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第三章 見えなくても確かにある絆

不意打ちは心臓に悪いのです

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 まだ、太陽が地平線から顔を出したくらいの時間帯なのだろうか、うっすら目を開くと、室内はほのかに明るさを感じるくらいだった。
 体を優しく包み込まれ、近くに感じるリュート様の寝息とチェリシュの「なの~」という声が聞こえ、寝言なのか起きているのか気になるところではあるけれども、そのあとに続く「んにゃぁ」という言葉自体に意味がないところから寝言であったのだろうと苦笑が浮かんだ。
 柔らかな寝具の感触と、硬いリュート様の肉体と体温を感じながら、夢の内容を思い出す。
 変な黒狼に追いかけられ、逃げ込んだ先が前世の兄の夢の中で、一緒に調味料を作ったあと話をしていたら意識が薄れたのだけど、どうやらそれが目覚めの合図であったようである。
 もぞりと動くと、リュート様の呼吸が一瞬止まるけど、ジッとしていれば再び規則正しい寝息になった。
 どうやら、眠りが浅くなってきているようですね。
 下手に動くと、リュート様を起こしてしまいますから自重しましょう。

 それでも一つだけ確認したかったことがあり、なるべく頭の位置を変えないようにしながら、胸元のペンダントトップを指で摘んで見える場所まで移動させる。
 神石のクローバーは、濃い緑が左上と右下に2枚、新緑の葉のように淡い緑が右上と左下に2枚あるはず。
 だけど、やっぱり夢で見たように、新緑の葉のように薄い色をした葉の部分、左下の部分が透明に変わっていた。
 兄の手に残った神石のクローバーの葉は、道標なのかしら。
 あれは夢だけど夢ではなく、現実なのだとわかって嬉しくなった。
 だって、また兄に会えますもの!

 でも、アレに会うのは困りますね。

 思い出すのは、艶のない黒色をした大きな獣。
 あちらの世界で黒はオーディナル様の色ですが、あの色は違うと誰もがわかる塗りつぶされたような禍々しい黒です。
 リュート様に相談するのが一番でしょうけど、心配をかけてしまうかしら。
 思い出すだけで震えがきてしまいそうな恐ろしさを感じ、リュート様の胸元にすり寄る。
 怖かったんですよ、リュート様。
 すっごく怖かったんです。
 ふるりと体が震え、起こさないように注意しながらリュート様の体にしがみつく。

「……どうした?」

 抱きついて安心を得ようとした次の瞬間、掠れた低い声が頭上から降ってきて驚き顔を上げれば、リュート様が寝起きなのか気だるそうな表情で私を見つめていらっしゃいました。

「怖い夢でも見たか?」

 どうして……この方は、こういうときに気づいてしまうのでしょう。
 眠っていてくださったら、いくらでも誤魔化せたのに───

「こ、こわい……夢を……」

 思い出して震えている体を力強い腕で抱きしめてくれたリュート様は、耳元で「大丈夫だ」と少しだけ低く掠れた声で宥めてくださいます。
 感じるぬくもりと力強さに守られ、あんな黒い獣は近づけないのだと実感するのに時間はかかりましたが、リュート様はその間、ずっと頭を優しく撫でていて……ぴったりくっついて、リュート様の香りを胸いっぱいに吸い込みました。
 うん、大丈夫。
 リュート様がそばにいるから、大丈夫。

「眠れるなら眠っていいぞ。まだ明け方だからな」

 子供のように優しくあやされ、彼の優しい言葉とぬくもりが黒い獣に植え付けられた恐怖心を拭い去っていく。
 震えが収まったのを感じたのか、リュート様は頭に頬を擦り寄せ、「どんな怖い夢を見たんだ?」と問いかけてくる。
 やっぱり気になったのでしょうか。

「もっとぎゅってしてくださいましたら、お話します」
「ん……ぎゅー、な」

 まだ眠いのでしょう、リュート様の声はいつものようなキレがなく力がこもっていないぼんやりした感じであるのに、私の要望に応えて下さいました。
 絶妙な力加減ですね。
 リュート様は、私の好みの力加減をマスターしてしまったのでしょうか。

「ぎゅー……もっと……です」
「んー?これ以上は苦しいだろ?」
「いいのです、もう少し……」

 今は、痛いくらい抱きしめて欲しい気分でした。
 リュート様がここにいるのが現実なのだと、全身で感じたかったのかもしれません。
 しかし、今度は私の望みに応えてくれることはなく、背中をぽんぽんと優しく叩かれ、そのリズムが心地よくて体にいつの間にか入っていた力が抜けていきました。
 あれ?
 私、こんなに強張ってました?

