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帰って来た父、やって来た母子。
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「サクラさん、おはよう!」
「おはようございます、アキト君。
いま、朝食が出来ますので、ちょっとだけお待ちくださいな。」
清々しい朝が来た。
いつもの朝の会話だ。
この五年間、ほぼ毎日続いている。
サクラさんは住み込みの家政婦サンだ。
涼しげな眼差しに細い肩、腰まで伸ばした黒髪を一本に束ね、白いエプロンがよく似合う清楚系美人さんだ。
元々は通いだった…のだが、
サクラさんが住んでいたマンションが【耐震偽装】が発覚!
危険だと言う事で取り壊しが決まり、住む場所に困っていたので、住み込みでウチに居てもらう事にした。
ソレからは姉の様に、俺の面倒を見てくれている大変ありがたい存在だ。
ソレと言うのも、俺の父が五年前に突如【失踪】してしまったのが原因なのだ⁈
【異世界失踪認定】
日本を含めた多くの国々が、「異世界」の存在を認めた⁈
国連ではそれまでに起きた不可解な事象を、異世界の影響を受けた可能性が有ると公表したのだ!
人智を超えた事件や事故、そして原因不明の失踪者たち⁈
その多くに異世界の干渉が疑えるそうだ?
長くにこれらの事件に「異世界」が関係している事は、各国政府の情報機関らによって隠蔽されてきた。
その事による不要な混乱や、情報の悪用などを避ける為にと説明された?
たがしかし、昨今において日本の「ライトノベル」等で異世界を題材とした作品が多く発信された事により、「異世界」を身近に感じる人達が爆発的に増えてきたのだ⁈
特に「異世界小説」は日本でアニメ化などされ始めると、様々な形で地球中に広まっていく!
(一部では、真実を隠し続ける事に罪悪感を感じた機関のエージェントが、「ライトノベル」と言う形で情報を漏洩したのではないかと噂されている?)
もう手がつけられないと悟った各国の指導者達は、
「もう、オープンにしてもイイんじゃね?」
と、匙を投…
…真実を隠さず、広く世界に理解を求め、地球各国が異世界問題に対して、良識的に対応する事を国際会議で決定したのだ⁈
コレにより、
実は以前からコチラの世界で暮らしていた「異世界人」たちが、自分たちの存在を各国家機関に申告し保護を求め始めたのだ!
割と最近、コチラの世界に迷い込んだ者や、かなり旧い時代からコチラに来てしまい、その土地に根付いた者など様々なケースの異世界人が居たそうだ⁈
そうした中には、神話やお伽噺に登場する「妖精」や「怪人・怪物」のモチーフになってしまった方々もいるのかもしれない。
各国は彼等を保護、又はその存在を尊重し、「異世界」関連の要職に就任を勧めたり、希望する者はこの世界で今まで通り生活を送ってもらう、更に希望者の為に、元の「異世界」への帰還方法を解明する研究機関も設立された。
又ソレは、コチラの世界から「異世界」に迷い込んだ人達を捜索(又は救出)方法を研究する為の機関でも有ったのだ。
そんな中で、突然失踪したり、過去に捜索願いを出された人の中で、警察や国の調査機関が調べた結果により、「偶然異世界に迷い込んだ」、「異世界召喚された」と思われる人達、又その家族には「異世界失踪認定」と言う制度が適応される事になった。
コレは突然「異世界失踪」により、家族を奪われた人達を支援・擁護する制度だと思って欲しい。
…お陰で俺は今、何とか生活出来ている。
実は五年前、俺の父も失踪した!
俺が幼い頃に母は病気で亡くなっていたので、父と男二人きりでソレなりに慎ましくも楽しく暮らしていたが…
俺から父が帰ってこないと連絡を受けた叔父が、警察に捜索願いを出したニ日後には「異世界失踪認定」を受けたのだ。
なんと目撃者がいて、すでに警察が捜査していたのだ!
