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毒喰らわば更に追加〜悪巧みは華やかに!
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えっと、舞華舞華舞華舞華舞華舞華舞華舞華舞華舞華舞華、ふぅー。
お元気ですか?北代 舞華です。油断出来ません!
さて、某日です。
経口補水液や「お米のスポドリ 甘酒」、はたまたエナジードリンクなど用意したけど、
『私は最近ではコレがハマってまして!』
と、持参の「牛蒡茶」をごくごく飲んでは水分補給している「足立 恵理子さん」、「森猫」のご近所で「古着屋 わるぷるKiss」の店長さんだ。
ぐびぐび!
『はぁ~~。 ん!
よ、よくぞそんな大切な事をワタクシの様な民草に打ち明けて頂き、至極恐悦で有りまス!へへ~!』
『姉さん、言葉遣いが変なことになってるよ?でも、本当なんですね、本物の「ケモ耳っ子」ちゃん達なのですね!ふうな姐さん!』
『そうなんだニャ。』
マミマミ、久しぶりにふうなちゃんに会えて感激したけど、直ぐに別件にココロ奪われてしまった。
ちなみに今、
ふうなちゃんは猫の姿だニャン。
姉君の恵理子さんに至っては感激の涙でマメに水分補給が必要な位に号泣しているし。
ここは、関係者以外立ち入り禁止の時村邸の地下にある「地下ガレージ」内の居住スペース。
「ケモ耳っ子」こと「ビースター」達の一時的な合宿所の様な場所ナリ。
パトリシア嬢の提案で、懇意にしている商店に従業員としてこの子たちを雇ってもらえないか行動したよ!
それぞれの適性も有るけど、商店街の空き店舗にこの子たちでも出来そうなお仕事の「お店」をオープンさせようかとも考えている。
そして、ケモっ子たちが「ケモっ子のコスプレをしている店員さん」の「振り」で労働に励もうと、無謀で大胆な方向に話しが纏まってしまった。
一応、この子たちが「生物兵器」として生まれてきたのはナイショにしたのね。
(厳密には、兵器じゃないんだ。もっと酷い目的で作られたの。)
人に隠れて生きている、僕らは天然のケモヒューマンなのって事にして、「ふうな」と同じ様に何とか人間社会で生きていけないかと頑張っている彼らの手助けをしないかと足立姉妹に声をかけてみた、
って設定にしたのだけれども、
疑わずに信じてくれた!
幾つかの種族が集まっているので皆んな少しずつ形態が違うと説明もしたら、
『腕が成増!下赤塚!』
変なテンションだよ、わるぷる店長?昭和チック?
コスプレ衣装は貴女の腕任せだからね!
例えば「鶴亀神社」!
龍人系ケモヒューマンと巫女装束がBest much!
『あんずちゃん!どうかな?最近忙しくてバイト雇いたいって言ってたって、あけのんから聞いたよ!』
『子猫効果かな? でもね、舞華ちゃん、私は住み込みとは言ってないよ?』
『杏姉ちゃん、二人ともイイ子だよ!しかも朱野と同じくらいの歳だから「小学生巫女」でユニットデビューすれば更に参拝者が来るよ!』
どこぞのアキバ系神社では無いよ!ココは!
衣装協力 わるぷるKiss
そう!あくまでコスプレって事にして誤魔化す事にする為に誤魔化しやすい服装が出来る職場を斡旋する事にした結果、
足立姉妹の協力は欠かせないとパティが考えたのね!
あんずちゃんに預けたい子たちは龍の角がある「伽羅(キャラ)」と「神楽(カグラ)」、
本人達の希望で新しい名前をあげたの!考えたのはあんずちゃん!
ナンダカンダ言って面倒見が良いよね! 名前も神社っぽいし!
ちょい大人しい子たちだけど直ぐにあけのんと仲良くなったよ。
ちなみに、伽羅ちゃんはあけのんより少し背が高いのと、頭に角が2本、背中に少しだけ鱗が有るけど、服で見えないから大丈夫!
神楽ちゃんはナント尻尾が有って、手の甲や脇腹とかに薄ら鱗が有る、あと「お胸」が程良く有るので変な目で見られない様に気をつけてあげないと!
私は恵理子さんに、「エロ格好良いのは禁止!」を強く約束してもらったよ!
そしたらね、
『人の世界で健気に頑張ろうとしているドラ子たちに如何わしい服は着せないから安心して!』と豪語された。
『ソレなら次いくよ!』
ご存知「喫茶店 スピカ」!
たれ耳いぬ僕っ子と猫耳娘っ子の二人、ウェイター&ウェイトレスとして住み込みバイトをお願いしてら、即採用!
『二人の事は任せて!今日から我が家は六人家族ね!』
叔母様も「北代の家の出」らしい立ち振る舞いだ!
赤毛の猫耳少女は見た感じだと、中学生くらいで長毛種?ぽい。髪の毛も腰まで有るし、メイみたいなふさふさしっぽが有って、メイド服よりウェイトレスの制服が似合いそう!
髪はツインテにしちゃうモン!
いぬ僕っ子くんは優斗くらいの年齢に見える。
恵理子さんが半ズボンを強く推すも、毛深さが誤魔化せないので却下しますね!
髪型も清潔感を出しながら、あざとくならない様なウェイターの制服をアレンジしてもらう。
コチラも命名を希望するので、
赤毛の猫姉さんは「アキラ」、いぬ僕くんは「ヒカル」と命名したの、蒼介オジサマがね!
