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42. シロちゃん孝行
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あーぁ、行っちゃったなぁ。
――東京。
また、しばらくしたら行くことになるんだろうな。
次回はぜひとも ”つけ麺” を食べに行きたい。新宿に出て、”とんかつ” なんてのも捨てがたいかな。
マリアベルの妹である楓は、一人残ってもう少しレベルを上げていくようである。
たまには親元離れてのびのびしよう、というのが本当のところらしい。
まあ、お姉ちゃんであるマリアベルがこちらにいるから親も安心なんだろうが。
楓はマリアベルを「お姉ちゃんお姉ちゃん」と呼んでいるが、違和感はないのだろうか?
楓は17歳、マリアベルは13歳で、しかも西洋人顔である。
…………ふむ。
ご注文を頂いていたライトアーマーもようやく調整が終わったので、試してもらいたいところだけれど。
まだ、披露するわけにはいかないんだよね。
一旦、サーメクスに戻らないと大型ナイフもライトアーマーも渡すことはできない。
こちらのダンジョンでも、いろいろと出来ることがバレると面倒事になりかねない。
みんなには言わない方が無難だろうね。
頼めば何でもすぐ出てくる、どこぞの猫型ロボットのように扱われても嫌だしな。
まあ、低階層での探索なら、今の装備で十分なわけだし。
それにしたって、ライトアーマー。
クラネルさんのライトアーマーはなんとかなったけど、ヴァレン何某くんのやつが、これまた大変だったよ。
アニメのとおりに作ると、肩・脇・背中がぱっくり開いてるミニスカ・ワンピースでしょ。それに手を覆っているロングアームカバーと分割されたアームプロテクター。あと、ニーハイ・スキニーブーツ。
これでは防御力にかなりの問題があった。ていうか紙に等しい。
――紙装甲!
そこで、防刃シャツなどに使われているケブラー素材というものがあるけど。
このケブラー素材を中心に何度も試作を重ねていき、ようやく強度の高いストレッチ素材を作り出すことに成功したのだ。
これで、なんとか薄手のアームカバーと、防御力を備えたニーハイ・スキニーブーツを完成させたのだけれど。
いやー、カンゾー (ダンジョン) くんには頑張ってもらいましたわー。
ただね、服の生地に重量があるためか、
立ちまわり時に、ミニスカのひらひら感がなくなってしまったのは非常に惜しまれる点である。
それにしても、肌の露出が多いので、防御力には不安が残るわけでして……。
アームプロテクターにしても、激しく動けばズレてきてしまうわけでして……。
うぅ~~~ん。
まあ、何度か痛い思いをすれば紗月の考えも変わるだろう。
さて、ダンジョンの方だけれど、
三つあるダンジョンのうち、二つは福岡と東京で確定しました。
それじゃあ最後の一つは何処? って話になるけど。
フウガに言わせると、ほぼ【京都】で決まりらしい。
ただ、地震の頻度が低いため、場所の特定には至っていないそうだ。
それも、もう1~2回大きな地震が起これば判別できるだろうと、今朝の報告の時に言っていた。
本当に頼りになる。フウガを連れてきたのは正解だったな。
そして、次の満月 (帰還予定日) も近づいてきた。
誰を連れて行くかまでは決めてないが、今回は5日程で此方に戻る予定だ。向こうの時間だと10日ということになる。
ダンジョン・カンゾーの覚醒前には戻ってきたいからな。
管理下にあるとはいえ、ダンジョンの再起動は初めてのこと。完全覚醒する際はこちらで見守っていたほうがいいだろう。
あとは、こちら (日本) に確りとした生活基盤が必要だな。
いつまでも茂さんの世話になるという訳にはいかないだろう。
そのためには、こちらでの資金調達も必要になってくるわけだが。
こちらには冒険者ギルドもないし、金の売買もあまり大っぴらにやると目立ってしまうしな。
こちらでもダンジョン関連の整備が進んでいけば、やり様はいくらでもあるんだけどなぁ。
まあ、あせっても仕方ないので、おいおい考えていくことにしよう。
バイバーイ! みんなが手を振る先で、茂さんの運転する車は神社裏の坂道を下りていった。
俺の両脇にはメアリーとキロが並んでおり、後ろにはフウガがひかえている。
駐車場の横にある、でっかいクスノキの木陰では慶子、紗月、楓が集まっておしゃべりをしていた。
さ~て、急ぎのレベリングも終ったし、今日は何をして過ごそうかな。
時計は9時をまわったばかりだが、外はじわっと暑くなってきていた。
目の前でお座りしているシロも、ヘッヘッヘッヘと舌を出して暑そうだ。
そうだ、夏といえば海じゃないか! シロを海に連れていってあげよう。
泳ぐのが大好きだし、きっと喜ぶはずだ。
それに水着回で読者サービスもできるぞ。ヒャッホイ!
