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第二章 外堀はこうして埋められる

慈愛の祈り

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「あ、あの……普通のスキルに……できませんでしょうかっ!こんな変に目立つスキルですと、色々と大変というか……!」

 心底困りましたという私の表情をキョトンとして見つめていた愛の女神様は、ぷっと吹き出してくすくす笑いだしてしまいましたが、何か笑われることだったのでしょうか。
 それよりも、何とか目立たないように……

「この世界の者であれば、手放しで喜ぶであろうにな」

 こちらの世界では、確かにそうなのかも知れませんけど……リュート様たちのご迷惑になるようなスキルは正直困ってしまいます。
 もっと平穏……固有スキルというものでなければ良かったのですが……

「そもそも、召喚獣であるのじゃから、固有スキルがあったところで珍しくもなかろう」
「は?そうなのか?」
「なんじゃ、まだ習っておらぬのか」
「魔力調整により、元々スキルを持っている者より大きな関わりがあるのは聞いた」
「なんともザックリとした説明じゃな。まあ、地上の者であれば仕方あるまい」

 愛の女神様は驚いたようにリュート様を見ると「では、詳しく教えてやろう」と、悪戯っぽい笑みを浮かべる。
 アクセン先生が、多分、とーっても知りたがる事実ですよね?
 今から語られる事実を知ったら、ものすごく面倒臭そうなので秘密にしておかなければなりません。

「まず、召喚獣は元々の世界で持っている能力と、召喚主に欠けておるものや求めるものなど様々な要因も絡み合い、複雑な条件のもと、召喚主が魔力調整を行える範囲内で選ばれる」
「それは、悪先……いや、アクセンに説明してもらった」
「そうか。では、ここからが本題じゃ。召喚獣が元々持ち合わせておった能力は、この世界に来るとどうなると思う?」
「普通に使えるだろ?」
「いいや。世界の理が変われば、その力とて効力を失う。だから、魔力調整にてこの世界の理に合うようマナをなじませ『この世界に見合う力』をスキルとして得るのじゃ。まあ、例外として、この世界と同じ性質の力が魔力調整も行わずして、すぐに適用される場合もあるがな」

 そうなりますと、私は元来……『料理』と『祈り』という力を持っていた?
 侯爵令嬢であったから、料理をする必要がなかったので気づきもしませんでしたが、日本人としての知識と経験があったなら料理できて当然といったところでしょうか。

 そして、あちらの世界では、生活の一部であった『祈り』……

「つまり、ルナティエラの持つスキルは、全て元々持ち合わせていた能力を、こちらの世界に合わせて変化させたものに過ぎぬ。複雑であるのに覚醒が早かったのは、父上の助力のおかげじゃろう。まあ、そなたたちの魔力相性もあるがな」

 じゃあ、元々持っている物であるから、チェンジはできないということですよね。
 私って……この世界に来たら意外と出来る子なのでしょうか。

「それ故に、召喚獣が固有スキルを持っていても不思議ではないのじゃ。まあ、ルナティエラに関しては人型であるから、変に注目されているが、他の召喚獣でもそういうことがあるじゃろう。報告によれば、レオの召喚獣ガルムであったか?『イタイノイタイノトンデイケー』という固有スキルを得たそうじゃぞ」
「なんだそりゃ!」

 リュート様がすかさずツッコミを入れますが、わかります。
 あ……そういえば、私の火傷を癒やしてくれましたから、あの時にはもう目覚めていたというわけですね。
 レオ様も怪我をして、ガルムに癒してもらったのでしょうか。
 きっと、よだれでベトベトになったのでしょうね……その光景を思い浮かべたら笑えてしまいます。
 よだれでベトベトになりながらも、お礼を言うレオ様。
 傷が治って大喜びのガルム。
 その光景を目の前で見たかったですね。

「あと、説明が足りなかったようじゃが。ルナティエラのスキルを地上で鑑定したところで、誰にも固有スキルだとわかるまい。」
「上位鑑定スキルでも、わかんねーものなのか?」
「だいたい、ルナティエラの所有する『祈り』は、この世界にはないスキル。そして、愛し子としての加護が、この世界に合わせ、父上の手によって変化したもの。父の力の詳細など十神でもわからぬのに、たかが鑑定スキルごときで見破れるはずがなかろう」

