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第二章 外堀はこうして埋められる
2-7 レシピにおこしましょう
しおりを挟む食事も終えて食器をシンクに運んでいたら、リュート様が汚れた食器類を全て洗浄魔法で綺麗にしてくれました。
すごい……手が洗剤で荒れたりしませんよ?
それだけではなく、食器も綺麗に片付けてくれて、私のやることが少なすぎて申し訳ないくらいです。
よく考えたら、この世界って『洗浄石』なるものがあるのですから、水洗いの概念がないのでしょうか。
生野菜を普通に水で洗っていましたけれど、あれって洗浄石で良かったのでは……
よし、今度からはそうしましょう。
気分的に、水洗いしないということに違和感を覚えますが、そのうち慣れるでしょうね。
「これで終わりっと。ルナが旨い食事を作ってくれるから、これくらい手伝わせてくれ。そうじゃないと申し訳無さすぎる」
「そんな! 私のほうこそ申し訳なくて……」
「いいんだよ。ルナは昼の弁当のこともあるだろ? 一日飯のことばかり考えてるのって大変だと思うから」
「リュート様っ!」
いつも私のことを考えてくださるリュート様に、感極まってぎゅーって抱きついてしまいましたけれど、これは私が悪いわけではありませんよ?
見た目イケメンで中身もイケメンなリュート様が悪いのです!
優しく抱き返してくれて、「美味しい食事を、ありがとう」っておっしゃってくれる……
うーっ! もう!
顔の赤みが全然引きません。
誤魔化すようにぐりぐりと額をリュート様にこすりつけていると、軽やかな笑い声が聞こえてくる。
幸せってこういうことを言うのでしょうか……リュート様に出会ってからというもの、今までとは違いすぎて困ります。
「ルナ……」
「なんですか?」
「また一緒に『いただきます』しような」
「勿論です!」
もう! こういう……こういうところが、私の心を捕らえて離さないのですよね。
時折見せる寂しさを滲ませる表情が、胸をぎゅうっとさせるのです。
もっと甘やかして、もっと幸せを感じてもらって、『もう大丈夫』って思ってくれるようになってほしい。
もしかしたら、それはお互いに思っていることなのかもしれません。
リュート様も私が笑うと、時々『良かった』という表情をしますもの。
私も……同じ表情をしていますよね。
大丈夫!
私は、リュート様がそばにいてくだされば、怖いものなんてないですから!
「あっちで一服しながら、レシピをおこそうか。カフェとラテにも教えてやりたいから」
「はい! 二人共、すっごく喜んでくれるでしょうか」
「当たり前だろ? 特に、マヨネーズはびっくりすると思うぞ」
「楽しみですね」
そうだなと笑うリュート様の笑顔を見ながら、私も嬉しくなってしまう。
きっと、カフェもラテも喜んで、昨日のようにレシピを掲げて小躍りしてくれること間違いなしです。
アレは可愛いから、今度はじっくり見ましょう。
紅茶セットをトレイに乗せてリビングに戻って手慣れたように淹れていると、「さすが」とリュート様に褒めてもらいました。
えっへん! と、胸を張ったら、何故か「それはやめなさい」と視線を若干逸しながら言われたのですけれど、いけませんでしたか?
ダメなの? とシモン様とレオ様の方を見れば、二人は「リュートの前でなら可」と許可してくださったので、大丈夫そうです。
リュート様がなんとも言えない顔をしたのが気になりますが、結局は「絶対にダメ」とは言いませんでしたものね。
紅茶を全員の前に出し終えた私が座るのを待ち、リュート様はアイテムボックスからレシピ用紙を数枚取り出す。
「えーと? 今の分だと、マヨネーズとポテサラとガレットか」
「そうですね、3枚あれば大丈夫です」
手渡された用紙の中央の印に触れてみると、まずはマヨネーズがレシピにおこされているようで、ゆっくりと文字と手順のイラストが浮かび上がり、光がふわふわと漂う。
全員で、レシピの内容を……特に文面に注視した。
─────────
【至福のひとときのマヨネーズ】
新鮮な卵と芳醇な香りの白ワインビネガーと質のいいティール油から生まれた魅惑の調味料。
生野菜につけてもよし、肉や魚などに絡めて焼いてもよし、なにかにつけて食べるだけで至福のひとときを味わえます。
アイデア次第で無限大の可能性を秘めています。
貴方の感性の赴くままに楽しんでください。
これで、あなたも立派なマヨラー!
