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バイトさん、いらっしゃる?〜面接は大変かも?

バイト面接、遂に終わる?新しい仲間たち⁉︎ロボもいるよ?

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 「高城 ゆたか」可愛いけど?
 
 五人目の面接は予想通りの反応だった。履歴書の空欄、必要書類の不備。
 
 それでも追い返さず、会ってみたのは舞華の「予感」だった。

 この子とはこれから深く付き合う気がする。

 『あの、それが無いと駄目ですか?』切実な表情で見つめられてドキッとする? え?もしかしてこの子!



 『身元確認の為にも必要なの。
 親御さんにナイショでバイトしたい子はお断りする事も有るの。

 今は物騒な事件とか有るから、何かの時、おウチとご連絡出来ないと後でご迷惑をかけてしてしまう事もあるから。』
 叔母さまが私が言い難い事を察して話してくれた。


 『あ、あの、私!行くところが無いんです!だからこそ「ココ」に来たんです!』思い詰めた様子だったが、意を決して話すゆたか。

 『ゆたかちゃん、何か事情が有りそうだね。今日の面接、貴女で最後だからゆったりじっくりと聞きますよ。私たちでチカラになれるなら何とかするしね、ね?叔母さま!』

 『ゆたかさん、この子の言う通り!泣いてる子を放り出すなんて、私たちには出来ないわ。
 「可愛いは絶対正義!」が北代さんちの「家訓」だから!
 それが女の子でも、男の子でもね。』むふぅー!叔母サマも気付いてたのね‼︎

 『流石です!新名さま‼︎』

 『真琴くんで慣れてるから、ウフフ。』まこっちゃん、キャラ被り?

 『ん?何の事かしらん?』ま、いっか!


 『あ、あの、「私」じゃない、「僕」が男って気付いたんですか?今まで気付かれた事無いのに。』


 『あれ?何でだろ?「オーラ」とか?』見えてんのかーい?

 『舞華さまは、弟さんの「優斗」さまや「まこっちゃん」さまで「美少年」慣れしてますから、「女装美少年」も「射程内」で「守備範囲」なのでは?』

 『パティ?君は何を言っているのかな?』在らぬ疑いを持たれるではないか⁉︎

 『僕、店長さんの「守備範囲」なんですか?』やん!「ぼくっ子」キター!ドキッドキ!
 小悪魔発見!今までに「女の子」で近い感覚は有ったけど、「男の娘」は初物…じゃない、初めてだ!

 『ゆたかちゃん、じゃなくて「ゆたかくん」⁉︎行く所ないって今どうしてるの?ココに来たのはもしかして「社員寮」目当て?』

 『何でもします!掃除洗濯、料理や「夜のお努め」とか!』やん!

 『自分を大切にね!最後のは特に⁉︎』…まさかそうゆう事してたの⁉︎ 

 『町で知り合った「パリピー」な人たちと朝までカラオケしたり、優しい「キャバ嬢」のお姉さんの部屋に泊めてもらったり、それから…。』え?キャバ?

 『!ハイ‼︎ハイ⁉︎分かりました!採用です!今日から!今から‼︎ ゆたかくんは「ウチの子」です!もう決まり⁉︎』


 この後、社員寮は女子限定だと判明して、見た目「美少女」だからOKとは成らず…

 『ゆたかちゃん、ここで良ければ歓迎しますよ。』
 
 叔母さま、ニッコニコでゆたかくんをホールドしようとしている!

 羽柴さんちに貰われるの?
 
 『この場合、スピカでバイトなさると言う事でしょうか?』

 あ、そうか!パティさん、よく気付いたね!叔母さま、ズルい!

 『ダメよ、駄目駄目!北代家に御案内して!パティ⁉︎何なら私の弟になって!』

 可愛い子を「うちの子」にするのはどうやら両親からの「遺伝」らしい?

 『えっと、お母さんに何て説明しよう?』


 お父さんへの説明は省かれるらしい?

 『あの、雇ってもらえるって事でいいんですよね?』

 『ええ、採用ですよ!でもね、このままだと法律とか条例とかで悲しい事になっちゃうから、私の家に来ない?ウチの両親なら必ずゆたか君のチカラに成ってくれる!悪い様にしないから。』

 『わかりました!お願いしますね、舞華店長‼︎



 『じゃあ、今日の面接は終了ね!』何を張り切っているのか?叔母のやる気が心配だ?

