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第七章 外から見た彼女と彼

リュート兄様の笑顔(マリアベル視点)

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 あっという間に王太子殿下とリュート兄様の召喚獣であるルナ様が仲良くなってしまい、出遅れた感が否めません。
 でも、リュート兄様のあんなに戸惑っている顔を見たのは初めてで、周囲からは表情一つも変えず冷たい人間だと言われていますが、そう噂をしている人たちはこの表情を見てもそう言えるのでしょうか。
 
 やむを得ない事情で距離を取られ、兄と慕っていた私の同年代の者たちは寂しく感じておりましたが、それよりも辛い立場に追い込まれた彼を心配しなかった日などありませんでした。
 私達が大好きだった笑顔が減り、頼りになる優しい兄は別人のように無口になっていく。
 それを見ることしか出来なかった私達とは違い、ルナ様はみんなが望んでいたものを取り戻してくださいました。
 良かった……リュート兄様が笑ったり戸惑ったりして、人間らしい表情をしている。
 無表情や不機嫌そうに怒った表情が素なのだと、もう言われませんよね。
 だって、私が知っているリュート兄様はとても表情豊かで、時には冗談をいって場を和ませてくださるような、少し茶目っ気がある理想の優しいお兄様ですもの。
 お説教は長くて怖いですが、それもその人のことを思ってのことですし、理不尽なことで怒りません。

 自分たちの兄や姉よりも一つ年上のリュート兄様が大好きで、遊び盛りの頃には年の近いコンラッド様たちとジャレつき「人に飛びかかっちゃダメだぞ」と言われていたのに、私達は毎回しっかり受け止めてくれるリュート兄様に飛びついて困らせたものです。

 ただ……転落事件の後からは、少し大人びたというか……時々別人に見えることもありましたが、根底にある物は同じだったので「死に瀕すると人は変わる」という祖母の言葉通りなのだと思いました。

 しかし、その事件で一命を取りとめ、リハビリと検査を繰り返していたリュート兄様の変化は、日に日に大きくなっていったのです。
 聖騎士の家の者であり、母親であるモア様の影響があるとしても考えられないくらい魔力の保有量が多くなり、数年後には誰も目にしたことがない術式を編み出し、誰も成すことが出来なかった二桁にも及ぶ術式の多重起動に成功した。
 そのことを知った世間は、功績を称賛することはなく恐怖を覚えたのです。

 ジュスト・イノユエの再来───

 もともと魔力の保有量が莫大になった時点でもそう言われていたリュート兄様でしたが、それがキッカケとなり噂はまたたく間に各地に広まっていきました。
 そんな馬鹿げたことが世に広まるのと比例して、リュート兄様は親しい人たちとの関わりを今まで以上に絶っていき……独りになることを選んでしまったのです。

 ジュスト・イノユエが起こした事件の爪痕は、今でも深く各地に残っていることは知っていますが、それをリュート兄様と重ねて見るのは違うと思うのに、人々は彼が犯した罪に対する憤りのはけ口を求めていたかのように、リュート兄様に難癖をつけて容赦なく傷つけていきました。
 弱くも醜い心を、たった一人の少年にぶつける。
 悔しかった……何もできない非力な自分が悔しくて、情けなかった。
 少しでも力になりたくてリュート兄様に声をかけても、そっけない態度を取ってくるようになり、それが私のことを考えての行動であるとわかっているからこそ、何とかしたかったのに「手を煩わせてはいけない」と母に注意をされ、見守ることしか許されなかったのです。

 私の行動はリュート兄様を困らせるのだと知り、それでも笑顔を取り戻してほしくて色々考えていたけれども、出来るだけ邪魔にならない範囲で傍にいること以外の解決方法が思い浮かばないまま、いたずらにときが流れていく……
 私が手をこまねいている間も姉は、すぐに独りになろうとするリュート兄様を注意しているようでしたが、それも効果が無く……どんどん表情も笑顔も失われていきました。

