上 下
166 / 558
第四章 心を満たす魔法の手

リュート様の提案

しおりを挟む
 
 
 とりあえず、うどんとピザのレシピは時間がかかりそうなので、今作成したレシピのコピーを4人分作成することにした私を見ていたボリス様は、リュート様に「そろそろいいかな」と言い、何やら話し込んでいます。
 最初は興味深げに聞いていたリュート様でしたが、だんだん何かを考える様子を見せ、完全に沈黙して自分の考えに没頭し始めてしまいました。
 うわ……そ、その考え込んでいる姿が、とんでもなくカッコイイです!
 キリッとした目元、口元を覆う大きな筋張った手、視線が正面から左斜下へ移動する様……な、何故それだけなのに、奇妙な色気が伴うのでしょうか。
 仕事モードになった男性って、見ているだけでカッコイイ! ってなりますけど、それがリュート様だと、私の心臓がドクドクうるさくなるくらいの衝撃を受けるから不思議です。
 彼の地球のような色合いの瞳が神秘的に輝くところも素敵ですし、そ、その口元を押さえている手が魅力的で……リュート様の挙動ひとつひとつに鼓動が跳ねてしまいそう。
 い、いけません。
 私は私で集中しないと!
 
「じゃあ、まずは実物大を見せてくれねーか」
「わかった。そこに出すね」
 
 そこ?と全員の視線がボリス様の指し示す場所に向いたと同時に、床に小さな術式が浮かび上がります。
 リュート様ほど緻密ではありませんが、それでも他の方々よりは作り込まれている感じがしました。
 とはいえ、私が参考に出来る術式は少なく、リュート様か黒騎士様たちですから……比べる次元が高いかもしれませんよね。
 黒騎士様たちも、スペック高そうですもの!
 暫くして術式が放つ光の中から現れたのは、チェリシュくらいの大きさの丸っこいシルヴェス鉱で出来たウサギのぬいぐるみみたいな外見を持つ物体。
 エプロンドレスを着ていますよ?
 真っ白で目が黒で可愛いですね。
 口がバツマークなのは、某有名キャラクターを思い出しそうですが、この子は目がまるっとして大きく、ほっぺの赤みも可愛いです。
 
「大きさはこれくらいでいい?」
「外見もう少し可愛くできねーの?」
「そこっ!? 注文はそこなのっ!?」
「ルナの商品を扱うゴーレムがごっつくて可愛く無いなんて、俺には許せん」
「こだわるところはそこでいいんだ……」
 
 リュート様の言葉にボリス様が脱力したようにハハハッと乾いた笑いを浮かべ、ガックリ肩を落としました。
 ま、まあ……そうなりますよね。
 でも、ぬいぐるみみたいに可愛いこの子がゴーレム……もっとずんぐりむっくりして大きな物が出てくるかと思いました。
 
「だいたい、リュートのデザインをなるべく忠実に再現したんだけどっ!?」
「ふわふわじゃねーのな」
「待って、それはもうちょっと待って。いま外側の防護膜を加工中で、それをふわふわにする予定だから。これは素体、中身なの」
「ふーん?手はこれでつかめるんだな?」
「大丈夫、これはどういう仕組みかわからないけど、神々が創った部分だから問題ないはず」
 
 そうなの?とリュート様が振り返り尋ねると、ゴーレムの様子を興味深そうに見ていた愛の女神様が頷きます。
 
「そうじゃな。このゴーレムはもともと父上が、人々の嘆きを聞いて創ってくださったものじゃ。間違いはなかろう」
「あ……だから、素体がシルヴェス鉱だと相性が良いのですね」
「よく気づいたのぅ。ルナは父上のことをよく見ておる」
 
 良い子良い子と私の頭を撫でる愛の女神様と、納得というように頷くリュート様。
 1人、意味がわからないと首を傾げているボリス様をスルーして、リュート様は私にハーブソルトのレシピを一つお願いしてきたので、すぐさま作成して渡しました。
 
「レシピをどう渡せばいいんだ?」
「手に渡せばいいよ」
 
 言われたとおりにすると、うさぎ型のゴーレムはレシピを受け取ったあとジーッと見てからパクリと口にくわえます。
 バツマークの口にレシピが……もしゃもしゃいいながら食べてませんかっ!?
 美味しそうにレシピを食べたゴーレムに、リュート様はハーブソルト作成で必要なアイテムを出して並べると、ピクンッとウサギの耳が反応してテーブルの上のアイテムを使い、丁寧にハーブソルトの作成に入ってしまいました。
 
