9 / 82
6. お守り
しおりを挟む
リードをシロの首輪につけ、昨日座っていた石階段の前で立ち止まる。
50段はあろうか、目の前には細い石階段が下の鳥居まで続いている。
その先には道路がまっすぐに伸びており、その昔はこの老松神社の参道であろうことが窺えた。
(いつも通っていたあの道は参道だったのか。今はごく普通の道路だから全然気づかないよな)
さて、散歩に出るのはいいけど何処をまわろうかな?
「天気はいいみたいだね。シロはどっちに行きたい?」
『みえる、やま、いく、からす、たのしい、はやく』
カラスが何とかって……。
たしか、起きがけにも同じようなことを言ってなかったか?
シロが尻尾を振りながら見つめている方角を俺も一緒に見やる。
「…………!?」
あっ! もしかして、あの鉄塔がたっている山のことを言ってるのかな。
シロを飼っていた頃だから……、かれこれ40年程前になるかな。
当時、住んでいた家の側に鴻巣山という100m程の小高い山があった。
住宅地の中にあるその山には誰もが手軽に散策できるようにと、山の中腹から遊歩道が整備されていた。
当時、高校生だった俺はシロを連れてよく散歩にいったものだ。
そういえば、シロがいうようにカラスの住処にもなっていたよね。
懐かしいな~。
じゃあ、鴻巣山まで行ってみようか。
俺はシロを連れ石階段を一気に駆けおりた。
結界で身を隠しながら、車の少ない朝の道路を目的地に向かって疾走する。
(おお、もう着いたか)
時間にして3分程だったか、俺たちは遊歩道の入口に到着した。
自動車を使っても10分以上かかる距離である。
懐かしい鴻巣山をシロと一緒に歩いていく。
(ここは当時のまま、何も変わってないんだなぁ~)
山と自然を満喫しながら、ぐるりと一周まわって麓の広場まで下りてきた。
今から神社に戻るわけだが、試しに魔法を使ってみるか。
――トラベル!
ん、あれれっ、戻ってこれたぞ。 使えるじゃん、トラベル!
それならばと、
………………
そのあと何度も試してみたが、やはりあちらの世界には帰れなかった。
――なんでだよ!?
考えられることは、【トラベル!】以外の方法でこちらに転移してきたのか? それとも、単に魔力が足りていないだけなのか?
「……………………」
まっ、いっかぁ! あとで考えよう。
「ただいまー!」
玄関の引き戸をあけ、借りたリードはとりあえず靴箱の上に置いておく。
シロには浄化をかけさせ玄関から家にあがった。
台所からはトントントントン、包丁まな板の小気味良い音が響いてくる。
ああ、日本の朝って感じだな。
「今戻りました!」
「うん、おかえり」
居間へ顔を出すと、茂さんは新聞を広げていた。
そういえば、この家ってテレビがないよなぁ。珍しい。
まあ、テレビがあると家族の会話が減るとか、受験生がいるからとか、理由は様々あるらしいけど。
――まったく違いましたぁ。
先週、古いテレビが壊れて映らなくなってしまったそうだ。
すぐに買い替える予定だったが【夏越の祓】などで忙しくなり、それで後回しになっているのだとか。
「今日はほら、例の件で外に出るだろう。その時一緒に見てこようかと思っているんだけどね」
例の件とは質屋のことだね。
みんなで朝食をいただく。
楽しくお喋りしながらの食事だが、話題はやはり異世界のことだ。
紗月ちゃんは昨日からスイッチが入りっぱなしのようで、
「モフモフはどうなっているんですか? 亜人が居たりするんですか?」
「うん、モフモフとは何を指しているのか分からないけれど、亜人だったら居るよ。うちの国は差別が少ないから町中にも結構いる感じかなぁ」
「俺が出会った者をあげると、エルフだろう、ドワーフだろう、それに龍人族・犬人族・猫人族・熊人族・狼人族だな」
「えっと、それで顔のつくりはどっちのタイプですか?」
(んん、どっちのタイプ?)