そんなわけで、みんなに声を掛けてみたのだが…………、
――あえなく撃沈。
慶子は焼けるから嫌だというし、紗月は、「留守番があるのでごめんなさい!」と手をあわせる。
メアリーと楓は今からダンジョンに一緒に潜るんだんって。
「…………キ、キロ?」
「申し訳ございませんがご主人さま、今日は買い出しと荷物の受け取りが一件ございまして……」
フウガはフウガで、ちょっと調べものがあるのだとか。
最後の望みで、マリアベルに電話をかけてみるが、
「女の子にはいろいろと準備が必要なんだから、急に言われてもダメなんだからね!」
だとさ。
う~ん、みんなつれないよねぇ~。
たしかに急すぎたかな。海に行ったところで、お盆過ぎてるから海水浴場はクラゲでいっぱいだろうし。
まぁ、いっか。
もともとシロを泳がせてやりたいと思ってのことだから、シロとふたりでも全然OKなのさ。
しかし、行くとするなら連絡受けたらすぐに帰れるところだよな。
そうすると、ダンジョン転移が可能な10キロ圏内ということか……。
う~ん、それならあそこだな!
生の松原・海岸森林公園。
「ちょっと出てくるから、何かあったらスマホによろしく」
そう紗月に伝えると、俺はカンゾー (ダンジョン) に転移する座標を指定する。
俺とシロは ”生の松原” へ転移した。
おお――――――っ! 晴れわたる空、青い海、白い砂浜。
い―――ね―――。この開放感!
もわんと暑いのは仕方ないよね。夏だから。
平日だからか、ほとんど人がいない浜辺。投げ釣りで竿を立てたおっちゃんが、たまにポツンポツンといるだけだ。
むろんギャルなんているはずもない。――ざんねん。
でも、いいんだ。
俺にはこうして砂浜を一緒に駆けてくれるシロがいるからさ。
……さみしくなんかないんだからね!
しばらく、潮風を吸い込みながらシロと砂浜を駆けていると、なんだか知らないけど気持ちが スカッ! とした。
今は木陰に腰を下ろし、海の波をものともせず泳ぎまわっているシロを眺めていた。
それにしても……、泳ぐスピードが速すぎないか?
あれじゃマリンジェットも真っ青だろう。
しかも、スススススー、スススススーと飛沫ひとつ立ててないのだ。
凄いよなぁ、さすがシロちゃんだ。
………………
――おっ、ようやく帰ってきたか。
広い海を縦横無尽に泳ぎまわって満足したのだろう。
波打ち際でブルブルブルと脱水しながらこちらに向かってくる。
喉が渇いているだろう。
木の器にお水をたくさん出してやった。
それをピチャピチャと旨そうに飲んでいるシロ。
「どうだ、いっぱい泳いで気持ち良かったか? そのうち、また連れてきてやるからな。お次は旨いメシでも食べにいくか!」
「ワン!」
尻尾をはち切れんばかりに振って喜んでいるシロ。ホントに可愛いやつだ。
砂浜からあがり、松の小道にはいった俺たちは光学迷彩を張った。
カンゾーに頼んで転移した先は、夜の歓楽街で有名な中洲の川端だ。
目的は、この季節のスタミナ食である『うなぎ』。
福岡でうなぎといえばココ、【吉塚う○ぎ】。
結構なお値段ではあるが、味は文句なし。
――今日は特別だからな。
二階の受付にて蒲焼二人前を持ち帰りで頼んだ。
………………
持ち帰り用の手さげ紙袋をぶらさげて表に出てきた。
シロも光学迷彩を張ったまま、ちゃんと付いてきている。
さて、これを何処で食べようか?