 恐らく「ウチ」に来てゆたかの事を一緒にお願いしてくれるのだろう。

 『久しぶりにお父さんに顔見せないとね!』
  
 なるほど、おじいちゃんの心配もしてると。

 『そうだ!ゆたかくんは猫とか犬とか大丈夫?ウチ沢山いるけど?』

 『飼った事は無いけど大好きですよ。そんなにいるんだ?』

 『いるいる、いらっしゃいるよ!猫9匹に犬三匹。座敷童子一体。』

 『え?何それ?』




 

 『あ~!もぅ~⁉︎もう嗅ぎつけたか、母さま達!』

 「十松 春佳」(偽名)こと「十末 春佳」さんは御立腹だった。

 祖父の協力で念願の「猫カフェ」への就職の夢が!

 彼女の家は代々「山王院のメイド」として優秀な女子を輩出している言わば「女性家事使用人の名家~メイドメーカー」で知られている?

 祖母は山王院奉公中に様々な雑務を共に行なった執事と恋をし、母が産まれた。

 その執事こそ長年にわたり、現当主の片腕として支えていた元執事長、通称「飛びカトウ」こと「鳶藤」、今や猫カフェで「新潟県の某紬問屋の御隠居」として末席を温めている次第だ。

 籍こそ入れていないが、祖父母の仲は今も良好で母以外の子供はいない。

 母は婿養子に父を迎えたが、四人の子供の内で女子は春佳だけ!

 現在、兄達に分家の「母の目に止まった」女性たちを「嫁候補」として交際を促している。

 その甲斐あって、春佳の直ぐ上の兄が昨年結婚した、しかも義姉のお腹には新たな命が宿っていた!やるじゃない、兄くん‼︎
 母はひたすら「女の子」を産まれて来る事を願っている。

 コレなら自分の「メイド」に成らなければならない「重荷」も大分軽くなると考えていた。

 なので、執事の仕事を退き、気儘な隠居暮らしを始めた祖父にちょくちょく会いに行っては、自分の将来を相談していた。

 家督を母に譲った祖母も祖父と同居し始めて何やら全てイイ感じに進んでいると安堵していたのだ。


 甘かった!

 母はともかく、何と父が「娘を山王院のメイドに!そして、山王院の次期当主候補の妻に収まる様、徹底的に教育する!」と言い出した⁉︎

 『十末の歴史に「父さん」が割り込んだ事で「メイドメーカー」の偉業に曇りが見えてきた。ここは直系の春佳がメイドに成るだけでは尻窄みだ、なので「大樹」さん、「元徳」さん、何なら「高道」さまでも良い!誰か「モノ」にしなさい!』
 
 「十末」の家以外にも優秀なメイドを輩出している「七神」等の家も実は当主候補者を狙っているのでは、と父は深読みしている。

 噂では最近頭角を表している、女子高生の当主候補者にいくつかの「家の実力者」が懐柔されていると聞く。
 
 「十末の栄誉を取り戻さなければ!」と取り憑かれた様な父⁉︎

 なんとこの愚考に母が感激⁉︎

 『貴方がそこまで悩んで、「十末」の家の事を考えているなんて、気が付かない私は妻失格だわ!』

 『何を言う、君は「妻」として「母」として「メイド」として、立派にやっているよ。僕は君程、素晴らしい女性を知らない。だからこそ、君の足枷になりたく無い、君の全てを支えられる男で有りたいんだ!』

 『貴方!私こそ!』

 ナンダカンダで仲の良い夫婦なんだけど、
 その為に私の未来を強制されるのはどうよ⁉︎


 以前、山王院に警備犬のケアの手伝いに借り出された事が有り、自分は意外と「動物好き」だとわかった。

 一見、ゴツい大型犬も懐くと超可愛い!
 もちろん、甘やかしてしまうと我儘な子になり警備犬としては致命的だ。
 言葉が悪いが「飴と鞭」の使い方は間違えてはいけない。
 
 この人間の為に傷付く事を恐れない気持ちに成る様、犬達と信頼関係を作る事を私は、

 「小学生のお嬢さま」から学んだ。「天使の様な」あのツインテールの少女⁉︎


 それから、私はメイド以外の職業を選択出来る様に色々バイトを経験し、その中でトリマーも経験した。

 祖父が最近、とある「猫カフェ」に通っているのは祖母から聞いた。

 『コレだ!』と思って、バイトに応募してみたが、面接場所に母の手下と化した「嫁候補」たちが見張っていた!
 