わるぷるのお店の横に細い路地があり、その奥に駄菓子屋さんがある「狛田商店」はお父さんたちが子供の頃から有る駄菓子屋で、店主のおばあちゃんが手伝ってくれる人を探していると聞き、オオカミ系お姉さんを派遣してきましたよ!
コチラも頭髪が長いのでポニテにして、動き易くジーパンを着用。ふさふさしっぽは「ファッション」と言う誤魔化し。
だかしかし、
『私の「名前」は「ミハル」です。「主任」が付けてくれたので変えたくない!』
そう言って涙目の「ミハル」さんを、
『おやおや、立派な形して泣き虫さんだね?この子は。よしよし、バァちゃんと一緒に駄菓子屋やってみような。』
何やら深い事情が有るのかな?
パッと見はワイルド系お姉さんなのに、中身は忠犬純情派?
ん、萌えしかないぞ!ミハルちゃん!
てな訳で!
わるぷる店長には、ケモっ子たちの衣装をお願いし……な、『何かな?恵理子さん?』
『あ~ん!舞華テンチョの、
い・け・ず~!ウチのお店にも「バイトのケモっ子」をプリーズ!』
…え!ダメだよ!
何か道を外しそうで…色々と性的な意味で…?
『舞華さま、マミマミさんがいる前で如何わしい事はなさらないと思いたいです。』
『フォローが微妙だよ~?メイドちゃん!』
仕方ない、服飾に興味あるって子たち三人を、「マミマミ」を信じてお預けする。
わるぷる店舗には夜間は誰も居ない、店長と副店長の二人だけで回しているお店だからね。
『上の階の空き部屋を使ってくれるなら家賃要らないから。』
と、副店長の「来間 洋海」さんがおっしゃってくれたの。
『コレは私が見張るから、安心していいよ、お向かいさん。正直、人手が欲しいって言ってたので、助かったわ。』
そう言って、恵理子さんの肩を掴んでカクカク揺さぶる。
『エビアン、やめれ~!』
『分かったら、愛おしいケモっ子の為に衣装を作るのだ!』
ん~、良いコンビみたいだ?
元は同じ会社の同期で同時に同じ理由で辞めて、古着屋「わるぷるKiss」を始めたって。
私と華ちゃんみたいな感じ?
でも無いか。
『後は私どもにお任せ下さいませんか、舞華さま。』
オヤ?岬さんと美咲さんがいるけど?
『山王院のメイド見習いとして暫く預ける事にしたよ。上手くいけば、その子たちで何かの店とか出来るかもな。』
と、お父さん談。
お話しはケモっ子ちゃんたちが来た日の夜に戻ります。
ちち、よろ。
灯火に知っている事を話させたのは、早苗さんが帰って、「ビースター」たちを寝かしつけた夜だった。
八畳の仏間に俺と嫁、ウチの双子と華、灯火と彼らと同じ「ビースター」の「イヅナ」でちょっと狭く感じるが、聞かせてもらった。
ちなみに、嫁さん以外はイヅナとは初顔合わせだ、舞華に至ってはそんざいも知らなかった。
『何だ、イヅナのあんちゃんも「戦略獣人」だったんだな、
何処の忍びかと探っても分かんね~訳だ!』二ヒヒと笑う灯火を軽く小突く嫁。
『灯火殿、「劣化版」とはどう言う意味で?』
心配して聞いたのか、ソレとも知らなかった事に不快感を感じたのか「複合種」のイヅナが問う。
そもそもイヅナは俺が協力していた「組織」で、
空太郎ジィさんが「在る組織」に捕まった際に、
パクったデータとサンプルから誕生させたケモっ子なのだよ。
だから、普通に女の子と恋すると将来的には、お父さんにもなれる様に「遺伝子」も整えてます。
でも、あの子達は?
『核や細菌兵器じゃ、幾ら制圧しても、
その後にその土地を利用するのに煩わしい時間を要するから、「ヒト」だけを駆逐し、
任務が終われば、
勝手に死ぬ短命な「兵器」として作られたのが
「戦略獣人」だって聞いたんだけど、間違いないかい 師匠?』
俯いて話す灯火を左右から抱き締める嫁と舞華。
静かに聞いている華。
『素手で戦車の砲塔を捻じ曲げる筋力が有るらしい、
普通の子供が戦闘開始でマウンテンゴリラ並の躯体に豹変するから、戦場で保護した子供に部隊を全滅させられたとか、
まさに「地獄の様だ」そうだ。……で、アレだ、「劣化版」てのは、既に「獣化因子」が表面に現れた状態で生まれてしまい、
体躯が豹変する事で発動する「凶暴化」が現れない為に「兵器」として使えないし、売れない個体の事だな、灯火?』
俺が一区切りしたところで、灯火が顔を上げて、
『ソレで終わりじゃないんだ、師匠。暴れない奴は「暗殺用」に使われるんだ、胎内に爆薬や毒薬を仕込まれてな!
…受け身だから変態相手に最適らしい?
反吐が止まらないだろ!
………子供が好きな(性的な意味で)政治家のベッドに放り込むんだそうだ。
また式典で花束を渡す役とかで、
どちらも要人に近づいた絶妙なタイミングで…胎内の薬品が化学反応を起こすんだ!
爆発したり、毒素を発生したりと「ターゲット」を道連れにして!
