僕とシロ

マネキネコ

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67. たまご肌

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 ――ひしっ!

 キリノさん……と、コリノさんである。

 これは僕が『さ、帰ろう!』と席を立ったことに起因きいんしている。

 「なあ、ボクも連れて行ってくれよ~。サービスするから……ね!」

 僕の左腕にすがりつき、ありもしない胸を押しつけてくる。

 いったい、どんなサービスをしてくれるというのだろう。

 まぁ、キリノさんの行動は何となくわかるような気もするのだが、コリノさんはなにゆえ?

 「……なんとなく……」

 右腕に縋りついていたコリノさんが聞いてもいないのに答えてきた。

 はあ、なんとなくでごぜぇーますか。――あぁもう!

 僕は2人を振り解く。そうしないと背中のほうで何かが立ち登っているのだ。(汗)

 そう、あの危険なもやだ。いけないヤツだ。

 おおーい、クロナ大丈夫だよ~。どこにも行かないぞ~。

 僕はクロナを抱きしめ頭をなでなでしてあげた。――いい子いい子。





 てなことで、僕らは一旦モンソロの街道へジャンプしたのち、いつもの温泉施設おんせんしせつへ転移してきた。

 ――ひしっ!

 エマたんである。……ここでもか。

 「カルロ兄さま ひどいです。エマをほったらかしにして~。エマはグレます! グレてしまいますから~」

 「ああ、ごめんな~エマ。ちょっといそがしかったんだよ。ほらっ、でっかいキャンディーだぞ。エマだけだぞ~」

 「あ~ん もう、エマは子供じゃありませーん」

 と言うわりには、顔がほころんでいるぞ。――かわゆす。

 あと、周りを見回すと家のメイドが数名いるだけみたいだ。少しさびしい思いをさせたのだろうか……。

 いや、最近 かまい過ぎていたのかもしれない。たぶん、手持ちのお菓子が無くなったのだろうな。





 もうすぐ夕刻、今日はうちの家族がちょこちょこ来るくらいだろう。

 温泉につかって旅の疲れをいやしますかね~。

 「クロナ、コリノさんキリノさんに施設の利用方法と温泉マナーを教えてあげてくれ。僕は一足先に露天風呂に行ってるから、何かあったら来てくれ」

 「はい、承知しょうちいたしましたカルロさま。コリノさんキリノさん、先ずは靴をお脱ぎになってこちらにお預入れください……」

 クロナがテキパキと2人に説明しつつ引率いんそつしていった。

 僕は自分の身体とシロやヤカン、そしてピーチャンを洗い上げたあと、みんなで露天風呂へ向かった。

 「うっぷはぁ~、やっぱり温泉は最高だな~」

 「はい、主様。こちらのお風呂もいい気持ちでございますねー」

 「だろう。けっこう広めに作ったからなぁ」

 そう言いながら、ぷかぷか浮いているヤカンの背をでてやっていると、

 「カルロ兄さまー、だーい好き! 明日は絶対サラに連れて行ってくださいね」

 シロと一緒に突入してきたエマが僕の背中にしがみついてきた。

 コヤツは~、甘えてきおってからに~。

 ――行きますとも。明日は ダンジョン・サラ に決定!!





 「いやーカルロ氏。人間もとんでもないものを作るんだね。外に温泉がくところはあっても湯舟まではなくてね~」

 そう言いながら、キリノさんがかかり湯をして露天風呂のふちをまたいできた。

 …………ん、…………ない。

 無かったよな。つるんとたまご肌だった。

 さすがに2度見するのは失礼と思い、目をらしたところへ今度はコリノさんが入ってきた。

 やはりたまご肌。みんなそうなの。もしかするとエルフってたまご肌?

 確かめたい、是非とも確かめてみたい。それにはサンプル数が少なすぎる。どうするよ?

 「カルロさま、どうかなさったのですか? 大丈夫ですか」

 目を皿のようにして、口までお湯につけブクブクやっていた僕にクロナが話しかけてきたのだ。

 いかんいかん。つい、いつものくせで もの思いにふけっていたな。

 そう思い顔を上げてみると、……わずかにぽやんだった。

 えっ、と思いさらに見上げてみると、何やら心配そうな顔でこちらを見ているクロナと目が合ってしまった。

 いや、でもクロナっていくつだっけ、


 クロナ  Lv.15

 年齢    11
 状態    通常
【従魔】  ポンタ(スライム)
 HP   40/40
 MP   57/37+20
 筋力    31
 防御    25
 魔防    25
 敏捷    33+5
 器用    15
 知力    25

【スキル】   魔法適性(光、風) 魔力操作(5) 槍術(2)

【魔法】    風魔法(3) 光魔法(3) 身体強化(2)

【称号】    王族の末裔、ポンタの主人、がんばり屋、エステティシャン、

【加護】    ユカリーナ・サーメクス


 おお、クロナ11歳だったか。レベルは15、身体パラメーターが凄いことになっているなぁ。

 その中でも敏捷びんしょうが頭ひとつ抜けているな。スピードがあると腕の未熟みじゅくさもある程度カバーできるし、風魔法の使い方も研究してるようだしな。

 称号しょうごうのエステティシャン。プロ並みということか? 今度やってもらおうかな。

 いやいや、そういう事じゃなくてだね~。あれだ! まだ11歳だよな。

 そういえば、獣人族じゅうじんぞくの中でも猫人族ねこびとぞくは成長が早いって昔タマ姉が言ってたような……。

 ついでにエマのも見とくかな。鑑定!


 エマ・アストレア Lv.10

 年齢     7
 状態    通常
 HP   30/30
 MP   48/28+20
 筋力    21
 防御    18
 魔防    19
 敏捷    17
 器用    11
 知力    23

【スキル】   槍術 (1) 魔法適性(水) 魔力操作(5)

【魔法】    風魔法(4) 身体強化(1)

【称号】    邸のアイドル、ゴブリンキラー、シルフィード、

【加護】    ユカリーナ・サーメクス


 エマも7歳になったのか。いつまで『お兄様』ってしたってくれるのだろう。町であった時にシカトされたら嫌だな。

 身体レベルは10か……。やり過ぎてしまったような気もしないでもない。このパラメーターは学園のジミ―とほぼ変わらないのだ。

 魔法に関しては追い抜いているし、ジミーがふてくされるのも分かるような気がするな。

 称号の「シルフィード」は “風の申し子” のように風を自在に使いこなすところからだろう。





 風呂から上がったあとは、適当に食事をして休憩きゅうけいスペースでごろ寝しようと思っていたのだが、夕食前にお風呂に入りに来たエレノア母様に捕まり館へ連れていかれてしまった。






―――――――――――――――――――――――――――――――――――
うぉー、キリノさん コリノさんは ”たまご肌”これはカルロでなくとも検証する必要があるかと。そう、サンプルを集めなくては。いや、ヤローのなんか要らないから。そうか、検証次第では、エルフさんは「上もなし下もなし」に…… (コラ!
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