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番外編
番外編①後編
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「……ディラン、帰ってこないですね」
「アイツ、まさかとは思うが、女子棟に行っちまったんじゃ?」
ロジーの疑問の声に対してハッと閃いたように、ダリアが発言する。
正直、かなり可能性のある話だった。ディランは何かと限界を迎えると箍が外れるところがある。それは付き合いはフェリシア程に長くはなくとも、何度も色んな事に巻き込まれた全員が知っている事だった。
「止めに行こう」
「ユリウスさん!?正気ですか!!?行ったら行ったで、僕らまで巻き込まれる可能性があるのですよ?」
「だって羨ま――んん゛、許せないだろう。ディランは彼女に会いに行きたいって言っていた俺とロジーを差し置いて、勝手に行くだなんて。制裁を与えないと」
ユリウスの目は廊下を見据えており、その色は痛いくらいに本気だった。一瞬、聞き逃せない発言をしそうにはなったが、よほど一人で行ったディランが許せないのだろう。
「お前……絶対、お前まで女子棟に行ったりはしないよな?言っておくが、俺は妻に疑われたくないし、これ以上余計な心配をかけたくない。だから、パーティーのリーダーでもあったお前に今回の件は全て任せるつもりだ。……本当に信用していいんだよな?」
「ああ。信用してくれ。俺はあの裏切り者を許すつもりはない」
「分かった。行ってこい。あと、ロジー、お前も監視役としてついて行ってやれ」
「っはい!」
方向性は、すぐに固まった。そこにはただ前を見据える勇者がいたのだった――。
***
「そういえばなのですが、ディランはともかく、ユリウスさんは何故そんなにもフェリシアさんの事が好きなのですか」
ロジーはずっと無言でいたユリウスに話しかける。声は少し震えていたかもしれない。ユリウスに気づかれて、揶揄う――のはどちらかというとディランなので、ないとして、何かしらの気を遣われたり、子供扱いをされるのが嫌だった故に強がって表面に出さないではいるが、彼にとって夜の病院はちょっと不気味だった。
明かりが少ない故に、目を必要以上に凝らしてしまう。魔法が得意故に高い想像力が、この先、角を曲がったら何かが出て来てしまうのでは?という無駄な妄想をする。もしかして足音が一つ増えていないか?この病院はこんなにも静かな場所だっただろうか。もしかして、自分達は病院ではない、どこか違う異世界に迷い込んでしまったのではないか――。
疑問と妄想は膨らんでいく。それが嫌だった。いくら恐ろしい魔物と対峙してきたからといって、魔物と幽霊は別物なのである。
だから、関係のない話を振る事でそれを少しでも誤魔化したかった。
「ん?そういえばロジーには話してなかったっけ?」
「ええ。ディランは結構フェリシアさんの話題が出ると、べらべら喋りますが、貴方のは聞いた事がないです」
そうなのだ。ディランは基本的に男のみになり、女性関連の話題を振られると、ベラッベラと無駄にフェリシアについて語って、マウントを取ってくる。
最初は何を同じパーティに所属している女性に対して、何を懸想しているんだ、この万年発情期男は。気持ち悪い。などと思っていたが、フェリシアに対して近い感情を抱くようになってからは、今度はマウントを度々とってきてウザったい、キモイという感想に落ち着いた。
どちらにしろキモいという感想に落ち着くのは変わりないが、それに対するプロセスが変化したのだ。
しかし、ディランとユリウスは違った。毎回ディランの語りにもほどほどに反応し、嫉妬など全くしていませんよ~みたいな態度をとるくせに、フェリシアに向ける視線は誰よりも熱いのだ。
「そうだな。好きなところは一つや二つじゃないから、彼女を好きになった切っ掛けを騙るのは時間がかか――」