─────────
……あ、これ……ハーブソルトよりダメなやつです!
恐る恐るリュート様を見れば、無言になり左手で目元を覆い、何か深く考えている様子でした。
一見すると、アレですね、頭痛に耐えている人みたいにも見えます。
そ、そうなりますよね……この世界にマヨラーを作ろうとしていますよ?
大丈夫でしょうか……可能性も無限大でしょうが、危険性も無限大な気がします!
どうしましょう、『至福のひととき』の文字も危険な香りがしますし、絶対に【マヨラー】はアウトですよねっ!?
「よし、このレシピは開示禁止の方向で」
「は……はい……」
私達のただならぬ様子に、お二人も無言で頬を引きつらせています。
ツッコミは受け付けません。
聞いてはいけませんよ?
気を取り直して、次いきましょう!
次は、やはりポテトサラダでした。
─────────
【ポテトサラダ(通称:ポテサラ)】
マヨネーズとジャガイモの出会いが奇跡をおこした、サラダはヘルシーというイメージを覆す逸品。
ジャガイモの潰し方によって食感が変わるので、好みによって滑らか派かホクホク派に分かれる。
隠し味のマスタードが全体の味を引き締め、キュウリやニンジンの食感がアクセントになり、食べごたえのあるサラダとなった。
生野菜嫌いのお子様にも好まれる味。
─────────
ま、まだ大丈夫?
一応普通……っていうか、奇跡とか書いているけれど平気でしょうか。
出会いが奇跡なのであって、料理に効果があるわけではないですよね?
「まだ……まともだったな」
「意外ですね、普通でした」
「まあ、これなら問題なかろう」
良かったーっ!
料理は普通の説明文になって良かった……全部レシピが売れませんってなったら泣くところですもの!
レシピにおこすのって、こんなに緊張するものなのですね。
変な意味でのドキドキが止まりません。
どうせドキドキするなら、リュート様の素敵な笑顔やぬくもりや香りに包まれて、甘く囁かれているようなシチュエーションがいいです。
こんな、『何が出るかわからない玉手箱』状態は嫌ですよ!
恐る恐る、最後の一枚ガレットを祈るようにレシピにおこす。
普通でありますようにっ!
─────────
【小麦粉のガレット】
小麦粉、水、塩などを混ぜて寝かせた生地を、熱したフライパンなどで薄く伸ばして円形に焼き、正方形に折りたたんで完成する料理。
クレープと異なり片面だけ焼いたところに、肉類、魚介類、野菜、チーズなどの様々な具材を乗せるが、中央に卵を乗せて焼く物が好まれるようである。
─────────
あ、一気に普通な感じになった!
なんでしょう……この、マヨネーズとのテンションとの違いは……
「つまりは、マヨがヤバイってことだな」
リュート様の意見に賛成です。
アレがマズイだけですね。
何故、マヨネーズのテンションだけあんなにも高かったのか……謎仕様です。
他の調味料を作ったときが怖いですね。
そもそも、この世界にない調味料を作り出している時点で、食の世界には多大なる影響力を与えていると考えると、やっぱりテンションが上ってしまうのかしら。
とりあえず、3枚のレシピが完成して、ホッと一息です。
カフェとラテの分を新たに作り、リュート様がそれをまとめているのを眺めていたシモン様が何やら考えている様子で……どうされたのでしょうか。
「リュート、そのレシピはギルドに登録されるのですよね」
「ポテサラとガレットだけな」
「マヨネーズ……どうするんです?」
「うちの店で売り出す」
ああ! なるほど……と、納得顔である。
確かに、ポテトサラダはマヨネーズありきな料理ですからね……
「じゃあ、現状はガレットだけが即戦力というわけですか」
「戦力……まあ、店ならマヨもありだからなんでもいけるが、一般人が手にするならそうだな」
「では、そのガレットのレシピを二枚購入できますか? 今すぐ」
「は?」
「うちに来るキャットシー族と、トリスのいる女子寮に配属されるキャットシー族に覚えさせたいのです。美味しいもの、食べたいですからね」
にっこり笑っていうシモン様に、私が「だったら持っていってください」と言ってレシピを差し出そうとすると、リュート様がそれを止めた。
え?