「いい具合に力が抜けたな。どんな夢を見たかは知らないが、ルナがこんなに怖がるなんて、よっぽどヒドイものだったんだろう。そういう時は、遠慮なく俺を起こしてくれ」
「だ、ダメです……リュート様の眠りを妨げるなんて……」
「あのな。ルナが1人でその恐怖に耐えようとしていることのほうが問題なんだ。もう、独りじゃねーんだよ。俺がいる。ここにいるから、独りで頑張るな」

 いいかい?頑張り過ぎちゃダメだよ?

 兄の声が脳裏に響いた気がした。
 そうだ……私はもう独りではない。
 そして、無駄に頑張る必要もないのだと感じ、リュート様に全身を預けます。

「……ごめんなさい」
「甘えてくんねーと、寂しいだろ?」
「甘えすぎてますもの」
「これくらいなんでもねーよ。もっと甘えてくれよ。そしたら、俺が嬉しい」
「う、嬉しい……ですか?」
「ああ、すっげー嬉しい」

 とろけるような甘い表情で微笑むリュート様を目の当たりにして、私は言葉を失います。
 だって、リュート様は本気でおっしゃってますよ!?
 いけません、リュート様の手を煩わせてばかりです。
 このままでは、本当に足手まといに……

「ルナ、もっと甘えてくれねーか?ルナにとって、俺が必要なんだって感じさせてくれ。俺がいないと生きていけないくらいになったら、最高だな」
「りゅ……リュート様、寝ぼけてます?大丈夫ですか?それはもう、ダメ人間じゃないですか?」
「ルナだったらダメになっても、ずーっと面倒みてやる」
「ダメになったらいけませんよね?」
「ルナはいい」
「良くないです」

 油断しておりました……今のリュート様は完全に寝ぼけてますよっ!?
 でも、支離滅裂ということもないですから半覚醒といったところでしょうか。
 もう……寝ぼけていても私をドキドキさせるとは、なかなかやりますね、リュート様!
 しかし、普段のリュート様も私を甘やかしすぎてるような気がしますから、本格的にダメ人間になる前に自重しなくてはなりません。
 そうしないと、本当にリュート様がいないと生きていけなく……って、あれ?今現在の状況もそんな感じでしょうか。
 い、いえ、まさか、気の所為ですよね?
 もうすでにダメ人間になっていたなんて、ありえません。
 それに、リュート様は基本的に自分以外の方に甘いですから、いらない負担をかけないように心がけましょう。

 しかし、寝ぼけている……ということは、記憶には曖昧に残るということですから、甘えるのはいまがチャンスかしら。
 べったり甘えても、夢じゃないですか?と言えば誤魔化せるでしょうか。
 このタイミングしかないと、私はリュート様の胸にさらにすりより、額をこすりつけて甘えてみます。

「……いいね、可愛い」

 今まで聞いたなかで、一番甘い声が耳元で聞こえたかと思ったら、ちゅっと音と耳たぶに柔らかい感触が……え、えっ?
 いま、耳にちゅーされましたよっ!?
 なんのご褒美でしょう。
 えっと……ど、どうしてちゅーです?

「ルナ、もっと甘えて」

 ふわっ!そ……その声はいけません!
 な、なんですか、その色気と甘い声はっ!
 ぞわぞわぞわと背筋を駆け上がる感覚が強くて、思わず悲鳴に似た声が出そうになって、口元を手で押さえます。

「なに。抱きついてくんねーの?もっと、ルナもぎゅーってして?」

 いやああぁぁぁぁっ!
 その、甘く掠れた色っぽい声で囁かないでくださいーっ!
 朝っぱらから、私のライフが0になってしまいます。
 色気がダダ漏れです、リュート様……お願いですから、手加減してくださいいぃぃっ!

「涙目になって……あー、もー、可愛いなぁ……ルナは全部可愛い」

 ズレた美的感覚も、ここで発揮されたらマズイですよ?
 だって、そんな熱のこもった瞳で見られたら……ほ、ほら、体がうまく動かなくなってきましたもの。
 リュート様の声と視線だけで、体の力が抜けてしまいます。

「ルナ……」

 ま、マズイです……これは、違う意味でピンチですよっ!?
 私のライフが0になるのが先か、リュート様が目を覚ますのが先か……耳朶にかかる吐息の色っぽさとか、朝からは濃厚過ぎますからーっ!
 頬にかかる指が私の顎に這わされ、くいっと力を入れて上へと持ち上げられます。
 え……あ、あの、顔が……顔が近づいて……ませんか?
 りゅ、リュート様?
 あれ?
 これって……まさか……まさかですよねっ!?
 心臓が今までで一番はやく鼓動を刻み、全身が真っ赤に染まった気がして息を詰めてしまいます。
 近づくリュート様の麗しい顔に縫い付けられた視線は、そらすことなどありえないとばかりに動こうとせず、ただジッと見つめていた。

「ザーちゃんダメなのーっ!」

 このまま心臓が壊れるか、息が止まってしまうかも……と、感じたその時。
 チェリシュの叫びとともに飛んできた物が、狙ったかのように私とリュート様の間を遮ります。
 このもふもふで、お餅のようにもにゅっとした感触は、もーちゃん?