「あ。長くなるならいいです」
「いや、聞いておいてそれ!?あー、いいや、もう勝手に語る。俺が彼女を好きになった切っ掛けはね」
そこからのユリウスの話は滅茶苦茶長かった。ロジーがこの話題を出したことを後悔したほどに長々と出会った当初のことから掛けられた言葉の一つ一つ。そして、好きになったところ――強い瞳の色や真っ直ぐな性格、基本的に態度がツンツンしているが、その実誰よりも他人の事を考えて行動しているところなどなど――を頬を染めながら語られ続けた。
ロジーはその間、こんなに語れるくらいだったら、フェリシアに対する上手いアプローチの一つでも出来るように何か作戦でも考えればいいのになどとは思ったが、ライバルに助言などしてやる気は更々ないので黙っていたのだった。
「でも、結局俺は彼女に貰ったあの言葉が眩しくて仕方がなかったというのが一番大きな理由なのかもしれない。あの言葉ってなんなのかって?前に彼女は言ったんだ。俺が『君は何故俺やダリアのようにパーティに加入して魔王を倒すことを強制されたわけではないのに、共に来たんだ?』と聞いた時――」
「あ!あれ、あの無駄に身長が高いシルエットはディランじゃないですか!?」
「え、結構重要な部分の話だったと思うんだけど!?」
もう既に殆ど聞いていなかったユリウスの話を遮り、注意を影の方に向ける。実はロジーはディランやユリウスの身長の高さや男らしさに憧れを持つと同時に、羨ましかったりする。だから無意識のうちに扱いが雑になるのだった。
「でも廊下で突っ立っていて、何か様子がおかしくないか?」
「なんでしょう、何かを見て――は?」
ディランの視線の先を辿って、ロジーは驚きに目を見開く。
こちらの男子棟から見える女子棟の廊下。そこに明らかに看護師や医師ではない、全身黒尽くめのガッチリとした人型が歩いていたのだ。明らかに怪しい。しかも向かっている先は、女子棟3階の奥――フェリシアとイリスが入院していると聞いた場所だった。
「ディラン、ユリウスさん!アイツ、あの男!!」
3人はお互いに目を合わせると同時に、走り出した。
****
「……見失いましたね」
「まずいな、この病院の女子棟、それもあの方角に現在入院しているのはフェリシアとイリス、そしてご年配の貴族の淑女の方々だったはずだ」
「よし。ユリウス、ロジー、お前達二人がそのババア達のところに行って守ってこい」
「は?」
「ん?何を言っているのかな、ディラン」
先程までは不審者を捕まえようと協力関係にあったものがディランの発言で一転、険悪なものに変わっていく。
正直なところ、3人が3人共見知らぬババアがどうなったところでどうでもよかった。勇者パーティとしてそれで良いのかと言われる部分ではあるが、実のところ国民のためなどという大義名分で戦ってなどいないのだ。特にディランが。
「そもそもなんでディランが真っ先にフェリシアさんの元に行こうとしているんですか?貴方だけ彼女に良い姿を見せようだなんて、納得できません。ユリウスさんと二人で淑女方のところに行ってきてください」
「そうだよね。それにディランはこの中でも一番体術にも恵まれている。だから魔法メインで補い合えるロジーと戦闘経験などないであろう、か弱い淑女方のところに行くべきだ」
「そんなこと言ったら、ロジーだって魔法が得意なんだから弱い人間を守ることに向いているだろ。それにユリウス、お前も腐っても勇者なんだから、体術に自信がないだなんて言わせねえぞ」
3人が3人共、自身の行きたい場所に行くために、もう一つの役割を押し付け合う。いつまでも続くかと思われた言い争いだが、それを遮る叫び声が病院中に鳴り響いた。
男の野太い声と、それ以上の大きさ、そして複数の甲高い女性の叫び声。明らかにフェリシアとイリスのものではなかった。
「っ行くぞ!」
「分かってますよ、ディランが仕切らないでください!」
