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第二章 外堀はこうして埋められる

お父様到着……?

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「ん?ロン兄から通信だ……すまねーが、チェリシュを頼む」

 リュート様は抱っこしていたチェリシュをキュステさんに託すと、厨房の外へ出て行ってしまいました。
 途端に、何だか寂しさというか落ち着かない気持ちが心の片隅に現れはじめます。
 なんでしょう、落ち着きません。

 いけない、いまはリュート様のお父様たちをおもてなしする料理に集中しなくては……と、考えているのに中々難しい。
 リュート様に見守られて料理をすることに慣れてしまったということなのでしょうか、それともただ単に離れるのが寂しいだけとか?

 食料庫であれだけくっついていたのに、まだ足りないとかどういうことでしょう。

「奥様?どないしはったん?」
「ルー?マール?」
「え……そんなに青いですか?」

 ここまで青いとなると問題ですよっ!?
 慌てて顔をあげると、心配そうなみんなの視線……き、緊張しているだけですから!

「そんなに構えんでも大丈夫やて。だんさんのお父はんは、女の子に甘いんやから。特に奥様みたいなタイプ好きやで。問題なんは、好きすぎてだんさんから引き離そうとせんかどうか……ってところやな」

 え……ひ、引き離されちゃうんですかっ!?
 予想外の言葉に固まりますが、それは私も困ります!

「せやから、今のだんさんと喧嘩にならんか心配なんや。だんさんの立場が微妙やからか、だんさんもお父はんも、どう接してええかわかっとらんのちゃうかな……それがこじれてもうて、ややこしいんよ」
「仲が悪いという話では……ないのですね?」
「仲悪いんやのうて、お互い守りたい気持ちが先走ってこじれとる感じやな」

 それはそれで問題ですね……お互いを守りたい気持ちがあるのに、どうしてこじれてしまうのでしょう。
 リュート様にとって家族は守るものですが、お父様にとってもそうなのであれば、リュート様を守りたいのに守らせてもらえないことに苛立ちを覚えている……ということでしょうか。
 でも、リュート様は素直にテオ兄様とロン兄様に甘えていましたから、その違いにショックを受けている?とか?
 あ……有り得そうです。

 とにかく、私が頑張るのはお料理です!
 美味しい物を食べていたら、少しは打ち解ける……話題の切っ掛けにでもならないでしょうか。
 そのためにも、美味しいものを作らなくては!

 アサリのワイン蒸しは、前もってアサリの砂抜きをカフェとラテに、リュート様がお願いしていてくださったので、簡単に作ることができました。
 ていうか……アサリが割と肉厚で心持ち大きめ。
 これは、口いっぱいに頬張ったら幸せになれそうです。
 バターと白ワインの風味と、アサリから出る出汁がとても美味しい逸品ですが、作り方は簡単ですよね。
 ガラスの蓋越しにフライパンの中の様子を見ていて、アサリの口が開いた時にチェリシュが「かぱー!」といっていたのが印象的でした。
 可愛い!
 天ぷらも、衣を準備し、リュート様が抹茶を準備して置いていてくださったので、抹茶塩を作っておきます。
 マールとイカだけではなく、玉ねぎとナスと人参とアスパラの天ぷらも作っていきましょう。
 個人的には、ししとうや大葉やカボチャも好きなのですが見当たりませんでした……残念です。
 あ、あとは、きのこ類で椎茸も追加しました。
 マール以外の全ての材料を食べやすい大きさに切り、水分をペーパーで拭って粉をまぶします。
 それから衣をつけて油の中に!
 パチパチ音を立てていますが可愛らしいものです。
 あとのマールやイカは要注意ですものね。
 マールは爪があまりにも大きかったので、半分に割って揚げていきますが、水分が残っていたのかパチパチ油のはね具合がハンパ無いです。
 慌ててチェリシュを抱っこしているキュステさんが離れますが……リュート様はこういう時、前もって離れて位置取りしてますよね。
 そう考えると、私の手順をシッカリ観察していて、ただ見ているだけではないのだと実感しました。

「次にイカを揚げますから、離れていてくださいね、これは一番危ないですから」

 イカを揚げるための準備は一番気を使います。
 下手をすると爆発しちゃいますからね……
 兄が仲良くなった店の人に教えてもらってましたが、イカの皮は薄皮も含めると4層もあるそうで、加熱することにより水分が抜けて身が縮む一方、空気は皮の内側にたまり続けて膨らんでいく……膨張した空気が皮を突き破って爆発する……これが、イカの油ハネの原因になるみたいですね。
 だからといって、皮を全部むけばいいという話では無いそうで、とてもむずかしい上に食感がすごく悪くなってしまうのだとか……
 なので、油ハネを抑えて美味しく揚げる方法を教わって実践してみることにしたのですが、その後うちの家では油ハネが随分と減りました。

 まずは、表面の水分をシッカリとること、これは普通にどの食材でもやりますよね。
 次に切れ目を入れること、熱を入れることで皮と身の間にたまる空気を逃す場所をつくってあげると良いというお話で、飾りのために入れていたのだと思っていましたが、どうやら違ったみたいで驚きです。
 そして、最後は、高温で揚げないこと。
 これは、急激な温度変化を起こさないことが重要で、目安の温度は170℃~175℃くらい。
 2分ほど揚げて、あとは予熱で火を通すのが良いんだとか……イカの温度が高まりすぎる前に取り出すのも重要だと教えて貰いました。
 やっぱり、お店の人の知恵は凄いですよね。
 とても助かります。

 その注意点を守りイカを揚げていきますが、いつも緊張してしまいますね。
 集中して全てのイカを揚げ終え、ホッと一息です。

 リュート様が居なくなって気もそぞろでしたが、ココだけは集中できた気がしますね。

「へぇ、すげー上手に揚げるもんだ……衣も普通に作ってたけど、結構難しいのにな」

 間近に聞こえた声に驚き振り向くと、リュート様が笑みをたたえて私の背後に立っていらっしゃいました。
 も、もう!
 びっくりするじゃないですか……でも、ちょっぴり嬉しい距離です。
 もっと近くてもいいですよ?

「リュート様……ロン兄様はなんと?」
「ああ、ちょっとあって、開店前だが念のために準備しておいた部屋に通しておいた。シロ、飲み物の注文はこれだから頼む」
「はいです!」

 え、も、もう来ているということですかっ!?
 早くない……ですか?

「ルナ、料理は全部俺のボックスに収納するけどいいか?」
「は、はい、急いで盛り付けます!」

 慌てて見栄えするように皿にペーパーを敷き、彩りよく配置して、抹茶塩も添えつけます。
 アサリのワイン蒸しとジャガイモのニョッキのビスク和えも大丈夫。
 あ、あとはカルパッチョ!
 冷蔵庫から慌てて取り出したカルパッチョは、とても冷えていて美味しそうです。
 下味をつけておいたトマトを散らし、ちぎったレタスを上に乗せ、合わせておいたドレッシングを回しかけて完成!
 これで大丈夫!

「またたくさん作ったね。ごめんね、なんだか急がせちゃって」

 そう言ってリュート様の後ろから姿を見せたのはロン兄様でした。
 色々と雑務があって大変でしたでしょうに、柔らかく微笑む姿を見て安心してしまいます。
 鎧姿ではなくて、白を基調としたラフなスタイルということは……お仕事が終わったのでしょうか。
 お料理を手早くアイテムボックスに収納しているリュート様もそうですが、ロン兄様も白が似合いますね。
 テオ兄様も似合いそうですが、黒のイメージのほうが強いです。

「いえ、ロン兄様も色々とお疲れでしょうに……すみません」
「気にしなくていいよ。可愛い弟と妹のためだからね」

 それに、美味しい料理が食べられるし……「ねー?」とチェリシュと二人で「ねー」している姿が可愛らしいですよ!
 ヤダこの兄弟、本当にこういうところがソックリで可愛いんですから!

「キュステ、お前も来い」
「へ?なんで?……なんかあったん?」
「お前にも客だ」
「……は?僕に?」

 ポカンとしているキュステさんから、チェリシュが「ルー」と呼ぶので抱き上げると、それを合図にリュート様が問答無用で彼を引っ張っていきます。
 リュート様……やけに緊張してますね。
 大丈夫でしょうか……