 しかし、今は───
 リュート兄様が笑って困った顔をされて、目の前で撃沈するという珍しい光景が目の前で繰り広げられております。

「頼む……ルナ、シグ……そのへんで……マジ勘弁して……」
「いいえ、まだ語りたりません!」
「そうだよ! リュートは全然わかってないよね、どれだけボクと盟友殿がリュートのことについて語り合いたかったか!」
「盟友殿ってなんだよ……」
「リュートのことを語り合う強い繋がりを持っているのだから、盟友でいいじゃない。だから盟友殿はボクのことを王太子殿下なんて他人行儀に呼ばず、シグって呼んでね」
「はい、シグ様! リュート様のことを沢山語り合えて、とても嬉しいですっ」
「ボクもだよ! しかし、リュートって本当に肌が綺麗だよねぇ……女性が羨むでしょう、コレは」
「私もそう思います。日々のお手入れを欠かさずしていても、ここまでの肌理の細かさや艶は難しいと思いますもの。髪も日焼けで傷んでいる様子はなく艶々ですし……」
「だよねぇ、日焼けは大敵だけどリュートくらいに日に焼けている肌の感じは健康的で格好良さに磨きがかかるよね」
「そうなのです、黒すぎず健康的というのがポイントですよね」
「わかるーっ!」

 止まらないお二人の勢いに押されたリュート兄様は「マジ助けて!」という視線をテオ兄様たちに送っていたようですが、返答は予想通り「無理」「無茶を言うな」「我慢しなさい」といった類のものばかり。
 リュート兄様……ファイトです!
 心のなかで声援を送った私を見て、がっくりと項垂れる。
 うふふ、こんなリュート兄様は初めてですね。
 ちょっぴり嬉しくなってしまいます。

 ハロルドのおじさまは二人のリュート兄様賛美を聞いて「いいなぁ」といったご様子ですし、モアおばさまはニコニコ嬉しそうに聞きながら頷いておりますし、テオ兄様は「ロンがいたらもっとヒートアップしただろうな……」とどこか遠い目をされ、ランディオのおじさまは「元気だな」とおっしゃってリュート兄様の様子を愉快だと言わんばかりに笑っていらっしゃいました。
 そうですね……王太子殿下のこれほど元気なお姿は、最近無かったように思います。
 季節の変わり目に体調を崩しやすい王太子殿下は寝込むことも多く、数日前は熱を出していたと祖母から聞いておりました。
 無理をしなければ良いのですが……

 そろそろ昼時という頃になり、ルナ様が席を立って昼食の準備に向かわれ、何故か春の女神様がそれについていくのですが誰も止めません。
 だ、大丈夫なのかしらと心配していたら、愛の女神様と前竜帝陛下が姿を現し硬直してしまいました。
 前竜帝陛下が、何故こちらにっ!?

「そうそうたる顔ぶれじゃな。シグムントが来ていると聞いて顔を出したが……リュートは何を撃沈しておるんじゃ」
「天国と地獄を同時に味わってさ……」
「わけがわからんわい」
「どうせ、ルナ絡みであろう」

 ころころ笑う愛の女神様に対し呆れた表情をなさっていた前竜帝陛下は、無造作にリュート兄様の頭を撫でてから執事さんが用意した席につきました。

「ルナの新作料理。期待できそうじゃな」
「なんだ、見てきたのかよ」
「初めて見るものであった。キュステがいま手伝っておるが、アレを商品化するつもりか?」
「一応考えているところだ。手軽に準備ができて、誰でも調理が出来るようになれば一番良いが……温めるだけで食える状態に持っていくのは難しい」
「それが出来たら画期的じゃな」

 リュート兄様の言葉に私は衝撃を受け、思わず息を止めてしまいます。
 だって……それが可能になったら、魔物や自然災害に見舞われた地域はどれほど助かるでしょう。
 キャットシー族の方々が日々お料理を作ってくださることに心から感謝しておりますし、毎日大変だろうなと思っております。
 しかし、彼らの種族が持つ性というべきか……被災地に連れてくると震えてお料理ができない状況になってしまのには困りものでした。
 彼らに無理強いなんてしたくありませんし、お料理が出来ない状況になるほど怯えている姿も可哀想です。
 毎回、遠く離れた場所で野営をして料理を作っていただいてから運ぶのは、手間と費用がかかりました。
 でも、リュート兄様が考えていることが実現したら、その心配をしなくても良くなるかもしれません。

