215 / 558
第六章 いつか絡み合う不穏な影たち
問題児トリオ
しおりを挟む「きれいに焼けると良いっすねぇ」
「かわいく焼けるのっ」
チェリシュが作ったうさぎパンと不本意ながら犬と言われた私の生地が焼成に入り、オーブンの窓から仲良く並んで中を見つめるチェリシュと失言くんの様子は、どこからどう見ても近所の親切なお兄さんになついた娘という感じですよね。
こうしてチェリシュの世界が少しずつでも広がっていったら良いなと願わずにはいられません。
一番そう考えていそうなリュート様が隣にいないことに違和感を覚え、なんとなく周囲の状況の確認も含めて辺りを見渡します。
カフェたちが忙しく調理しているのは相変わらずなのですが、奥の方で真剣な表情で話し合っているリュート様と愛の女神様を見ると、どうやらチェリシュ関連の話をしているだけではないのでしょう。
何か難しい問題でも発生したのでしょうか……意外と神族が関わる大問題は、お二方が相談しながら解決しているのかもしれません。
「料理長、追加分を持ってきましたよー!」
新たな声が戸口からして見てみれば、どこかで見たようなお二人が木箱を抱えてたっておりました。
「……って、まだモンドはここにいたのか」
「予想通りでしょう?生地を届けるだけだと言ったのに、すぐに寄り道をするんですから……」
リュート様の魔法をいち早く解析して指示を飛ばしていた深紅の瞳が印象的な青年と、とても柔らかそうな銀髪をふわふわ揺らし、丁寧な口調の青年が新たなパン生地が入っているのだろう木箱を持ったまま、こちらへ向かい歩いてきます。
やはり黒騎士に所属しているだけあって、みんなしっかり鍛えられた体つきをしていますね。
3人並ぶだけでも威圧感がすごいです。
「うさぎぱんのにーにが、モンド……なの?」
「そうですよ、春の方……ていうかお前……まさか……」
「あれ?自己紹介してなかったっすか?」
そういえばお名前を聞いたことはありませんし、ずっと「失言くん」とお呼びしておりましたから問題がなかったので、聞くタイミングを逃しておりました。
むしろ、彼の指摘がなければ、そのまま「失言くん」と呼んでいたかもしれません。
「はっ!うさぎぱんのにーに、ぷっくりぷくぷくなのっ」
「おーっ!膨らんできたっすね!」
どうやら名前を知っても「うさぎぱんのにーに」が定着してしまったようですね。
二人してオーブンの窓の中を見つめながらはしゃいでいます。
しかし、その和んでいる雰囲気を壊すように一番背が高い司令塔のような彼が動き、流れるような動きで失言くんの頭をゴンッと拳で殴りつけました。
う、うわぁ……い、痛そうな音が響きましたよっ!?
「その前にやることがあるだろ? あるよな?」
彼の気迫に押されて、痛む頭を押さえながら壊れた機械人形のように何度もコクコク頷いた失言くんは、姿勢を正して勢いよくこちらに向かい頭を下げます。
「失礼しましたっす、俺はモンドレイヴェス・ソルダムっす!長い名前なのでモンドと呼ばれているっす」
「この馬鹿が失礼をいたしました。私はこいつらを統括しているダイナス・レインハウドです」
「僕はこの二人と幼なじみのジーニアス・フォレストです。以後お見知りおきを」
流れるように自己紹介をしてくれた3人に簡単な自己紹介を返していたら、不意に後ろに立つ誰かの気配を感じました。
振り返らなくても漂ってきた良い香りと、絶対的な安心感でわかってしまいます。
「朝からそろい踏みだな。問題児トリオ」
「問題児トリオ……ですか?」
「こいつらの名前の二文字目までをとって、生まれ育った場所ではそう呼ばれていたらしい。まあ、問題児はモンドだけで、クラスを取りまとめてくれるダイナスと参謀的な立ち位置で頑張ってくれているジーニアスには世話になっているんだ」
振り返り見れば、リュート様が柔らかな笑みを浮かべていらっしゃいました。
うふふ、やっぱりリュート様が近くにいてくださると、心がほっこり落ち着くのです。
無言で近づいてピタリと横にくっつくと、彼は少しだけ驚いたようにこちらを見ましたが、尋ねられても答えませんよ?