 いずれ、あの中の誰かは「姉」と呼ぶかも知れない人たちが!





 『今日、何か入り口付近が混み合ってるみたい、待ち合わせでもしてるのかしら?』

 『どうしましたか?小町さん。』

 『あ、マスター。いえ、さっきから防犯カメラに何度も映る女性達がいまして?』

 警備室で防犯カメラを確認している十六夜 小町ちゃん、もうすぐ地域ネコにご飯をあげる時間。

 敢えて、その時間に退勤のシフトを組んで、優斗くん達との「猫のご飯タイム」を楽しみにしている。

 なのに、女性とは言え「不審者」を見逃す事は出来ない。

 いや、その所為で優斗くんや猫たちに危険が及ぶかも知れない。
 特に優斗くんは可愛いから、変な奴がストーカーになりうるかも⁉︎

 『ほら、また!エレベーターの前まで来て、階段を覗いて、また入り口フロアーを出て行く?』

 『何だろう?もしかしたら「出待ち」?』

 『誰か探しているって事ですか?』

 『「白猫占い」の「お忍びキ客」狙いかも?
 何かラジオかTV番組で話していたらしいよ。占い好きで人気のタレントみたいで。』

 スピカにも、「特製オムライス」目当てで月一や週一で来るタレントや著名人がいる。
 店に迷惑がかかるので「お忍び」で来店しているが、「占い」好きのその「アイドル」は何も考えずに「白猫占い」の店名を公共放送に乗せてしまった。

 後日、このタレントの事務所から謝罪され、同社のホームページには「お店に迷惑な行為は絶対にしないで!」と掲載する悪手を取り、案の定「私は純粋にお店を利用してます」的なお客が押し掛けた。
 
 もっとも、実力がモノを言い、

 スピカの「特製オムライス」と「アルプスブレンド」の虜になり。
 「白猫占い」の黒猫ちゃんのキュートな仕草にやられた後で、占いで「恋」の悩み等を見事に解決、信者となり。
 「森猫」で「黒猫執事」や「猫ソムリエ」(コレらのサービスは不定期の期間限定イベントです。)
 新たな恋の予感にときめき、通い始めた。


 結果、十人に1~2人位の割合で「本当のお客」になってくれたが、新規のお客様の獲得した事を良しとしたい気持ちと「推しの為」なら全て許されると盲信的に突き進んでいく信者の様なファンにウンザリな気持ちで±ゼロにはならない。

 だから、小町は「またか⁉︎」と心配している、念のために「お声掛け」をしてこよう。



 
 春佳はうっかり間違えて、地下二階駐車場に来てしまった?
 非常階段を利用して裏から逃げるつもりが、防犯の為、非常階段に出るドアは施錠されていた。
 地震や火災など緊急時は電子ロックが自動で開錠されるのだが、

 諦めエレベーターで地下一階まで降りて、隠れて追跡をやり過ごすつもりだったのに間違えて地下二階まで来てしまう!

 地下二階は全て駐車スペースなので、静かで何か…怖い。

 地下一階は半分くらいのスペースが店舗や警備室で有るから、何気に人の気配や生活音がするので安心出来るが、地下二階は数台駐車しているだけでガラーンとして落ち着かない。車や柱の影に誰か隠れていて、急に現れたら泣きそうだ。


 『あの~、お姉さん。どうかしましたか?』

 ⁉︎
『きゃあぁーーーーー⁉︎』



 『え!マスター、今悲鳴が⁉︎』

 『下から聞こえたみたいだ!』



 『ねぇ、今の「春佳」ちゃんじゃない?』

 『下に隠れたのね!行きましょう‼︎』



 うんうん、面白い事になりそうだ。
 警備室で妹の小町とスピカのマスターのやり取りを見ていた「十六夜 灯火」はマスターが出前してくれた「味噌だれカツカレー」に舌鼓を打ちながら面白がっていた。

 『ありゃ、「十末」の「夏彦」(長男)の妹だな、こりゃ見ものダ!』

 十六夜 灯火と十末 夏彦、あと七神 悠夜は同級生。


 『お姉ちゃん!何のんびりと「カツカレー」食べているの!
悲鳴が聞こえなかったの!いくわよ!』
 
 『あいよ。』仕方がないので、皿にラップをして席を立つ。

 『小町、先に行け。休憩室の竹さんに戻って来てもらうから。』

 『了解!』

 上の共有の休憩室で「スピカ」のオムライスを食べているであろう休憩中のもう一人の警備員に連絡し、その間マスターにココに居てもらう。

 灯火は何となく、「真相」に気付いていた。
 しかし、事態は灯火の予想の斜め上を行っていた。事態は更に面白くなって来るからだ?
 (あくまで灯火個人の見解です。)



