10 / 17
タライ 十個目
しおりを挟む
────7月29日(土曜日) 午前2時3分
僕は、部屋のベッドであおむけになって寝ていた。
…………。
────────────────ゴンッ……。
──────────────ゴンッ……。
────────────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
何か、音が聞こえた。
周囲は真っ暗だ。
…………。
──────────ゴンッ……。
────────ゴンッ……。
──────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
音が近づいてくる……。
僕は、ベッドから出ようとした。だが…………。
──体が動かない!?
──まさか……金縛り……!?
…………。
────ゴンッ……。
────ゴンッ……。
……これは……タライの音だ……。もう、すぐ側まで……。
音はどんどん激しくなった。
ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!………………。
叫び声を上げたくなった。だが、声が出ない……。
ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン………………。
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!」
やっと、声が出た。
金縛りも解けた。
僕はゆっくりと体を起こした。
服と布団は汗で濡れていた。
「ハァ……ハァ……」
僕は呼吸を整えた……。
…………。
聞き覚えのある音……タライの落ちる音だった。
…………。
突然、左肩のあたりに何かの感触があった。
僕は、それに触れた。
それは…………。
────手だった。
「アァアァアアアアアアアアアア」
僕は、恐怖した。
──逃げなきゃ!
僕は、部屋の灯りをつけた。
するとそこには……。
…………。
「お兄ちゃん、うるさい。それに汗びっしょり……どうしたの?」
「え、あ……正美?」
パジャマ姿でマクラを抱えた妹がいた。
「音、しなかったか?」
「音? してないよー」
「そ、そうか……」
あれ、じゃあ、俺だけに聞こえたのか……。
「ちゃんと服着替えないと、風邪ひくよ~」
妹は、眠そうな目を擦りながら部屋を出て行った。
なんだ……妹だったのか……じゃあ、あの音はいったい……夢だったのか……。
僕は、起きたついでに服を脱ぎ、タオルで汗を拭いた。新しい下着に着替え、もう一度床に着く。小さな電気をつけたまま、僕は寝ることにした。
僕は天井を見ながらぼーっとタライのことを考えた。
──なぜ、タライが落ちてくるのか……どうしてタライに当たると気を失うのか……。
天井がぼやけてくる。そしで、小さな電球をつけたランプが何かの顔に見えてきた。
「やばい、寝なきゃ……」
僕は、布団をかぶってそのまま寝入った。
僕は、部屋のベッドであおむけになって寝ていた。
…………。
────────────────ゴンッ……。
──────────────ゴンッ……。
────────────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
何か、音が聞こえた。
周囲は真っ暗だ。
…………。
──────────ゴンッ……。
────────ゴンッ……。
──────ゴンッ……ガランガラン……。
…………。
音が近づいてくる……。
僕は、ベッドから出ようとした。だが…………。
──体が動かない!?
──まさか……金縛り……!?
…………。
────ゴンッ……。
────ゴンッ……。
……これは……タライの音だ……。もう、すぐ側まで……。
音はどんどん激しくなった。
ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!ゴンッ!………………。
叫び声を上げたくなった。だが、声が出ない……。
ゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴンゴン………………。
「ワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァ!」
やっと、声が出た。
金縛りも解けた。
僕はゆっくりと体を起こした。
服と布団は汗で濡れていた。
「ハァ……ハァ……」
僕は呼吸を整えた……。
…………。
聞き覚えのある音……タライの落ちる音だった。
…………。
突然、左肩のあたりに何かの感触があった。
僕は、それに触れた。
それは…………。
────手だった。
「アァアァアアアアアアアアアア」
僕は、恐怖した。
──逃げなきゃ!