なぁ師匠、「美人局」から、あの子達助けたの、「Myu」の奴だろ?』
『父さん、俺将来、「正義の味方」になる! んで、「悪」を潰す! ん、「美人局」って何?』ずし~んと! あとググッとれ。
『最初のは「武器商人」の話しだからな。
俺は「悪のセールスマン」って呼んでたけど、取引先は「何処かの国」だ。
わかるか?買って使う奴がいるんだ。
後のは今の職場、各国の警察組織の話しだ。』
『…え?』
舞斗の思考が止まった。
退治するのは両方なんだよな?
『まぁ安心しろ、これはお前たちが産まれる前の話しだ、今はもう無い。
あの子たちは「生き残り」だよ。普通の人間より少しだけ運動能力が高いだけの。
だから悪い大人を大人しくするお手伝いをしていたのさ。』
『私、商店街の空き店舗に「ケモっ子カフェ」をオープンさせますー! アブナイ事させませ~ん!』
『落ち着け、華。そして鼻噛んで涙を拭け。』
『アレ、最近は「司法取引」でひどい仕事させられてないでしょう?どんな事してたの?』
『ん?ソレはだな、
子供大好きな(一般的意味で)悪い政治家(個人の見解です)に近付いて、
虜にし、情報を入手する「スパイ活動」とか、
大人が入れない場所に「潜入捜査」とかかな?
需要的に、主に前半が多いぞ。定評が有るのだ?』
それまでの重苦しい空気が消えた?
『『『えッ! エッチなのはイケナイと想います!』』』
純黒な気持ちが、急激に方向転換して真っピンクなお話しの始まりだ!
『それ先に言えよ、灯火姐さん!』
『何だ、舞斗? 「エッチな話し」が聞きたいのか? 一応、私も「女」だから、こんなに人がいる前で話すのは流石に恥ずかしい……てへ(≧∀≦)!』
わざとらしく、あざと可愛く舌を出してはにかむ!
『お父さん、知ってたよね?』
舞華と華の視線が死戦だ?
『久美も知っているぞ? その組織、壊滅の初撃は「カノン」の「牙炎斬」だし。』
『『お母さん⁉︎』』娘二人が絶叫する?
『ごめん、忘れてたわ。テヘペロ(≧∀≦)!!』
あ、思い出した。
『でも、最初に早苗さんが、「一部残った」人たちがいるって言ってたよな?』
『それ、多分なんだけど、と有る国で評判の悪い王族の一人が突然改心したのか、
過去の過ちを告白して、王位継承権を辞退するし、
私財を使って孤児院を作ったって話しが有るんだけど、
その王族の側にいるメイドが「ソレ」っぽいのだよ。
そんな話しが少なくない。』
『灯火、それ誰情報?』(父)
『本家の外交担当(暗部)から。』(灯)
『愛のチカラよね!きっと悪い王様は本当の愛に目覚めたのよ、きっと!…多分。』(華)
『たらし込まれたんだろ?骨抜きにされて?』(舞斗)
『峰不○子みたいに?最後に美味しいところで逃げられるのね!』(舞華)
『ルっパ~ンッ!』(母)
『そのくらいにな。コナン君と共闘した辺りでお腹いっぱいだよ?』
急な路線変更で皆おかしくなりだした、しかし
『騙すつもりが本気になったり、芝居が出来ないってリタイアしたのがあの子達か。…時々遭遇する「ふうな」の「お仲間」はまさかの「戦略獣人」かい?』
ん?…ソレだ!
『あいるーみたいな子は、「聖域」で預かってもらおう、猫神や狗神なら霊力で「問題点」を洗い流してくれそうだし?』
俺は某隠れ里の化け猫…猫神さまに丸投げを決めた。
『朝皆んな起きたらお話ししましょう。皆んなが幸せになれる場所を作る為に!』
娘が嫁さんに似てきた。きっと男運も無いのも似るぞ。
で、今日を迎えたんだけども?
駄菓子屋のおばあちゃん、元帝国遊撃隊の一人だとかで、娘時代は凄い美少女で薙刀の名手。
相棒は陰陽道の使い手で帝都を騒がす悪い「もののけ」を退治していたんだって?
幼馴染の商家の次男坊さんと結婚して、
現役を退いてからは、この場所で「小間物屋」とか「お菓子屋」とか商売を始めて、
現在は十六夜ちゃんもちょくちょく訪れる「駄菓子屋」さんを営んでいらっしゃるのね。
知らなかった!
『ほれ、あそこに写真があるぞ。』
イカゲソ齧りながら十六夜ちゃんがお店の壁に飾ってある古いポスターを指差す。
『それじゃあ無い、その隣りだ。袴姿のばっちゃと相棒のじっちゃんの若い頃の写真だ。』
『うあぁ、サ○ラ大戦みたい…って、陰陽道の使い手が次男坊さん?』
『ここ、朝霧杏樹のご親戚だよ。』
何の事か分からないミハルちゃんはお目々ぱちくり、不安そうだけど?