仕事帰りにコンビニで買い物をした父。
いつも父は、晩酌用の缶ビールとつまみを買ってから帰宅するのだが、買い物を終えてコンビニを出た所で、足元に魔法陣が浮かび上がり、
ソレが激しく光るとその場にいた数人が消えてしまったそうだ⁈
コンビニ店員の証言や防犯カメラの映像などからも、高い確率で異世界に転移したのではないかと警察から連絡が有った。
警察から連絡を受けた翌日には、この国の政府の偉い役人さんが家に来て、
「もう心配ないからね。」
と、涙ながらに伝えに来てくれて、この家で今まで通り暮らせる様にと、色々手配してくれた様だ。
ソレが【異世界失踪認定】のお陰だと言う事は、その時の俺にはよくわからなかった。
本来なら施設などで引き取られるトコロだった俺が、死んだ母さんとの思い出が詰まっているこの家から離れたくないと強く希望した事で、家政婦さんまで手配してくれて見守ってくれてる事に大変感謝している。
サクラさんは国で手配してくれた家政婦さんで、お給料も国から出ているそうだ。
以前は政府機関の仕事をしていたそうだけど、酷いブラックなので退職したんだって、内緒で教えてくれた。
そうして俺はこの春、無事に高校に進学し、平和な日々を暮らせていた。
毎月、国から最低限生活出来る義援金が支給されるし、学費も返さなくてイイ奨学金のでる学園に通っている。
又、亡くなった母さんは小説家や作詞作曲家だった。
毎月毎年、少額だが印税とか著作権料とか振り込まれるので、散財しなければ普通に生活出来る、母さんありがとう!
「そういえば、そろそろ我孫子道サンが来る頃ですね。
捜索状況の経過報告の。」
我孫子道サンは俺にこの家に住み続けることを許してくれて、父の失踪認定を伝えに来てくれた政府のお役人さんだ。
とても人の良さそうな優しいオジサンで、俺は密かに「おじいちゃん」と心の中で呼んでいた。
「…きっとまた同じだよ、状況に進展無しってね。
まぁ毎回お土産に持って来てくれる、我孫子道さんの実家で作っている「あびこ煎餅」が楽しみでは有るけどね。」
月に一度、色々と報告を兼ねて俺の様子を見に来てくれる。
俺の誕生日にはケーキを持って来てくれたりと本当に良い人だ。
今日は日曜日なので、午前中に来るかもしれない?
一度、我孫子道サンの養子にならないかと提案された、
気持ちは嬉しいが断った。
父は、
父さんは帰ってくる、ソレこそ、
「おーい、遅くなってごめん!」
そう言って、頭を掻きながら玄関の戸をかけて帰って来る。
そう願っているからだ。
でも、この家に住み続けることがもしかして我孫子道サンの迷惑になっているのかも知らない?
そう考えてみた事もあった。
実際、サクラさんの給料とか、俺がココに住んでいる事で国が払っているのだから!
なので、俺は高校卒業と同時に就職!
国の援助を断り、一人で生活する事を決めていた。
サクラさんにも家政婦を辞めてもらう事になるが、部屋は余っている。
このままココで暮らしたいとサクラさんが希望するならその時は、他に就職してココから通っていただこう?
とても家政婦さんを雇える収入は見込めないので。
「あの、何を考えています?
朝食、出来ましたよ。」
「あ、ハイ!」
…まだ、その考えはサクラさんに伝えていないが、
前回、ソレとなく我孫子道サンには相談したんだ。
「ソレを決定するのはまだ早いよ、でもアキト君の気持ちは嬉しいな。」
俺は、日野 暁人。
帰らぬ父を待っている高校一年生だ!
……じじじ、…じじ…
ガタガタ、ガタガタ!
「じ、地震かっ?」
俺とサクラさんは庭が見える和室で、年季の入ったちゃぶ台を挟んで朝食を食べていた時だった。
突然、家が小刻みに揺れた⁈
「アキトくん、お庭が!
外の様子が変です!」
サクラさんが言う通り、朝とは言え外が不自然なまでに明るくなった⁈
まるで、照明弾でも落ちたかの様に?
「アキトくん、大丈夫ですか⁈」
揺れと光は徐々に収まって行った?
「ちょっと眩しくて、目がよく見えないよ?」
「次第に目が慣れてくるので、そのままで!
私がアキトくんを護りますから!」
すぐ横にサクラさんが来てくれたのがわかった。
ほんのりイイ匂いがしたからだ。
確かにしばらくすると目が慣れて、庭の様子が見えてきた?
「…こは、…だ!」
「ア…タ、……ブ?」
庭に誰かいる!