あぁ~、そゆことね。
「顔のつくりは人間よりだよ。中にはケットシーというのがいて妖精種なんだが、姿はデカい猫だったなぁ」
「写真とかないんですか? インスタとかは?」
「おいおい、向こうにはカメラもスマホもないんだぞぉ。それにインスタってなんだー?」
そうだね。戻れた時にはビデオカメラやチェキなんかを持っていくのも面白いかもね。
しかし電気がないんだよな~。
ソーラー発電機や水力発電機などがあれば、ちょっとした家電や電池の充電ぐらいはできるのかな。
結構お金は掛かりそうだけど……。
「そーなんですね。いいな~。ゲンさんだけズルいです!」
「そう言われてもなぁ……。じゃあ気軽に行けるようになったら、連れていってあげるよ」
「ホントですかぁ、やったー! 言質とりましたからね!」
「ああ、だけど、お父さんの許可をもらわないとダメだからね」
「ええー、マジですか~」
朝食を終えると、茂さんは用事があるとかで車に乗って出かけていった。
腹ごなしに木剣でも振ってみるかな。
シロを連れて外に出た俺は、邪魔にならないよう境内の端の方で素振りをはじめた。
すると、しばらくして玄関から巫女服に着替えた紗月ちゃんが姿をあらわした。
そのまま社務所へ入ったかと思ったら、中を通って隣りの授与所に出てきた。
前のサッシ窓を開け、空気の入れ替えをおこなっているようだ。
埃避けで掛けていた白布を取り去り、お札やお守りをキッチリと並べ直していく。
(神社の仕事も大変だよなぁ)
掃除にしても、一人でやってたら結構な時間が掛かるんじゃないか。
まあ、朝の境内の掃除は近所の人達も手伝ってくれているようだけど……。
木剣での素振りを終えた俺は、それとなく授与所の方をぼーっと眺めていた。
すると、俺と目があった紗月ちゃんがおいでおいでと手招きしている。
んっ、何だろう? 近寄ってみると、
「どうぞお納めください」
紗月ちゃんは手に持ったお守りを俺に渡してきた。
「これは?」
「お守りです!」
いやいやいや、それはわかっているんだけど、これって縁結びのお守りだよねぇ。
「ゲンさんが昨日仰っていた異世界とのご縁がありますように。そして、早くあちらへ戻れますように……、です」
――なんて、ええ娘や!
「ありがとう。大切に持っておくよ」
「神社のお守りには神様のお心が宿っていらっしゃいます。ですから、数えるときは一つ、二つや1個、2個ではなく、 ”一体、二体” と数えるのが正しいんですよ。ですから、お守りをお渡しする際も “どうぞお納め下さい” といった言い方になるんです」
紗月ちゃんは笑顔で教えてくれた。
なるほどね、お守りは一体、二体か……。覚えておくとしよう。
「俺もシロも こうしてご厄介になっているんだから、力仕事なんかあったらどんどん言ってよね。何だって手伝うから」
しばらくすると茂さんが戻ってきたので、昼食を済ませてから町へ出かけることになった。
まず、質屋をまわってみたのだが、その辺の質屋ではダメなようだ。
換金できないのではなく、金の地金を鑑定に出す必要があるので時間がかかってしまうのだ。
『急ぎなら、大きな宝飾店や専門に扱う店に持ち込んでみては』
と、お店の人が教えてくれた。
そういうことなら……。
以前 (生前) 利用したことがあるお店が【天神】にある。
すこし遠いが、そちらに向かってもらうことにした。
天神はデパートや商業施設が建ち並ぶ福岡で1番の繁華街である。
ジャージにサンダルという格好が、すこし恥ずかしかったのだがこの際しかたがない。
車を地下の駐車場に止め、新天町 (商店街) へ入っていった。
目的の店は現在もそこに存在していた。
――よかった。
以前といっても、こちらの時間で10年以上経っていたので、お店があるかどうか心配だったのだ。
店内に入り、地金の買取りをお願いした。
すると、材質鑑定で少し削ることを承諾させられ、1時間半ほど時間をいただきたいとのこと。
俺は茂さんの顔を伺った。
「そのくらいなら、ぜんぜん問題ないよ」
茂さんは大きく頷くと、笑顔で了承してくれた。
50段はあろうか、目の前には細い石階段が下の鳥居まで続いている。
その先には道路がまっすぐに伸びており、その昔はこの老松神社の参道であろうことが窺えた。
(いつも通っていたあの道は参道だったのか。今はごく普通の道路だから全然気づかないよな)
さて、散歩に出るのはいいけど何処をまわろうかな?
「天気はいいみたいだね。シロはどっちに行きたい?」
『みえる、やま、いく、からす、たのしい、はやく』
カラスが何とかって……。
たしか、起きがけにも同じようなことを言ってなかったか?