「……ん?やわらけー……もにゅって……ま、まさかっ!?」

 がばっ!と勢いよく起きたリュート様は、周囲を見渡してから近くにあったもーちゃんを見て、ホッと安堵の吐息をつきました。

「なんだ、もーちゃんか。確かに感触が違……いや、なんでもない」

 何と感触が違ったのでしょう。
 赤くなって口元を押さえて視線をそらしたリュート様は、完全覚醒しておりますね。
 残念です。
 念のために言っておきますが、先程のことではありませんよっ!?
 
 しかし、あのままもっと近づいていたら、どうなっていたのでしょう。
 ………………や、やっぱり、残念かもしれません。
 でも、ほんのすこーしだけですからね?

「ん?えーと……あー……夢じゃねーんだよな。いい夢だったのに……じゃねーだろ、俺!何かボケてんな。ルナは嫌な夢を見たんだっだよな」

 夢と現実がごっちゃになってる感じで、曖昧でごめんなというリュート様は、やっぱりいつものリュート様でした。
 先程の、耳からとろけてしまうような色気を放つ声はどこへいってしまったのでしょう。
 あ、いえ、べ、別に聞きたいわけでは……ほ、本音を言うと聞きたいのですが、できれば朝からは勘弁してほしいのです。
 私のライフが0になって、学校へいけなくなってしまいますからね?

「大丈夫です。リュート様が慰めて下さいましたから」
「どういう内容か聞いて……ないよな?」

 曖昧だから自信はねーけど……と、申し訳なさげにいうリュート様に「ぎゅーってしてくださったら教えます」と言ってみたら、うんうん唸ってもーちゃんを探し、手をパタパタさせていたチェリシュのほうをチラリと見ました。
 ベッドの上に転がっているもーちゃんを掴み、定位置であるチェリシュの腕の中に戻したリュート様は、こちらを見て優しく微笑み、ぎゅっと抱きしめてくださいました。

「チェリシュはもーちゃんだが、ルナは俺がいいんだもんな」
「はい、その通りなのです」
「い、いや、そこはそうじゃなくて……待てよ?ルナだったらそういう返答になる可能性が高いか」

 戸惑ったようなリュート様の反応に首を傾げてしまいましたが、それよりも……うふふっ、この力加減がとてもいい感じです。
 リュート様に包み込まれている感触が、とても心地よくて嬉しくなってしまいました。

 守り慈しんでくれる腕の中で散々甘えてから、私は夢の中の出来事をぽつりぽつりと語ります。
 不気味な黒い黒狼のこと、逃げ込んだ扉の先に前世の兄がいたこと、一緒に料理をしたこと、神石のクローバーの葉が1枚色を失い、欠片が兄の手に渡ったこと、不思議な女性の声が聞こえたこと……
 それ全てを相槌を打ちながら聞いていたリュート様は、ずいぶんと考え込んでいるようでした。

「神石のクローバーは……確かに透明になっているな」
「はい。夢の中でも、この部分が色を失っておりました」
「順を追って考えていこうか。まず、その黒い獣は本体ではなく、のろいをかけた者の使い魔だろう。魔法がなくても使い魔を使えるか……面倒だな」

 本体だったら神石のクローバーの光に弾かれているはずだから、力を弱めた使い魔を送り込んできたのだろうということです。
 つまり、考えている以上にこちらの状況を把握し、打開策を練ることができるくらい知恵もある厄介な相手だということなのですね。
 まあ、あの黒い獣を使役している時点で、只者ではないでしょう。
 あちらの世界には魔法がないからこそ、どういう類の力なのか気になります。

「魔法がなくても、それに近い力がある可能性は高い。のろいがあるなら、生贄を使った召喚が可能なのかもしれないな」
「い、生贄……ですか?」
「この世界にも、神々が地上に全く干渉しない時期があったらしい。その頃の魔法は、術式により発動させる『魔力術式制御型』ではなく、『マナ供給型』だったんだ」

 む、難しい言葉が出てきました。
 詳しく聞くと、こちらの世界で古代魔法と言われる『マナ供給型』は、己の魂の器たるマナから直接力を引き出し、強力な魔法を具現化させていたらしく、マナに大きな負担をかけるため、術者は短命であったといいます。
 神々からもたらされ、現在主流である『魔力術式制御型』は、マナが生成する魔力を術式により制御し、様々な魔法を具現化する方法で、マナに負担をかけないかわりに、威力は落ちるということでした。

「じゃ、じゃあ、リュート様が短命ということはないのですね?」
「そっちが気になるのか。俺は古代魔法を使わないから大丈夫だよ」

 使わない……つまり、使い方を知らないわけではないのですね。
 あえて言葉にしないのは、私に心配をさせないようにという配慮なのでしょう。
 リュート様がその魔法を使うことがなければいいと、心から祈ります。
 嫌ですよ、リュート様が早く死んでしまうなんて……絶対に嫌ですからね!?