なんでですか?
「ルナ。それはダメだ」
「え……でも……」
「レシピってのは、生産職の者にとって大事な物だ。今のようにホイホイ渡してしまったら、他の生産職の者を守れなくなる。ルナの料理レシピは、最上級レシピと言ってもいいくらいのレベルになる。それがタダで手に入ってしまったら、他の料理人のレシピは売れなくなるだろう? そうなると、たちまち生活が立ち行かなくなる者が出てくるはずだ」
「そうですね。気持ちはとても嬉しいのですけど、受け取ることはできません。購入という手段で得るのは、それだけの価値がこのレシピにあると思うからですよ」
友達だからという理由でも、そこから崩れたら、どこで線引きを行うか難しくなる。
そして、それは新たな火種にもなりかねない上に、他の生産者たちのためにもならない。
こういうレシピがこういう金額で出た、だからこそ励みになる場合もあるのだと言われ、私の考えの浅はかさを恥じた。
「すみません……そこまで考えてませんでした」
「今まで生産レシピで生計を立てている者なんて居ない世界から来たんだから、そうなっても仕方ない。つまり、ルナが料理レシピをおこすということは、そういうことなんだってことを覚えておいて欲しい」
「わかりました。もっと考えて行動をとらなくてはいけませんね」
「そんな堅苦しく考えなくていい。少しずつでいいんだ。そのために俺がそばにいるんだから、全部なんでもかんでも完璧にこなそうと思わなくていいんだよ」
よしよしと慰めるように頭を撫でられ、その優しさに泣きそうになってしまう。
だって……私の考えなしの行動は、カフェやラテの生活を脅かすものであったのですもの。
少なからず、ショックです。
知らないって怖いですね。
「反省したなら、次に生かせる。一つ勉強になったって笑ってくれ。前向きにな?」
「む、難しい……ですね」
「そうだな。でも、心構えとしてあれば、意外となんとかなるもんだ」
優しく微笑んでくれるリュート様を見上げる。
そうやって、彼は立ち止まらずにきたのだろうか……落ち込んで立ち止まる暇などなかったのかもしれない。
そう考えると、私は贅沢だ。
リュート様がそばにいて慰めてくれるのですもの。
「金額は、まだわからねーから、適正価格が出てからじゃ遅いのか?」
「そうですね……夜、お店に行けばいいでしょうか。多分、帰りが遅くなるんですよね」
「明日にすれば良かろう。一日くらい我慢しないか」
レオ様も呆れ顔であるけれど、リュート様はふーむと悩んでいる様子であった。
「お前、この学園のキャットシーにレシピをタダでくれてやるのか?」
「こちらと女子寮に来るキャットシー族は、僕の家と契約している子ですよ。さすがに、全ての寮を食堂で働いているキャットシー族だけで賄えません」
「裏で手を回しやがったな……」
「人聞きが悪いです」
「ルナのレシピの話から、もうすでに考えて昨夜の内に手配したんだろ」
「見事な手腕だと褒めてください。それに、タロモのために雇うことは決定していたので……何も変ではありませんよ?」
すっごく胡散臭い笑みを浮かべていますねシモン様……この方が、次期宰相様……この国は安泰ですね。
本当にいい笑顔過ぎて怖いです。
「お前の父親に筒抜けだろうが」
「無駄なあがきです。昨日のお店で出したスープの話、もう知ってましたよ」
「……あのオッサン、マジ怖ぇわ」
え……あのトマトスープの話がもうシモン様のお父様に筒抜けに?