「下がって、アキトくん!」
サクラさんが銃を構えた?
えっ、ピストル?
何でそんなものサクラさんが持っているのさ⁈
「あ、暁人、そこに暁人がいるのか⁇」
え、この声は!
「と、とうさんなの?」
俺は裸足のまま庭に出て、その声の主を確認した!
庭にいたその懐かしい声の主は間違いなく、あの人だ!
「やぁごめん、父さん帰るのがすっかり遅くなってしまったな。
しばらく会わないウチに、大きくなったな、
ただいま…暁人。」
「と、父さーん!」
間違い無い、父さんだ!
なんか妙な防具とかつけて、やや髭が伸びてるけど、父さんだ!
俺は子供の様に喜んで父さんに抱きついた。
「コラコラ、ナリは大きくなってもまだ子供だな、妹に笑われるぞ?」
「えっ、何言ってんだよ、俺に妹なんて…えっ?」
父さんの後ろには他にも誰かいた?
「この方が、アナタの息子さんなのですね、
初めまして、アキトさん。」
ものすごい美人の女の人がいた?
金髪? 海外の人か?
まるで「九九九のメー〇ル」並の超ミステリアスな美女だ?
見た事の無い異国の服装をしている?
その人が俺に優しく微笑んでいる、まるで聖母の様に?
そんな美人がなんで父さんと一緒に?
そして、その女性の後ろに隠れる様にして、一人の女の子もいる、ちょっとだけ顔をだして俺をオドオドと見ていた?
俺より年下の様だけど、凄い可愛い美少女だ!
「お、お兄ちゃん?
お兄ちゃんが…パパの言ってた、メイヤのお兄ちゃん…なの?」
そう問いかけると又隠れてしまう。
モジモジしながら俺の事を見つめているが、可愛い顔が真っ赤た。
その長い耳の先まで……ん、長い?
「えっと、どちら様で?」
「ハハハ、暁人喜べ!
新しい母さんと、そして可愛い妹た!」
「えっ?」
「父さんな、あっちの世界で結婚したんだ。」
…そして、コレから俺の「逆異世界お兄ちゃんライフ」が突然始まってしまうのだった。
「おはようございます、アキト君。
いま、朝食が出来ますので、ちょっとだけお待ちくださいな。」
清々しい朝が来た。
いつもの朝の会話だ。
この五年間、ほぼ毎日続いている。
サクラさんは住み込みの家政婦サンだ。
涼しげな眼差しに細い肩、腰まで伸ばした黒髪を一本に束ね、白いエプロンがよく似合う清楚系美人さんだ。
元々は通いだった…のだが、
サクラさんが住んでいたマンションが【耐震偽装】が発覚!
危険だと言う事で取り壊しが決まり、住む場所に困っていたので、住み込みでウチに居てもらう事にした。
ソレからは姉の様に、俺の面倒を見てくれている大変ありがたい存在だ。
ソレと言うのも、俺の父が五年前に突如【失踪】してしまったのが原因なのだ⁈
【異世界失踪認定】
日本を含めた多くの国々が、「異世界」の存在を認めた⁈
国連ではそれまでに起きた不可解な事象を、異世界の影響を受けた可能性が有ると公表したのだ!
人智を超えた事件や事故、そして原因不明の失踪者たち⁈
その多くに異世界の干渉が疑えるそうだ?
長くにこれらの事件に「異世界」が関係している事は、各国政府の情報機関らによって隠蔽されてきた。
その事による不要な混乱や、情報の悪用などを避ける為にと説明された?
たがしかし、昨今において日本の「ライトノベル」等で異世界を題材とした作品が多く発信された事により、「異世界」を身近に感じる人達が爆発的に増えてきたのだ⁈
特に「異世界小説」は日本でアニメ化などされ始めると、様々な形で地球中に広まっていく!
(一部では、真実を隠し続ける事に罪悪感を感じた機関のエージェントが、「ライトノベル」と言う形で情報を漏洩したのではないかと噂されている?)
もう手がつけられないと悟った各国の指導者達は、
「もう、オープンにしてもイイんじゃね?」
と、匙を投…
…真実を隠さず、広く世界に理解を求め、地球各国が異世界問題に対して、良識的に対応する事を国際会議で決定したのだ⁈
コレにより、
実は以前からコチラの世界で暮らしていた「異世界人」たちが、自分たちの存在を各国家機関に申告し保護を求め始めたのだ!
割と最近、コチラの世界に迷い込んだ者や、かなり旧い時代からコチラに来てしまい、その土地に根付いた者など様々なケースの異世界人が居たそうだ⁈
そうした中には、神話やお伽噺に登場する「妖精」や「怪人・怪物」のモチーフになってしまった方々もいるのかもしれない。
各国は彼等を保護、又はその存在を尊重し、「異世界」関連の要職に就任を勧めたり、希望する者はこの世界で今まで通り生活を送ってもらう、更に希望者の為に、元の「異世界」への帰還方法を解明する研究機関も設立された。
又ソレは、コチラの世界から「異世界」に迷い込んだ人達を捜索(又は救出)方法を研究する為の機関でも有ったのだ。
そんな中で、突然失踪したり、過去に捜索願いを出された人の中で、警察や国の調査機関が調べた結果により、「偶然異世界に迷い込んだ」、「異世界召喚された」と思われる人達、又その家族には「異世界失踪認定」と言う制度が適応される事になった。
コレは突然「異世界失踪」により、家族を奪われた人達を支援・擁護する制度だと思って欲しい。
…お陰で俺は今、何とか生活出来ている。
実は五年前、俺の父も失踪した!
俺が幼い頃に母は病気で亡くなっていたので、父と男二人きりでソレなりに慎ましくも楽しく暮らしていたが…
俺から父が帰ってこないと連絡を受けた叔父が、警察に捜索願いを出したニ日後には「異世界失踪認定」を受けたのだ。
なんと目撃者がいて、すでに警察が捜査していたのだ!
仕事帰りにコンビニで買い物をした父。
いつも父は、晩酌用の缶ビールとつまみを買ってから帰宅するのだが、買い物を終えてコンビニを出た所で、足元に魔法陣が浮かび上がり、
ソレが激しく光るとその場にいた数人が消えてしまったそうだ⁈
コンビニ店員の証言や防犯カメラの映像などからも、高い確率で異世界に転移したのではないかと警察から連絡が有った。
警察から連絡を受けた翌日には、この国の政府の偉い役人さんが家に来て、
「もう心配ないからね。」
と、涙ながらに伝えに来てくれて、この家で今まで通り暮らせる様にと、色々手配してくれた様だ。
ソレが【異世界失踪認定】のお陰だと言う事は、その時の俺にはよくわからなかった。
本来なら施設などで引き取られるトコロだった俺が、死んだ母さんとの思い出が詰まっているこの家から離れたくないと強く希望した事で、家政婦さんまで手配してくれて見守ってくれてる事に大変感謝している。
サクラさんは国で手配してくれた家政婦さんで、お給料も国から出ているそうだ。
以前は政府機関の仕事をしていたそうだけど、酷いブラックなので退職したんだって、内緒で教えてくれた。
そうして俺はこの春、無事に高校に進学し、平和な日々を暮らせていた。
毎月、国から最低限生活出来る義援金が支給されるし、学費も返さなくてイイ奨学金のでる学園に通っている。
又、亡くなった母さんは小説家や作詞作曲家だった。
毎月毎年、少額だが印税とか著作権料とか振り込まれるので、散財しなければ普通に生活出来る、母さんありがとう!
「そういえば、そろそろ我孫子道サンが来る頃ですね。
捜索状況の経過報告の。」
我孫子道サンは俺にこの家に住み続けることを許してくれて、父の失踪認定を伝えに来てくれた政府のお役人さんだ。
とても人の良さそうな優しいオジサンで、俺は密かに「おじいちゃん」と心の中で呼んでいた。
「…きっとまた同じだよ、状況に進展無しってね。
まぁ毎回お土産に持って来てくれる、我孫子道さんの実家で作っている「あびこ煎餅」が楽しみでは有るけどね。」
月に一度、色々と報告を兼ねて俺の様子を見に来てくれる。
俺の誕生日にはケーキを持って来てくれたりと本当に良い人だ。
今日は日曜日なので、午前中に来るかもしれない?
