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第七章 外から見た彼女と彼
ルーのママみたいなねーねと、優しくて大きなにーに(チェリシュ視点)
しおりを挟むもう悪い夢は見ないはず……なの。
なのに、どうしてここにいる……の?
星がまたたく真っ黒な空が広がっていて、うねうねはいないけど足元が見えないから怖いの。
ぶるりと震え、必死に手を伸ばして「リュー」と声をかけるけど、返事はないの。
独り……なの?
さびしくて泣きそうになっていると、ふわりと爽やかな香りがして驚き顔をあげたら、そこに新緑の髪色をした綺麗なねーねが立っていたの。
ルーとソックリな瞳を見ていたらホッとして、「おいで」と言われるように差し出された手を握ったの。
ねーねについていけば、きっと大丈夫なのって思えるくらい、落ち着いたの。
無言でゆっくりと歩いているねーねに手を引かれて周りを見てみると、いつもの夢とは違って、星々の輝きが優しいの。
あの夢……じゃ、なかったの!
心からホッとした瞬間、誰かの声が聞こえていることに気がついたの。
『オーディナル様もユグドラシルも他の管理者の方々も……お辛かったでしょうね』
ルーの声なのっ!
ハッとして顔を上げると、チェリシュの手を引いているねーねが唇に指を当てて「シーッ」として見せたので、大きな声を出したらメッ! なのと悟ったの。
慌てて右手で、ぽふっと口を押さえたの。
そうすると、ねーねは嬉しそうに微笑んで頷いてから、ゆっくり歩き出したの。
いつもとは違う、ルーの声。
元気で、ぽわぽわで、ふわふわな感じなの。
んぅー……力強い……なの?
「あの娘は邪な物に縛られているために、本来の性分と力を封じられているのです。どうか、覚えていて……貴女が、正常なあの娘を覚えていてくださいね」
優しい笑顔は、ママみたいで……ルーのママ……なの?
心のなかで問いかけたら、とても嬉しそうな笑顔を返されたの。
間違いないの。
きっと、ルーのママなの!
とーっても似ているのっ!
その間にも、ルーの楽しそうな声は響いていて、今日あった楽しいことを報告しているみたいだったの。
時々聞こえる低くて優しい静かな声は……誰の声なの?
じーじの声も聞こえた気がしたの。
とっても、にぎやかで……チェリシュも一緒にお話したいのっ!
『クロノの調べで、不自然な点がいくつか見つかりました』
『ほう?』
『ミュリアの魂が地球の日本からグレンドルグ王国へ渡ったのは間違いがないようですが……彼が転移したときに、魂をくっつけて移動させたようですね』
『外を巡る魂でなければ、そういうやり方しかないだろうな。それならば、あの事故も嵌められた可能性がある』
『俺もそう考えています。あまりにも不自然でしたから……』
はっ!
ゼルにーにの声もしたのっ!
でも……お話の内容は、とっても難しい感じがしているの。
ゼルにーにとじーじの会話は、いつも難しくて、チェリシュには理解できないことも多いの。
ルーはわかるのかな……
『しかし、それではおかしな点が出てくる。彼の魂と共に世界を渡ったのなら、フォルディア王国へ移動したはずだ。時間軸も空間も違う此方へ、どうして移動できた』
『そこなんですよ。彼が移動した時間軸を探ってみたのですが、その時には彼しか居なかった。つまり、途中で介入した何者かがいるということですね』
ゼルにーにの言葉を聞いて、ねーねがピクリと反応をして立ち止まっちゃったの。
ど、どうしたの?
心配になって見上げると、ねーねは少しだけ思案するような表情をしたあと、つないでいない方の手を空に滑らせて、何かを確認しているみたいだったの。
『相手は時間や空間に干渉する能力があるということだな』
『はい。それは間違いないようです』
『やはり、時空神……いや、時空神なら僕の長男以外には無理だろう。つまり、この件の黒幕は管理者だ』
『面倒なことになりましたね……』
『背後にいる者を想定していたが、一番あり得ないと考えていた最悪のパターンだな』
小さく吐息をつくねーねが、「やはり、そうなりましたか……」と呟き、悲しそうに目を伏せたの。
それが悲しくて、きゅっと手に力を込めたら、心配はいらないというようにチェリシュに微笑んでくれたの。
こういうところも、ルーにソックリなの。
でも……辛い時は辛いって言って欲しいの。
一緒に頑張りたいって思うから……
『管理者であるはずがないと思っていた。アレを知るなら……たとえ、伝え聞いた話であっても絶対に無いと……』
『世代が新しい管理者関係をあたってみますか?』
『昨日も言ったが、数名ほど怪しい奴がいる。ユグドラシルには、僕の方から報告をして調査に当たろう』
『お願いします』
じーじの悲しみを含んだ声が辛いの……
チェリシュが傍にいって、じーじにぎゅーってして「大丈夫なの」って言ったら、いつもみたいに笑ってくれるの?