なんでもないので気にしないでください。
ただ、くっついていたかっただけですから。
何かもの言いたげな表情だったリュート様は、少しだけ考えたあと何事もなかったように私に笑いかけました。
「でもな、やらかすときは3人揃ってとんでもねーことやるから、よく考えられた愛称だよ」
他のお二人がどうかはわかりませんが、トラブルメーカーを抱えていたら、その不名誉な名前はついて回りそうですよね。
「そりゃないですよリュート様。ルナ様に自己紹介もしていなかった馬鹿と同レベルにされたら、俺……いや、私の立つ瀬がありません」
「お前、普段は俺って言っているんだから、いつも通りでいいだろ」
「公私混同しないようにしているだけです」
器用なのか不器用なのか……とリュート様は苦笑を浮かべましたが、仕事の時に一人称を変えるのはよくあることですものね。
「あ、そうだ。リュート様に頼まれていた資料を持ってきましたけど、この場でお渡ししても大丈夫でしょうか」
「今ここで確認したいから頼む。ジーニアスには手間をかけさせてすまないな」
リュート様のねぎらいの言葉を聞いて嬉しそうに書類を取り出したジーニアスさんから手渡された書類を眺めていたリュート様は首を傾げて唸ったあと、まるで来ることがわかっていたかのように、戸口から新たに現れた人物に向かって視線をあげることなく声をかけました。
「おはようロン兄。朝から質問があるんだけどいいかな」
「おはよう、なんだい? 可愛いリュートの質問やお願いだったら、お兄ちゃんはなんでも聞いちゃうよ?」
上機嫌に笑ってこちらへ歩いてきたロン兄様は朝日に照らされキラキラ輝かんばかりに麗しく、兄弟そろって並び立つだけで絵になります。
きっと乙女ゲームだったら見事な姿絵として描かれていることでしょう。
黒騎士様たちもそうですが、やっぱり皆様それぞれの特徴をもったイケメンですよね。
外見の審査もあるのではないかと疑うレベルです。
「今回の新人騎士入団説明会って誰が担当したか知ってる?」
「確か第三騎士団の団長だったはずだよ」
「へぇ……黒騎士って資金難だったりする?」
「今年は去年よりも魔物が活発になるんじゃないかって予想が出ているから、国から経費を大幅アップしてもらえたし、今までだってそこまで資金難になったことはなかったはずだよ」
「んー……じゃあ、なんで今年に限って補助金制度の項目が消えているんだろう」
「え?」
リュート様はジーニアスさんが用意してくれた書類の一点を長い指で示し、すぐさま指摘された箇所に目を通したロン兄様は、目つきを鋭くして「なるほどねぇ」と微笑みました。
え、えっと……いつもの柔和なロン兄様の気配が消えて目つきが鋭いので、反対に……こ、こわい……ですよ?
おこなの……と、チェリシュがつぶやき私の足にしがみつきました。
わかりますよチェリシュ、今のロン兄様は怖いですよね。
「補助金制度ってなんっすか?」
「黒騎士と白騎士が扱う武器や防具は高価な物が多いよね。新人だと準備するのも一苦労だろうということから、入団して5年目までの者が申請すれば援助金が出る仕組みになっているんだ」
そんなシステムがあったのかと3人とも驚いたような様子で話を聞いておりましたが、ロン兄様の笑みが更に深みを増したのを感じ、足下のチェリシュから「ぴっ」という声が聞こえたので、慌てて抱き上げます。
こ、これはいけません。
おびえたチェリシュが必死にしがみついてくるくらいロン兄様は本気でおこですよっ!?