シロが尻尾を振りながら見つめている方角を俺も一緒に見やる。
「…………!?」
あっ! もしかして、あの鉄塔がたっている山のことを言ってるのかな。
シロを飼っていた頃だから……、かれこれ40年程前になるかな。
当時、住んでいた家の側に鴻巣山という100m程の小高い山があった。
住宅地の中にあるその山には誰もが手軽に散策できるようにと、山の中腹から遊歩道が整備されていた。
当時、高校生だった俺はシロを連れてよく散歩にいったものだ。
そういえば、シロがいうようにカラスの住処にもなっていたよね。
懐かしいな~。
じゃあ、鴻巣山まで行ってみようか。
俺はシロを連れ石階段を一気に駆けおりた。
結界で身を隠しながら、車の少ない朝の道路を目的地に向かって疾走する。
(おお、もう着いたか)
時間にして3分程だったか、俺たちは遊歩道の入口に到着した。
自動車を使っても10分以上かかる距離である。
懐かしい鴻巣山をシロと一緒に歩いていく。
(ここは当時のまま、何も変わってないんだなぁ~)
山と自然を満喫しながら、ぐるりと一周まわって麓の広場まで下りてきた。
今から神社に戻るわけだが、試しに魔法を使ってみるか。
――トラベル!
ん、あれれっ、戻ってこれたぞ。 使えるじゃん、トラベル!
それならばと、
………………
そのあと何度も試してみたが、やはりあちらの世界には帰れなかった。
――なんでだよ!?
考えられることは、【トラベル!】以外の方法でこちらに転移してきたのか? それとも、単に魔力が足りていないだけなのか?
「……………………」
まっ、いっかぁ! あとで考えよう。
「ただいまー!」
玄関の引き戸をあけ、借りたリードはとりあえず靴箱の上に置いておく。
シロには浄化をかけさせ玄関から家にあがった。
台所からはトントントントン、包丁まな板の小気味良い音が響いてくる。
ああ、日本の朝って感じだな。
「今戻りました!」
「うん、おかえり」
居間へ顔を出すと、茂さんは新聞を広げていた。
そういえば、この家ってテレビがないよなぁ。珍しい。
まあ、テレビがあると家族の会話が減るとか、受験生がいるからとか、理由は様々あるらしいけど。
――まったく違いましたぁ。
先週、古いテレビが壊れて映らなくなってしまったそうだ。
すぐに買い替える予定だったが【夏越の祓】などで忙しくなり、それで後回しになっているのだとか。
「今日はほら、例の件で外に出るだろう。その時一緒に見てこようかと思っているんだけどね」
例の件とは質屋のことだね。
みんなで朝食をいただく。
楽しくお喋りしながらの食事だが、話題はやはり異世界のことだ。
紗月ちゃんは昨日からスイッチが入りっぱなしのようで、
「モフモフはどうなっているんですか? 亜人が居たりするんですか?」
「うん、モフモフとは何を指しているのか分からないけれど、亜人だったら居るよ。うちの国は差別が少ないから町中にも結構いる感じかなぁ」
「俺が出会った者をあげると、エルフだろう、ドワーフだろう、それに龍人族・犬人族・猫人族・熊人族・狼人族だな」
「えっと、それで顔のつくりはどっちのタイプですか?」
(んん、どっちのタイプ?)
あぁ~、そゆことね。
「顔のつくりは人間よりだよ。中にはケットシーというのがいて妖精種なんだが、姿はデカい猫だったなぁ」
「写真とかないんですか? インスタとかは?」
「おいおい、向こうにはカメラもスマホもないんだぞぉ。それにインスタってなんだー?」
そうだね。戻れた時にはビデオカメラやチェキなんかを持っていくのも面白いかもね。
しかし電気がないんだよな~。
ソーラー発電機や水力発電機などがあれば、ちょっとした家電や電池の充電ぐらいはできるのかな。
結構お金は掛かりそうだけど……。
「そーなんですね。いいな~。ゲンさんだけズルいです!」
「そう言われてもなぁ……。じゃあ気軽に行けるようになったら、連れていってあげるよ」
「ホントですかぁ、やったー! 言質とりましたからね!」
「ああ、だけど、お父さんの許可をもらわないとダメだからね」
「ええー、マジですか~」
朝食を終えると、茂さんは用事があるとかで車に乗って出かけていった。
腹ごなしに木剣でも振ってみるかな。
シロを連れて外に出た俺は、邪魔にならないよう境内の端の方で素振りをはじめた。
すると、しばらくして玄関から巫女服に着替えた紗月ちゃんが姿をあらわした。
そのまま社務所へ入ったかと思ったら、中を通って隣りの授与所に出てきた。
前のサッシ窓を開け、空気の入れ替えをおこなっているようだ。
埃避けで掛けていた白布を取り去り、お札やお守りをキッチリと並べ直していく。
(神社の仕事も大変だよなぁ)
掃除にしても、一人でやってたら結構な時間が掛かるんじゃないか。
まあ、朝の境内の掃除は近所の人達も手伝ってくれているようだけど……。
木剣での素振りを終えた俺は、それとなく授与所の方をぼーっと眺めていた。
すると、俺と目があった紗月ちゃんがおいでおいでと手招きしている。
んっ、何だろう? 近寄ってみると、
「どうぞお納めください」
紗月ちゃんは手に持ったお守りを俺に渡してきた。
「これは?」
「お守りです!」
いやいやいや、それはわかっているんだけど、これって縁結びのお守りだよねぇ。
「ゲンさんが昨日仰っていた異世界とのご縁がありますように。そして、早くあちらへ戻れますように……、です」
――なんて、ええ娘や!