『ぶにゃ~ん、ぷにゃにゃ。』
『きゃっ! …と、はい、ミハルといいます。よろしくお願いします、「永飛丸」さま。』
『おや、ミハルちゃんは「トビ助」と話せるのかい?』
『え!本当、ミハルちゃん?凄いチートじゃない!猫カフェに欲しい逸材よ!』
『「ちぃと」って何ですか?私って、変ですか、だから主任とさよならしたのですか?』
『舞華、ストップ! ミハル、その事は「お父さん」が「主任さん」から頼まれたんだ。
「人の中でも暮らせる様に」ってな。だからミハルは世の中の事をココで覚えるんだ。いいかい?』
『「お父さん」? って、オジサマがミハルのお父さんなの?』
『臨時のな!嫌かい?』
『そんな事ナイです。』
『じゃあ、私「お姉ちゃん」だよね?ね?ね?』
『…アレはほっといていい。』
『ココもですか? パパん。』
『マイとエンがお待ちなのだよ。』
最後に来たのが、
「輸入雑貨店 プレシャス」
口の悪い叔父と優しい叔母様と可愛い従姉弟が暮らしてる所だ!
雑貨店自体は趣味みたいなモンらしい、本気の収入源は海外で買い付けた香辛料や家具や食器類。
店に並んでいる品物は現地の「蚤の市」などで買った「それっぽい物」。
叔父いわく、「夢を売っている」そうだ。
たまに、エスニックな民族衣装や、謎の置物なんかが売れるとか。
怪しい品揃えなのに、怪しく見えないのは店番してる悠里叔母様の存在がおっきい!
新名叔母様の大親友なの。
ご自分でアクセサリーとかも作って販売してる。
お店より、「ネット販売」が売れてるみたい。
『悠ちゃん、久しぶり。元気?』
お父さんがカクカクしてる。
壊れ物を扱う様に気を使っているみたい?
『兄さま、もう子供じゃ有りませんから、心配しないで普通にして下さいね。』
悠里叔母様、子供の頃はお体が弱くて、貧血とか起こすとお父さんがおんぶしてお家まで送ったんだって。
『オッチャン!おともだちは?どこどこ?』
興奮冷めない幼児、従姉弟のエン君。私の事はノールックかな?
『お前が「エン」だな?オイラは「ジン」だ!ヨロシクな! で、隣りが姉チャンの「ナミ」ネェちゃんだ!』
ジン君は「お猿のビースター」らしい。ウッキー!
ナミさんも同じらしいけど、なんか「神秘的」な?
『ふぅ~、ひと段落だな。なんかふうなへのカンパ金を返して回った時を思い出したぞ。』
『それね、商店街をお騒がせした奴だね。』
商店街振興組合会の会長さんやシモのおじさんが大騒ぎした件ね?
うん、そんな事言うから…?
あれ、あれは?
『お!いた、いたよ!舞華ちゃんと「古本屋」さん!』
『よう!キタの字、うちも参加するぞ!』
やべ?何か嫌な予感しかしね~よ!
『あの、オジサマ、何か有りましたか?』
『水臭いよ!舞華店長さん、私どもも「コスプレ人気大会」に出ますよ!』
『『ん?何の事?』』
『ごめん、私の所為かも? あのオッさん達勘違いしたんだわ、きっと!』
わるぷるの店長の恵理子さんが、素で謝ってきた。
『水が臭いって、配管詰まりか?』
『お父さん、そんなボケはいいから! 恵理子さん、どう言う事かな?森猫主催のコスプレ大会って?』
『あれ?「森の猫さま」の猫たちを擬人化したコスプレ撮影会をするからって、衣装と撮影の協力依頼がウチに来てるけど?…知らないの?』
あ~!有ったね、そんな話し。確かマミちゃんが細々と進行していたみたいだけど、
『まさか、会長たちは商店街でもヤるつもりなのか?』
近年、渋谷のハロウィン騒ぎで「コスプレ」が割と一般に認知されてきた。
単なる仮装行列ではなく、「暴徒」集団に成り得る可能性も有るけど。
『お父さん、どうしよ?』
『いや、それこそ「ピンチをチャンスに変える方法」なんじゃないか?』
何故か、鶴亀駅前商店街で
「森の猫さま主催」の
「第一回 猫耳っ子コスプレコンテスト(仮)他の動物も可」の準備が進められたの?
まだ正式な発表じゃないけど、商店街の主だった人たちには「やる」方向で話しが進んでるみたい。
『コレにケモっ子たちを出して、その後の「ケモっ子要素」をコスプレの所為と有耶無耶にするのだ!』
だ! って、オイ!
そう上手く行くかな?
でも、会長さんたちは何か何でもやる気なのね。
ケーブルTV鶴亀も巻き込んでる様で、以前の騒動でお互いにWIN-WINらしい?
『意外とイケるかもよ?
副店長の「山王院 華」さん、人出を貸して下さるかしら?』
『来間さん、私の事をご存じなんですね。よろしいですわ、「愛おしいケモっ子ちゃん達」の為に!』
『『ケモっ子の為に!』』
うわぁ~?
両方の副店長がやる気だ?
混ぜたよ、危険な二人を!
『それにな、「お店の看板猫」とかいる店が有るし、世が世だからお祭り騒ぎがしたいんだろ? 色々対策は必要だけども。』
猫カフェだけのイベントが商店街を巻き込む形に、いや巻き込まれにアチラから来たんだけど?
「コスプレ衣装の制作承ります」の張り紙が、わるぷるの店頭に貼り出された時には、
『舞華さん、勝負よ!』
って、誰?
『舞華先輩、舞華先輩。アレ、被服研の問題児ですよ?』
マミマミと昼食中、何か面白いのが凸撃してきた?