僕は、部屋の灯りをつけた。
するとそこには……。
…………。
「お兄ちゃん、うるさい。それに汗びっしょり……どうしたの?」
「え、あ……正美?」
パジャマ姿でマクラを抱えた妹がいた。
「音、しなかったか?」
「音? してないよー」
「そ、そうか……」
あれ、じゃあ、俺だけに聞こえたのか……。
「ちゃんと服着替えないと、風邪ひくよ~」
妹は、眠そうな目を擦りながら部屋を出て行った。
なんだ……妹だったのか……じゃあ、あの音はいったい……夢だったのか……。
僕は、起きたついでに服を脱ぎ、タオルで汗を拭いた。新しい下着に着替え、もう一度床に着く。小さな電気をつけたまま、僕は寝ることにした。
僕は天井を見ながらぼーっとタライのことを考えた。
──なぜ、タライが落ちてくるのか……どうしてタライに当たると気を失うのか……。
天井がぼやけてくる。そしで、小さな電球をつけたランプが何かの顔に見えてきた。
「やばい、寝なきゃ……」
僕は、布団をかぶってそのまま寝入った。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
機織姫
ワルシャワ
ホラー
栃木県日光市にある鬼怒沼にある伝説にこんな話がありました。そこで、とある美しい姫が現れてカタンコトンと音を鳴らす。声をかけるとその姫は一変し沼の中へ誘うという恐ろしい話。一人の少年もまた誘われそうになり、どうにか命からがら助かったというが。その話はもはや忘れ去られてしまうほど時を超えた現代で起きた怖いお話。はじまりはじまり
最終死発電車
真霜ナオ
ホラー
バイト帰りの大学生・清瀬蒼真は、いつものように終電へと乗り込む。
直後、車体に大きな衝撃が走り、車内の様子は一変していた。
外に出ようとした乗客の一人は身体が溶け出し、おぞましい化け物まで現れる。
生き残るためには、先頭車両を目指すしかないと知る。
「第6回ホラー・ミステリー小説大賞」奨励賞をいただきました!
リバーサイドヒル(River Side Hell)
グタネコ
ホラー
リバーサイドヒル。川岸のマンション。Hillのiがeに変わっている。リーバーサイドヘル
川岸の地獄。日が暮れて、マンションに明かりが灯る。ここには窓の数だけ地獄がある。次に越してくるのは誰? あなた?。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
手毬哥
猫町氷柱
ホラー
新築アパートの404号室に住み始めた僕。なぜかその日から深夜におかしな訪問者がいることに気づく。そして徐々に巻き込まれる怪奇現象……彼は無事抜け出すことができるだろうか。怪異が起きる原因とは一体……
ゴーストバスター幽野怜
蜂峰 文助
ホラー
ゴーストバスターとは、霊を倒す者達を指す言葉である。
山奥の廃校舎に住む、おかしな男子高校生――幽野怜はゴーストバスターだった。
そんな彼の元に今日も依頼が舞い込む。
肝試しにて悪霊に取り憑かれた女性――
悲しい呪いをかけられている同級生――
一県全体を恐怖に陥れる、最凶の悪霊――
そして、その先に待ち受けているのは、十体の霊王!
ゴーストバスターVS悪霊達
笑いあり、涙あり、怒りありの、壮絶な戦いが幕を開ける!
現代ホラーバトル、いざ開幕!!
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
#彼女を探して・・・
杉 孝子
ホラー
佳苗はある日、SNSで不気味なハッシュタグ『#彼女を探して』という投稿を偶然見かける。それは、特定の人物を探していると思われたが、少し不気味な雰囲気を醸し出していた。日が経つにつれて、そのタグの投稿が急増しSNS上では都市伝説の話も出始めていた。
アプリを起動したらリアル脱出ゲームでした
鷹夜月子
ホラー
とあるアプリを一緒にやろうと約束した仲良しな2人。しかし、いざ登録してアプリをしていたら画面に吸い込まれ、リアル脱出ゲームになっていた。しかも舞台は留置所の様な場所でホラーだった。2人の生死をかけたゲームが今、解禁される。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる