上 下
315 / 558
第八章 海の覇者

いつもの光景

しおりを挟む
 
 
 解体作業もほぼ終わり、あとは自分たちに任せて傷の手当てをしてこいとテオ兄様に言われたリュート様が、一旦此方へ戻ってきました。
 切り傷や打撲をポーションで治すとおっしゃっていたのに、まだ飲んでいません。
 ポーションと聞くと、強烈なイメージを残したポーション煮なる物を思い出してしまいましたが、今は魔力回復を求めているわけではありませんから、大丈夫でしょう。

「ほれ、コレを飲んで少しは休憩しておれ」
「アレンの爺さんは?」
「儂ら竜人族と人間族を一緒にしてはいかん。基礎体力が違いすぎるわい。いくらお主が並外れた力を持っていても、肉体は人間なんじゃから、ルナのためにも無理はいかんぞ」
「わかった。あとの解体は任せる」
「任せといて。奥様、チェリちゃん、だんさんをお願いね」
「はい」
「お任せなのっ」

 ポーションを渋々といった様子でアレン様から受け取ったリュート様は、なんだか苦い薬でも飲む前の子供のような顔をしております。
 甘い物でも用意したほうが良いでしょうか。
 リュート様がここまで嫌そうにしているということは、かなり強烈な味なのでしょう。

「リュートお兄様。ソレを飲まないのなら、私が回復しますよ?」
「いい。お前も休め」

 此方へやってきたマリアベルの声を聞き、リュート様は回復魔法を拒絶すると、一気に手の中にある小さな瓶の中の液体をあおりました。
 それから、顔をしかめて必死に何かを耐えているような様子を見せます。

「やっぱり、リュート兄様にはマナ草の渋みと苦みが厳しいみたいですね」
「マナ草?」
「昔から体を癒やすと言われている効果がある薬草なのですが、渋みと苦みが凄くて……大分改良されたみたいですが……」
「苦いだけならなんとかなるんだけどな……渋みとえぐみを緩和させようと甘くしてあるうえに、どこからともなく現れた塩味と酸味が加わって、嫌な味になるっていう不思議」

 私が渡したベリリのラッシーで何とか復活したリュート様は、不味かったというように舌をペロリと出し、手であおぐ様子は、なんだかとても可愛らしいです。
 でも、そんな凄い味がするのですね。
 以前、チェリシュがちょっぴり嘗めて変な声を出しておりましたから、よほど凄い味なのでしょう。

「物によって違いはありますが、リュート兄様たちが飲むポーションは濃度が高いですから、余計にそう感じますよね」
「それな……シロたちが調合するポーションが一番飲みやすいが、ベースになるマナ草が酷い味だから、どうにもなんねーな」
「それでも、傷をそのままにしておけませんから飲んでくださいね、リュート兄様」

 嫌そうに「へいへい」と返事をしたリュート様は、マリアベルからポーションをもう一本渡され、辟易した様子で再び小瓶の中身を飲み干しました。
 すかさず、あいっ! とベリリラッシーを渡すチェリシュに感謝して、リュート様は一息つきました。
 あ、見える場所にあった傷が綺麗に消えておりますね。
 いつ見ても不思議な光景です。
 こういう物があったら、日本やグレンドルグ王国にいる方々も、怪我で苦しむことが無くなるのでしょうが……
 いかんせん、マナ草という物がありません。

「マナ草は、カオスペインに浸食された世界にしか生息しないからネ」

 小さな時空神様の声を聞き、なるほど……と納得しました。
 それぞれの世界の呼び方はあるようですが、マナ草は世界がかかる病気である【カオスペイン】が発する【メノスウェーブ】がある一定以上の数値にならないと存在することが難しい薬草ということでした。
 私だけに聞こえる声で、コッソリと教えてくださるのは良いのですが、どんどん人には言えない知識だけが豊富になっていっている感じが否めません。
 リュート様とマリアベルが、ポーションの味と効能について話し合っていたから良かったものの、此方の会話に気づいていたら大変です。

 いや、もしかしたら、私だけに聞こえるように工夫している……とか?