『彼女、姉たちが働いていた、おっきな洋服屋さんのご令嬢みたいっスよ。』
お元気ですか?北代 舞華です。油断出来ません!
さて、某日です。
経口補水液や「お米のスポドリ 甘酒」、はたまたエナジードリンクなど用意したけど、
『私は最近ではコレがハマってまして!』
と、持参の「牛蒡茶」をごくごく飲んでは水分補給している「足立 恵理子さん」、「森猫」のご近所で「古着屋 わるぷるKiss」の店長さんだ。
ぐびぐび!
『はぁ~~。 ん!
よ、よくぞそんな大切な事をワタクシの様な民草に打ち明けて頂き、至極恐悦で有りまス!へへ~!』
『姉さん、言葉遣いが変なことになってるよ?でも、本当なんですね、本物の「ケモ耳っ子」ちゃん達なのですね!ふうな姐さん!』
『そうなんだニャ。』
マミマミ、久しぶりにふうなちゃんに会えて感激したけど、直ぐに別件にココロ奪われてしまった。
ちなみに今、
ふうなちゃんは猫の姿だニャン。
姉君の恵理子さんに至っては感激の涙でマメに水分補給が必要な位に号泣しているし。
ここは、関係者以外立ち入り禁止の時村邸の地下にある「地下ガレージ」内の居住スペース。
「ケモ耳っ子」こと「ビースター」達の一時的な合宿所の様な場所ナリ。
パトリシア嬢の提案で、懇意にしている商店に従業員としてこの子たちを雇ってもらえないか行動したよ!
それぞれの適性も有るけど、商店街の空き店舗にこの子たちでも出来そうなお仕事の「お店」をオープンさせようかとも考えている。
そして、ケモっ子たちが「ケモっ子のコスプレをしている店員さん」の「振り」で労働に励もうと、無謀で大胆な方向に話しが纏まってしまった。
一応、この子たちが「生物兵器」として生まれてきたのはナイショにしたのね。
(厳密には、兵器じゃないんだ。もっと酷い目的で作られたの。)
人に隠れて生きている、僕らは天然のケモヒューマンなのって事にして、「ふうな」と同じ様に何とか人間社会で生きていけないかと頑張っている彼らの手助けをしないかと足立姉妹に声をかけてみた、
って設定にしたのだけれども、
疑わずに信じてくれた!
幾つかの種族が集まっているので皆んな少しずつ形態が違うと説明もしたら、
『腕が成増!下赤塚!』
変なテンションだよ、わるぷる店長?昭和チック?
コスプレ衣装は貴女の腕任せだからね!
例えば「鶴亀神社」!
龍人系ケモヒューマンと巫女装束がBest much!
『あんずちゃん!どうかな?最近忙しくてバイト雇いたいって言ってたって、あけのんから聞いたよ!』
『子猫効果かな? でもね、舞華ちゃん、私は住み込みとは言ってないよ?』
『杏姉ちゃん、二人ともイイ子だよ!しかも朱野と同じくらいの歳だから「小学生巫女」でユニットデビューすれば更に参拝者が来るよ!』
どこぞのアキバ系神社では無いよ!ココは!
衣装協力 わるぷるKiss
そう!あくまでコスプレって事にして誤魔化す事にする為に誤魔化しやすい服装が出来る職場を斡旋する事にした結果、
足立姉妹の協力は欠かせないとパティが考えたのね!
あんずちゃんに預けたい子たちは龍の角がある「伽羅(キャラ)」と「神楽(カグラ)」、
本人達の希望で新しい名前をあげたの!考えたのはあんずちゃん!
ナンダカンダ言って面倒見が良いよね! 名前も神社っぽいし!
ちょい大人しい子たちだけど直ぐにあけのんと仲良くなったよ。
ちなみに、伽羅ちゃんはあけのんより少し背が高いのと、頭に角が2本、背中に少しだけ鱗が有るけど、服で見えないから大丈夫!
神楽ちゃんはナント尻尾が有って、手の甲や脇腹とかに薄ら鱗が有る、あと「お胸」が程良く有るので変な目で見られない様に気をつけてあげないと!
私は恵理子さんに、「エロ格好良いのは禁止!」を強く約束してもらったよ!
そしたらね、
『人の世界で健気に頑張ろうとしているドラ子たちに如何わしい服は着せないから安心して!』と豪語された。
『ソレなら次いくよ!』
ご存知「喫茶店 スピカ」!
たれ耳いぬ僕っ子と猫耳娘っ子の二人、ウェイター&ウェイトレスとして住み込みバイトをお願いしてら、即採用!
『二人の事は任せて!今日から我が家は六人家族ね!』
叔母様も「北代の家の出」らしい立ち振る舞いだ!
赤毛の猫耳少女は見た感じだと、中学生くらいで長毛種?ぽい。髪の毛も腰まで有るし、メイみたいなふさふさしっぽが有って、メイド服よりウェイトレスの制服が似合いそう!
髪はツインテにしちゃうモン!
いぬ僕っ子くんは優斗くらいの年齢に見える。
恵理子さんが半ズボンを強く推すも、毛深さが誤魔化せないので却下しますね!
髪型も清潔感を出しながら、あざとくならない様なウェイターの制服をアレンジしてもらう。
コチラも命名を希望するので、
赤毛の猫姉さんは「アキラ」、いぬ僕くんは「ヒカル」と命名したの、蒼介オジサマがね!