 『居た、春佳ちゃん?』

 『コッチには居ないわ!』

 『出入り口はココと、そっちは鍵が掛かって開かないのよ!何処にも行けないハズよ!』


 全くだ。それは彼女達にも言える事だけど。

 『貴女達!そこで何をしているのですか!』

 『え?』びっくり。

 『あ、ハイ!いえ、別に何も。』挙動が怪しい。

 『ちょっと、探しモノを!』何よ!警備員風情が!

 『先程から屋内を徘徊されてますが、他の利用者から苦情が出ています。「エレベーターや階段の周りに不審な人がいる」と、貴女方の事ではないでしょうか?』

 不味い!なるべく騒ぎは起こしたく無い!
 奥様に知れたら、印象が悪くなる!

 春佳ちゃんを見つけ、騙し…説得して家に連れ帰れば、他の「嫁候補」達に差をつけられる!

 社長夫人も夢じゃない!

 そう、「十末」の家は「メイドメーカー」として以外にも、大手服飾会社の筆頭株主でも有る。

 実は、春佳の父はこの服飾会社の「跡取り息子」だったのだが、若い頃、新しいメイド服のデザイン及び製作を「十末」の家から依頼され、
 服飾デザインを勉強していた父と自らモデルを申し出た母が出会い、恋に発展。
 いつしか母のお腹に長男が宿り、両家大騒ぎの末に父の「入婿」と言う形で収まるも、
 
 女の子が産まれたら「十末」を継ぎ、男の子が産まれたら父の実家を継がせる事が両家の取り決めと成った。

 今回、三男が結婚したがそもそもあの二人は以前から付き合っていたのだ!しかも「十末」や「服飾会社」にも興味が無い上に、

 『二人で小さなパン屋さんを始めるの。』とか言っている。

 ならば、唯一の女子の春佳に「十末」の家を任せて(押しつえて)大手服飾会社の社長夫人で悠々自適な生活を手に入れる!

 そんな不純な動機なのだ!







 『ひっぐ、ひっく。あ、あぁう!』驚いてその場に尻餅をつく春佳。やや過呼吸気味。


 『あの~、お姉さん?』

 『優斗くん、そのお姉さん、誰?』

 『司郎くん、ちょっと手伝って!お姉さん、腰抜かしちゃったみたい?』

 『待って、誰か来たみたいだ。』




 『居た、春佳ちゃん?』

 『コッチには居ないわ!』


 不味い、見つかる!連れ戻される‼︎


 『お、お願い、た、たす助けて!』

 『…お任せを、姫! ニャン–バロン!』

 『OK!優斗。 「キティー」ゲート開けて!』

 『YES、My brother。』



『出入り口はココと、そっちは鍵が掛かって開かないのよ!何処にも行けないハズよ!』

 『貴女達!そこで何をしているのですか!』

 『えー!』





さて、春佳ちゃんは何処に消えた?

 実は、羽柴ビル地下二階駐車場には、秘密の「専用」出入り口が存在する。
 
 たこ焼き屋のキッチンカーを駐車しているいつも同じ場所、時村さん名義で月極駐車している場所がその「専用」出入り口なのだ!

 春佳嬢は正にその場に居た為にゲートが開けられず、ニャン-バロンが優斗のスマホに「help ニャー」と助けを求めたのだ!

 人目を裂け、秘密ゲート前まで来た優斗くんだったが、何やらソワソワしているお姉さんがいるので声を掛けたら、相当驚いて腰を抜かしてしまった。

 『あ、あの~お姉さん!だ、大丈夫ですか?』流石の「お姉ちゃん慣れ」している優斗もここまで驚かしてしまうとは!
 
 「申し訳ない事をした!」

 『優斗くん、どうしたの?』
 
 待ち切れずに少しだけゲートを開き、外の様子を伺う「司郎」!

 ゲートの内側にいたニャン-バロンのavatarボディー、人間名は「時村 司郎」と登録した。この事を知っているのは「北代家」の人だけ。名付け親は優斗だったりする。

 しかも今日、この「avatarボディー」のお披露目だったのに!