家で食べたら、絶対ヒンシュクものだよな……。
そうだ、空港へ行ってみようか。
空港といってもフェンスの外。撮影スポットにもなっている絶好の場所があるのだ。
うなぎ屋近くにあるコンビニによって、白ご飯とお茶を手にいれた俺たちは、今度は空港へと転移した。
飛行機が頭上を通過する際は少々うるさくなるが、ここは広々としていて、とても気持ちがいいのだ。
野外なので暑くはあるけど、俺もシロも遮熱の結界を張れるのでどうということはない。
俺はインベントリーから小さな椅子を取り出して座った。
シロのフライパンを出し、中にあったかご飯をいれ、上にうなぎを乗せていく。
その上から、うなぎのタレをタラ~リと掛けていると、シロの涎もタラ~リと垂れているのだった。
(もう少しだから、まっててね)
シロはお座りをしたままソワソワしている。
フライパンと俺を交互に見つめ、尻尾を振りながら前足をふみふみ。
俺は急いで自分の用意を終わらせると、
「よし! 食べよう。いただきまーす!」
はふはふ、もぐもぐもぐ。
うま――――――――い!
久しぶりに食べたうなぎは、これまた格別であった。
二人前で大枚 (1万円) がふっとんだが、コレなら納得できるよな。
お口のまわりについたうなぎのタレをペロペロとなめているシロ。
そんなシロの頭をやさしく撫でてやる。
(いつも傍にいて、支えてくれてありがとなぁ)
今回のシロちゃん孝行は、こんなところで良いだろうか。
次は長浜のラーメンでも食べにいこうな。そして、寒くなったら【もつ鍋】だよな。
じゃあ、そろそろ家 (神社) に戻るとするか。
シロを側に呼び、一緒に神社の境内へと戻ってきた。
カンゾー (ダンジョン) に転移のお礼を言ったあと、みんなと合流する。
さーて、レベル上げをしている皆さんのお手伝い、元気いっぱい続けていきますかねー。
――東京。
また、しばらくしたら行くことになるんだろうな。
次回はぜひとも ”つけ麺” を食べに行きたい。新宿に出て、”とんかつ” なんてのも捨てがたいかな。
マリアベルの妹である楓は、一人残ってもう少しレベルを上げていくようである。
たまには親元離れてのびのびしよう、というのが本当のところらしい。
まあ、お姉ちゃんであるマリアベルがこちらにいるから親も安心なんだろうが。
楓はマリアベルを「お姉ちゃんお姉ちゃん」と呼んでいるが、違和感はないのだろうか?
楓は17歳、マリアベルは13歳で、しかも西洋人顔である。
…………ふむ。
ご注文を頂いていたライトアーマーもようやく調整が終わったので、試してもらいたいところだけれど。
まだ、披露するわけにはいかないんだよね。
一旦、サーメクスに戻らないと大型ナイフもライトアーマーも渡すことはできない。
こちらのダンジョンでも、いろいろと出来ることがバレると面倒事になりかねない。
みんなには言わない方が無難だろうね。
頼めば何でもすぐ出てくる、どこぞの猫型ロボットのように扱われても嫌だしな。
まあ、低階層での探索なら、今の装備で十分なわけだし。
それにしたって、ライトアーマー。
クラネルさんのライトアーマーはなんとかなったけど、ヴァレン何某くんのやつが、これまた大変だったよ。
アニメのとおりに作ると、肩・脇・背中がぱっくり開いてるミニスカ・ワンピースでしょ。それに手を覆っているロングアームカバーと分割されたアームプロテクター。あと、ニーハイ・スキニーブーツ。
これでは防御力にかなりの問題があった。ていうか紙に等しい。
――紙装甲!