わるぷるのお店の横に細い路地があり、その奥に駄菓子屋さんがある「狛田商店」はお父さんたちが子供の頃から有る駄菓子屋で、店主のおばあちゃんが手伝ってくれる人を探していると聞き、オオカミ系お姉さんを派遣してきましたよ!
コチラも頭髪が長いのでポニテにして、動き易くジーパンを着用。ふさふさしっぽは「ファッション」と言う誤魔化し。
だかしかし、
『私の「名前」は「ミハル」です。「主任」が付けてくれたので変えたくない!』
そう言って涙目の「ミハル」さんを、
『おやおや、立派な形して泣き虫さんだね?この子は。よしよし、バァちゃんと一緒に駄菓子屋やってみような。』
何やら深い事情が有るのかな?
パッと見はワイルド系お姉さんなのに、中身は忠犬純情派?
ん、萌えしかないぞ!ミハルちゃん!
てな訳で!
わるぷる店長には、ケモっ子たちの衣装をお願いし……な、『何かな?恵理子さん?』
『あ~ん!舞華テンチョの、
い・け・ず~!ウチのお店にも「バイトのケモっ子」をプリーズ!』
…え!ダメだよ!
何か道を外しそうで…色々と性的な意味で…?
『舞華さま、マミマミさんがいる前で如何わしい事はなさらないと思いたいです。』
『フォローが微妙だよ~?メイドちゃん!』
仕方ない、服飾に興味あるって子たち三人を、「マミマミ」を信じてお預けする。
わるぷる店舗には夜間は誰も居ない、店長と副店長の二人だけで回しているお店だからね。
『上の階の空き部屋を使ってくれるなら家賃要らないから。』
と、副店長の「来間 洋海」さんがおっしゃってくれたの。
『コレは私が見張るから、安心していいよ、お向かいさん。正直、人手が欲しいって言ってたので、助かったわ。』
そう言って、恵理子さんの肩を掴んでカクカク揺さぶる。
『エビアン、やめれ~!』
『分かったら、愛おしいケモっ子の為に衣装を作るのだ!』
ん~、良いコンビみたいだ?
元は同じ会社の同期で同時に同じ理由で辞めて、古着屋「わるぷるKiss」を始めたって。
私と華ちゃんみたいな感じ?
でも無いか。
『後は私どもにお任せ下さいませんか、舞華さま。』
オヤ?岬さんと美咲さんがいるけど?
『山王院のメイド見習いとして暫く預ける事にしたよ。上手くいけば、その子たちで何かの店とか出来るかもな。』
と、お父さん談。
お話しはケモっ子ちゃんたちが来た日の夜に戻ります。
ちち、よろ。
灯火に知っている事を話させたのは、早苗さんが帰って、「ビースター」たちを寝かしつけた夜だった。
八畳の仏間に俺と嫁、ウチの双子と華、灯火と彼らと同じ「ビースター」の「イヅナ」でちょっと狭く感じるが、聞かせてもらった。
ちなみに、嫁さん以外はイヅナとは初顔合わせだ、舞華に至ってはそんざいも知らなかった。
『何だ、イヅナのあんちゃんも「戦略獣人」だったんだな、
何処の忍びかと探っても分かんね~訳だ!』二ヒヒと笑う灯火を軽く小突く嫁。
『灯火殿、「劣化版」とはどう言う意味で?』
心配して聞いたのか、ソレとも知らなかった事に不快感を感じたのか「複合種」のイヅナが問う。
そもそもイヅナは俺が協力していた「組織」で、
空太郎ジィさんが「在る組織」に捕まった際に、
パクったデータとサンプルから誕生させたケモっ子なのだよ。
だから、普通に女の子と恋すると将来的には、お父さんにもなれる様に「遺伝子」も整えてます。
でも、あの子達は?
『核や細菌兵器じゃ、幾ら制圧しても、
その後にその土地を利用するのに煩わしい時間を要するから、「ヒト」だけを駆逐し、
任務が終われば、
勝手に死ぬ短命な「兵器」として作られたのが
「戦略獣人」だって聞いたんだけど、間違いないかい 師匠?』
俯いて話す灯火を左右から抱き締める嫁と舞華。
静かに聞いている華。
『素手で戦車の砲塔を捻じ曲げる筋力が有るらしい、
普通の子供が戦闘開始でマウンテンゴリラ並の躯体に豹変するから、戦場で保護した子供に部隊を全滅させられたとか、
まさに「地獄の様だ」そうだ。……で、アレだ、「劣化版」てのは、既に「獣化因子」が表面に現れた状態で生まれてしまい、
体躯が豹変する事で発動する「凶暴化」が現れない為に「兵器」として使えないし、売れない個体の事だな、灯火?』
俺が一区切りしたところで、灯火が顔を上げて、
『ソレで終わりじゃないんだ、師匠。暴れない奴は「暗殺用」に使われるんだ、胎内に爆薬や毒薬を仕込まれてな!
…受け身だから変態相手に最適らしい?
反吐が止まらないだろ!
………子供が好きな(性的な意味で)政治家のベッドに放り込むんだそうだ。
また式典で花束を渡す役とかで、
どちらも要人に近づいた絶妙なタイミングで…胎内の薬品が化学反応を起こすんだ!
爆発したり、毒素を発生したりと「ターゲット」を道連れにして!