「ルー、大丈夫?」
「ええ、大丈夫ですよ。チェリシュも一緒にいって大丈夫でしょうか」
「問題ないよ。引き離すほうが可哀想だものね」

 先頭にリュート様、続いて引きずられているキュステさん、そして、私とチェリシュ、後方にロン兄様という順番で、一番奥の部屋へ通されます。
 扉を開いた先にいたのは、漆黒の鎧を身にまとったテオ兄様と同じ紺碧色の髪とロン兄様そっくりの空色の瞳……間違いない、この色気を漂わせる優しげな表情の男性が、リュート様のお父様ですね。
 本日のメインであるはずのお父様は、椅子に座る白髪の初老の男性の付添だというような位置取りで、後方に控えていらっしゃいました。
 中央に座る、長い白髪を後ろで1つにまとめた、こちらを面白がるような表情で見る男性……アイスブルーの瞳は綺麗に煌めき、深い色を宿しています。
 体躯はテオ兄様を凌駕するほど大きく、部屋の片隅に置いてある身の丈ほどの大剣を振り回せるだけの腕力を持つとわかる太い腕や肩や首周りが勇ましく、初老なんて年齢を感じさせない。

「じ、爺様っ!?なんでこんなところにいはるん!国はええんかいな!」

 え、キュステさんのお祖父様ですか?
 似て……ないですね。
 あちらは一言でいえば、歴戦の猛者。
 方や、残念臭が漂う不憫枠……比べるのが可哀想になってくるほどの差ですよ?

「問題ない。それよりも久しぶりに会ってもお前は変わらんな。番を貰ったというから、少しは落ち着いたかと思ったが、まだまだひよっこか」
「うぐっ」

 ヤレヤレと大仰にため息をつく姿に、キュステさんは言葉を詰まらせ、泣きつくようにリュート様の方を見ています。
 どちらが年上かわかりませんね。

「アレンの爺さん。いじめてやんなよ。会いたかったんだろ?」
「そうじゃな。うむ、息災で何よりじゃ。国は……アレだ、世代交代じゃな」
「はあっ!?じゃ……じゃあ、爺様……暫く国に帰れへんの?」
「そうなる」
「急やわ……そんなん……誰も聞いとらへんよ?」
「タイミング的に悪くない。儂が国のトップにずっとおっては後続が育たん。これ以上は、国のために良くないからな」

 そう言ってカラカラ笑いますけど……国の……トップ?
 キュステさんと同じ種族と考えると竜族……ですよね?
 その竜族の国のトップって……
 私が困惑しているのがわかったのか、リュート様がこちらを見て苦笑します。

「あの爺さんは、竜帝だ。厳密には、前竜帝というところだな。そして、キュステは皇位継承権を持つ爺さんの孫の1人なんだよ」
「え……キュステさんって、そんなにエライ人だったのですか?」
「や、やめてや!僕は皇位継承権を放棄した身やし!お父はんが引き継いでも、僕はならへんから!」
「次はお前が引き継ぐのが順当……じゃがな」
「お兄はんがおりますやん。それに、番の子やから言うて、祭り上げられても困るんよ。前妻の子をないがしろにするんはちゃうやろ……」

 番の子……前妻の子……キュステさんは意外と複雑な家庭環境の中で育ってきたのだと、今の言葉だけで理解できました。
 皇位継承権を放棄したのは、その兄を守るためなのですね。
 キュステさんは人が良いですから、皇帝という役職をこなすには難しいでしょう。
 だから、目の前の前竜帝陛下は無理やり連れ戻さなかった……そう考えれば、キュステさんが国の外にいてリュート様のお店で仕事をしているのも自然です。

「頭の固い連中ばかりで困るわい。お前は皇帝には向かん。優しぎてダメじゃ。そう言うても聞く耳持たんバカばかりで頭が痛いわい」
「番って、それだけ大事なんやね」
「そりゃそうじゃ。お前だってわかっておるじゃろ。マナの相性が良すぎて、己の力を底上げする相手……無条件で信頼しあえ、相手が裏切るなんぞ考えることもない。好ましく安心できて、己を託せる安心感は何者にも代えがたい」
「うん、わかるわ」

 前竜帝陛下の言葉を聞いて、まるでリュート様と私のことのようだと感じた。
 マナの相性、お互いを支え合う感覚、無条件で信頼できて裏切るなんて考えられないし、とても好ましく……底なしに覚える安心感。
 他の方と比べられるものではなく、とても───

「せやけど……お兄はんが可哀想やん!お兄はんのお母はんは、番や無かったかもしれんけど、優しゅうて凄いお人やったって聞いた。せやから……それをなかったことにせんといて欲しい」

 悔しそうに唇を噛みしめるキュステさんは、本当に優しいのだと思う。
 確かに、皇帝という立場に立つには難しいかもしれませんが、いずれそのお兄さんが皇帝の座に就く時に、そばに居て欲しい人かもしれません。

 元気づけるためにポンッと背中を叩くリュート様に、ハッとしてキュステさんは下がっていた顔をあげる。

「僕はここにおる。ここで、非日常的なことを目の当たりにして、これからいっぱい驚いてワタワタして……常識を片っ端からぶち壊されていくねん」
「……え、なんですかソレ、私を見て言わないでください」

 その最たる人が何言うん……という視線で見られましたけど、解せません。
 隣でリュート様が笑っていますが、リュート様も同罪ですよっ!?

