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第十八話 トップランカー
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山の頂上で我々を見下すように見ていたのは、かつて私がいたトップランカーパーティーのメンバーだった。
そして、高らかに嫌みったらしい声で叫んでいるのは、リーダーのザックだ。
「所詮お前は、この程度の戦いしかできない頑丈なだけの役立たずだ! 国の姫が聞いてあきれるわ。さっさと冒険者なんかやめてお姫様ごっこでもしてればいいものを……おおっと、失礼。今のは言い過ぎた……はーっはっはっはっは!」
「一体あの人たちは……何者ですの?」
エリザは不機嫌そうに質問する。
「奴は、私が昔所属していたパーティーのリーダーだ」
エリザに同調するかのように、シグルドがつぶやく。
「失礼な奴ですね。消しますか」
「消すのは……まずいですよぉ……せめて袋叩きにするぐらいで……」
エミリアも言うようになった。さすが私の弟子といったところか。
山の頂上、一番左端にいる4人のうちの一人、少し老けた感じの男、パーティーリーダーのザック。
冷静な判断力と、一撃必殺スキルの持ち主。
大剣を主として先陣を切り開くパラディン級の戦士だ。
そして、その右側にいる小柄なエルフの女、魔法使いアリス。聖魔法師だ。
奴の魔法力はこの国で最強クラスだ。回復とバフにおいて、奴の右に出る者はいない。
そして、左から三番目は、イケメンで痩せた男、槍術使いクーリン。グングニル級の槍を所持している。
接近戦は苦手と言ってはいるが、やつの懐に入るのは至難の業だ。
最後に、直径2メートルほどある巨大なドラのような盾を持っているハゲた男。
奴は……知らない。
きっと私の代わりに入ったメンバーといったところだろう。
「おおっと、いいところにクリスタルドラゴンが倒れている。クーリン! 任せた」
「はい、リーダー」
クーリンは、槍を持って谷底で気を失っているクリスタルドラゴンに飛びかかる。そして、背中から胸の辺りをえぐるように貫いた。
その瞬間、クリスタルドラゴンの体全体にひび割れが発生し、地面に崩れ去っていった。
「おい、これはいったい何の真似だ」
「おおっと……今日はクエストでクリスタルドラゴンの心臓を取りに来たのさ」
「な……心臓……だと!」
クリスタルドラゴンの心臓。それは、動力炉として使うこともできる生物エンジンだ。
これの用途は主に飛空艇、移動要塞、その他、物騒なものを動かすためのものだ。
だが、これの採取のためのクエストが許可されたということは、近々、他の国と戦争が始まることを意味する。
姫である私に情報が入っていない……国の内部でも、何かきな臭いことが起こっているのだろうか。
クーリンは、クリスタルドラゴンからえぐり取った心臓を、空間ポケットを展開して収納する。
「面倒だな。おい、ミゲル! 中央のドームに向けて『グレイタス・ヘイト・アンダ・スタン』を放て!」
「了解」
ザックの命令でドラを持った男が動いた。どうやら、名をミゲルというらしい。
ドラのような盾をこん棒で打ち、本物のドラのように音を鳴らしはじめた。
さらに、奇妙な歌を歌い始める。
「パッパカワンホーパッパカワンホーカッテカッテルツルツイダンモナンド……」
すると、ドームが崩れ始めた。
ドラの音と歌が共振し、超音波破壊でも起こしているのだろうか。
複数のクリスタルドラゴンがドームの中で暴れだし、雄たけびを上げて外へ飛び出す。
「パッパカワンホーパッパカワンホーカッテカッテルツルツッ………………」
突然、ミゲルは歌うのをやめた。そして、ドラを今まで以上に強く鳴らし始める。
すると、空中で待機していたクリスタルドラゴンがドラに向かって突っ込んできた。
クリスタルドラゴンは、空から一気に急降下し、ミゲルが持っているドラに頭から突っ込む。
その衝撃を受けたクリスタルドラゴンは、勢いよくはじかれ、気を失った。
クリスタルドラゴンが突っ込んで響いた音を聞いて、次々と他のクリスタルドラゴンも同様、ドラに突っ込み、激しく音とたてて気を失っていく。
あれだけ激しくクリスタルドラゴンが盾に突っ込んでいるのに、ミゲルがノックバックしないのは、おそらくアリスがノックバック無効化の補助魔法を使っているからだろう。
「はっはっは! 今日は大漁だ!」
ザックは、腕を抱えながら、高みの見物気取りだ。
その後、気を失ったクリスタルドラゴンを、クーリンが槍で貫き、心臓を回収。
手際よく、クリスタルドラゴンをせん滅していった。
それを見ていた私を、ザックは嫌みったらしく挑発する。
「クッコ・ローゼ。これがパーティー連携の力だ。貴様のように私利私欲のために戦う変態のお前には、たどり着けない境地だ!」
「ぐ……ぐぬぬ……言わせておけば……その程度の暴言では、私の心に傷一つつかないぞ!」
「負け惜しみか……ハッハッハ! お前たちは俺たちが倒したクリスタルドラゴンの角でも持って帰れ! おこぼれに預かれてよかったな! アーッハッハッハッハ! まったく……しょぼいパーティーだと仕事が遅くて苦労するよな! アーッハッハッハッハ! ほんとにしょぼいパーティーだ! アーッハッハッハッハ!」
私だけなら、いくら誹謗中傷を受けても平気だ。
けれども、他の皆は関係ない。
それに……エミリアも、エリザも、シグルドも……しょぼくなんかない!