なぁ師匠、「美人局」から、あの子達助けたの、「Myu」の奴だろ?』
『父さん、俺将来、「正義の味方」になる! んで、「悪」を潰す! ん、「美人局」って何?』ずし~んと! あとググッとれ。
『最初のは「武器商人」の話しだからな。
俺は「悪のセールスマン」って呼んでたけど、取引先は「何処かの国」だ。
わかるか?買って使う奴がいるんだ。
後のは今の職場、各国の警察組織の話しだ。』
『…え?』
舞斗の思考が止まった。
退治するのは両方なんだよな?
『まぁ安心しろ、これはお前たちが産まれる前の話しだ、今はもう無い。
あの子たちは「生き残り」だよ。普通の人間より少しだけ運動能力が高いだけの。
だから悪い大人を大人しくするお手伝いをしていたのさ。』
『私、商店街の空き店舗に「ケモっ子カフェ」をオープンさせますー! アブナイ事させませ~ん!』
『落ち着け、華。そして鼻噛んで涙を拭け。』
『アレ、最近は「司法取引」でひどい仕事させられてないでしょう?どんな事してたの?』
『ん?ソレはだな、
子供大好きな(一般的意味で)悪い政治家(個人の見解です)に近付いて、
虜にし、情報を入手する「スパイ活動」とか、
大人が入れない場所に「潜入捜査」とかかな?
需要的に、主に前半が多いぞ。定評が有るのだ?』
それまでの重苦しい空気が消えた?
『『『えッ! エッチなのはイケナイと想います!』』』
純黒な気持ちが、急激に方向転換して真っピンクなお話しの始まりだ!
『それ先に言えよ、灯火姐さん!』
『何だ、舞斗? 「エッチな話し」が聞きたいのか? 一応、私も「女」だから、こんなに人がいる前で話すのは流石に恥ずかしい……てへ(≧∀≦)!』
わざとらしく、あざと可愛く舌を出してはにかむ!
『お父さん、知ってたよね?』
舞華と華の視線が死戦だ?
『久美も知っているぞ? その組織、壊滅の初撃は「カノン」の「牙炎斬」だし。』
『『お母さん⁉︎』』娘二人が絶叫する?
『ごめん、忘れてたわ。テヘペロ(≧∀≦)!!』
あ、思い出した。
『でも、最初に早苗さんが、「一部残った」人たちがいるって言ってたよな?』
『それ、多分なんだけど、と有る国で評判の悪い王族の一人が突然改心したのか、
過去の過ちを告白して、王位継承権を辞退するし、
私財を使って孤児院を作ったって話しが有るんだけど、
その王族の側にいるメイドが「ソレ」っぽいのだよ。
そんな話しが少なくない。』
『灯火、それ誰情報?』(父)
『本家の外交担当(暗部)から。』(灯)
『愛のチカラよね!きっと悪い王様は本当の愛に目覚めたのよ、きっと!…多分。』(華)
『たらし込まれたんだろ?骨抜きにされて?』(舞斗)
『峰不○子みたいに?最後に美味しいところで逃げられるのね!』(舞華)
『ルっパ~ンッ!』(母)
『そのくらいにな。コナン君と共闘した辺りでお腹いっぱいだよ?』
急な路線変更で皆おかしくなりだした、しかし
『騙すつもりが本気になったり、芝居が出来ないってリタイアしたのがあの子達か。…時々遭遇する「ふうな」の「お仲間」はまさかの「戦略獣人」かい?』
ん?…ソレだ!
『あいるーみたいな子は、「聖域」で預かってもらおう、猫神や狗神なら霊力で「問題点」を洗い流してくれそうだし?』
俺は某隠れ里の化け猫…猫神さまに丸投げを決めた。
『朝皆んな起きたらお話ししましょう。皆んなが幸せになれる場所を作る為に!』
娘が嫁さんに似てきた。きっと男運も無いのも似るぞ。
で、今日を迎えたんだけども?
駄菓子屋のおばあちゃん、元帝国遊撃隊の一人だとかで、娘時代は凄い美少女で薙刀の名手。
相棒は陰陽道の使い手で帝都を騒がす悪い「もののけ」を退治していたんだって?
幼馴染の商家の次男坊さんと結婚して、
現役を退いてからは、この場所で「小間物屋」とか「お菓子屋」とか商売を始めて、
現在は十六夜ちゃんもちょくちょく訪れる「駄菓子屋」さんを営んでいらっしゃるのね。
知らなかった!
『ほれ、あそこに写真があるぞ。』
イカゲソ齧りながら十六夜ちゃんがお店の壁に飾ってある古いポスターを指差す。
『それじゃあ無い、その隣りだ。袴姿のばっちゃと相棒のじっちゃんの若い頃の写真だ。』
『うあぁ、サ○ラ大戦みたい…って、陰陽道の使い手が次男坊さん?』
『ここ、朝霧杏樹のご親戚だよ。』
何の事か分からないミハルちゃんはお目々ぱちくり、不安そうだけど?