チェリシュにできることは少ないけれども、じーじが悲しむ姿は見たくないの。
「鳳凰のことを、未だに強く想い、忘れずにいてくれるのですね……本当に優しい子」
ねーねがそう言って泣いてしまうのではないかと思うほど、悲しげにルーとソックリな瞳を揺らしたの。
まるで、ルーが泣いているみたいで……ぎゅっと抱きついたの。
「貴女も優しい子ね。あの子達の優しい心をシッカリと引き継いでくれて嬉しいわ」
頭を撫でられて嬉しいと感じるけれども、今はそれよりもねーねの悲しみが少しでも和らいでくれたら良いなって思ったの。
でも……『あの子達』って……パパとママのこと……なの?
ねーねは、パパとママのことも知っていたの。
とっても、不思議なの。
『あと、父上に地球の創造神様から「封印は大丈夫ですか」という問い合わせがありました』
『それなら問題はないと伝えておいてくれ。変わらず管理しているし、目を離してはいない』
『わかりました』
封印……なの?
じーじは、封印を守っているの……?
あれ? チェリシュ……パパに、神々が携わる封印は、太陽と月の神が管理するものだって聞いたの。
それもあって、パパとママは時々地上に降りて、封印を見て回るようにしているの。
でも……じーじが管理しているの?
不思議なの……
『メノスウェーブが処理しきれていないようだな。ソレ以上、数値を上げてしまえばカオスペインにかかる可能性も出てくるぞ』
『此方の世界はどうですか? 他の時空神にも聞きましたが、最近、メノスウェーブの数値が異様に上がりやすいという報告が上がっているようです』
『この時期に? それはおかしいな……』
はっ!
チェリシュにはわからない単語が出てきたの!
む、難しい授業のお時間なのっ!
「少し難しいお話だったでしょうか。眉間にシワが寄って、可愛い顔が台無しですよ」
綺麗なねーねは楽しそうに笑いながら、チェリシュの眉の間を指ですりすり擦ってくれたの。
少し恥ずかしかしいけど、正直に答えるのっ!
「チェリシュ……お勉強の時間にパパから聞いたことある……かも? なの」
「そうですね。太陽と月の神は数値の管理を……季節に関する神は、記録を任されるから、覚えておくと良いでしょう」
「む、難しい……の」
「メノスウェーブは【負の数値】でカオスペインは【世界がかかる病気】とおぼえたら、簡単かもしれませんね」
それなら覚えられそうなのっ!
「しかし、このことは他の神々には内緒です。太陽と月、季節と時空の神だけが知る真理なのです。貴女の世界では、十神も知る事実ですが、それも異例なことなのです」
あの子は型破りだから……と、笑いながらねーねは、じーじのことを話しているみたいだったの。
ねーねにとって、じーじはどういう存在なの?
昔からじーじのこと、知っているの?
疑問がいっぱーいなのっ!
『あ、あの……その数値が上がれば……地球は……どうなりますか?』
そんな中で、ルーの不安そうな声が響いたの。
ルー……見えないルーが不安になっているの。
リューもチェリシュもいないの。
すぐ、ぎゅーってしたくなるくらい、隠すことなく感情がこめられていたの。
『ヘタをすれば、魔物が出現することになるだろう。魔物を討伐するだけの力を持った者はいない。技術や兵器を使っての戦いになるが……』
『いま、ルナちゃんがいる世界レベルの魔物が現れるようになったら、人類が滅ぶのも時間の問題だよね……』
『単一種族主義だと、力を与えるにしても、優れた能力を引き出せるかどうか怪しい』
『地球のベースは人間族ですからね……魔物と渡り合えるでしょうか』
『難しいかもしれんな……』
チキュウというところで、危ないことが起きているの?
ルーの戸惑いを含んでいた声も気になるの。
どうなったのかなって思っていると、慌てたようなゼルにーにとじーじの声が聞こえてきたの。
『あ、いや、でも……そう簡単に強い魔物は現れないから大丈夫だよ』
『うむ。地球には科学技術という物もある。そう簡単にやられはしないだろうし、そうなる前に、地球の管理者が動くから大丈夫だ』
もしかして、ルーが落ち込んじゃっている……かもなの!
それは大変なのっ!
チェリシュが行って、ルーをぎゅーってしないとなのっ!
慌ててルーのところへ行こうとしたチェリシュの耳に、静かな声が聞こえてきたの。
『ルナティエラ嬢』
『……はい』
『大丈夫だ。そうならないように、神々が動く。貴女が今いる世界は、魔物がいるけれども、みんな強く生きている。ハルキたちなら大丈夫だ。きっと、うまくやる』
『強く生きて……』
その人の言葉から何かを感じたのか、沈んでいたルーの声が、柔らかさを取り戻したの。
『そうですね。リュート様たちは……人間は強いですものね』
そうなの!