 妾でもわからぬのに、父の力の何がわかるというのか……と、唇を尖らせて言っている様子は、拗ねた子供のようです。
 そうですよね、敬愛する父を、他人のほうがわかるのではないかと考えたら、面白くありませんよね。

「そういうわけであるから、固有スキル名を出さず、地上の者が鑑定して見える通りに『祈り』と『料理』であると報告しておけば良い」

 わかったとリュート様が頷いたあとテオ兄様とロン兄様に、この件は聞かなかったことにしてほしいとお願いしていますが、元々そのつもりだったようで、お二人は笑って頷いてくださいました。
 愛の女神様も麗しの三兄弟も、本当に家族の仲が良いようで……ちょっぴり羨ましいです。
 もう届かない、父と母を思い出し……前世の父と母と兄を思い出したら、少しだけ泣きそうになりました。

「リュート、そなたは気づいておるか?」
「ん?」
「ルナティエラの使う『祈り』が、誰かからの想いを注がれるものであるという理由を、ちゃんと理解しておるか?と、問うておる」
「祈りって本来己の心の強さであったり想いの強さだよな?そこは俺も気になっていたんだ」

 リュート様の言葉に愛の女神様は深く頷く。
 確かに、祈りは自らの心や精神によるものが大きいはず……なのに、何故私は注がれる想いに固定されてしまったのでしょう。
 そこは、私も気になります。

「そなたを見ていれば理解できる。もしも、そなたの祈りの力が、己の心を糧としておったら、間違いなく壊れるまで使い続けるじゃろう」

 壊れる?
 どういう……意味でしょう。
 嫌な予感に、心臓がドクドク音を立てます。
 リュート様にいただく砂糖菓子のような甘さではなく、嫌なものが重く降り積もるように胸のあたりにたまり、息をするのも難しい。

「心を糧にして祈りを発動していれば、そなた、リュートのために惜しまずに祈るじゃろう。己の心をすり減らし、壊れてもひた隠し、リュートを守るために己を傷つけ続ける。違うか?」

 否定する言葉が出てこなかった。
 リュート様を守るためだったら、多分……私はやっただろう。
 私が壊れるくらい、どうってことないと考えて、リュート様を守ろうとしたにちがいない。

「否定せんのか?」

 私の心の内を見透かしたような愛の女神様の言葉に、何も言えなかった。
 言葉だけの否定をしたところで、すぐに見破られてしまうだろうともわかっていたからである。
 心が壊れても守りたい者を守ることが悪いことであるのだろうか……そんな疑問が心にふわりと浮かび上がってくるのに、脳裏にちらつくのは、リュート様の笑顔と約束であった。

『ずっと一緒だ───』

 心が壊れても一緒にいられるのだろうか。
 それは、リュート様の望むことなのだろうかと新たな疑問が浮かび上がり、心の中でぶつかりあった。

「俺は……そんなこと望まねーぞ」

 低く震える声とともに肩に置かれた手が、力強く私を掴んだ。
 引き寄せられるようにリュート様を見つめると、泣きそうに顔を歪ませて、次の言葉が続かないのか悔しそうに唇を噛みしめている。

「ルー……やーの……そんなの、やーの!」

 リュート様の膝の上から私の膝の上に飛び移ってきた春の女神様が、ぎゅーっと抱きついてきて、ヤダヤダと駄々っ子のように首を振った。
 私の心が壊れたら、優しい二人は傷ついてしまう。
 それが痛いほどわかるのに、いざとなったらそうしてしまう自分がいることを強く感じた。

「どうじゃ。我が父はそなたをよく見ておるであろう?だから、器いっぱいに満たされ、溢れ出した幸福を糧に選んだのじゃ。その力は、そなたが幸せでなければ使うこともままならぬ。つまり、そなたのその力は、幸福のおすそ分けじゃな」

 幸福のおすそわけ……って言われると、なんだかそんなに大層な力ではないように思えるから不思議です。
 でも、事実そうなのかもしれません。
 発動条件が曖昧ですが、己の心ではなく幸福なんて目に見えないものなのですもの。
 心いっぱいに満たされた状態というものもわかりませんし、それって日によって変化するものであるかも知れません。