『ぶにゃ~ん、ぷにゃにゃ。』
『きゃっ! …と、はい、ミハルといいます。よろしくお願いします、「永飛丸」さま。』
『おや、ミハルちゃんは「トビ助」と話せるのかい?』
『え!本当、ミハルちゃん?凄いチートじゃない!猫カフェに欲しい逸材よ!』
『「ちぃと」って何ですか?私って、変ですか、だから主任とさよならしたのですか?』
『舞華、ストップ! ミハル、その事は「お父さん」が「主任さん」から頼まれたんだ。
「人の中でも暮らせる様に」ってな。だからミハルは世の中の事をココで覚えるんだ。いいかい?』
『「お父さん」? って、オジサマがミハルのお父さんなの?』
『臨時のな!嫌かい?』
『そんな事ナイです。』
『じゃあ、私「お姉ちゃん」だよね?ね?ね?』
『…アレはほっといていい。』
『ココもですか? パパん。』
『マイとエンがお待ちなのだよ。』
最後に来たのが、
「輸入雑貨店 プレシャス」
口の悪い叔父と優しい叔母様と可愛い従姉弟が暮らしてる所だ!
雑貨店自体は趣味みたいなモンらしい、本気の収入源は海外で買い付けた香辛料や家具や食器類。
店に並んでいる品物は現地の「蚤の市」などで買った「それっぽい物」。
叔父いわく、「夢を売っている」そうだ。
たまに、エスニックな民族衣装や、謎の置物なんかが売れるとか。
怪しい品揃えなのに、怪しく見えないのは店番してる悠里叔母様の存在がおっきい!
新名叔母様の大親友なの。
ご自分でアクセサリーとかも作って販売してる。
お店より、「ネット販売」が売れてるみたい。
『悠ちゃん、久しぶり。元気?』
お父さんがカクカクしてる。
壊れ物を扱う様に気を使っているみたい?
『兄さま、もう子供じゃ有りませんから、心配しないで普通にして下さいね。』
悠里叔母様、子供の頃はお体が弱くて、貧血とか起こすとお父さんがおんぶしてお家まで送ったんだって。
『オッチャン!おともだちは?どこどこ?』
興奮冷めない幼児、従姉弟のエン君。私の事はノールックかな?
『お前が「エン」だな?オイラは「ジン」だ!ヨロシクな! で、隣りが姉チャンの「ナミ」ネェちゃんだ!』
ジン君は「お猿のビースター」らしい。ウッキー!
ナミさんも同じらしいけど、なんか「神秘的」な?
『ふぅ~、ひと段落だな。なんかふうなへのカンパ金を返して回った時を思い出したぞ。』
『それね、商店街をお騒がせした奴だね。』
商店街振興組合会の会長さんやシモのおじさんが大騒ぎした件ね?
うん、そんな事言うから…?
あれ、あれは?
『お!いた、いたよ!舞華ちゃんと「古本屋」さん!』
『よう!キタの字、うちも参加するぞ!』
やべ?何か嫌な予感しかしね~よ!
『あの、オジサマ、何か有りましたか?』
『水臭いよ!舞華店長さん、私どもも「コスプレ人気大会」に出ますよ!』
『『ん?何の事?』』
『ごめん、私の所為かも? あのオッさん達勘違いしたんだわ、きっと!』
わるぷるの店長の恵理子さんが、素で謝ってきた。
『水が臭いって、配管詰まりか?』
『お父さん、そんなボケはいいから! 恵理子さん、どう言う事かな?森猫主催のコスプレ大会って?』
『あれ?「森の猫さま」の猫たちを擬人化したコスプレ撮影会をするからって、衣装と撮影の協力依頼がウチに来てるけど?…知らないの?』
あ~!有ったね、そんな話し。確かマミちゃんが細々と進行していたみたいだけど、
『まさか、会長たちは商店街でもヤるつもりなのか?』
近年、渋谷のハロウィン騒ぎで「コスプレ」が割と一般に認知されてきた。
単なる仮装行列ではなく、「暴徒」集団に成り得る可能性も有るけど。
『お父さん、どうしよ?』
『いや、それこそ「ピンチをチャンスに変える方法」なんじゃないか?』
何故か、鶴亀駅前商店街で
「森の猫さま主催」の
「第一回 猫耳っ子コスプレコンテスト(仮)他の動物も可」の準備が進められたの?
まだ正式な発表じゃないけど、商店街の主だった人たちには「やる」方向で話しが進んでるみたい。
『コレにケモっ子たちを出して、その後の「ケモっ子要素」をコスプレの所為と有耶無耶にするのだ!』
だ! って、オイ!
そう上手く行くかな?
でも、会長さんたちは何か何でもやる気なのね。
ケーブルTV鶴亀も巻き込んでる様で、以前の騒動でお互いにWIN-WINらしい?
『意外とイケるかもよ?
副店長の「山王院 華」さん、人出を貸して下さるかしら?』
『来間さん、私の事をご存じなんですね。よろしいですわ、「愛おしいケモっ子ちゃん達」の為に!』
『『ケモっ子の為に!』』
うわぁ~?
両方の副店長がやる気だ?
混ぜたよ、危険な二人を!
『それにな、「お店の看板猫」とかいる店が有るし、世が世だからお祭り騒ぎがしたいんだろ? 色々対策は必要だけども。』
猫カフェだけのイベントが商店街を巻き込む形に、いや巻き込まれにアチラから来たんだけど?
「コスプレ衣装の制作承ります」の張り紙が、わるぷるの店頭に貼り出された時には、
『舞華さん、勝負よ!』
って、誰?
『舞華先輩、舞華先輩。アレ、被服研の問題児ですよ?』
マミマミと昼食中、何か面白いのが凸撃してきた?
『彼女、姉たちが働いていた、おっきな洋服屋さんのご令嬢みたいっスよ。』
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