カフェたちもこちらへ近づかないようにしながら、耳と尻尾を垂れ下げて料理を作っているようでした。
チェリシュと弟子たちの怯えた姿は可哀想でなりません。
ど、どうにかしないとっ!
でも、黒騎士内部のお話中ですから、下手に首を突っ込むわけにもいきませんし……
「お前の装備報告を聞いたときに他の連中も馬鹿なことをやっていないか確認したんだ。その中で、資金が厳しいのに誰も補助金を申請していないことに気づいてな。説明がなかったのか、それとも書類の見落としかわからなかったから説明会の書類を持ってきてもらったんだ」
どうせお前のことだから、新たな装備を新調できる金なんてないだろ……とリュート様は彼のお財布事情を察したような言葉を投げかけ、反論できなかった失言くん───もとい、モンドさんは頬を思い切り引きつらせます。
「す、少しはあるっすよ?」
「今月の給料を前借りすれば……か?」
どうやらそれも図星だったようで、今度こそ黙り込んでしまいました。
呆れた様子のリュート様と幼なじみ二人の視線を受けて居心地が悪そうにしている様子は、少しばかりかわいそうになってしまいます。
自業自得とはいえ、このメンツににらまれたら精神的にいろいろと追い詰められそうですもの。
「リュー! うさぎぱんのにーにを、いじめちゃメッなの」
「ん?うさぎぱんのにーに?」
「うさぎぱんを作ったの。いーよっていってくれたの。楽しかったの!」
「そっか、良かったな」
チェリシュ効果で一瞬にしてパパモードになったリュート様に、モンドさんはホッと息をつきますが、両サイドに立っていた幼なじみ二人からすかさず横っ腹にめがけてパンチが飛びました。
タイミングが良すぎて、これが初めてではないのだなぁと感じてしまいます。
「ルーは、わんこをつくってくれたの!」
「へぇ、そうなのか」
ルナが作るのだから、きっと可愛いのができたんだろうなと微笑まれましたが……こ、ここまできたら、うさぎだと主張できない感じが……し、します……ね。
もうこれは……犬だと貫き通す方が良いのでしょうか。
「やれやれ、調べ物が多いのに……単なるミスならいいんだけどね」
書類を隅々までチェックしていたロン兄様はそうぼやきますが、その可能性は低いように感じました。
だって、書類に記載していなかっただけだというなら、命に関わる装備の購入に関しての説明だけではなく、経験が伴う先輩としてのアドバイスや関連事項についてもお話があったはずです。
「私の国でそういう問題があったら、まずは最悪の事態を考えて過去数年分の調査をするそうです。治安が悪いうえに貴族たちもタチが悪い者が多かったので、必要な対処なのだとおっしゃっていました……」
学園に通っているときにも盗難が当たり前のように起こり、ちゃんと管理ができていない方が悪いと責められているのを見かねたベオルフ様が調査に乗り出し、あっという間に犯人を特定したということがありました。
しかも、1年に何回もそういう事件が起こるのだから、治安に関しては目も当てられない状態だったと言えるでしょう。
『一度盗みや横領などをした者は、似たような手口を使ってまたやるものだ。そして、その時に得た資金を何に使っているかが重要でな。元を絶たねば、必ず同じことが起こる』
生活に苦しいから盗むのであれば、生活が楽にならなければ盗み続ける。
相手を苦しめるためだというのなら、何故そうなったのかを解決しなければならない。
一番困るのは、欲や娯楽のためだな……と、苦笑を浮かべたベオルフ様の表情を未だに忘れられません。
生活が困窮している者には働き口を、人間関係のもつれからというのなら第三者が入って和解を、欲や娯楽……は、正直に言えば問題外でしょう。
それでも、それを解決するために尽力していたベオルフ様はすごいな……と、改めて感じました。
ある意味、彼が王族であったならこれ以上とない逸材だったのではないでしょうか。
まあ……表情筋が死滅している状態ですから、国王陛下に比べてにこりともしないベオルフ様はどうかと感じる方が多いかもしれませんが……一応笑うのですよ?