リューは強いのっ!
だから、みんな大丈夫なのっ!
やっぱり、ルーが落ち込んでも助けてくれるのはリューなの。
それが嬉しくて笑顔でいると、隣のねーねも嬉しそうに笑ってくれたの。
ねーねは、再び歩きだして、チェリシュの手を引きながら、ほわほわ輝く道を進んでいくの。
いつのまにか、パパの力みたいに綺麗な力が集まっている道ができていたの。
「春の女神チェリシュ。あちらを見てください」
ねーねに言われたほうを見ると、真っ青な……まるで、リューの瞳みたいな星が見えたの。
すごい……の。
青くて、綺麗な星なのっ!
「アレが、貴女の大切なリューとルーが前世にいた星です。あの世界と、ルナがいた世界と、チェリシュが今いる世界───3つの世界は隣接し、繋がりを持つのです」
優しく語りかけてくれるねーねは、なにもないところへ指を滑らせて何かを見ているようだったの。
「確かに数値が大きい……何者かの手が加えられているとしか思えませんね。下手をすると、また……あの子達に負担をかけてしまう……なんとかしなくては」
チェリシュからはわからないけれども、ねーねは色々と調べてから、一段落したようにチェリシュを連れて再び歩き出したの。
もしかして……すごく力の強い神族……なの?
じーじよりも強い感じがするの。
「さあ、到着しましたよ」
いつの間にか道は途切れ、目の前には一つの扉が現れて、そこから甘い香りがただよっていたの。
あたたかくて優しい気配がする扉を、ねーねは躊躇うこと無く開き、チェリシュに中へ入るよう促したの。
「この中には、貴女に会わせたい者たちがいるのです。ヴォル……いえ、今はベオルフ・アルベニーリでしたね。彼に甘えていらっしゃい。そして、ノエルと話をして見極めて来ると良いでしょう。貴女に希望の光があらんことを願っています」
その言葉に頷いて恐る恐る入ってみると、ぼんやりしていた光が全てを覆っていて、その中にいるルーを見つけることができたの!
でも、いつもならチェリシュにすぐ気づくはずのルーが、全くこっちを見ないの。
「ルー?」
不安になってルーに声をかけるけれども、反応は全くなかったの。
でも、意外にも隣にいた人がチェリシュの方を見て、少しだけ目を見開いたのがわかったの。
体が大きくて、力も大きい。
リューと同じくらい?
ううん、ソレ以上……奥底にある力は、じーじが内包している物にもパパが持っている物にも似ていたの。
人間というには、あまりにも大きな力だったからびっくりなの!
まるで、ルーみたい……ルーに初めて会ったときも、精霊さんと間違えたの。
人の力ではない何かを持つ二人───ソックリなのっ!
その人が突然チェリシュに手を伸ばしてきたので、ちょっぴり驚いちゃったの。
でも……嫌な感じじゃなかったから、失礼なことをしちゃったの。
「突然すまない。此方から危害を加えるつもりはない」
「にーには、チェリシュのことが見えているの?」
「正確に姿を捉えることは出来ないが、朧げには見えている。しかし、ルナティエラ嬢は見えていないようだ。名を知っているということは、知り合いか?」
「チェリシュ……なの」
二人でお話をしていると、不思議そうにルーが問いかけて、にーにはチェリシュのことをルーに教えてくれたの。
ルーはすごく驚いた様子で探しているみたいだったけど、やっぱり見えていないみたいで、チェリシュの方を見ないの。
チェリシュが見えないの……ルーは……チェリシュがずっと見えなくなるんじゃないかって不安になってくるの。
大丈夫なの、いつもみたいにチェリシュのことを呼んで、ぎゅーってしてくれるの。
一時的なことなの。
自分にそう言い聞かせていると、大きなにーにが手を差し出してくれたの。
「膝の上へ来るか?」
考えても見なかった提案に、チェリシュはびっくりなの!
迷惑にならない……なの?
「い、いい……の? チェリシュ……いっても……いいの?」
「かまわない。嫌でなければな」
「全然嫌じゃないのっ」
表情は動かないけれども、ルーと同じ、あったかぽわぽわな人なの!
全然、嫌じゃないのっ!
目がとても優しい大きなにーにの手を取り、初めてルーに出会ったことを思い出しながら、チェリシュはお膝の上に登ったの。
とっても安心できたのは、きっと大きなにーにのおかげなの。
落ちないように手でサポートをしてくれる優しい大きなにーにが、とっても好きになった瞬間でもあったの。
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