 リュート兄様にその件で質問しようとしたその時、ルナ様がとても良い香りがするお料理を持ち、執事さんが筆頭に準備していた昼食を取るためのテーブルが設置された場所へと戻ってまいりました。
 当たり前のようにルナ様がお料理をテーブルにセッティングしようとするのをメイドたちが必死に止めると、申し訳無さそうに指示を出す彼女の様子が見えます。
 さすがにリュート兄様の召喚獣であるルナ様にセッティングをしていただくわけにはいきませんものね。
 メイドさんたちは、次々に運ばれてくる料理を言われたとおりにテーブルの上へ並べているようでした。

「うまく出来たの!」
「そうか、チェリシュ……お前、つまみ食いしたろ」
「はっ! バレたのっ」
「口の端っこにソースがついている」

 目ざとく春の女神様の汚れを見つけたリュート兄様は慣れたような手付きで口元を拭い、困ったやつだというように笑っています。
 ある程度指示を出し終え、もとの席へ戻ってきたルナ様に「バレたの」と報告する春の女神様はとても可愛らしく、ルナ様も「バレちゃいましたか」と茶目っ気たっぷりに笑います。

「ずるいぞ」
「お手伝いをしている特権ですもの」

 本気でずるいと考えているようではなく、たんなる言葉遊びのようでルナ様はくすくす笑っていらっしゃいますし、リュート兄様は「残念」と笑みを零しました。
 本当に表情が豊かになって、嬉しい限りです。

「アレは用意してくれた?」
「リュート様の分はリクエスト通りにしておきました。皆様にはまだ難しいと思って……」
「だろうな。まあ、慣れが必要だもんな」
「チェリシュはできるのっ」
「本当かよ……」
「出来るの、ちゅるちゅるなのっ」
「ぱっくん出来てねーならアウトだな」
「残念なの、アウトだったの」

 顔を見合わせて「しっぱいしっぱいなの」という春の女神様と「修行が足らないな」なんて言いながら悪戯っぽく笑うリュート兄様の言葉を聞いて、ルナ様がくすくす笑い……どこにでもいる家族のような姿を見て、ほっこりと和んでしまいました。
 こんな可愛らしい家族がいたら、毎日でも見ていたいです!
 王太子殿下もそう感じているのか、とても優しい視線を向けておりましたし、ランディオのおじさまも目元を緩ませているご様子。
 しかし、その輪に入りたいハロルドのおじさまが席を立ったと同時に食事の準備が整ったようで、私達は執事のセバスさんが案内してくれるのを待ってテーブル席につきました。
 テーブルの上に並べられたお皿には、真っ赤な何か……えっと……パンもありますが、これは甘い香りがしませんし、ルナ様は何種類も作ることができるのでしょうか。

「本日のお昼は、ミートソースのショートパスタと酵母を変えた新作パンです。パスタは様々な形がありますが、一番食べやすそうな形を選びましたので、フォークかスプーンで掬ってお召し上がりください」
「なるほどのう……じゃから、リュートは違うのか」
「アーゼンラーナはいつもながら目ざといな……俺は見本になるようにこのタイプを頼んだんだよ。希望するなら追加できるから、食べるコツを見てからにしてくれ」

 だから、量は少なめにしてあると言われましたが、それほど少ないと感じないのは私が少食だからではありませんよね?
 王太子殿下も「これで少なめ?」と首をかしげていらっしゃいますもの。

 そして、見てからにしてほしいと言われたリュート兄様の皿の上は量もさることながら、愛の女神様のご指摘どおり私達と形状の違う物が盛り付けられておりました。
 長い……ですよね。
 あ、私達の物が『ショート』ということは、リュート兄様の皿に盛られている物がデフォルトなのでしょうか。
 形がたくさんあるというパスタという食べ物を聞いたことはありませんし、ミートソースというお料理も初耳です。
 ただ、この真っ赤なソースからはとても良い香りがしますし、未知なるお料理に期待が膨らみます。
 リュートお兄様のお店で出されるお料理はどれも美味しいものでした。
 料理はお腹と魔力を満たすものという概念を覆す物であったのですが、それでも不十分だと改良を重ねていたようですし、そんなリュート兄様があんなに目を輝かせてそわそわしているのですから、美味しいに決まっています!
 食べる前に月の女神様に祈ることが習慣となっていた私は、この時初めて「お祈りを早く済ませたい」と考え、あとで月の女神様に謝罪しておこうと思いました。

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