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告白2
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caution:若干の同性愛表現があります。
******
ユベールはキッチンで素早く紅茶を淹れ、私達二人が緊張のあまりに座っていなかった中央のテーブルに備え付けられた椅子を勧めてくれた。私とレイが横並びに、向かい合うように私の正面にユベール、もう一人の男性――レイにライナスと呼ばれていた――がレイの正面になるように席に着いた。
ここでようやく腰を落ち着ける。辺りに漂うカモミールの優しい香りが心地よい。
「それにしても姉様とレイナルド様、気持ち伝え合えたんですね。良かったです」
ユベールが安心したようにふにゃりと微笑む。
「そうね。ユベールのお陰で」
「あと俺のお陰だろー」
「えっと……」
「俺はライナス=フレメーラ。レイナルドの親友で、ユベールの恋人だ」
「は?」
「え?」
一瞬にして訪れる静寂。
私達の会話に割り込むように会話に入ってきたこの男性。レイと一緒に居たことから、レイの知り合いだとは思っていたが、まさか予想の斜め上の関係性が出てくるとは思わなかった。それに彼の名前は私は聞き覚えがあった。なにせ私の今回のお見合いの相手というのはライナス=フレメーラ。彼だったから。
思わぬ自己紹介と告白に私もレイも咄嗟に言葉が出てこなかった。疑問符だけが口から飛び出す。そこに追い込みをかけるようにユベールが言葉を重ねた。
「姉様。ずっと秘密にしていましたが、僕は少し前からこのライナスさんとお付き合いをしているんです。勿論、プラトニックなお付き合いですよ……まだ」
「ちょっと待ってくれ!イリア、君の弟はちゃんと弟なんだよな?」
レイは相当混乱しているようで、よく分からないことを言っているが、私自身も混乱しているのもあって言いたいことは何となく分かる。
「ユベールは男よ。彼が産まれてからずっと姉である私が証明する」
「じゃあ……」
「俺達は男同士で年齢も離れているが、愛し合っているんだ」
その言葉を聞いて、レイは頭を抱える。しかし私は混乱しながらもどことなく納得もしていた。久しぶりに会って、急に大人びたように見えたユベール。それはライナス……彼の影響なのかもしれない。
しかし、そこで違和感が産まれる。
「そう……だったのね。でもだとすると、私はユベールの彼氏?とお見合いをさせられそうになっていたってことかしら」
「はい。母様から姉様のお見合い相手を聞いた時は驚きました。ライナスさんの家とはそんなに交流がなかった筈ですし、急な話だったので僕にも母様が何を考えてるのか分かりません」
そうなのだ。フレメーラと言ったら伯爵家であり、領地も離れている。ユベールの言う通り、私の家であるヴェスベール伯爵家とは殆ど交流がなかった筈なのだ。私自身もフレメーラ伯爵家との交流の話やパイプを繋ぎたいという話なども一度も聞いたことがない。普通はそんな関係性の家との見合い話なんて来ない筈だ。
「俺の実家から見合いの連絡が来たのもいきなりだった。家名を見ておかしいと思ったから、君に好意を抱いているように見えたレイナルドにも声を掛けて連れて来たんだ」
そこまでライナスさんが話したところで再び訪れる沈黙。違和感は目かくな疑問となって私達を悩ませた。しかしそれらを全て吹き飛ばすように明るい声が響く。
「よし!ユベール達の両親に会いに行こうぜ」
それはライナスさんの言葉だった。彼はきっと、とても真っ直ぐな性格なのだろう。分からないことがあるのなら本人に聞きに行けばいいじゃないかと言うように、さも簡単にそれを提案した。
「おい、ライナス。そんな簡単に――」
「いいえ、レイ。案外そうした方が速いかもしれないわ。それに彼とのお見合い話も断らなければならないしね」
「それは……そうだな。ああ、分かったよ。今から君の両親に会いに行こう」
ライナスさんの突発的な提案にレイは反論しようとしたが、私は案外いい考えだと思ってしまった。
だって私達は両想いになったと言えど、問題がある。ライナスさんとのお見合いだ。それにライナスさんがユベールの恋人だというのなら、弟を安心させてあげるためにも尚更早く今回の事に方をつけるべきだ。
だから、断る機会も兼ねることが出来るこの提案は私達にとってある意味、渡りに船なのだ。
だからレイも、私の言葉ですぐに納得してくれた。そうして私達はこのまま私とユベールの両親に会いに行くことになったのだった。
******
お知らせ:
ここ数日、花粉症で鼻水が止まらないので、完結まで連投できるかどうか分かりません。申し訳ない。下向いてると鼻水が垂れてきて、文章書くのが中々進まなくて……。
待ってくれている方などいらしたら、本当に申し訳ないです。でもなんとか頑張って続きを書くので、完結までお付き合い頂けたら嬉しいですm(__)m