3人は下らない言い争いをすぐにやめ、音の方向に走り始める。そうして扉を開けた先に居たのは――。
「また妙な男達が入って来たわ!!」
「っぐ、た、すけ――」
「ちょ、待て。俺達は悲鳴が聞こえたから、助けに……ってアンタ、フェリシアとイリスの親父さん?」
「っ何故、娘達の寝顔を見に来ただけでこんな目に――」
ドアを開けた先の空間は途轍もなくカオスなものとなっていた。
ナイトドレスに身を包みながらも、男に襲いかかる勇ましい淑女集団と頭を守るためにうつ伏せで少しでも衝撃を軽減しようとしながらも、淑女からの猛攻を受け続けている男(フェリシアとイリスの父親)。
そしてその空間に足を踏み入れてしまったことで、男の協力者だと思われた挙句、今にも淑女の鉄槌が下りそうなディランとユリウス、そしてロジー。現場は混沌を極めていた。
*****
あの後。騒ぎを聞きつけ、入室してきた病院の医師と警護隊によって3人と男は救い出され、なんとか無事にあの魔の病室から出ることが出来た――が、特にイリスとフェリシアの父親に関しては、病院の面会許可を得られていないにも関わらず、無事な娘達の寝顔を見たかったという気持ちの悪い理由から忍び込んでいたことがバレた。そうして、女性の病室に忍び込んだということで、全員揃ってこってりと絞られたのだった。
そして現在。
「フェルー、お前なら助けてくれるよな!?」
「フェリシア!!?み、見ないでくれ!!」
「っフェリシアさん、これは、その違うんです。僕は二人に巻き込まれただけで――」
「おお、我が愛しの娘達よ……その無事な姿を見せておくれ」
全棟共有の中庭にて。木に逆さ吊りでぶら下げられている4人の馬鹿男がいた。
「うっわ、なにアレ」
「ダメですよ、姉様。目を向けちゃいけません。バカが移ります」
「そうね、私、今日だけはフェリシアって名前を捨てるわ。あの人達も誰だか知らない」
「そういえば姉様、今日はお母さまが会いに来てくれるそうですよ」
「それは楽しみね。じゃあ、とびきり美味しいお茶を用意してもらわなくちゃ」
「アイツ、まさかとは思うが、女子棟に行っちまったんじゃ?」
ロジーの疑問の声に対してハッと閃いたように、ダリアが発言する。
正直、かなり可能性のある話だった。ディランは何かと限界を迎えると箍が外れるところがある。それは付き合いはフェリシア程に長くはなくとも、何度も色んな事に巻き込まれた全員が知っている事だった。
「止めに行こう」
「ユリウスさん!?正気ですか!!?行ったら行ったで、僕らまで巻き込まれる可能性があるのですよ?」
「だって羨ま――んん゛、許せないだろう。ディランは彼女に会いに行きたいって言っていた俺とロジーを差し置いて、勝手に行くだなんて。制裁を与えないと」
ユリウスの目は廊下を見据えており、その色は痛いくらいに本気だった。一瞬、聞き逃せない発言をしそうにはなったが、よほど一人で行ったディランが許せないのだろう。
「お前……絶対、お前まで女子棟に行ったりはしないよな?言っておくが、俺は妻に疑われたくないし、これ以上余計な心配をかけたくない。だから、パーティーのリーダーでもあったお前に今回の件は全て任せるつもりだ。……本当に信用していいんだよな?」
「ああ。信用してくれ。俺はあの裏切り者を許すつもりはない」
「分かった。行ってこい。あと、ロジー、お前も監視役としてついて行ってやれ」
「っはい!」
方向性は、すぐに固まった。そこにはただ前を見据える勇者がいたのだった――。
***
「そういえばなのですが、ディランはともかく、ユリウスさんは何故そんなにもフェリシアさんの事が好きなのですか」
ロジーはずっと無言でいたユリウスに話しかける。声は少し震えていたかもしれない。ユリウスに気づかれて、揶揄う――のはどちらかというとディランなので、ないとして、何かしらの気を遣われたり、子供扱いをされるのが嫌だった故に強がって表面に出さないではいるが、彼にとって夜の病院はちょっと不気味だった。
