14 / 45
13 護衛依頼
しおりを挟む
【ヴェブレン効果】
商品が高ければ高いほど価値が高いと思い込んでしまう
ラスバラスの街より少し西の山あいに入った所にあるここカザリムの村は、領主の貴族による重税に苦しんでいた。
村民のほとんどはろくに食べれず手脚も痩せこけている。
しかも最近この村に盗賊がやって来た。
盗賊は残り少ない食料や金品を奪った。
それでも足りないらしく6日後に金が用意できなければ村の女、子供を連れて行くという。
村の男達は武力で対抗しようというがどう見ても勝てる訳がない。こちらはろくな食事すらも取れていないのだ。
村の大工をしているガラムハは途方にくれていた。
金が用意できなければ、自分の12歳になったばかりの娘も連れて行かれてしまう。
当然金はない。村の連中もないことは分かっている。戦う力もない。どうすることもできない。
唯一の希望は村長が隣街で探してきてくれる用心棒だけだ。
しかし銀貨5枚では引き受けてくれる人なんていないだろう。
逃げようかとも思った。しかし自分達だけ逃げれば残った村人がどうなるかは分かっている。
ガラムハは絶望にうちひしがれた。
幸也は依頼の待ち合わせ場所に向かう。
そこにいたのは少し小太りの人の良さそうな商人の男だった。
「おはようございます。ギルドの依頼できた幸也です」
「おはよう。私はサルムだ。ユキヤ君、今日はよろしく」
「よろしくお願いします」
「ユキヤ君はずいぶん若いんだね?」
「はい。でも仕事はきちんとやりますので」
「若いのに言葉使いもしっかりしてて気に入った。最近の冒険者は口が悪くてね~」
(分かる。冒険者は荒々しい人が多い)
馬車にはたくさんの荷物が積んであった。重そうだ。なにか馬が可哀想になる。
アイテムボックスに収納してあげよかと思ったが、信頼関係のない状態ではトラブルになりそうだったのでやめておく。幸也は空いてるスペースに座った。
馬車はすぐに出発する。馬車は振動がすごい。舗装されてない道を走るので仕方ないがお尻が痛くなる。
馬車は順調に進んで行く。途中からサムルさんと商売談議で盛り上がった。
「最近は売り上げが落ちてきて厳しくてね~。とりあえず種類はそろえてあるんだが」
「んー。そうですね・・ゴルディロックス効果とか・・」
「ごるで・・?」
「・・いや、なんでもありません。色々な種類があるのなら僕だったら手頃な値段の物が欲しくなるかと」
「手頃な値段?」
「高い物よりも安い物よりも中間くらいの値段の物を」
「うん、うん。それで?」
「中間の値段の物に1番利益がでるようにすれば良いかなと」
「ほうほう~面白い。やってみよう」
街まではウルフランスという魔物に襲われそうになっただけだった。ウルフランスは集団になると危険らしい。
幸也はめんどくさかったので雷魔法の【大雷嵐】をぶっ放した。
ウルフランスは、ほとんど倒され残りは逃げていった。
いきなりぶっ放したのでサルムさんはビックリしたみたいだ。
目的地まで着くと帰りの護衛も依頼したいと言う。気に入られてしまったらしい。
バザーに出店し3日滞在するので、その間の宿賃も出してくれるらしい。報酬も今日の1・5倍出すと言われた。
(急に待遇よくないか?)