「で?これって、レシピを覚えさせたら……それしかできねーの?」
「普通はそうだよ。だから、何体ぐらい必要か聞きに来たんだ」
 
 うわぁ……それって、頼みたいレシピの数だけ、ゴーレムの数を増やすことになるのですね。
 それは途方も無い数になりそうです。
 そこでリュート様は、先程と同じように考え込んだあと、うーんと唸ってからボリス様に疑問を口にしました。
 
「ゴーレムって基本どんな感じで作られているんだ?」
「えっと……簡単にいうと、コアとなる部分と体の素材と術式で組み上げていくんだ。魔法を補給する魔石をタンクにして、起動させる。基本動作はコアにもともと組み込まれているから、こちらからはどうなっているかわからない」
「レシピをいまさっき食っていたけど、それはどういう扱いだ?」
「ああ、食べて取り込んで、本体のコアにそれを刻みつけるんだよ」
「……なるほどな。そういうことか」
 
 頭の中でゴーレムの作成イメージが湧いたのか、リュート様は納得だと頷いたあと「それじゃあ、1レシピ1体だわな」と呟き苦笑します。
 確かに、その方法でしたら……そうなりますよね。
 
「じゃあ、質問を変えよう。ボリス、メインコア以外の……頭脳の役割を持つサブコアみたいな物をゴーレムに作ることは可能か?」
「はあっ!? ……ず、頭脳って……?」
「そうだな、例えば……いまコアに刻みつけているレシピを、一時的に内蔵されたコアか魔石に刻みつけ、それを外部から取り替えることは可能かってことだ。コアには触れず、命令系統を別に作り出そうっていう提案しているんだが、どうだろう」
「ま、待って……待って、ちょ、ちょっと待って! 考えるから、少し時間をちょうだい!」
 
 ボリス様にとっては予想外な言葉だったのでしょう。
 慌てて両手を振ってリュート様の言葉を遮り、ブツブツいいながら自分の考えに入り込み、用紙やペンを取り出して何やら記入し始めました。
 これは暫く時間がかかると判断したリュート様は、うさぎ型ゴーレムを尻目に、私の傍らに立ち周囲には聞き取れないくらいの小さな声で呟きます。
 
「ハードとソフトという簡単な考え方だったんだがな……」
「リュート様……その考えをゴーレムに当てはめようとする人は、そういないと思いますよ?」
「そう?」
 
 キョトンと目を丸くして小首を傾げるリュート様の愛らしさと言ったら!
 い、いけません、まだ背中に張り付いていたチェリシュがひょっこり顔を出したタイミングも相まって、可愛らし過ぎる姿に……も、悶えてしまいそうです。
 この父娘は、時々私のライフポイントを確実に削って来ますよね!
 
「面白い考え方をするもんじゃな」
「なるほど、それが可能やったらレシピ1枚に1ゴーレムにならへんわな」
 
 リュート様の意図したことを理解したアレン様とキュステさんが頷き、お母様は目を輝かせてゴーレムを見ていたかと思うと、次にボリス様の書き込んでいる紙を覗き込み、綺麗に整えられた細い指先で数箇所指摘しては何やら呟いていらっしゃいます。
 指導が入っていますね……お、お母様……ボリス様より出来る方でしたか。
 リュート様は日本ではIT企業に勤めていたそうですから、ハードやソフトという考え方がより身近だったのでしょう。
 ゴーレムがPC、レシピがソフトなんて、同じ日本人の私でも考えつかないことでした。
 
「リュートの考え方は柔軟だね、お兄ちゃんも見習わないと」
「何を言う。お前よりも私のほうだろう」
 
 ロン兄様とテオ兄様の言葉を聞いて、照れくさそうにしているリュート様の肩に登りきったチェリシュが何故かえっへんと胸を張ります。
 その姿は、まるで父を褒められて上機嫌な娘の姿。
 可愛らしくて、ついほっこりしてしまいました。
 
「何か賑やかだったにゃ?」
「楽しそうだにゃっ」
「片付け終わったぜー」
「お待たせいたしましたにゃっ」
 
 どうやら4人が帰ってきたようです。
 ひと仕事終えた4人を笑顔で出迎えると、私の前まで来てから顔を見合わせてニッと笑いました。
 
「師匠、これからよろしくですにゃ!」
 
 ペコリと頭を下げる4人に、思わず目を丸くしてしまいます。
 し、師匠……ですか?
 
「片付けをしながら4人で呼び方を考えましたにゃ」
「マスターか師匠でわかれましたにゃっ」
「まあ、どっちも同じ意味だけどさ」
「マスター呼びも良かったのですけど、こちらにしましたにゃ」
 
 私を呼ぶ呼び方一つを4人で考えてくれたことが嬉しくて、思わずまとめてぎゅーっです!
 お礼を言って抱きしめてから頭を1人1人撫でていると、チェリシュも慌ててリュート様の肩から降り、列に参加しました。
 
「チェリシュも一緒なのっ」
「はい、チェリシュもよしよしです」
「きゃー」
 
 並べば頭を撫でてくれるのか?というリュート様の言葉に私が狼狽え、思わず振り返りますが「まあ、ご褒美のほうが良いか」と意味深に微笑まれてしまい、顔が瞬時に真っ赤になります。
 い、いけません、それはここで言わないでください。
 突っ込まれたら困る内容ですから!
 
「あ! ルーがベリリなの!」
「あぁぁ……もうっ! リュート様!」
「言ったのはチェリシュで、俺じゃないぞ」
「リュート様のせいなのですーっ」
「俺は『ご褒美』としか言ってないだろ?」
 
 それが問題発言だと言っているのにーっ!
 真っ赤な私の顔の頬を突いたリュート様は、耳元に唇を寄せ低く甘く呟きます。
 
「そんなに狼狽えたら、『ご褒美』って言葉に変な意味があるって思われるかもな」
 
 ひいいいぃぃぃっ!
 そ、それだけはご勘弁を!
 小刻みにぷるぷる首を左右に振って、それだけは駄目だという意思表示をした私を「可愛いなぁ」と目を細め、色気タップリに見つめてくれるリュート様が、私的には魔王モードのときより大変なのだと改めて感じました。
 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

元侯爵令嬢は冷遇を満喫する

cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。 しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は 「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」 夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。 自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。 お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。 本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。 ※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります ※作者都合のご都合主義です。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

三年目の離縁、「白い結婚」を申し立てます! 幼な妻のたった一度の反撃

紫月 由良
恋愛
【書籍化】5月30日発行されました。イラストは天城望先生です。 【本編】十三歳で政略のために婚姻を結んだエミリアは、夫に顧みられない日々を過ごす。夫の好みは肉感的で色香漂う大人の女性。子供のエミリアはお呼びではなかった。ある日、参加した夜会で、夫が愛人に対して、妻を襲わせた上でそれを浮気とし家から追い出すと、楽しそうに言ってるのを聞いてしまう。エミリアは孤児院への慰問や教会への寄付で培った人脈を味方に、婚姻無効を申し立て、夫の非を詳らかにする。従順(見かけだけ)妻の、夫への最初で最後の反撃に出る。

今さら後悔しても知りません 婚約者は浮気相手に夢中なようなので消えてさしあげます

神崎 ルナ
恋愛
旧題:長年の婚約者は政略結婚の私より、恋愛結婚をしたい相手がいるようなので、消えてあげようと思います。 【奨励賞頂きましたっ( ゚Д゚) ありがとうございます(人''▽`)】 コッペリア・マドルーク公爵令嬢は、王太子アレンの婚約者として良好な関係を維持してきたと思っていた。  だが、ある時アレンとマリアの会話を聞いてしまう。 「あんな堅苦しい女性は苦手だ。もし許されるのであれば、君を王太子妃にしたかった」  マリア・ダグラス男爵令嬢は下級貴族であり、王太子と婚約などできるはずもない。 (そう。そんなに彼女が良かったの)  長年に渡る王太子妃教育を耐えてきた彼女がそう決意を固めるのも早かった。  何故なら、彼らは将来自分達の子を王に据え、更にはコッペリアに公務を押し付け、自分達だけ遊び惚けていようとしているようだったから。 (私は都合のいい道具なの?)  絶望したコッペリアは毒薬を入手しようと、お忍びでとある店を探す。  侍女達が話していたのはここだろうか?  店に入ると老婆が迎えてくれ、コッペリアに何が入用か、と尋ねてきた。  コッペリアが正直に全て話すと、 「今のあんたにぴったりの物がある」  渡されたのは、小瓶に入った液状の薬。 「体を休める薬だよ。ん? 毒じゃないのかって? まあ、似たようなものだね。これを飲んだらあんたは眠る。ただし」  そこで老婆は言葉を切った。 「目覚めるには条件がある。それを満たすのは並大抵のことじゃ出来ないよ。下手をすれば永遠に眠ることになる。それでもいいのかい?」  コッペリアは深く頷いた。  薬を飲んだコッペリアは眠りについた。  そして――。  アレン王子と向かい合うコッペリア(?)がいた。 「は? 書類の整理を手伝え? お断り致しますわ」 ※お読み頂きありがとうございます(人''▽`) hotランキング、全ての小説、恋愛小説ランキングにて1位をいただきました( ゚Д゚)  (2023.2.3)  ありがとうございますっm(__)m ジャンピング土下座×1000000 ※お読みくださり有難うございました(人''▽`) 完結しました(^▽^)