「ありがとう。大切に持っておくよ」
「神社のお守りには神様のお心が宿っていらっしゃいます。ですから、数えるときは一つ、二つや1個、2個ではなく、 ”一体、二体” と数えるのが正しいんですよ。ですから、お守りをお渡しする際も “どうぞお納め下さい” といった言い方になるんです」
紗月ちゃんは笑顔で教えてくれた。
なるほどね、お守りは一体、二体か……。覚えておくとしよう。
「俺もシロも こうしてご厄介になっているんだから、力仕事なんかあったらどんどん言ってよね。何だって手伝うから」
しばらくすると茂さんが戻ってきたので、昼食を済ませてから町へ出かけることになった。
まず、質屋をまわってみたのだが、その辺の質屋ではダメなようだ。
換金できないのではなく、金の地金を鑑定に出す必要があるので時間がかかってしまうのだ。
『急ぎなら、大きな宝飾店や専門に扱う店に持ち込んでみては』
と、お店の人が教えてくれた。
そういうことなら……。
以前 (生前) 利用したことがあるお店が【天神】にある。
すこし遠いが、そちらに向かってもらうことにした。
天神はデパートや商業施設が建ち並ぶ福岡で1番の繁華街である。
ジャージにサンダルという格好が、すこし恥ずかしかったのだがこの際しかたがない。
車を地下の駐車場に止め、新天町 (商店街) へ入っていった。
目的の店は現在もそこに存在していた。
――よかった。
以前といっても、こちらの時間で10年以上経っていたので、お店があるかどうか心配だったのだ。
店内に入り、地金の買取りをお願いした。
すると、材質鑑定で少し削ることを承諾させられ、1時間半ほど時間をいただきたいとのこと。
俺は茂さんの顔を伺った。
「そのくらいなら、ぜんぜん問題ないよ」
茂さんは大きく頷くと、笑顔で了承してくれた。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
キャンピングカーで往く異世界徒然紀行
タジリユウ
ファンタジー
《第4回次世代ファンタジーカップ 面白スキル賞》
【書籍化!】
コツコツとお金を貯めて念願のキャンピングカーを手に入れた主人公。
早速キャンピングカーで初めてのキャンプをしたのだが、次の日目が覚めるとそこは異世界であった。
そしていつの間にかキャンピングカーにはナビゲーション機能、自動修復機能、燃料補給機能など様々な機能を拡張できるようになっていた。
道中で出会ったもふもふの魔物やちょっと残念なエルフを仲間に加えて、キャンピングカーで異世界をのんびりと旅したいのだが…
※旧題)チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
※カクヨム様でも投稿をしております
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
僕とシロ
マネキネコ
ファンタジー
【完結済】僕とシロの異世界物語。
ボクはシロ。この世界の女神に誘われてフェンリルへと転生した犬のシロ。前回、ボクはやり遂げた。ご主人様を最後まで守り抜いたんだ。「ありがとう シロ。楽しかったよ。またどこかで……」ご主人様はそう言って旅立たっていかれた。その後はあっちこっちと旅して回ったけど、人と交われば恐れられたり うまく利用されたりと、もうコリゴリだった。そんなある日、聞こえてきたんだ、懐かしい感覚だった。ああ、ドキドキが止まらない。ワクワクしてどうにかなっちゃう。ホントにご主人様なの。『――シロおいで!』うん、待ってて今いくから……
……異世界で再び出会った僕とシロ。楽しい冒険の始まりである………
ただのFランク探索者さん、うっかりSランク魔物をぶっとばして大バズりしてしまう~今まで住んでいた自宅は、最強種が住む規格外ダンジョンでした~
むらくも航
ファンタジー
Fランク探索者の『彦根ホシ』は、幼馴染のダンジョン配信に助っ人として参加する。
配信は順調に進むが、二人はトラップによって誰も討伐したことのないSランク魔物がいる階層へ飛ばされてしまう。
誰もが生還を諦めたその時、Fランク探索者のはずのホシが立ち上がり、撮れ高を気にしながら余裕でSランク魔物をボコボコにしてしまう。
そんなホシは、ぼそっと一言。
「うちのペット達の方が手応えあるかな」
それからホシが配信を始めると、彼の自宅に映る最強の魔物たち・超希少アイテムに世間はひっくり返り、バズりにバズっていく──。
☆10/25からは、毎日18時に更新予定!
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる