーキであった。
この2つは1から作った事があるのでレシピを覚えている。
この世界に来て、クッキーなどの焼き菓子は見たが、ケーキの類は見ていない。
パーティは立食形式だったのでデザートが並んでいても良さそうであったが、並んで無かったのでないものと思いたい。
「確認ですが、シャーリーはケーキと言う物を食べたことがありますか?」
「ケーキですか? いえ、初めて聞きました」
「それは良かった。 美味しいものを作りましょうね」
「はい」
2人が買い出しに向かった市場は人が沢山おり、ムツキとシャーリーははぐれない様に手を繋いで行動している。
主な材料である小麦粉や卵などの買い出しは済ませ、ムツキはある物を探しながらシャーリーに話しかけた。
「シャーリー、好きな果物はありますか? 付け合わせに一緒に乗せましょう。 あれ、どうしました? もしかして、手が痛かったですか?」
ムツキは慌ててシャーリーに向き直った。
力のコントロールは完璧に身につけたつもりで、シャーリーと手を繋いだのだが、まさか緊張で力を入れすぎて怪我をさせたのでは、と心配になったのだ。
「……いえ、大丈夫です。 あの、少し恥ずかしいだけで、果物は好きなので、たくさん乗せましょう」
シャーリーは子供の頃の親兄弟と手を繋いだ以外はムツキが初めて手を繋ぐ男性であった。
しかも、自分を綺麗だと言ってくれる旦那様。
手に伝わる体温が徐々に顔を熱くして、緩んだ顔をムツキに見せない様に、下を向いていたのだった。
「あの、ムツキ様、恥ずかしいので、そんなに見ないでください」
照れるシャーリーを見て、ムツキも忘れていた照れを思い出して「そ、そうか」と返事を返して果物を探して市場を巡った。
手を繋いで歩く2人の歩幅は、心なしかギクシャクしていたとかいないとか。
エレノアが気を利かせて2人で出かける事を薦めたのだ。
勿論、後日に自分も2人きりのデートの約束をしっかりと取り付けているのだが。
何はともあれ、今回、ムツキとシャーリーは、2人でのお出かけは初めて。
つまり、初デートであった。
2人は服装をばっちりエレノアとエリザベートにコーディネートされて城のエントランスに来ていた。
「それでは、お二人共、楽しんでらっしゃいませ」
「行ってらっしゃいね、ムツキ君、シャーリーちゃん」
2人に見送られてムツキとシャーリーはデートに出かけるのだった。
「ムツキ様、私、こうして殿方と出かけるのは初めてでして、あのなにかご不満があれば、その……」
「シャーリー、私もそこまで経験が多いわけではないよ。 エレノアとだってまだ数える程しか出かけたことなんてない。 平民だから貴族のエスコートにもなれてないんだ。 だけど、今日はシャーリーと一緒に楽しく過ごせる様に頑張るから、よろしくね」
「……はい」
ムツキの笑顔と共に発せられた言葉に、シャーリーは小さく頷いて頬を桃色に染めた。
ムツキはシャーリーが楽しく過ごせる様に、色々と考えたが、ここは異世界である。
なので映画館など、高校生くらいの時に友人がしていたデートプランは使い物にならない。
そこで、ムツキは色々と考えた結果、今日のプランをシャーリーに提案する事にした。
「シャーリーは甘いのは好きかな? 紅茶の淹れ方は凄く上手だったけど」
「はい、とても。 私は騎士もしていましたから、こう言ったかわいい趣味は似合わないかと思って1人でお茶をしていました。 だから、紅茶を入れるのは得意なんです!」
話としては、少し寂しいストーリーなのだが、シャーリーとしては紅茶の淹れ方を褒められたのが嬉しいのか、目を輝かせて嬉しそうに話した。
「そうか。 なら、色々と材料を買い出しして、お菓子を一緒に作ろうか? シャーリーの淹れた紅茶で2人でお茶会をしましょうう」
「お菓子を作るのですか? 難しそうです」
「私の国のお菓子で簡単に作れるお菓子があるんですよ。 レシピも覚えてますし、私はシャーリーと一緒に作りたいのですが、どうですか?」
一緒に作りたい。その言葉で、シャーリーの顔は茹蛸の様に赤くなってしまい、返事は頷くだけで精一杯の様だ。
「それじゃあ、買い物に行きましょうか」
ムツキが作ろうとしているのはホットケーキとレアチーズケーキであった。
この2つは1から作った事があるのでレシピを覚えている。
この世界に来て、クッキーなどの焼き菓子は見たが、ケーキの類は見ていない。
パーティは立食形式だったのでデザートが並んでいても良さそうであったが、並んで無かったのでないものと思いたい。
「確認ですが、シャーリーはケーキと言う物を食べたことがありますか?」
「ケーキですか? いえ、初めて聞きました」
「それは良かった。 美味しいものを作りましょうね」
「はい」
2人が買い出しに向かった市場は人が沢山おり、ムツキとシャーリーははぐれない様に手を繋いで行動している。
主な材料である小麦粉や卵などの買い出しは済ませ、ムツキはある物を探しながらシャーリーに話しかけた。
「シャーリー、好きな果物はありますか? 付け合わせに一緒に乗せましょう。 あれ、どうしました? もしかして、手が痛かったですか?」
ムツキは慌ててシャーリーに向き直った。
力のコントロールは完璧に身につけたつもりで、シャーリーと手を繋いだのだが、まさか緊張で力を入れすぎて怪我をさせたのでは、と心配になったのだ。
「……いえ、大丈夫です。 あの、少し恥ずかしいだけで、果物は好きなので、たくさん乗せましょう」
シャーリーは子供の頃の親兄弟と手を繋いだ以外はムツキが初めて手を繋ぐ男性であった。
しかも、自分を綺麗だと言ってくれる旦那様。
手に伝わる体温が徐々に顔を熱くして、緩んだ顔をムツキに見せない様に、下を向いていたのだった。
「あの、ムツキ様、恥ずかしいので、そんなに見ないでください」
照れるシャーリーを見て、ムツキも忘れていた照れを思い出して「そ、そうか」と返事を返して果物を探して市場を巡った。
手を繋いで歩く2人の歩幅は、心なしかギクシャクしていたとかいないとか。
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