と思ったが悪い人ではないので怪しまず了承した。
とりあえず3日間も暇になってしまった。
サルムさんに手伝うか聞いてみると、さすがに幸也に高給を払ってしまうと稼ぎがなくなるからダメだと断わられた。
低賃金でかまわないと言ったが、面白い経営のアイディアを出してくれる人に低賃金では働かせられないらしい。
変なところが真面目だ。
幸也はやることがなくなったので町をぶらつく。なかなか新鮮な気分だ。
道の真ん中で冒険者らしい男とお爺さんが言い争いをしている。
「お願いしますだ。盗賊の退治を」
「無理だ。そんな報酬では」
「そこをなんとか?」
「他の者に頼んでくれ」
「本当にお願いしますだ」
「しつこい!」
お爺さんは弾き飛ばされ尻もちをつく。
幸也と目が合ったが他の冒険者に頼みに行く。
けれどもまた同じように弾き飛ばされた。幸也はたまらず、
「大丈夫ですか?」
「あぁ~ボウヤ、大丈夫さ」
「盗賊とか言ってませんでした?」
「あぁ~最近うちの村が襲われてね。困ってるんだ」
お爺さんは幸也が腰にさしている刀に目をやると
「ボウヤは、冒険者なのかい?」
「はい。一応」
「新人さんの?」
「この間ランク【C】になりました」
「ランク【C】?!?!ボウヤにお願いがある。うちの村に用心棒として来てくれないか?」
「いや・・今は護衛の依頼として来ているので・・」
「そこをなんとか、お願いできないだろうか?村の娘達が・・」
「娘達?」
どうやらお金が用意できないと、娘達を連れて行くらしい。幸也にも妹がいたので少し同情してしまった。
「依頼主の人に聞いて良ければ・・」
「来てくれるのかい?!」
「ええ、まぁ・・」
「ありがとう」
とりあえずサムルさんに事情を話してみると護衛をしてもらいたいが『幸也君が行きたいのなら、行っておいで』と言ってくれた。帰りの護衛は他の人に頼むらしい。
許可が出たのでお爺さんとカザリムの村を目指す。
歩いて半日くらいらしい。
カザリムの村は質素だった。いや、ただのボロだ。
家も平屋で所々に穴が開いている。この村の厳しさがうかがえる。
盗賊は明日の昼ぐらいに来るらしい。丸々1日ある。
他の村人はあんな少年で大丈夫なのか?と揉めていた。
お爺さんが幸也がランク【C】と伝えるとしぶしぶ納得してくれた。
やることもないので、村の近くの森林に行ってみる。なにかジトジトしてる。樹々が鬱蒼と生えそろい、枝の間引きをしていないらしい。
村人に間引きしないのか聞いてみると『そんなことよりも食べ物が優先』と言われてしまった。
確かにその通り。食べ物がなかったら後回しになるだろう。
幸也は暇つぶしに【ステップ】で足場を作り枝を間引いていく。やってみるとなかなか楽しい。まぁ素人作業だが。
けっこう間引いたので、地面に日がさす。
切った枝はアイテムボックスの収納を利用して隅のほうに捨てた。
綺麗になった森に子供達がやって来る。
「キレイ~」
と感動していた。良く見ると近くに小川がある。
魚がいるのでは?と思い、行ってみると・・・。
明らかに水量が少ない。子供達に聞いてみると今まで水量がある時は魚がいたのだが、最近水量も減り魚がいなくなってしまったらしい。
幸也は心当たりがあったので川に沿って上流まで歩いて行く。
子供達も付いて来ようとしたが『魔物が出たら危ない』と言っておいてきた。
上流付近まで行くとやはりあった。腐った枝や葉で出来た天然のダム。
幸也がダムを壊すと水が一気に流れ出す。魚もたくさんいるようだ。
元の場所まで戻る子供達が
「お兄ちゃん水がー!」
と言って寄って来る。
幸也は川幅いっぱいに網状の【トラップ】を仕掛ける。魚が【トラップ】にかかるまで、子供達に渇いた木を集めさせ焚き火をおこす。
魚をさばいて枝に刺し焼き魚にする。
幸也はタライをアイテムボックスから取り出し、焼けるまでの間子供達に魚をたくさん捕まえるよう命じた。
焼き魚に目が眩んだ子供達は凄い勢いで魚を捕まえる。
あっという間にタライがいっぱいになった。
魚が焼けたので子供達に渡すとすぐに食べてしまった。それを予想していた幸也は2匹目を焼いてある。
久しぶりにお腹いっぱい食べた子供達は満足そうだ。
幸也は捕まえるた魚をさばき、アイテムボックスにしまう。1匹食べてみたが調味料なしでもなかなか美味しい。
夕暮が近づいたので子供達と村まで帰る。
村に帰って魚があることを伝えると村人の目つきが変わった。
「串に刺し終わったよー」
「じゃ火にー」
「こっち焼けたぞー」
恐るべし連携力。
なぜこの連携がいつもできない・・。
商品が高ければ高いほど価値が高いと思い込んでしまう
ラスバラスの街より少し西の山あいに入った所にあるここカザリムの村は、領主の貴族による重税に苦しんでいた。
村民のほとんどはろくに食べれず手脚も痩せこけている。
しかも最近この村に盗賊がやって来た。
盗賊は残り少ない食料や金品を奪った。
それでも足りないらしく6日後に金が用意できなければ村の女、子供を連れて行くという。
村の男達は武力で対抗しようというがどう見ても勝てる訳がない。こちらはろくな食事すらも取れていないのだ。