明かりが少ない故に、目を必要以上に凝らしてしまう。魔法が得意故に高い想像力が、この先、角を曲がったら何かが出て来てしまうのでは?という無駄な妄想をする。もしかして足音が一つ増えていないか?この病院はこんなにも静かな場所だっただろうか。もしかして、自分達は病院ではない、どこか違う異世界に迷い込んでしまったのではないか――。
疑問と妄想は膨らんでいく。それが嫌だった。いくら恐ろしい魔物と対峙してきたからといって、魔物と幽霊は別物なのである。
だから、関係のない話を振る事でそれを少しでも誤魔化したかった。
「ん?そういえばロジーには話してなかったっけ?」
「ええ。ディランは結構フェリシアさんの話題が出ると、べらべら喋りますが、貴方のは聞いた事がないです」
そうなのだ。ディランは基本的に男のみになり、女性関連の話題を振られると、ベラッベラと無駄にフェリシアについて語って、マウントを取ってくる。
最初は何を同じパーティに所属している女性に対して、何を懸想しているんだ、この万年発情期男は。気持ち悪い。などと思っていたが、フェリシアに対して近い感情を抱くようになってからは、今度はマウントを度々とってきてウザったい、キモイという感想に落ち着いた。
どちらにしろキモいという感想に落ち着くのは変わりないが、それに対するプロセスが変化したのだ。
しかし、ディランとユリウスは違った。毎回ディランの語りにもほどほどに反応し、嫉妬など全くしていませんよ~みたいな態度をとるくせに、フェリシアに向ける視線は誰よりも熱いのだ。
「そうだな。好きなところは一つや二つじゃないから、彼女を好きになった切っ掛けを騙るのは時間がかか――」
「あ。長くなるならいいです」
「いや、聞いておいてそれ!?あー、いいや、もう勝手に語る。俺が彼女を好きになった切っ掛けはね」
そこからのユリウスの話は滅茶苦茶長かった。ロジーがこの話題を出したことを後悔したほどに長々と出会った当初のことから掛けられた言葉の一つ一つ。そして、好きになったところ――強い瞳の色や真っ直ぐな性格、基本的に態度がツンツンしているが、その実誰よりも他人の事を考えて行動しているところなどなど――を頬を染めながら語られ続けた。
ロジーはその間、こんなに語れるくらいだったら、フェリシアに対する上手いアプローチの一つでも出来るように何か作戦でも考えればいいのになどとは思ったが、ライバルに助言などしてやる気は更々ないので黙っていたのだった。
「でも、結局俺は彼女に貰ったあの言葉が眩しくて仕方がなかったというのが一番大きな理由なのかもしれない。あの言葉ってなんなのかって?前に彼女は言ったんだ。俺が『君は何故俺やダリアのようにパーティに加入して魔王を倒すことを強制されたわけではないのに、共に来たんだ?』と聞いた時――」
「あ!あれ、あの無駄に身長が高いシルエットはディランじゃないですか!?」
「え、結構重要な部分の話だったと思うんだけど!?」
もう既に殆ど聞いていなかったユリウスの話を遮り、注意を影の方に向ける。実はロジーはディランやユリウスの身長の高さや男らしさに憧れを持つと同時に、羨ましかったりする。だから無意識のうちに扱いが雑になるのだった。
「でも廊下で突っ立っていて、何か様子がおかしくないか?」
「なんでしょう、何かを見て――は?」
ディランの視線の先を辿って、ロジーは驚きに目を見開く。
こちらの男子棟から見える女子棟の廊下。そこに明らかに看護師や医師ではない、全身黒尽くめのガッチリとした人型が歩いていたのだ。明らかに怪しい。しかも向かっている先は、女子棟3階の奥――フェリシアとイリスが入院していると聞いた場所だった。
「ディラン、ユリウスさん!アイツ、あの男!!」
3人はお互いに目を合わせると同時に、走り出した。
****
「……見失いましたね」