最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません

abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。 後宮はいつでも女の戦いが絶えない。 安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。 「どうして、この人を愛していたのかしら?」 ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。 それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!? 「あの人に興味はありません。勝手になさい!」

婚約者の浮気相手が子を授かったので

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ファンヌはリヴァス王国王太子クラウスの婚約者である。 ある日、クラウスが想いを寄せている女性――アデラが子を授かったと言う。 アデラと一緒になりたいクラウスは、ファンヌに婚約解消を迫る。 ファンヌはそれを受け入れ、さっさと手続きを済ませてしまった。 自由になった彼女は学校へと戻り、大好きな薬草や茶葉の『研究』に没頭する予定だった。 しかし、師であるエルランドが学校を辞めて自国へ戻ると言い出す。 彼は自然豊かな国ベロテニア王国の出身であった。 ベロテニア王国は、薬草や茶葉の生育に力を入れているし、何よりも獣人の血を引く者も数多くいるという魅力的な国である。 まだまだエルランドと共に茶葉や薬草の『研究』を続けたいファンヌは、エルランドと共にベロテニア王国へと向かうのだが――。 ※表紙イラストはタイトルから「お絵描きばりぐっどくん」に作成してもらいました。 ※完結しました

【完結】公女が死んだ、その後のこと

杜野秋人
恋愛
【第17回恋愛小説大賞 奨励賞受賞しました!】 「お母様……」 冷たく薄暗く、不潔で不快な地下の罪人牢で、彼女は独り、亡き母に語りかける。その掌の中には、ひと粒の小さな白い錠剤。 古ぼけた簡易寝台に座り、彼女はそのままゆっくりと、覚悟を決めたように横たわる。 「言いつけを、守ります」 最期にそう呟いて、彼女は震える手で錠剤を口に含み、そのまま飲み下した。 こうして、第二王子ボアネルジェスの婚約者でありカストリア公爵家の次期女公爵でもある公女オフィーリアは、獄中にて自ら命を断った。 そして彼女の死後、その影響はマケダニア王国の王宮内外の至るところで噴出した。 「ええい、公務が回らん!オフィーリアは何をやっている!?」 「殿下は何を仰せか!すでに公女は儚くなられたでしょうが!」 「くっ……、な、ならば蘇生させ」 「あれから何日経つとお思いで!?お気は確かか!」 「何故だ!何故この私が裁かれねばならん!」 「そうよ!お父様も私も何も悪くないわ!悪いのは全部お義姉さまよ!」 「…………申し開きがあるのなら、今ここではなく取り調べと裁判の場で存分に申すがよいわ。⸺連れて行け」 「まっ、待て!話を」 「嫌ぁ〜!」 「今さら何しに戻ってきたかね先々代様。わしらはもう、公女さま以外にお仕えする気も従う気もないんじゃがな?」 「なっ……貴様!領主たる儂の言うことが聞けんと」 「領主だったのは亡くなった女公さまとその娘の公女さまじゃ。あの方らはあんたと違って、わしら領民を第一に考えて下さった。あんたと違ってな!」 「くっ……!」 「なっ、譲位せよだと!?」 「本国の決定にございます。これ以上の混迷は連邦友邦にまで悪影響を与えかねないと。⸺潔く観念なさいませ。さあ、ご署名を」 「おのれ、謀りおったか!」 「…………父上が悪いのですよ。あの時止めてさえいれば、彼女は死なずに済んだのに」 ◆人が亡くなる描写、及びベッドシーンがあるのでR15で。生々しい表現は避けています。 ◆公女が亡くなってからが本番。なので最初の方、恋愛要素はほぼありません。最後はちゃんとジャンル:恋愛です。 ◆ドアマットヒロインを書こうとしたはずが。どうしてこうなった? ◆作中の演出として自死のシーンがありますが、決して推奨し助長するものではありません。早まっちゃう前に然るべき窓口に一言相談を。 ◆作者の作品は特に断りなき場合、基本的に同一の世界観に基づいています。が、他作品とリンクする予定は特にありません。本作単品でお楽しみ頂けます。 ◆この作品は小説家になろうでも公開します。 ◆24/2/17、HOTランキング女性向け1位!?1位は初ですありがとうございます!

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。