私のパーティーを…………
「馬鹿にするなあああああああ!」
そして、高らかに嫌みったらしい声で叫んでいるのは、リーダーのザックだ。
「所詮お前は、この程度の戦いしかできない頑丈なだけの役立たずだ! 国の姫が聞いてあきれるわ。さっさと冒険者なんかやめてお姫様ごっこでもしてればいいものを……おおっと、失礼。今のは言い過ぎた……はーっはっはっはっは!」
「一体あの人たちは……何者ですの?」
エリザは不機嫌そうに質問する。
「奴は、私が昔所属していたパーティーのリーダーだ」
エリザに同調するかのように、シグルドがつぶやく。
「失礼な奴ですね。消しますか」
「消すのは……まずいですよぉ……せめて袋叩きにするぐらいで……」
エミリアも言うようになった。さすが私の弟子といったところか。
山の頂上、一番左端にいる4人のうちの一人、少し老けた感じの男、パーティーリーダーのザック。
冷静な判断力と、一撃必殺スキルの持ち主。
大剣を主として先陣を切り開くパラディン級の戦士だ。
そして、その右側にいる小柄なエルフの女、魔法使いアリス。聖魔法師だ。
奴の魔法力はこの国で最強クラスだ。回復とバフにおいて、奴の右に出る者はいない。
そして、左から三番目は、イケメンで痩せた男、槍術使いクーリン。グングニル級の槍を所持している。
接近戦は苦手と言ってはいるが、やつの懐に入るのは至難の業だ。
最後に、直径2メートルほどある巨大なドラのような盾を持っているハゲた男。
奴は……知らない。
きっと私の代わりに入ったメンバーといったところだろう。
「おおっと、いいところにクリスタルドラゴンが倒れている。クーリン! 任せた」
「はい、リーダー」
クーリンは、槍を持って谷底で気を失っているクリスタルドラゴンに飛びかかる。そして、背中から胸の辺りをえぐるように貫いた。
その瞬間、クリスタルドラゴンの体全体にひび割れが発生し、地面に崩れ去っていった。
「おい、これはいったい何の真似だ」
「おおっと……今日はクエストでクリスタルドラゴンの心臓を取りに来たのさ」
「な……心臓……だと!」
クリスタルドラゴンの心臓。それは、動力炉として使うこともできる生物エンジンだ。
これの用途は主に飛空艇、移動要塞、その他、物騒なものを動かすためのものだ。
だが、これの採取のためのクエストが許可されたということは、近々、他の国と戦争が始まることを意味する。
姫である私に情報が入っていない……国の内部でも、何かきな臭いことが起こっているのだろうか。
クーリンは、クリスタルドラゴンからえぐり取った心臓を、空間ポケットを展開して収納する。
「面倒だな。おい、ミゲル! 中央のドームに向けて『グレイタス・ヘイト・アンダ・スタン』を放て!」
「了解」
ザックの命令でドラを持った男が動いた。どうやら、名をミゲルというらしい。
ドラのような盾をこん棒で打ち、本物のドラのように音を鳴らしはじめた。
さらに、奇妙な歌を歌い始める。
「パッパカワンホーパッパカワンホーカッテカッテルツルツイダンモナンド……」
すると、ドームが崩れ始めた。
ドラの音と歌が共振し、超音波破壊でも起こしているのだろうか。
複数のクリスタルドラゴンがドームの中で暴れだし、雄たけびを上げて外へ飛び出す。
「パッパカワンホーパッパカワンホーカッテカッテルツルツッ………………」
突然、ミゲルは歌うのをやめた。そして、ドラを今まで以上に強く鳴らし始める。
すると、空中で待機していたクリスタルドラゴンがドラに向かって突っ込んできた。
クリスタルドラゴンは、空から一気に急降下し、ミゲルが持っているドラに頭から突っ込む。
その衝撃を受けたクリスタルドラゴンは、勢いよくはじかれ、気を失った。
クリスタルドラゴンが突っ込んで響いた音を聞いて、次々と他のクリスタルドラゴンも同様、ドラに突っ込み、激しく音とたてて気を失っていく。
あれだけ激しくクリスタルドラゴンが盾に突っ込んでいるのに、ミゲルがノックバックしないのは、おそらくアリスがノックバック無効化の補助魔法を使っているからだろう。
「はっはっは! 今日は大漁だ!」
ザックは、腕を抱えながら、高みの見物気取りだ。
その後、気を失ったクリスタルドラゴンを、クーリンが槍で貫き、心臓を回収。
手際よく、クリスタルドラゴンをせん滅していった。
それを見ていた私を、ザックは嫌みったらしく挑発する。
「クッコ・ローゼ。これがパーティー連携の力だ。貴様のように私利私欲のために戦う変態のお前には、たどり着けない境地だ!」
「ぐ……ぐぬぬ……言わせておけば……その程度の暴言では、私の心に傷一つつかないぞ!」
「負け惜しみか……ハッハッハ! お前たちは俺たちが倒したクリスタルドラゴンの角でも持って帰れ! おこぼれに預かれてよかったな! アーッハッハッハッハ! まったく……しょぼいパーティーだと仕事が遅くて苦労するよな! アーッハッハッハッハ! ほんとにしょぼいパーティーだ! アーッハッハッハッハ!」
私だけなら、いくら誹謗中傷を受けても平気だ。
けれども、他の皆は関係ない。
それに……エミリアも、エリザも、シグルドも……しょぼくなんかない!
私のパーティーを…………
「馬鹿にするなあああああああ!」
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