「まずいな、この病院の女子棟、それもあの方角に現在入院しているのはフェリシアとイリス、そしてご年配の貴族の淑女の方々だったはずだ」
「よし。ユリウス、ロジー、お前達二人がそのババア達のところに行って守ってこい」
「は?」
「ん?何を言っているのかな、ディラン」
先程までは不審者を捕まえようと協力関係にあったものがディランの発言で一転、険悪なものに変わっていく。
正直なところ、3人が3人共見知らぬババアがどうなったところでどうでもよかった。勇者パーティとしてそれで良いのかと言われる部分ではあるが、実のところ国民のためなどという大義名分で戦ってなどいないのだ。特にディランが。
「そもそもなんでディランが真っ先にフェリシアさんの元に行こうとしているんですか?貴方だけ彼女に良い姿を見せようだなんて、納得できません。ユリウスさんと二人で淑女方のところに行ってきてください」
「そうだよね。それにディランはこの中でも一番体術にも恵まれている。だから魔法メインで補い合えるロジーと戦闘経験などないであろう、か弱い淑女方のところに行くべきだ」
「そんなこと言ったら、ロジーだって魔法が得意なんだから弱い人間を守ることに向いているだろ。それにユリウス、お前も腐っても勇者なんだから、体術に自信がないだなんて言わせねえぞ」
3人が3人共、自身の行きたい場所に行くために、もう一つの役割を押し付け合う。いつまでも続くかと思われた言い争いだが、それを遮る叫び声が病院中に鳴り響いた。
男の野太い声と、それ以上の大きさ、そして複数の甲高い女性の叫び声。明らかにフェリシアとイリスのものではなかった。
「っ行くぞ!」
「分かってますよ、ディランが仕切らないでください!」
3人は下らない言い争いをすぐにやめ、音の方向に走り始める。そうして扉を開けた先に居たのは――。
「また妙な男達が入って来たわ!!」
「っぐ、た、すけ――」
「ちょ、待て。俺達は悲鳴が聞こえたから、助けに……ってアンタ、フェリシアとイリスの親父さん?」
「っ何故、娘達の寝顔を見に来ただけでこんな目に――」
ドアを開けた先の空間は途轍もなくカオスなものとなっていた。
ナイトドレスに身を包みながらも、男に襲いかかる勇ましい淑女集団と頭を守るためにうつ伏せで少しでも衝撃を軽減しようとしながらも、淑女からの猛攻を受け続けている男(フェリシアとイリスの父親)。
そしてその空間に足を踏み入れてしまったことで、男の協力者だと思われた挙句、今にも淑女の鉄槌が下りそうなディランとユリウス、そしてロジー。現場は混沌を極めていた。
*****
あの後。騒ぎを聞きつけ、入室してきた病院の医師と警護隊によって3人と男は救い出され、なんとか無事にあの魔の病室から出ることが出来た――が、特にイリスとフェリシアの父親に関しては、病院の面会許可を得られていないにも関わらず、無事な娘達の寝顔を見たかったという気持ちの悪い理由から忍び込んでいたことがバレた。そうして、女性の病室に忍び込んだということで、全員揃ってこってりと絞られたのだった。
そして現在。
「フェルー、お前なら助けてくれるよな!?」
「フェリシア!!?み、見ないでくれ!!」
「っフェリシアさん、これは、その違うんです。僕は二人に巻き込まれただけで――」
「おお、我が愛しの娘達よ……その無事な姿を見せておくれ」
全棟共有の中庭にて。木に逆さ吊りでぶら下げられている4人の馬鹿男がいた。
「うっわ、なにアレ」
「ダメですよ、姉様。目を向けちゃいけません。バカが移ります」
「そうね、私、今日だけはフェリシアって名前を捨てるわ。あの人達も誰だか知らない」
「そういえば姉様、今日はお母さまが会いに来てくれるそうですよ」
「それは楽しみね。じゃあ、とびきり美味しいお茶を用意してもらわなくちゃ」
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