「まあ、なぜこの話をしたかというと、他者に悪影響なのろいから派生したものが、古代魔法だと言われているからだ」
「悪影響なのろいだけなのですか?」
「人に悪い影響を与えるのろいは一般的に己の魂を削るものだと言われる。実際は、マナを削り取り使用しているようなんだ。つまり、古代魔法と似た方法をとっている。しかし、良い影響を与えるまじないは、どこの世界にもいる精霊が力を貸すため、根本が違ってくる」
「え……精霊っ!?」
「アイツラは目に見えないだけで、どこにだっている。それは全ての世界に共通する理だ」

 息をするために空気があるのと同じように、世界にとって自然なことなのだといいますが、グレンドルグ王国や日本にも精霊がいたなんて驚きです。
 一度は見てみたいですよね。

「ちなみに、リルビット族やキャットシー族は獣人だが、もともとは精霊もしくは亜精霊であったという説もある。まあ、その世界によって見た目は違うかもしれないが精霊は存在し、人に良い影響を与える優しい気持ちから発生するマナの光を糧に、良いまじないをかけてくれるんだ」
「祈りのようですね」
「祈りの力が起こす奇跡は、精霊の力だと言われているが……ルナの場合は、力を貸し与えるのが精霊だけではなく神も含まれるから、強力だという話だな」

 リュート様の言葉を聞いた私は、なんとも複雑な表情をしていたようで、彼はこちらを見てぷっと吹き出しますが、そのあと笑うのを堪えているようです。
 でも、頬がピクピクしていますよ、リュート様。
 力が強すぎて、発動条件がとても厳しいのでは使い勝手もよくありません。
 ですが、乱用していいような力でもないですし、コレで良いのでしょう。

「でも、それと生贄にどういう関係が……?」
「生きているものは死ぬときに、大量のマナの光を放出する。純然たる力のこもったマナの光だ」

 え……?
 死ぬ時って……

「最期の輝きってやつだろう。魂を解放するのに、器であるマナが砕け散るんだよ。つまり、その力を利用した古代魔法も存在するということだ」
「生きているものを殺してマナを砕き、それを力として扱うということですか……それって、本人のマナでなくても代用できるということになりませんか?」
「だから、問題になって神々が介入することになったとも言われている。そして、人に悪影響を及ぼすのろいから派生した生贄を捧げる系統の古代魔法は、召喚術の根源だと言われることもあるんだ」
「え……召喚術の……ですか?」
「俺達が使う召喚術は、己の魔力を対価に対象を呼び出しているが、それは対価ではなく生贄なのではないかという話だな。事実、過去にたくさんの生贄を捧げて何かを呼び出すことに成功した事例があるそうだ」

 それと、現在リュート様たちが使っている召喚魔法は全く違うじゃないですか。
 人の命を奪って呼び出しているわけではありませんもの。
 召喚術師が重宝されているこの世界でも、それを快く思わない人がいるということなのですね。

「古代魔法至上主義論者という輩が存在するから、魔法と言ってもいろいろある。いまはジュストのせいで、それを表立って言う奴はいないがな」

 ジュストのせいで?どういうことなのでしょう。
 キョトンと目を丸くして、リュート様の腕の中から見上げれば、彼はその鋭い目つきを更に鋭くさせて遠くを睨みつけておりました。

「アイツは古代魔法に精通していた。大量虐殺を思い立ったのは、古代魔法がマナ供給型で、人が死ぬときに魂だけではなくマナも解放されると知ったからだ」
「……それで表立って言えないわけですね」
「いまそれを言えば、どうなるかわかるよな?」

 表情を和らげ『どうしようもない奴らだよな』というように笑みを浮かべるリュート様が、とても傷ついているような気がして、私は一気に胸が苦しくなり、思わずぎゅーっと抱きつきます。
 そんな、無理に笑わなくて良いのですよ?
 私は、どんな表情のリュート様でも拒絶したりなんてしませんもの。
 だから、もう少し甘えてください。
 できることなら、取り繕わない本当のリュート様を見せてください。
 痛い、苦しい、悲しい、つらい……生きていれば感じる、当たり前の感情をいつか───
 そんな思いを胸に、リュート様を抱きしめる腕に力をこめた。

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