 優斗は時々「時村邸」で「avatarボディー」の人間的動作のデータ補正のモニターとして「顔合わせ」しているので初見では無いが、それでも今日を楽しみにしていた。だから、浮かれて配慮に欠けてお姉さんを驚かせてしまった。
(いや、男子小学校高学年でそこまで気を使わなく無くない?)

 
 エレベーターホールから声が聞こえた!誰か上の階から階段で降りてくる!

 『今の声、春佳ちゃんじゃない⁉︎』
 ドタバタと足音が聞こえ、お姉さんの様子が変わった⁉︎

 『お、お願い、助けて!』
 やや、過呼吸気味で落ち着かせてあげたい、そう思ったら即行動が「北代男子」!

 『かしこまりました!姫!』

 『ええっ!』
 
 優斗はお姉さんを軽々と「お姫様抱っこ」して、お姉さんちょっと「ときめき」しちゃった!

 『司郎、ニャン-バロンで「時村邸」に向かってもらえる?この「お嬢さん」を助けたい!』

 『OK、優斗!さぁ、「僕」に乗って!』っと言うと、

 「あ?子猫の事どうしようかな?」なんて考えてるニャン-バロン。
 身体に流れる優しい心、人間味溢れる「すーぱーろぼっと」なのだ。血は通ってないが言葉は話すし。

 秘密通路で「時村邸」にトンボ帰りなのだ!






 ここは羽柴ビルの地下一階、警備室だ。挙動不審なお姉さん三人を連行し、小町が事情聴取している。無っ茶機嫌が悪い!

 『あの場で一体何をしていたのですか?正直にお答え下さい。』

 『何も悪いことしてないわ!』

 こんな感じの押し問答が続く中、警備室に「山王院 華」がやって来た。


 三人の内、一人が椅子から立ち上がって、

 『お、お嬢様!華お嬢様ではありませんか⁉︎ 何故この様な場所に!』
 

 『貴女?もしかして、「山王院」のメイド?』

 『あ、いえ、その、「メイド見習い」で一週間程お屋敷で学ばせて頂いた事が有ります。』

 『そうですか?』名前が思い出せない。
 一週間で見習い期間が終わったと言う事は、見込み無しと判断されたか?もしくはかなり優秀で次のステップに進んだかのどちらかだが、ここに居るのなら前者の様だ。

 『それで、何か有ったの?』

 まぁ、大体察しは着くが、敢えて本人たちから言わせて此方に迷惑をかけた自覚を促したい。


 『あ~ぁ、お嬢、そいつら「十末」の身内だ。見覚えのあるのも居る。』イヒヒっと笑う灯火、何か企んでる?

 電子レンジで温め直した「味噌ダレカツカレー」を食べ始める灯火はこの後、「十末 夏彦」に連絡した。
 
 それほど親しい訳では無いがお互いの近況は大体把握している。 
 
 実は「夏彦」と「悠夜」は割と気が合うらしく、時々会って飲んだり、バイクで遠乗りしたりするナカらしい。なので「悠夜」経由で「夏彦」の近況も分かるし、今回の事も予想が付く。

 そして、警備室の「灯火や七神  悠佳里」しか見れない防犯カメラのモニターで、「春佳が何処に消えたのか」も、イヒヒ。


 「優斗も「お姫様抱っこ」とか「王子感」アゲアゲだなぁ(笑)。」なんて不謹慎極まり無い事を考えていた「合法ロリ」の十六夜 灯火さんなのでした。





 『到着~!僕んちでーす!』

 『おや?帰ってきた?何だ、忘れ物かい?』
 
 出迎える「お父さん」こと「時村 翔太」、お嫁さん募集中。
(しつこい!)


 『こんにちは、博士!ちょっと場所借ります!』

 『おや優斗くん?良いけど、どうしたの?』一昨日も名前とか変形シフトコードとか決めに訪問してましたね。

 『ここは?』車内で落ち付き、いつの間か子猫を抱いている自分に何か起こったのか、??の春佳さん。不思議な少年たちに連れられ異次元空間ハイウェイ?を通り着いた場所は格納庫?秘密基地なのかな?

 『お姉さん、ひとまずココで休んでください。僕はビルの状況を確認しに戻ります。』

 すると、
 『優斗君、十六夜さんからメッセージです。』



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