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ユベールはキッチンで素早く紅茶を淹れ、私達二人が緊張のあまりに座っていなかった中央のテーブルに備え付けられた椅子を勧めてくれた。私とレイが横並びに、向かい合うように私の正面にユベール、もう一人の男性――レイにライナスと呼ばれていた――がレイの正面になるように席に着いた。
ここでようやく腰を落ち着ける。辺りに漂うカモミールの優しい香りが心地よい。
「それにしても姉様とレイナルド様、気持ち伝え合えたんですね。良かったです」
ユベールが安心したようにふにゃりと微笑む。
「そうね。ユベールのお陰で」
「あと俺のお陰だろー」
「えっと……」
「俺はライナス=フレメーラ。レイナルドの親友で、ユベールの恋人だ」
「は?」
「え?」
一瞬にして訪れる静寂。
私達の会話に割り込むように会話に入ってきたこの男性。レイと一緒に居たことから、レイの知り合いだとは思っていたが、まさか予想の斜め上の関係性が出てくるとは思わなかった。それに彼の名前は私は聞き覚えがあった。なにせ私の今回のお見合いの相手というのはライナス=フレメーラ。彼だったから。
思わぬ自己紹介と告白に私もレイも咄嗟に言葉が出てこなかった。疑問符だけが口から飛び出す。そこに追い込みをかけるようにユベールが言葉を重ねた。
「姉様。ずっと秘密にしていましたが、僕は少し前からこのライナスさんとお付き合いをしているんです。勿論、プラトニックなお付き合いですよ……まだ」
「ちょっと待ってくれ!イリア、君の弟はちゃんと弟なんだよな?」
レイは相当混乱しているようで、よく分からないことを言っているが、私自身も混乱しているのもあって言いたいことは何となく分かる。
「ユベールは男よ。彼が産まれてからずっと姉である私が証明する」
「じゃあ……」
「俺達は男同士で年齢も離れているが、愛し合っているんだ」
その言葉を聞いて、レイは頭を抱える。しかし私は混乱しながらもどことなく納得もしていた。久しぶりに会って、急に大人びたように見えたユベール。それはライナス……彼の影響なのかもしれない。
しかし、そこで違和感が産まれる。
「そう……だったのね。でもだとすると、私はユベールの彼氏?とお見合いをさせられそうになっていたってことかしら」
「はい。母様から姉様のお見合い相手を聞いた時は驚きました。ライナスさんの家とはそんなに交流がなかった筈ですし、急な話だったので僕にも母様が何を考えてるのか分かりません」
そうなのだ。フレメーラと言ったら伯爵家であり、領地も離れている。ユベールの言う通り、私の家であるヴェスベール伯爵家とは殆ど交流がなかった筈なのだ。私自身もフレメーラ伯爵家との交流の話やパイプを繋ぎたいという話なども一度も聞いたことがない。普通はそんな関係性の家との見合い話なんて来ない筈だ。
「俺の実家から見合いの連絡が来たのもいきなりだった。家名を見ておかしいと思ったから、君に好意を抱いているように見えたレイナルドにも声を掛けて連れて来たんだ」
そこまでライナスさんが話したところで再び訪れる沈黙。違和感は目かくな疑問となって私達を悩ませた。しかしそれらを全て吹き飛ばすように明るい声が響く。
「よし!ユベール達の両親に会いに行こうぜ」
それはライナスさんの言葉だった。彼はきっと、とても真っ直ぐな性格なのだろう。分からないことがあるのなら本人に聞きに行けばいいじゃないかと言うように、さも簡単にそれを提案した。
「おい、ライナス。そんな簡単に――」
「いいえ、レイ。案外そうした方が速いかもしれないわ。それに彼とのお見合い話も断らなければならないしね」
「それは……そうだな。ああ、分かったよ。今から君の両親に会いに行こう」
ライナスさんの突発的な提案にレイは反論しようとしたが、私は案外いい考えだと思ってしまった。
だって私達は両想いになったと言えど、問題がある。ライナスさんとのお見合いだ。それにライナスさんがユベールの恋人だというのなら、弟を安心させてあげるためにも尚更早く今回の事に方をつけるべきだ。
だから、断る機会も兼ねることが出来るこの提案は私達にとってある意味、渡りに船なのだ。
だからレイも、私の言葉ですぐに納得してくれた。そうして私達はこのまま私とユベールの両親に会いに行くことになったのだった。
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お知らせ:
ここ数日、花粉症で鼻水が止まらないので、完結まで連投できるかどうか分かりません。申し訳ない。下向いてると鼻水が垂れてきて、文章書くのが中々進まなくて……。
待ってくれている方などいらしたら、本当に申し訳ないです。でもなんとか頑張って続きを書くので、完結までお付き合い頂けたら嬉しいですm(__)m
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