どういう情報網をもっていらっしゃるのでしょうね……すごいです。
その親があって、この子あり……うわぁ……宰相の称号は伊達じゃない! ってやつですね。
「それに、君のお父上もご存知のようです」
「マジか! やべぇ……今晩来るとか言わねぇよな……さすがに1ヶ月待てと言ってあるが」
「難しいでしょうね」
「……はぁ……やっぱりかぁ」
それはそうだろうと、レオ様まで苦笑している始末である。
どうやら、リュート様のお父様に、今晩お会いすることになるかもしれません。
ど、ドキドキします。
なんとお呼びすればいいでしょう。
やっぱり、ここは……『お義父様』でしょうか。
緊張して噛み噛みにならないでしょうか……やってしまいそうですよね!
だって、リュート様のお父様ですよ?
ずっとおそばにいたいのに「気に入らん」なんて言われたらどうしましょう……ここは、失敗できません。
リュート様に相応しいと感じていただくには、どうしたらいいでしょうか。
私が悶々と考えているのがわかったのか、ガルムが「がうぅ?」と声をあげ、タロモが「きゅぅ?」と心配そうにシモン様のお膝の上から降りて、私の膝をぽんぽんたたきに来た。
「どうしましょう、気に入られなかったら大事ですよ。リュート様のおそばにいられなくなったらって考えるだけで……」
だ、ダメです、そんなこと考えるだけで絶望に染まります。
目に涙がたまってきて、うるうるしているのがわかったのか、タロモがぎょっとしてオロオロとしはじめ、お行儀悪くガルムがテーブルを走って来て私の肩にダイブしました。
「がうぅ、ぎゃう」
「きゅぅ、きゅきゅー」
大丈夫、大丈夫って二人は言ってくれているようですけれど、不安だし心配です!
「ルナ」
オロオロしていたタロモとガルムと一緒にリュート様を見れば、彼は苦笑というか困ったような顔をして私を見ていました。
「あのな。親父がルナを気に入らないなんてことは、どんなことがあってもないから大丈夫だ」
「その点は、全く問題なかろう」
「そうですね。あの方に限って、そんなことはありえません」
レオ様とシモン様も「ないない」と首を振る。
リュート様のお父様って、どういう方なのでしょう……お二人にもこう言われてしまうだなんて、違う意味で不安になりますよ?
「ルナは可愛いからな。あの親父もすぐ猫可愛がりするに決まってる」
「そういうところ、リュートにそっくりですからね」
もしかして、リュート様と同じく、美的感覚が少しズレている方なのでしょうか。
似たもの親子ということは、とんでもなく中身もイケメンということですね!
これはお会いするのが楽しみになりましたが、やはり緊張しそうです。
もしかしたら、歳をとったリュート様っぽい感じなのでしょうか。
それは楽しみすぎます!
ナイスミドルなリュート様と考えるだけで、胸がドキドキしてしまいますね。
あ、でも……隣にいてくださるリュート様が一番です!
いつ見ても凛々しく格好いいですもの。
じーっと見ていたら、「ん? どうした?」という風にリュート様が私を見て小首を傾げる。
すぐにこうして気遣ってくれる、とても優しくて……私だけに甘い……なんてうぬぼれてしまいそうです。
「紅茶のおかわりはいかがですか?」
「ああ、頼む。ルナの淹れる紅茶は本当に美味しいから嬉しいよ」
見惚れんばかりの笑みとともに告げられる言葉は、胸をじんわりと熱くする。
も、もう! 紅茶を淹れるだけでこんなに幸せを感じさせてくださるなんて!
やっぱり、リュート様が一番なのです!
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