そこで、防刃シャツなどに使われているケブラー素材というものがあるけど。
このケブラー素材を中心に何度も試作を重ねていき、ようやく強度の高いストレッチ素材を作り出すことに成功したのだ。
これで、なんとか薄手のアームカバーと、防御力を備えたニーハイ・スキニーブーツを完成させたのだけれど。
いやー、カンゾー (ダンジョン) くんには頑張ってもらいましたわー。
ただね、服の生地に重量があるためか、
立ちまわり時に、ミニスカのひらひら感がなくなってしまったのは非常に惜しまれる点である。
それにしても、肌の露出が多いので、防御力には不安が残るわけでして……。
アームプロテクターにしても、激しく動けばズレてきてしまうわけでして……。
うぅ~~~ん。
まあ、何度か痛い思いをすれば紗月の考えも変わるだろう。
さて、ダンジョンの方だけれど、
三つあるダンジョンのうち、二つは福岡と東京で確定しました。
それじゃあ最後の一つは何処? って話になるけど。
フウガに言わせると、ほぼ【京都】で決まりらしい。
ただ、地震の頻度が低いため、場所の特定には至っていないそうだ。
それも、もう1~2回大きな地震が起これば判別できるだろうと、今朝の報告の時に言っていた。
本当に頼りになる。フウガを連れてきたのは正解だったな。
そして、次の満月 (帰還予定日) も近づいてきた。
誰を連れて行くかまでは決めてないが、今回は5日程で此方に戻る予定だ。向こうの時間だと10日ということになる。
ダンジョン・カンゾーの覚醒前には戻ってきたいからな。
管理下にあるとはいえ、ダンジョンの再起動は初めてのこと。完全覚醒する際はこちらで見守っていたほうがいいだろう。
あとは、こちら (日本) に確りとした生活基盤が必要だな。
いつまでも茂さんの世話になるという訳にはいかないだろう。
そのためには、こちらでの資金調達も必要になってくるわけだが。
こちらには冒険者ギルドもないし、金の売買もあまり大っぴらにやると目立ってしまうしな。
こちらでもダンジョン関連の整備が進んでいけば、やり様はいくらでもあるんだけどなぁ。
まあ、あせっても仕方ないので、おいおい考えていくことにしよう。
バイバーイ! みんなが手を振る先で、茂さんの運転する車は神社裏の坂道を下りていった。
俺の両脇にはメアリーとキロが並んでおり、後ろにはフウガがひかえている。
駐車場の横にある、でっかいクスノキの木陰では慶子、紗月、楓が集まっておしゃべりをしていた。
さ~て、急ぎのレベリングも終ったし、今日は何をして過ごそうかな。
時計は9時をまわったばかりだが、外はじわっと暑くなってきていた。
目の前でお座りしているシロも、ヘッヘッヘッヘと舌を出して暑そうだ。
そうだ、夏といえば海じゃないか! シロを海に連れていってあげよう。
泳ぐのが大好きだし、きっと喜ぶはずだ。
それに水着回で読者サービスもできるぞ。ヒャッホイ!
そんなわけで、みんなに声を掛けてみたのだが…………、
――あえなく撃沈。
慶子は焼けるから嫌だというし、紗月は、「留守番があるのでごめんなさい!」と手をあわせる。
メアリーと楓は今からダンジョンに一緒に潜るんだんって。
「…………キ、キロ?」
「申し訳ございませんがご主人さま、今日は買い出しと荷物の受け取りが一件ございまして……」
フウガはフウガで、ちょっと調べものがあるのだとか。
最後の望みで、マリアベルに電話をかけてみるが、
「女の子にはいろいろと準備が必要なんだから、急に言われてもダメなんだからね!」
だとさ。
う~ん、みんなつれないよねぇ~。
たしかに急すぎたかな。海に行ったところで、お盆過ぎてるから海水浴場はクラゲでいっぱいだろうし。
まぁ、いっか。
もともとシロを泳がせてやりたいと思ってのことだから、シロとふたりでも全然OKなのさ。
しかし、行くとするなら連絡受けたらすぐに帰れるところだよな。
そうすると、ダンジョン転移が可能な10キロ圏内ということか……。
う~ん、それならあそこだな!
生の松原・海岸森林公園。
「ちょっと出てくるから、何かあったらスマホによろしく」
そう紗月に伝えると、俺はカンゾー (ダンジョン) に転移する座標を指定する。
俺とシロは ”生の松原” へ転移した。
おお――――――っ! 晴れわたる空、青い海、白い砂浜。
い―――ね―――。この開放感!