村の大工をしているガラムハは途方にくれていた。
金が用意できなければ、自分の12歳になったばかりの娘も連れて行かれてしまう。
当然金はない。村の連中もないことは分かっている。戦う力もない。どうすることもできない。
唯一の希望は村長が隣街で探してきてくれる用心棒だけだ。
しかし銀貨5枚では引き受けてくれる人なんていないだろう。
逃げようかとも思った。しかし自分達だけ逃げれば残った村人がどうなるかは分かっている。
ガラムハは絶望にうちひしがれた。
幸也は依頼の待ち合わせ場所に向かう。
そこにいたのは少し小太りの人の良さそうな商人の男だった。
「おはようございます。ギルドの依頼できた幸也です」
「おはよう。私はサルムだ。ユキヤ君、今日はよろしく」
「よろしくお願いします」
「ユキヤ君はずいぶん若いんだね?」
「はい。でも仕事はきちんとやりますので」
「若いのに言葉使いもしっかりしてて気に入った。最近の冒険者は口が悪くてね~」
(分かる。冒険者は荒々しい人が多い)
馬車にはたくさんの荷物が積んであった。重そうだ。なにか馬が可哀想になる。
アイテムボックスに収納してあげよかと思ったが、信頼関係のない状態ではトラブルになりそうだったのでやめておく。幸也は空いてるスペースに座った。
馬車はすぐに出発する。馬車は振動がすごい。舗装されてない道を走るので仕方ないがお尻が痛くなる。
馬車は順調に進んで行く。途中からサムルさんと商売談議で盛り上がった。
「最近は売り上げが落ちてきて厳しくてね~。とりあえず種類はそろえてあるんだが」
「んー。そうですね・・ゴルディロックス効果とか・・」
「ごるで・・?」
「・・いや、なんでもありません。色々な種類があるのなら僕だったら手頃な値段の物が欲しくなるかと」
「手頃な値段?」
「高い物よりも安い物よりも中間くらいの値段の物を」
「うん、うん。それで?」
「中間の値段の物に1番利益がでるようにすれば良いかなと」
「ほうほう~面白い。やってみよう」
街まではウルフランスという魔物に襲われそうになっただけだった。ウルフランスは集団になると危険らしい。
幸也はめんどくさかったので雷魔法の【大雷嵐】をぶっ放した。
ウルフランスは、ほとんど倒され残りは逃げていった。
いきなりぶっ放したのでサルムさんはビックリしたみたいだ。
目的地まで着くと帰りの護衛も依頼したいと言う。気に入られてしまったらしい。
バザーに出店し3日滞在するので、その間の宿賃も出してくれるらしい。報酬も今日の1・5倍出すと言われた。
(急に待遇よくないか?)
と思ったが悪い人ではないので怪しまず了承した。
とりあえず3日間も暇になってしまった。
サルムさんに手伝うか聞いてみると、さすがに幸也に高給を払ってしまうと稼ぎがなくなるからダメだと断わられた。
低賃金でかまわないと言ったが、面白い経営のアイディアを出してくれる人に低賃金では働かせられないらしい。
変なところが真面目だ。
幸也はやることがなくなったので町をぶらつく。なかなか新鮮な気分だ。
道の真ん中で冒険者らしい男とお爺さんが言い争いをしている。
「お願いしますだ。盗賊の退治を」
「無理だ。そんな報酬では」
「そこをなんとか?」
「他の者に頼んでくれ」
「本当にお願いしますだ」
「しつこい!」
お爺さんは弾き飛ばされ尻もちをつく。
幸也と目が合ったが他の冒険者に頼みに行く。
けれどもまた同じように弾き飛ばされた。幸也はたまらず、
「大丈夫ですか?」
「あぁ~ボウヤ、大丈夫さ」
「盗賊とか言ってませんでした?」
「あぁ~最近うちの村が襲われてね。困ってるんだ」
お爺さんは幸也が腰にさしている刀に目をやると
「ボウヤは、冒険者なのかい?」
「はい。一応」
「新人さんの?」
「この間ランク【C】になりました」
「ランク【C】?!?!ボウヤにお願いがある。うちの村に用心棒として来てくれないか?」
「いや・・今は護衛の依頼として来ているので・・」
「そこをなんとか、お願いできないだろうか?村の娘達が・・」
「娘達?」
どうやらお金が用意できないと、娘達を連れて行くらしい。幸也にも妹がいたので少し同情してしまった。
「依頼主の人に聞いて良ければ・・」
「来てくれるのかい?!」
「ええ、まぁ・・」
「ありがとう」
とりあえずサムルさんに事情を話してみると護衛をしてもらいたいが『幸也君が行きたいのなら、行っておいで』と言ってくれた。帰りの護衛は他の人に頼むらしい。
許可が出たのでお爺さんとカザリムの村を目指す。
歩いて半日くらいらしい。
カザリムの村は質素だった。いや、ただのボロだ。
家も平屋で所々に穴が開いている。この村の厳しさがうかがえる。
盗賊は明日の昼ぐらいに来るらしい。丸々1日ある。
他の村人はあんな少年で大丈夫なのか?と揉めていた。
お爺さんが幸也がランク【C】と伝えるとしぶしぶ納得してくれた。
やることもないので、村の近くの森林に行ってみる。なにかジトジトしてる。樹々が鬱蒼と生えそろい、枝の間引きをしていないらしい。
