犬猿の仲だったはずの婚約者が何故だか溺愛してきます【完結済み】

『アイツは女としてあり得ない選択肢だからーー』

貴方は私がその言葉にどれだけ傷つき、涙を流したのかということは、きっと一生知ることがないのでしょう。

でも私も彼に対して最悪な言葉を残してしまった。

「貴方なんて大嫌い!!」

これがかつての私達に亀裂を生む決定的な言葉となってしまったのだ。
ここから私達は会う度に喧嘩をし、連れ立った夜会でも厭味の応酬となってしまう最悪な仲となってしまった。
本当は大嫌いなんかじゃなかった。私はただ、貴方に『あり得ない』なんて思われていることが悲しくて、悲しくて、思わず口にしてしまっただけなのだ。それを同じ言葉で返されて――。
最後に残った感情は後悔、その一つだけだった。

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5、6話で終わります。パパッと描き終わる予定。
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