 あり得そう……時空神様ですものね。
 そういう、空間を操る力に長けているはずです。
 こういうときに、時空神様も神様なのだなぁって感じてしまいました。
 どちらかというと兄の親友という感覚が強くて、他の神様とは違う感じなのですよね。

「よし、体もうまく動くようになったし、丁度良いタイミングで来てくれたみたいだ」

 どこか弾んだ声を上げるリュート様に導かれて、私たちは全員揃って彼の視線を辿ります。
 その先にあったのは、浜辺へ降りてくる階段の出入り口。
 ジッと見ていると、そこに人影が───
 よく見ると、ギムレットさんやクロやマロだけではなく、レシピギルドの用事が済んだサラ様に手を引かれて歩くヨウコくんも一緒のようです。

「ギムレットっ! 頼んだ物は持ってきてくれたかっ!?」

 大きな声を出して手招きするリュート様の方へ、ギムレットさんが駆け寄ってきました。
 小さな老骨に鞭打って駆けて来るように見えてしまい、大丈夫かしらと心配していたのですが、全く息を乱すことも無くケロリとしていることから基礎体力の違いを見せつけられたように感じてしまいます。
 ドワーフ族、おそるべし。

「頼まれた物を持ってきましたが……鉄板なんぞ、何に使うのですかなぁ」
「それが必要なんだって! ルナに旨い物を作って貰うためには、絶対に必要なヤツなんだ!」

 目をキラキラ輝かせて、いつもよりもテンションが高めで説明をしているリュート様の様子を見た、解体作業を終えたらしいロン兄様は「うちの弟って、どうしてこんな可愛いんだろっ!」と、幸せそうに頬を緩めております。
 ロン兄様の平常運転に、思わず笑みがこぼれました。
 どこでもブレないロン兄様は、流石なのです!

 そして、その横で頷いていたテオ兄様のほうはというと……スッとサラ様の方へ視線が移動して止まりました。
 おや?
 おやおや?
 これは、良い感じ……でしょうか。
 サラ様も、テオ兄様に気づいて頬を赤らめているようで、不思議そうに見上げるヨウコくんが2人を見比べて良いことを思いついたように耳と尻尾をピーンッと立ててから、ニンマリと笑います。
 早速、もじもじしているサラ様の手を引いてテオ兄様に絡みに行き、「うわー、すっげー! 黒の騎士団が纏う鎧って初めて見たっ!」と、楽しげにテオ兄様の周囲をくるくる回っていて、微笑ましい限りです。
 テオ兄様は、体をかがめてヨウコくんの視線に合わせて挨拶をしており、雷獣をモチーフにしたアイギスを間近で見ることが出来たヨウコくんのテンションは上がりっぱなしで、サラ様の戸惑いなどそっちのけで、元気よくはしゃいでおりました。
 さすが、ヨウコくん。
 やはり、アイギスを纏ったために、威圧感が出ているテオ兄様を前にしても動じませんね。
 今より雰囲気が鋭かったリュート様を相手にしても平然としていたので、肝が据わっているとは思っていましたが……さすがです。

 シロとクロとマロは、揃って何かを話していたと思いきや、パタパタ走り出し、キュステさんの周囲に集合。
 コレを飲めとシロから手渡された瓶を受け取り、嬉しそうに眉尻を下げている様子は、先ほどまで激戦を繰り広げていた人と、同一人物なのかどうか疑わしいと感じてしまうほどの変わりようです。
 そんな中で、マロは何かを思い出したようにポーチを探ってから、お父様たちの方へ移動して、違う色の小瓶を差し出しておりました。
 お母様にお礼を言われ、頭を撫でて貰えて嬉しかったのか、尻尾がぴょこぴょこ動いております。
 本当に可愛らしい三姉妹の姿に、和んでいる方々も多いようでした。
 お店の常連が多いのか、どこからともなく声をかけられては挨拶をしているので、キルシュブリューテは黒の騎士団だけではなく白の騎士団の方も利用してくださっているのですね。
 ありがたいことです。

 その店主であるリュート様はと言うと、ギムレットさんと鉄板を前に何やら相談事をしているようでした。
 きっと、私の見慣れた、あの鉄板を作るために頑張って説明をしているのでしょう。
 リュート様のことですから、きっと上手に作ってくださるはずです。
 2人が話し合っている姿を見つめていた私とチェリシュを、近くに来た時空神様がひょいっと抱き上げて歩き出したので、驚いて見上げると、彼は周囲を見渡して小さく苦笑を浮かべておりました。