もわんと暑いのは仕方ないよね。夏だから。
平日だからか、ほとんど人がいない浜辺。投げ釣りで竿を立てたおっちゃんが、たまにポツンポツンといるだけだ。
むろんギャルなんているはずもない。――ざんねん。
でも、いいんだ。
俺にはこうして砂浜を一緒に駆けてくれるシロがいるからさ。
……さみしくなんかないんだからね!
しばらく、潮風を吸い込みながらシロと砂浜を駆けていると、なんだか知らないけど気持ちが スカッ! とした。
今は木陰に腰を下ろし、海の波をものともせず泳ぎまわっているシロを眺めていた。
それにしても……、泳ぐスピードが速すぎないか?
あれじゃマリンジェットも真っ青だろう。
しかも、スススススー、スススススーと飛沫ひとつ立ててないのだ。
凄いよなぁ、さすがシロちゃんだ。
………………
――おっ、ようやく帰ってきたか。
広い海を縦横無尽に泳ぎまわって満足したのだろう。
波打ち際でブルブルブルと脱水しながらこちらに向かってくる。
喉が渇いているだろう。
木の器にお水をたくさん出してやった。
それをピチャピチャと旨そうに飲んでいるシロ。
「どうだ、いっぱい泳いで気持ち良かったか? そのうち、また連れてきてやるからな。お次は旨いメシでも食べにいくか!」
「ワン!」
尻尾をはち切れんばかりに振って喜んでいるシロ。ホントに可愛いやつだ。
砂浜からあがり、松の小道にはいった俺たちは光学迷彩を張った。
カンゾーに頼んで転移した先は、夜の歓楽街で有名な中洲の川端だ。
目的は、この季節のスタミナ食である『うなぎ』。
福岡でうなぎといえばココ、【吉塚う○ぎ】。
結構なお値段ではあるが、味は文句なし。
――今日は特別だからな。
二階の受付にて蒲焼二人前を持ち帰りで頼んだ。
………………
持ち帰り用の手さげ紙袋をぶらさげて表に出てきた。
シロも光学迷彩を張ったまま、ちゃんと付いてきている。
さて、これを何処で食べようか?
家で食べたら、絶対ヒンシュクものだよな……。
そうだ、空港へ行ってみようか。
空港といってもフェンスの外。撮影スポットにもなっている絶好の場所があるのだ。
うなぎ屋近くにあるコンビニによって、白ご飯とお茶を手にいれた俺たちは、今度は空港へと転移した。
飛行機が頭上を通過する際は少々うるさくなるが、ここは広々としていて、とても気持ちがいいのだ。
野外なので暑くはあるけど、俺もシロも遮熱の結界を張れるのでどうということはない。
俺はインベントリーから小さな椅子を取り出して座った。
シロのフライパンを出し、中にあったかご飯をいれ、上にうなぎを乗せていく。
その上から、うなぎのタレをタラ~リと掛けていると、シロの涎もタラ~リと垂れているのだった。
(もう少しだから、まっててね)
シロはお座りをしたままソワソワしている。
フライパンと俺を交互に見つめ、尻尾を振りながら前足をふみふみ。
俺は急いで自分の用意を終わらせると、
「よし! 食べよう。いただきまーす!」
はふはふ、もぐもぐもぐ。
うま――――――――い!
久しぶりに食べたうなぎは、これまた格別であった。
二人前で大枚 (1万円) がふっとんだが、コレなら納得できるよな。
お口のまわりについたうなぎのタレをペロペロとなめているシロ。
そんなシロの頭をやさしく撫でてやる。
(いつも傍にいて、支えてくれてありがとなぁ)
今回のシロちゃん孝行は、こんなところで良いだろうか。
次は長浜のラーメンでも食べにいこうな。そして、寒くなったら【もつ鍋】だよな。
じゃあ、そろそろ家 (神社) に戻るとするか。
シロを側に呼び、一緒に神社の境内へと戻ってきた。
カンゾー (ダンジョン) に転移のお礼を言ったあと、みんなと合流する。
さーて、レベル上げをしている皆さんのお手伝い、元気いっぱい続けていきますかねー。
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