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トラブルは続くよ、…でも嫌いじゃない?

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 …野点の席でサクラさんが、イオ王子にいい感じに謝罪して、お見合いの件も、

 「お友達として、お付き合い下さい。」

 みたいな感じで【お茶を濁す】とか言っていたけど、大丈夫かな?

 「…さっき、すれ違ったのは…もしかして?」

 「どうかしたの、お兄ちゃん?」

 「ん、いや、なんでもない。」

 暁人たちと入れ替わる様に皆んなの所に行く姿の中年男性を見た様な気がした?

 でもまさかなぁ?

 いくら町長でも、流石にサクラさんの見合いをす様なことはしないだろ?

 だって、普段からこの田舎町には似合いそうも無いスーツを着て、無闇に街中を見回っている様な人だ?

 こんな町中がお祭り騒ぎの時こそ、駅前やショッピングモール辺りでなんか無意味に威張っていそうだ?

 そう暁人は思っていたので、竹林を抜けた際に、すれ違った人物が町長だとは思いたくなかったのだ?

 こんな楽しい時にあんなムカつくヤローの事なんて思い出したくも無いからだ。



 しかしながら、そうはならないのが【物語り】なのだろう?






 「き、君は私が誰だか分かっておるのか⁈

 この町の町長で、ココにいる日野の中学時代からのなんだぞ!

 失礼な態度を取るならこちらにも考え…」

 なんて言い出した五田島町長に、その親友された当人が…
 

 「おいゴダジマ!

 オレのに何か失礼な真似をしてみろ、お前の高校時代の恥ずかしい話しをバラすぞ、この場で!」

 続けてサクラ嬢まで…

 「…五田島さん、我孫子道さんは私にとって【第二の父】と言ってもいい方です!

 あまり失礼な態度を取る様なら、黙ってませんよ!」

 町長の態度に怒りを隠せない二人、語尾にチカラがこもっている。

 「お、おいおい、サクラまで穏やかじゃ無いな、何をそんなに怒ってるんだ?」

 状況が理解できない町長?

 そこに畳み掛ける様にサクラは続けて、

 「我孫子道さんは日野さんが居ない間、ずっと暁人クンを護ってくれた一人です!

 心ない誹謗中傷やの様な人から!


 言っておきますが(今まで何度も)、この我孫子道さんはが運営している【異世界ハローワーク】の職員で、でもあるんですよ、失礼な事をすれば次の任期でアナタが町長を続けられるか分かりませんよ?」


 「……えっ?

 この男が?

 ちょいちょいオレの邪魔をしていたが?」


 「…おかしいですね、ワタクシ我孫子道何度も【政府公認】の下、活動しているとご説明していたなんですが?」


 これまで何度か日野氏の留守中に、暁人に対して心配しているかの様に日野家の自宅や敷地を売却を勧めていたのだ?

 

 勿論、未成年者の暁人には家の売却なんて決める事は出来ないから、東京にいる伯父や叔母に話しが行っていた。

 「…兎に角今日は帰ってくれ!」

 「な、なんだね⁈

 折角来てやったのに、その扱いはないだろう⁈」


 「…大方、今日ココにいる【来訪者】の方々と懇意になれると思って来たんだろ?

 …ったく、この穀潰し町長がっ!」


 …そこに意外な人物が現れた?

 いや、別にと言うか、に住んでいるのだから普通の事なんだが…

 「…浦島のジィさんじゃないか?

 な、なんだ、関係ないモンは出しゃばるな!」

 「バカモン!

 この場所竹林はワシの土地だ、サクラさんや嬢ちゃんたちには自由に使って良いと言ってあるのだ!

 無論、今日の茶の席にも招待されてるぞ!

 …まぁ、お見合いの場の前にじゃったがな。」


 「見合い?

 誰が?」



 ………五田島町長の言葉にその場に居た皆んなが呆れた?

 知ってたんじゃないのか?