『浄化の力は必要無くて良かった。浄化に呼ばれるだろう彼女は、雑念が多くて、今は難しいだろうから……まあ、最終手段はルナちゃんに頼むけどさ』

 誰に聞かれても良いように日本語でそう話す時空神様は、肩をすくめて私を見ると、片目をつむって見せます。
 浄化に呼ばれる彼女って……イーダ様のことでしょうか。
 雑念が多いというのは、どういう意味でしょう。

『浄化の力ってのは、雑念が多いとダメでしょ? ルナちゃんが使うときって、ほぼ何も考えていないじゃない?』
『何も考えていないことはありませんが……』
『明るく前向きで、スパッ! と消し去るイメージっていうのかな』
『そういう感じ……かもしれません。頑固な汚れを落とす感じです』
『穢れは、油汚れと同一視されているのか……まあ、あまり違いはないのかもしれないけれども……いや、やっぱり違う気もするような……』

 何やらブツブツ言っておりますが、似たような物です。
 なかなか落ちないですし、こびりついていて簡単に綺麗になりません。
 私にはベオルフ様の回復と同じように浄化の力があると言いますが、それはオーディナル様が作り出した物という限定的な力。
 イーダ様のように、魔物関連には使えません。
 もう少しお手伝いが出来たら良いのですが、適材適所と言う言葉がありますから、私はお料理をして皆の体調管理に尽力しましょう。

『まあ、しばらくは乱高下しそうだけど、フォローしてあげてね』
『お友達ですから、当然なのです』
『そっか。なら、大丈夫だね。それに、そういう考え方は、案外……斬新で彼女には良いかもね』
『斬新……ですか』
『リュートくんの幼なじみたちは、色々と背負うものがある。だからこそ、道を踏み外して欲しくは無いな……』

 時空神様の言葉に込められた意味は───『その可能性があるから気をつけて』ということでしょうか。
 誰よりもまっすぐだと思っていた人が、何かの拍子に転がり落ちるなんて、あちらではよく見ていたことです。
 貴族社会では当たり前にありましたし、珍しいことではありません。
 だからこそ、絶対に無いとは言えませんし、イーダ様のような方に兄が良く言っていた『闇墜ち』と呼ばれる現象が多いことも熟知しておりました。

『ご忠告、ありがとうございます』
『墜ちるのは勝手だけど、それでルナちゃんやリュートくんが悲しむ姿は見たくないからね』

 前半は少し冷たい声でしたが、後半はあたたかく優しい声色───チェリシュは、会話の内容がわからずとも、声色で何かを察したのか、心配そうに私を見てきたので、安心させるようにチェリシュの肩へ移動して頬にすり寄ります。

「すりすり~なの」
「大丈夫です。私とリュート様がいますから」
「まあ、何かあったら遠慮無く言ってネ。報酬は陽輝に貰うから心配ないヨ」

 えっと……それは、良いことなのでしょうか。
 兄から、あとで私が怒られるなんてことはありませんか?
 ニコニコしながら、こめかみをぐりぐりされるなんてことは無いですよね?
 アレって、けっこう痛いので、出来るだけ遠慮したいのです。

 そうこうしているうちに、何とか結界の外へ出られるようになったカフェたちが、此方へやってきて、山積みになっているクラーケンの腕を見上げておりました。

「すごい迫力ですにゃ」
「いっぱいですにゃっ!」
「すげー……」
「お料理のしがいがありますにゃぁ」

 いつものメンバーが集まったところで、お料理の下ごしらえと参りましょうか。
 人間の姿へ戻ろうとした私は、何故かマリアベルからストップをかけられ「撫でても良いですかっ!?」と、真剣な面持ちでお願いをされたので、仕方なくそのままの姿でいると、更に元クラスメイトたちの中からも撫でたいという声が上がり、リュート様のテンションが一気に魔王モードへ移行したのは、仕方が無いことなのかもしれません。
 魔物との戦闘で疲れているはずなのに、元気な様子で追いかけっこをしはじめるリュート様と元クラスメイトたちの姿を、みんなが笑いながら眺めているという平和な光景に、ようやく脅威は去ったのだと実感したのでした。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!

Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥ 財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。 ”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。 財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。 財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!! 青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!! 関連物語 『お嬢様は“いけないコト”がしたい』 『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中 『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位 『好き好き大好きの嘘』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位 『約束したでしょ?忘れちゃった?』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位 ※表紙イラスト Bu-cha作

美醜逆転の異世界で騎士様たちに愛される

恋愛
いつの間にか異世界に転移してしまった沙紀は森で彷徨っていたところを三人の騎士に助けられ、その騎士団と生活を共にすることとなる。 後半からR18シーンあります。予告はなしです。 公開中の話の誤字脱字修正、多少の改変行っております。ご了承ください。

【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない

かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。 女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。 設定ゆるいです。 出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。 ちょいR18には※を付けます。 本番R18には☆つけます。 ※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。 苦手な方はお戻りください。 基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。

この結婚、初日で全てを諦めました。

cyaru
恋愛
初めて大口の仕事を請け負ってきた兄は数字を読み間違え大金を用意しなければならなくなったペック伯爵家。 無い袖は触れず困っていた所にレント侯爵家から融資の申し入れがあった。 この国では家を継ぐのに性別は関係ないが、婚姻歴があるかないかがモノを言う。 色んな家に声を掛けてお試し婚約の時点でお断りをされ、惨敗続きのレント侯爵家。 融資をする代わりに後継者のラジェットと結婚して欲しいと言って来た。 「無理だなと思ったら3年で離縁してくれていいから」とレント侯爵夫妻は言う。 3年であるのは離縁できる最短が3年。しかも最短で終わっても融資の金に利息は要らないと言って来た。 急場を凌がねばならないペック伯爵家。イリスは18万着の納品で得られる資金で融資の金は返せるし、、3年我慢すればいいとその申し出を受けた。 しかし、結婚の初日からイリスには驚愕の大波が押し寄せてきた。 先ず結婚式と言っても教会で誓約書に署名するだけの短時間で終わる式にラジェットは「観劇に行くから」と来なかった。 次期当主でもあるラジェットの妻になったはずのイリスの部屋。部屋は誰かに使用された形跡があり、真っ青になった侯爵夫人に「コッチを使って」と案内されたのが最高のもてなしをする客にあてがう客間。 近しい親族を招いたお披露目を兼ねた夕食会には従者が「帰宅が遅れている」と申し訳なさそうに報告してきて、戻ってきても結局顔も見せない。 そして一番の驚きは初夜、夫婦の寝室に行くと先客がいた事だった?! ★↑例の如く恐ろしく省略してます。 ★8月10日投稿開始、完結は8月12日です。 ★コメントの返信は遅いです。 ★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。 ※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。 ※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません

【完結】偶像は堕ちていく

asami
恋愛
アイドルとして輝かしい未来を信じていた彼女たちだったが……

自分の気持ちを素直に伝えたかったのに相手の心の声を聞いてしまう事になった話

よしゆき
BL
素直になれない受けが自分の気持ちを素直に伝えようとして「心を曝け出す薬」を飲んだら攻めの心の声が聞こえるようになった話。

【R18】ひとりで異世界は寂しかったのでペット(男)を飼い始めました

桜 ちひろ
恋愛
最近流行りの異世界転生。まさか自分がそうなるなんて… 小説やアニメで見ていた転生後はある小説の世界に飛び込んで主人公を凌駕するほどのチート級の力があったり、特殊能力が!と思っていたが、小説やアニメでもみたことがない世界。そして仮に覚えていないだけでそういう世界だったとしても「モブ中のモブ」で間違いないだろう。 この世界ではさほど珍しくない「治癒魔法」が使えるだけで、特別な魔法や魔力はなかった。 そして小さな治療院で働く普通の女性だ。 ただ普通ではなかったのは「性欲」 前世もなかなか強すぎる性欲のせいで苦労したのに転生してまで同じことに悩まされることになるとは… その強すぎる性欲のせいでこちらの世界でも25歳という年齢にもかかわらず独身。彼氏なし。 こちらの世界では16歳〜20歳で結婚するのが普通なので婚活はかなり難航している。 もう諦めてペットに癒されながら独身でいることを決意した私はペットショップで小動物を飼うはずが、自分より大きな動物…「人間のオス」を飼うことになってしまった。 特に躾はせずに番犬代わりになればいいと思っていたが、この「人間のオス」が私の全てを満たしてくれる最高のペットだったのだ。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。