「まあ、ルナちゃんの料理見てたらそう思っても仕方ないよね」
「えっ!ロン兄様までそんなことおっしゃるんですかっ!?」

 そ、そこまで常識はずれなことしていたのでしょうか。
 情けない表情になっていたのか、私を見てプッと吹き出したリュート様を見上げますけど、視線をシッカリそらして肩を震わせ笑っていらっしゃいました。
 もうっ!リュート様まで!

「ルーのお料理、ふしぎなの!いっぱいいっぱいすごーくキラキラなの!」
「チェリシュ!」

 ぎゅーっとしがみついて来るチェリシュを抱き締め返し、ありがとうと頬ずりすると強い視線を感じます。
 あ……し、失礼いたしました。
 リュート様のお父様が顔を真っ赤にし、プルプルしています。
 前竜帝陛下の前で騒いだので、怒っていらっしゃるのでしょうか。
 そんなリュート様のお父様を一瞥した前竜帝陛下が、ボソリと呟きます。

「仕事中なのを忘れるでないぞ」
「はっ!申し訳ございません」

 キリッと居住まいを正したお父様は、直立不動に戻りました。
 よく考えてみれば、この顔ぶれって凄い……ですよね。
 黒の騎士団長であるリュート様のお父様は、家族ですから来てもおかしくないでしょうが、前竜帝陛下が私達の目の前にいらっしゃるのですもの。
 国賓といっても間違いない方が、店にいる……前代未聞のことではないでしょうか。
 それにしては、リュート様のお父様だけというのは護衛が少なすぎるような……?
 とはいえ、リュート様がいるだけで、この場に踏み込んでくるような人はいなくなる予感しかしませんし、目の前の方も随分強そうです。
 感じる魔力というか、漂う気配が違うと何かが訴えてきますもの。
 リュート様のお父様も強い気配を感じますが、比べ物になりません。

「さて、まずは自己紹介といこうか。儂はいまの話にもあったように、前竜帝であるアレンハイドという。家名は、帝位を譲渡する時に捨てるという我が国のしきたり故に無くなった。今は、ただ単なるアレンハイドじゃ」
「それだけやのうて、皇帝が帝位を譲渡すると、その国に500年は特別な用事でもない限り戻ったらアカンのよ」
「え……そう……なんですか?」
「んむ。まあ、儂がおるとみんな儂を頼るからな。それは必要なことなんじゃよ」

 竜族と獣人族は強い者に従う。
 だから、どうしてもそうなるのだとリュート様が補足説明してくださいました。
 しかし……それは寂しいですね……
 生まれ故郷に戻れないのは、とても辛いですもの。

「今まで国からほとんど出ることが出来んかったから、好き勝手できると愉しめば良い。それくらい許されるじゃろ」
「まあ、アレンの爺さんなら一人でも平気だろうが……あー!だから、イーダの婆様が城に呼ばれたのか!」
「ああ、それもあるが……別件もあったようじゃ」

 あ、原因の1つではあるわけですね?
 でも別件って……

「シルフィードが来ておったじゃろ」
「ああ……この時期に珍しいなって思ったが……」
「どうやら、浄化を頼みに来たようじゃ」
「前回から一年も経ってねーが?」
「ソレじゃ。儂も気になって、いま調べさせておる」

 リュート様の表情が険しくなり、それに伴い前竜帝陛下も眼光を鋭くされます。
 二人共同じことを危惧している……そう物語っているように見えました。
 だけど、あの……リュート様?
 神々も呼び捨てを許されているから今更感もありますが、竜帝陛下に「爺さん」はないような気がしますよっ!?
 とはいえ、キュステさんより祖父と孫というような雰囲気があって、色々と納得してしまいそうです。
 そして、エルフの国の浄化の話を聞いたとき、頭の片隅にティエラ・ナタールの黒いモヤを思い出し、なんとも言えない不吉なものが裏でうごめいている気配に、身震いしてしまいました。


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