 ただ、一つだけわかるのは……

「リュート様たちといれば、私はこの力の恩恵を意外に得られるかもしれません」
「そうじゃな。しかし、そのおすそ分けを糧とした『祈り』による魔力を神が得たとて、地上に及ぼせる影響など微々たるものであるから、大したこともあるまい」
「そうなのか?」
「我ら神は、上位になればなるほど制約が厳しいのじゃ。それに、人知を超えた奇跡など、そうそう起こるものではないが……そなたが起こす奇跡ならば、心優しいものであろうから安心じゃ」
「私だからではありません……きっと、私の周りにいてくださる方々が優しいから、安心なんだと思います」

 リュート様だけではなく、春の女神様やロン兄様やテオ兄様。
 イーダ様たちもそうですし、リュート様の商会の方々や、特殊クラスの方々。
 沢山の人達が私に与えてくれる感情が、彼らに返せるなにかになればいいと願い祈る。
 たぶん……この願い祈る心が、良い方向へ導いてくれるような気がした。

「そうか。ならば、多くの者達に思いを注がれ、そなたの願う奇跡を妾たちに見せておくれ」
「だったら、たくさん注がねーとな!」
「おもいをそそぐのー!ぎゅーっ」
「そうだな、ぎゅー!だなっ」

 あ、あれ?
 そういうお話になりますか?
 私にしがみつく春の女神様ごと抱きしめてくるリュート様に、思わず笑みがこぼれてしまいました。
 もう、すぐそうやって抱きしめてくるのですから……でも、すごく嬉しいです!
 えへへーと笑っていると、ロン兄様とテオ兄様が席を立ってコチラへやってきました。

「じゃあ、俺達も注いじゃおう」
「そうだな」

 わわわっ、麗しの三兄弟+春の女神様のぎゅーっ!ですよっ!
 なんて贅沢なのでしょう。
 心がじんわりあたたかくなって、嬉しさでいっぱいになります。
 いままでの孤独が癒やされていく感覚……涙が出ちゃいそうですね。
 嬉しいのに、心がキリキリ痛んで仕方ないです。

 きっと……正常な感覚を取り戻し始めている証なのでしょう。
 痛みを知り、何に傷ついていたのか自覚し、それを癒やしていく……何度も何度も繰り返していかなければならないのだとわかっていますが、辛いものですね。
 今まで自分を誤魔化してきた報いなのでしょう。

「どうじゃ、父上は優しい方であろう?」
「はい。とてもお優しい神様です」
「そうじゃろう!妾の自慢の父じゃ」

 少女のように頬を赤らめて喜びの声をあげる愛の女神様に、私達は顔を見合わせて、くすりと笑った。
 春の女神様も愛の女神様も、本当に愛らしいです。
 
 私の『幸せのおすそ分け魔力』を得て力を貸してくださる神様が、こういう方々であるなら、何も心配する必要がないような気がした。
 お二人は、あたたかく優しい女神様ですものね。
 し、しかし、油断は禁物です。
 恋の女神様のような方もいらっしゃいますから、慎重にいきましょう。

 そんなことを考えていた私の腕の中にいる、愛らしい春の女神様が「チェリシュは、ルーとリューがじまんなのー」と、ぎゅーっと抱きついてくれるので、嬉しくなって抱きしめ返します。
 和みます!
 癒やしです!
 本当に可愛い!
 こんな娘が欲しいです!

「俺もルナが自慢だ」

 甘く優しく囁いて、頭の天辺に柔らかな感触……あ、あの……て、手加減をですね!
 真っ赤になって震えている私を見て、ロン兄様とテオ兄様が笑っている気配がしました。

「俺達には、自慢の弟と妹だね」
「そうだな」

 ずっとそう思っていただけるよう、これからも精進いたします!
 ですから、その……リュート様を止めて……くださいませんよね、ニコニコ見守ってますもの。

「ルーがベリリみたいな色なの」
「そ、そうですか?」
「ベリリだいすき!ルーもだいすきなの!」

 むぎゅーっ!と抱きついてご満悦の春の女神様を抱きしめ返しながら、本当は頬を手で隠したいのに隠せない状況に、困ったのですけど……正直、嬉しくもあり、2つの意味で困った私は、赤い顔で苦笑を浮かべるしか無かった。
 
 
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