それはとても素敵な笑顔で、不意打ちでくるからズルイのです!
「そうだね。資金の流れは重要だね」
ロン兄様に褒められた上に頭を撫でていただきましたが……あれ?
オーディナル様だけではなく、ロン兄様も心の声が読めるのですかっ!?
私が驚いた表情で固まっていると、抱っこしていたチェリシュが「声に出ていたの」と教えてくれました。
え、えっと……だ、大失態とは言いませんが、これは恥ずかしいのです……本当に無意識でしたもの!
「あ、ルーがリュー以外のことでベリリなの!」
心底驚いたように言われましたが、リュート様のことだけで真っ赤になって……い、いません……よね?
えっと……あれ?
「まあ、無意識でやらかしていたから恥ずかしいんだろ。あまり言ってやるな」
「しっぱいしっぱい……なの?」
「なの」
私の腕の中のチェリシュを抱き上げたリュート様は、控えめにククッと笑い声を上げたかと思うと「そういうところが可愛いよなぁ」と極上の甘い声だけではなく笑顔を惜しげもなく披露してくださいました。
わ、私をどうしたいのでしょうか、この方は!
あと、みんなでこっそりと笑わないでくださいいぃぃっ!
特にモンドさん!
肩が揺れているどころか体がくの字ですよ!
居たたまれなくなった私は、自由になった手でベリリ色になっているだろう顔を覆うことしかできませんでした。
263
お気に入りに追加
12,200
あなたにおすすめの小説
【R18】清掃員加藤望、社長の弱みを握りに来ました!
Bu-cha
恋愛
ずっと好きだった初恋の相手、社長の弱みを握る為に頑張ります!!にゃんっ♥
財閥の分家の家に代々遣える“秘書”という立場の“家”に生まれた加藤望。
”秘書“としての適正がない”ダメ秘書“の望が12月25日の朝、愛している人から連れてこられた場所は初恋の男の人の家だった。
財閥の本家の長男からの指示、”星野青(じょう)の弱みを握ってくる“という仕事。
財閥が青さんの会社を吸収する為に私を任命した・・・!!
青さんの弱みを握る為、“ダメ秘書”は今日から頑張ります!!
関連物語
『お嬢様は“いけないコト”がしたい』
『“純”の純愛ではない“愛”の鍵』連載中
『雪の上に犬と猿。たまに男と女。』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高11位
『好き好き大好きの嘘』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高36位
『約束したでしょ?忘れちゃった?』
エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高30位
※表紙イラスト Bu-cha作
美醜逆転の異世界で騎士様たちに愛される
彩
恋愛
いつの間にか異世界に転移してしまった沙紀は森で彷徨っていたところを三人の騎士に助けられ、その騎士団と生活を共にすることとなる。
後半からR18シーンあります。予告はなしです。
公開中の話の誤字脱字修正、多少の改変行っております。ご了承ください。
【R18】溺愛される公爵令嬢は鈍すぎて王子の腹黒に気づかない
かぐや
恋愛
公爵令嬢シャルロットは、まだデビューしていないにも関わらず社交界で噂になる程美しいと評判の娘であった。それは子供の頃からで、本人にはその自覚は全く無いうえ、純真過ぎて幾度も簡単に拐われかけていた。幼少期からの婚約者である幼なじみのマリウス王子を始め、周りの者が
シャルロットを護る為いろいろと奮闘する。そんなお話になる予定です。溺愛系えろラブコメです。
女性が少なく子を増やす為、性に寛容で一妻多夫など婚姻の形は多様。女性大事の世界で、体も中身もかなり早熟の為13歳でも16.7歳くらいの感じで、主人公以外の女子がイケイケです。全くもってえっちでけしからん世界です。
設定ゆるいです。
出来るだけ深く考えず気軽〜に読んで頂けたら助かります。コメディなんです。