 「サクラさんとコチラにいらっしゃる来訪者の若者たちですよ…、本当に知らなかったのですが、五田島さん?」

 脱力した様に我孫子道が問うと、


 「…いや、日野の家でホームパーティーをやると聞いたので、おそらく知り合いの【来訪者】が来るだろうと…

 だから【来訪者】目当ての観光客が多く集まりそうなイベントとして、挙げての【収穫祭】って事にしたんだ…

 ま、まさかサクラちゃんが【来訪者】と見合いするなんて思ってなくてだな、じゃ、邪魔してやろうとか思ってないぞ、決して!」


 「…ったく、昔からやる事がなんじゃよお前は!

 …それでよく町長なんぞ出来たモンだ、これがだと思うと恥ずかしいわい‼︎

 サクラちゃん、てっちゃん、本当にスマンな、コイツの親父義弟にはキツく言っておくからな。」

 五田島町長の父はこの場所がまだ村だった頃の村長さんなのだ。

 そもそもこの町は過疎化で住民が少なくなった五つの村が合併して出来たまだ歴史若い町だ。

 その若い町の為、人望厚く初代町長になったのが五田島町長の父、そして浦島のジィさんのなのだとか?

 「や、やめてくれ、もうガキじゃないんだから⁈

 わ、分かった、帰る!

 帰ればいいんだろ?」







 「…すまんなぁ、てっちゃん。

 あんなんでも甥なんだ、ほら昔から言うじゃろ、「馬鹿な子ほど可愛い」とか?

 まぁ実際には可愛くもなんとも思わないんだな、どちらかと言えば、サクラちゃんや暁人坊の方が百倍一千倍可愛いのじゃよ。」

 「浦島さん、ゼロには何をかけてもゼロですよ?」

 「…そうなのかい、アビコさん?

 まぁ難しい事はいい……


 ところで、【サクラちゃんのお見合い】は上手くいったのかい、あのバカの所為で台無しになったとか…」


 サクラさんファンの【浦ジィ】こと浦島老人は気まずそうにサクラ嬢の顔色を伺う?


 「…あ~、それなんですけど、


 別に、私【お嫁さん】に行くのは当分先になると思いますので、初めからこのお話しはお断りするつもりでして…


 ただ先方の顔も立てないといけなかったし…」
 

 「……断られるのか、オレは?」


 の事に口を挟んではいけないと、しばらく様子を見ていた、サクラさんの言葉にただただ落ち込み出した…。


 いや、落ち込んでいるのはイオ一人だけで、

 「…オヤオヤ、可哀想なイオ!

 ボクは推しとになれただけで、今日ココに来た事に大満足さっ!」


 「…ジーク、お前なぁ~⁈」


 「ジーク、フランチェシュカさんはあくまでブイチューバーのモデルで別人だからな、失礼な事はするなよ。」

 「わ、分かってるよアマネ⁈

 なんだよ、人が折角いい気持ちで居たのに?」


 …全くこんな腑抜けた兄をソニア嬢に見られなくて良かった。

 先程子供達と一緒にソニア嬢を連れ出してくれた日野家のご長男に感謝だ、

 そう考えているアマネだったが、問題はにサクラ嬢にが有ったイオだ、しかも弟くんから割とキツい事も言われていた様だし…(笑)



 …はぁ、仕方ないな?


 「…サクラさん、この度はバカイオ王子がご迷惑をかけて申し訳ありませんでした、私やジークもこのイオ王子バカと張り合う様にアナタにを申し込む様な真似をしてしまった事、深くお詫びします。」


 そう言ってアマネはその場で頭を下げた。



 「…お、おいアマネ、お前が他人に頭を下げるなんて⁈」

 驚くジーク、そして


 「…アマネ、余計な事はするな、彼女に頭を下げるのは俺の役目だ!

 サクラさん、それはそれとして、【お友達】からでも構わんので、【お付き合い】してもらえないだろうか!」


 「えぇ~、困りますよ!」

 …おいおい、潔いのか悪いのかわからんぞ?

 酔っ払ってんのか?

 「ハハハ、なんだね、まとまりが付かないな?」

 面白がってる「てっちゃん」こと日野氏?


 野点はこうして有耶無耶のウチに終わりとなった…が?




 その数日後、日野家にはまた新たなゴタゴタが舞い込むのだった。
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