一度、我孫子道サンの養子にならないかと提案された、
気持ちは嬉しいが断った。
父は、
父さんは帰ってくる、ソレこそ、
「おーい、遅くなってごめん!」
そう言って、頭を掻きながら玄関の戸をかけて帰って来る。
そう願っているからだ。
でも、この家に住み続けることがもしかして我孫子道サンの迷惑になっているのかも知らない?
そう考えてみた事もあった。
実際、サクラさんの給料とか、俺がココに住んでいる事で国が払っているのだから!
なので、俺は高校卒業と同時に就職!
国の援助を断り、一人で生活する事を決めていた。
サクラさんにも家政婦を辞めてもらう事になるが、部屋は余っている。
このままココで暮らしたいとサクラさんが希望するならその時は、他に就職してココから通っていただこう?
とても家政婦さんを雇える収入は見込めないので。
「あの、何を考えています?
朝食、出来ましたよ。」
「あ、ハイ!」
…まだ、その考えはサクラさんに伝えていないが、
前回、ソレとなく我孫子道サンには相談したんだ。
「ソレを決定するのはまだ早いよ、でもアキト君の気持ちは嬉しいな。」
俺は、日野 暁人。
帰らぬ父を待っている高校一年生だ!
……じじじ、…じじ…
ガタガタ、ガタガタ!
「じ、地震かっ?」
俺とサクラさんは庭が見える和室で、年季の入ったちゃぶ台を挟んで朝食を食べていた時だった。
突然、家が小刻みに揺れた⁈
「アキトくん、お庭が!
外の様子が変です!」
サクラさんが言う通り、朝とは言え外が不自然なまでに明るくなった⁈
まるで、照明弾でも落ちたかの様に?
「アキトくん、大丈夫ですか⁈」
揺れと光は徐々に収まって行った?
「ちょっと眩しくて、目がよく見えないよ?」
「次第に目が慣れてくるので、そのままで!
私がアキトくんを護りますから!」
すぐ横にサクラさんが来てくれたのがわかった。
ほんのりイイ匂いがしたからだ。
確かにしばらくすると目が慣れて、庭の様子が見えてきた?
「…こは、…だ!」
「ア…タ、……ブ?」
庭に誰かいる!
「下がって、アキトくん!」
サクラさんが銃を構えた?
えっ、ピストル?
何でそんなものサクラさんが持っているのさ⁈
「あ、暁人、そこに暁人がいるのか⁇」
え、この声は!
「と、とうさんなの?」
俺は裸足のまま庭に出て、その声の主を確認した!
庭にいたその懐かしい声の主は間違いなく、あの人だ!
「やぁごめん、父さん帰るのがすっかり遅くなってしまったな。
しばらく会わないウチに、大きくなったな、
ただいま…暁人。」
「と、父さーん!」
間違い無い、父さんだ!
なんか妙な防具とかつけて、やや髭が伸びてるけど、父さんだ!
俺は子供の様に喜んで父さんに抱きついた。
「コラコラ、ナリは大きくなってもまだ子供だな、妹に笑われるぞ?」
「えっ、何言ってんだよ、俺に妹なんて…えっ?」
父さんの後ろには他にも誰かいた?
「この方が、アナタの息子さんなのですね、
初めまして、アキトさん。」
ものすごい美人の女の人がいた?
金髪? 海外の人か?
まるで「九九九のメー〇ル」並の超ミステリアスな美女だ?
見た事の無い異国の服装をしている?
その人が俺に優しく微笑んでいる、まるで聖母の様に?
そんな美人がなんで父さんと一緒に?
そして、その女性の後ろに隠れる様にして、一人の女の子もいる、ちょっとだけ顔をだして俺をオドオドと見ていた?
俺より年下の様だけど、凄い可愛い美少女だ!
「お、お兄ちゃん?
お兄ちゃんが…パパの言ってた、メイヤのお兄ちゃん…なの?」
そう問いかけると又隠れてしまう。
モジモジしながら俺の事を見つめているが、可愛い顔が真っ赤た。
その長い耳の先まで……ん、長い?
「えっと、どちら様で?」
「ハハハ、暁人喜べ!
新しい母さんと、そして可愛い妹た!」
「えっ?」
「父さんな、あっちの世界で結婚したんだ。」
…そして、コレから俺の「逆異世界お兄ちゃんライフ」が突然始まってしまうのだった。
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