ちょいR18には※を付けます。
本番R18には☆つけます。
※直接的な表現や、ちょこっとお下品な時もあります。あとガッツリ近親相姦や、複数プレイがあります。この世界では家族でも親以外は結婚も何でもありなのです。ツッコミ禁止でお願いします。
苦手な方はお戻りください。
基本、溺愛えろコメディなので主人公が辛い事はしません。
この結婚、初日で全てを諦めました。
cyaru
恋愛
初めて大口の仕事を請け負ってきた兄は数字を読み間違え大金を用意しなければならなくなったペック伯爵家。
無い袖は触れず困っていた所にレント侯爵家から融資の申し入れがあった。
この国では家を継ぐのに性別は関係ないが、婚姻歴があるかないかがモノを言う。
色んな家に声を掛けてお試し婚約の時点でお断りをされ、惨敗続きのレント侯爵家。
融資をする代わりに後継者のラジェットと結婚して欲しいと言って来た。
「無理だなと思ったら3年で離縁してくれていいから」とレント侯爵夫妻は言う。
3年であるのは離縁できる最短が3年。しかも最短で終わっても融資の金に利息は要らないと言って来た。
急場を凌がねばならないペック伯爵家。イリスは18万着の納品で得られる資金で融資の金は返せるし、、3年我慢すればいいとその申し出を受けた。
しかし、結婚の初日からイリスには驚愕の大波が押し寄せてきた。
先ず結婚式と言っても教会で誓約書に署名するだけの短時間で終わる式にラジェットは「観劇に行くから」と来なかった。
次期当主でもあるラジェットの妻になったはずのイリスの部屋。部屋は誰かに使用された形跡があり、真っ青になった侯爵夫人に「コッチを使って」と案内されたのが最高のもてなしをする客にあてがう客間。
近しい親族を招いたお披露目を兼ねた夕食会には従者が「帰宅が遅れている」と申し訳なさそうに報告してきて、戻ってきても結局顔も見せない。
そして一番の驚きは初夜、夫婦の寝室に行くと先客がいた事だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★8月10日投稿開始、完結は8月12日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
自分の気持ちを素直に伝えたかったのに相手の心の声を聞いてしまう事になった話
よしゆき
BL
素直になれない受けが自分の気持ちを素直に伝えようとして「心を曝け出す薬」を飲んだら攻めの心の声が聞こえるようになった話。
【R18】ひとりで異世界は寂しかったのでペット(男)を飼い始めました
桜 ちひろ
恋愛
最近流行りの異世界転生。まさか自分がそうなるなんて…
小説やアニメで見ていた転生後はある小説の世界に飛び込んで主人公を凌駕するほどのチート級の力があったり、特殊能力が!と思っていたが、小説やアニメでもみたことがない世界。そして仮に覚えていないだけでそういう世界だったとしても「モブ中のモブ」で間違いないだろう。
この世界ではさほど珍しくない「治癒魔法」が使えるだけで、特別な魔法や魔力はなかった。
そして小さな治療院で働く普通の女性だ。
ただ普通ではなかったのは「性欲」
前世もなかなか強すぎる性欲のせいで苦労したのに転生してまで同じことに悩まされることになるとは…
その強すぎる性欲のせいでこちらの世界でも25歳という年齢にもかかわらず独身。彼氏なし。
こちらの世界では16歳〜20歳で結婚するのが普通なので婚活はかなり難航している。
もう諦めてペットに癒されながら独身でいることを決意した私はペットショップで小動物を飼うはずが、自分より大きな動物…「人間のオス」を飼うことになってしまった。
特に躾はせずに番犬代わりになればいいと思っていたが、この「人間のオス」が私の全てを満たしてくれる最高のペットだったのだ。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。