村人に間引きしないのか聞いてみると『そんなことよりも食べ物が優先』と言われてしまった。
確かにその通り。食べ物がなかったら後回しになるだろう。
幸也は暇つぶしに【ステップ】で足場を作り枝を間引いていく。やってみるとなかなか楽しい。まぁ素人作業だが。
けっこう間引いたので、地面に日がさす。
切った枝はアイテムボックスの収納を利用して隅のほうに捨てた。
綺麗になった森に子供達がやって来る。
「キレイ~」
と感動していた。良く見ると近くに小川がある。
魚がいるのでは?と思い、行ってみると・・・。
明らかに水量が少ない。子供達に聞いてみると今まで水量がある時は魚がいたのだが、最近水量も減り魚がいなくなってしまったらしい。
幸也は心当たりがあったので川に沿って上流まで歩いて行く。
子供達も付いて来ようとしたが『魔物が出たら危ない』と言っておいてきた。
上流付近まで行くとやはりあった。腐った枝や葉で出来た天然のダム。
幸也がダムを壊すと水が一気に流れ出す。魚もたくさんいるようだ。
元の場所まで戻る子供達が
「お兄ちゃん水がー!」
と言って寄って来る。
幸也は川幅いっぱいに網状の【トラップ】を仕掛ける。魚が【トラップ】にかかるまで、子供達に渇いた木を集めさせ焚き火をおこす。
魚をさばいて枝に刺し焼き魚にする。
幸也はタライをアイテムボックスから取り出し、焼けるまでの間子供達に魚をたくさん捕まえるよう命じた。
焼き魚に目が眩んだ子供達は凄い勢いで魚を捕まえる。
あっという間にタライがいっぱいになった。
魚が焼けたので子供達に渡すとすぐに食べてしまった。それを予想していた幸也は2匹目を焼いてある。
久しぶりにお腹いっぱい食べた子供達は満足そうだ。
幸也は捕まえるた魚をさばき、アイテムボックスにしまう。1匹食べてみたが調味料なしでもなかなか美味しい。
夕暮が近づいたので子供達と村まで帰る。
村に帰って魚があることを伝えると村人の目つきが変わった。
「串に刺し終わったよー」
「じゃ火にー」
「こっち焼けたぞー」
恐るべし連携力。
なぜこの連携がいつもできない・・。
35
お気に入りに追加
2,896
あなたにおすすめの小説
異世界で魔道具チートでのんびり商売生活
シマセイ
ファンタジー
大学生・誠也は工事現場の穴に落ちて異世界へ。 物体に魔力を付与できるチートスキルを見つけ、 能力を隠しつつ魔道具を作って商業ギルドで商売開始。 のんびりスローライフを目指す毎日が幕を開ける!
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。

念動力ON!〜スキル授与の列に並び直したらスキル2個貰えた〜
ばふぉりん
ファンタジー
こんなスキルあったらなぁ〜?
あれ?このスキルって・・・えい〜できた
スキル授与の列で一つのスキルをもらったけど、列はまだ長いのでさいしょのすきるで後方の列に並び直したらそのまま・・・もう一個もらっちゃったよ。
いいの?
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。

~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。

スキルを得られない特殊体質の少年。祠を直したらユニークスキルもらえた(なんで??)
屯神 焔
ファンタジー
魔法が存在し、魔物が跋扈し、人々が剣を磨き戦う世界、『ミリオン』
この世界では自身の強さ、もしくは弱さを知られる『ステータス』が存在する。
そして、どんな人でも、亜人でも、動物でも、魔物でも、生まれつきスキルを授かる。
それは、平凡か希少か、1つか2つ以上か、そういった差はあれ不変の理だ。
しかし、この物語の主人公、ギル・フィオネットは、スキルを授からなかった。
正確には、どんなスキルも得られない体質だったのだ。
そんな彼は、田舎の小さな村で生まれ暮らしていた。
スキルを得られない体質の彼を、村は温かく迎え・・・はしなかった。
迫害はしなかったが、かといって歓迎もしなかった。
父親は彼の体質を知るや否や雲隠れし、母は長年の無理がたたり病気で亡くなった。
一人残された彼は、安い賃金で雑用をこなし、その日暮らしを続けていた。
そんな彼の唯一の日課は、村のはずれにある古びた小さな祠の掃除である。
毎日毎日、少しずつ、汚れをふき取り、欠けてしまった所を何とか直した。
そんなある日。
『ありがとう。君のおかげで私はここに取り残されずに済んだ。これは、せめてものお礼だ。君の好きなようにしてくれてかまわない。本当に、今までありがとう。』
「・・・・・・え?」
祠に宿っていた、太古の時代を支配していた古代龍が、感謝の言葉と祠とともに消えていった。
「祠が消えた?」
彼は、朝起きたばかりで寝ぼけていたため、最後の「ありがとう」しか聞こえていなかった。
「ま、いっか。」
この日から、彼の生活は一変する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる