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第3章 大賢者の遺産
閑話4 同じように……
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【ラナ視点】
結婚の食事会の後に、夫婦の部屋で旦那様とクレアさんと一緒に過ごす。
私は結婚も恋愛もすべてを捨てたつもりだったのに、旦那様と居ると自分の気持ちが抑えられなくなる。
子供の事も含め、私達の我が儘を普通に受け止めてくれる旦那様が愛しくて仕方がない。
しかし、旦那様から夫婦の営みについて問われ、全く想定していなかった自分が恥ずかしくなる。
クレアさんと初めてを一緒にするなど……、考えてもいなかった。
旦那様と結婚できるだけで幸せに感じて、その事はまったく考えていなかったのだ。
旦那様に言われて、戸惑いが隠せない……。
クレアさんも戸惑っている。
アリスお嬢様を正妻に迎える気はないとハッキリと言って頂き、旦那様の優しさが伝わってくる。
妻に順番を付けたくない……。
うれしい。嬉しいけどやはりクレアさまの方が立場からも順番は先だろうなぁ……。
私より先に旦那様とお逢いしているし、ご両親が健在なら騎士爵のご令嬢で、騎士団の隊長もしている。
「それでは、先に旦那様とお会いしたクレアに旦那様の初めてをお願いします。
でも、今日は、今日だけは三人で閨を共にさせて下さい。初めての旦那様の閨は二人で頂戴したいと思います」
胸の奥がズキズキと痛むが、必死にそれを表情に出さないように我慢する。
旦那様が必死で我慢しているのを、私は知っている。
旦那様は私達の体を求めていることも、それを誤魔化そうとしていることも……。
クレアさんは気が付いていないが、私は気が付いている。
他の男であれば絶対に嫌悪感しかなかっただろう。
でも、……私は嬉しかった。旦那様に求められるのが嬉しかったのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
夜になりクレアさんの準備が終わり、旦那様を呼びに行くと、胸の奥が前よりズキズキと痛む。
クレアさんは私より美しい。
旦那様を待つクレアさんを置いて部屋を出る時、クレアさんを見てそう思ってしまった。
暫くして自分の部屋に戻り、ベッドで寝ようと横になる。でも、……嫌な想像しか出来なくて、中々寝ることが出来ない。
屋敷の管理の為に私を妻にしたの?
クレアさんだけ愛しているのではないの?
今晩で満足した旦那様が、私は必要ないというのでは?
妻になれただけで良いじゃないの?
少しでもお零れを貰えれば……。
いやぁ! 同じように愛して欲しい!
でも、でも……、嫌われるのだけは嫌だよぉ。
明日は出来るだけ普通に接しよう!
少しでも旦那様に悦んで頂けるように頑張るしかない。
◇ ◇ ◇ ◇
朝早くから起きて、旦那様達が起床するのを待つ。
朝食を食べながら今後の屋敷の事をメイド達と話す。
旦那様も初めてで、クレアさんも初めてなので、起きてこない二人が気になる。
そんなにクレアさんを愛しているの?
漸く昼頃になる旦那様から昼食のお誘いが念話文字できた。
相当に頑張られたのかなぁ……。
今晩の私の出番はあるのだろうか……?
不安を覚えながらも、旦那様達が寝室から出て来るのを昼食の準備をしながら待っていると、すぐに二人が出て来た。
クレアさんが恥ずかしそうに自分の部屋に着替えに向かう。
「おはようございます。旦那様」
「お、おはよう」
心の中では「クレアさんはどうでしたか?」と聞きたくて堪らなかったが、出来るだけ普通に昼食の準備を整える。
クレアさんが着替えて部屋から出て来ると、一緒に昼食をとる。
しかし、気になって我慢できなかった。
クレアさん、約束だから大丈夫だよね?
「クレアさん、約束通り昨晩の報告をお願いしますわ」
「ブウッ!」
クレアさんに率直に尋ねると、旦那様はスープを少し吹き出してしまった。
き、嫌われたかなぁ!?
心配になったが、クレアさんは赤裸々に答えてくれる。
クレアさんは本当に素直で優しい人だ!
詳しく話を聞こうとすると、旦那様は逃げるように夫婦の部屋を出て行ってしまう。
お、怒らしたかしら?
心配になったが、クレアさんの話を聞くとそれどころでは無くなってしまう。
えええっ、そ、そんな事を!
まさか、そんなに何度も! 聞いた話と全然違うじゃない!
気を失ってしまったぁ!
えっ、今朝も!? ああぁぁぁ……。
最後の話は信じられない。昨晩、何度もしておきながら、朝からするなど……。
「私は、今日はラナの日だとお断りしたのだが、旦那様が……」
クレアさんは申し訳なさそうに話をしてくれる。
だとすると、……今晩はさすがに。
………。
旦那様も初めてで、我慢できなかったのだろう……。
………。
せめて一回は何とか……、頑張って欲しい!
出来れば同じように愛されたい!
でも、でも、でも……、それはさすがに無理よね!
何とか笑顔でクレアさんと話をすることは出来た……、そんな自分を褒めてあげたい!
◇ ◇ ◇ ◇
昨日と同じように夕飯を食べ、クレアさんと一緒に夫婦の部屋に戻って準備をする。
クレアさんが旦那様を呼びに行くと、涙が込み上げてくるのを必死に我慢する。
旦那様に悲しい顔を見せてはダメ!
すぐに旦那様が部屋に入ってくると、優しく手を取り、耳元で囁いた。
「辛い思いをさせてゴメン」
思わず旦那様の顔を見ると、本当に申し訳なさそうに私を見つめてくれる。
あぁ、そのお言葉が聞けただけで、私はどんな事でも耐えられる気がする。
旦那様は私の事を考えてくれてる! 見てくれている!
クレアさんと差が出来ようと、旦那様は何時かその差を埋めてくれる。そう思わせてくれただけで私は幸せです。
自分でも気が付かずに涙が溢れ出ていた。
旦那様は頬を伝う涙に優しくキスをしてくれた。
せ、せめてキスだけでも!
私は恥ずかしく思いながらも、自分から旦那様の唇に自分の唇を重ねる。
まるで頭の芯から痺れる光のようなものが全身を貫いた気がした。
腰が抜けたように足がガタガタと震え、立っていられなかった。
そんな私を旦那様は抱きしめて、支えながらキスを続けてくれる。
旦那様が離れようとする唇を、力の入らない体で必死に追いかける。
「あっ」
唇が離れると、思わず寂しさから声が出てしまう。
そんな私を旦那様は優しく見つめ、私を抱き上げて寝室に運んでくれる。
頭の奥が痺れたようになりながらも、旦那様の目から自分の視線を外すことは出来なかった。
ベッドに寝かされ再びキスを始めると、喜びや寂しさ、すべての感情が溢れ出したのを感じる。
あぁ、愛して頂ける! 心と身体のすべてを……。
現実と夢の狭間に何度も行き来して、どんどん意識が混濁していく……。
途中でモモン味のキスをされたて、夢から現実に引き戻された感じがする。
でも、すぐに夢の世界へ逆戻りする。
まるで自分が完全に旦那様とひとつになり、クレアさんから聞いた神の下に行った気がして意識を失ってしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
目が覚めると、裸で旦那様に抱きしめられている事に気が付いた。
ふふふっ、私は愚かな心配をずっとしていたのね。
旦那様はクレアさんと同じように愛してくれたじゃないのぉ。
眠りながらも私を優しく抱きしめる旦那様を見て、自分の心配していたことが、全く見当違いだと自覚する。
レベッカ夫人もメイド仲間も嘘ばかりじゃない!
夢のような昨晩を思い出して、何度も求めて来た旦那様を思い浮かべながら、色々教えてくれた人たちに文句を言う。
それとも旦那様が特別なのかしら?
そんな事を考えていると旦那様が目を覚ます。
「んぅ、ラナおはよう」
寝惚けた可愛らしい表情でそう言うと、私の胸に頭を埋めてくる。
その仕草が可愛くて、思わず私も抱きしめてしまう。
「ダメだよぉ、そんな事されたらぁ」
えっ、ま、まさか!?
「ラナが誘ったんだからね?」
「あっ」
クレアさんの言う通りだぁ。朝から旦那様は……あふん。
クレアさんの言う通りじゃなかった!
旦那様は朝から二回も私を求めて………。
◇ ◇ ◇ ◇
朝からの信じられない旦那様の……。
昼食に行こうと言われたが、た、立ち上がれない!?
足がガクガクとして力が入らないよぉ。
「ポーション飲む?」
旦那様はそんな事を言い出すが、高価なポーションをこんな事に?
でも、結局ポーションを頂いてから昼食に向かう。
ま、まさか二日に一度こんな状態になってしまうの!?
新たな心配事に悩み始めるのであった。
結婚の食事会の後に、夫婦の部屋で旦那様とクレアさんと一緒に過ごす。
私は結婚も恋愛もすべてを捨てたつもりだったのに、旦那様と居ると自分の気持ちが抑えられなくなる。
子供の事も含め、私達の我が儘を普通に受け止めてくれる旦那様が愛しくて仕方がない。
しかし、旦那様から夫婦の営みについて問われ、全く想定していなかった自分が恥ずかしくなる。
クレアさんと初めてを一緒にするなど……、考えてもいなかった。
旦那様と結婚できるだけで幸せに感じて、その事はまったく考えていなかったのだ。
旦那様に言われて、戸惑いが隠せない……。
クレアさんも戸惑っている。
アリスお嬢様を正妻に迎える気はないとハッキリと言って頂き、旦那様の優しさが伝わってくる。
妻に順番を付けたくない……。
うれしい。嬉しいけどやはりクレアさまの方が立場からも順番は先だろうなぁ……。
私より先に旦那様とお逢いしているし、ご両親が健在なら騎士爵のご令嬢で、騎士団の隊長もしている。
「それでは、先に旦那様とお会いしたクレアに旦那様の初めてをお願いします。
でも、今日は、今日だけは三人で閨を共にさせて下さい。初めての旦那様の閨は二人で頂戴したいと思います」
胸の奥がズキズキと痛むが、必死にそれを表情に出さないように我慢する。
旦那様が必死で我慢しているのを、私は知っている。
旦那様は私達の体を求めていることも、それを誤魔化そうとしていることも……。
クレアさんは気が付いていないが、私は気が付いている。
他の男であれば絶対に嫌悪感しかなかっただろう。
でも、……私は嬉しかった。旦那様に求められるのが嬉しかったのだ。
◇ ◇ ◇ ◇
夜になりクレアさんの準備が終わり、旦那様を呼びに行くと、胸の奥が前よりズキズキと痛む。
クレアさんは私より美しい。
旦那様を待つクレアさんを置いて部屋を出る時、クレアさんを見てそう思ってしまった。
暫くして自分の部屋に戻り、ベッドで寝ようと横になる。でも、……嫌な想像しか出来なくて、中々寝ることが出来ない。
屋敷の管理の為に私を妻にしたの?
クレアさんだけ愛しているのではないの?
今晩で満足した旦那様が、私は必要ないというのでは?
妻になれただけで良いじゃないの?
少しでもお零れを貰えれば……。
いやぁ! 同じように愛して欲しい!
でも、でも……、嫌われるのだけは嫌だよぉ。
明日は出来るだけ普通に接しよう!
少しでも旦那様に悦んで頂けるように頑張るしかない。
◇ ◇ ◇ ◇
朝早くから起きて、旦那様達が起床するのを待つ。
朝食を食べながら今後の屋敷の事をメイド達と話す。
旦那様も初めてで、クレアさんも初めてなので、起きてこない二人が気になる。
そんなにクレアさんを愛しているの?
漸く昼頃になる旦那様から昼食のお誘いが念話文字できた。
相当に頑張られたのかなぁ……。
今晩の私の出番はあるのだろうか……?
不安を覚えながらも、旦那様達が寝室から出て来るのを昼食の準備をしながら待っていると、すぐに二人が出て来た。
クレアさんが恥ずかしそうに自分の部屋に着替えに向かう。
「おはようございます。旦那様」
「お、おはよう」
心の中では「クレアさんはどうでしたか?」と聞きたくて堪らなかったが、出来るだけ普通に昼食の準備を整える。
クレアさんが着替えて部屋から出て来ると、一緒に昼食をとる。
しかし、気になって我慢できなかった。
クレアさん、約束だから大丈夫だよね?
「クレアさん、約束通り昨晩の報告をお願いしますわ」
「ブウッ!」
クレアさんに率直に尋ねると、旦那様はスープを少し吹き出してしまった。
き、嫌われたかなぁ!?
心配になったが、クレアさんは赤裸々に答えてくれる。
クレアさんは本当に素直で優しい人だ!
詳しく話を聞こうとすると、旦那様は逃げるように夫婦の部屋を出て行ってしまう。
お、怒らしたかしら?
心配になったが、クレアさんの話を聞くとそれどころでは無くなってしまう。
えええっ、そ、そんな事を!
まさか、そんなに何度も! 聞いた話と全然違うじゃない!
気を失ってしまったぁ!
えっ、今朝も!? ああぁぁぁ……。
最後の話は信じられない。昨晩、何度もしておきながら、朝からするなど……。
「私は、今日はラナの日だとお断りしたのだが、旦那様が……」
クレアさんは申し訳なさそうに話をしてくれる。
だとすると、……今晩はさすがに。
………。
旦那様も初めてで、我慢できなかったのだろう……。
………。
せめて一回は何とか……、頑張って欲しい!
出来れば同じように愛されたい!
でも、でも、でも……、それはさすがに無理よね!
何とか笑顔でクレアさんと話をすることは出来た……、そんな自分を褒めてあげたい!
◇ ◇ ◇ ◇
昨日と同じように夕飯を食べ、クレアさんと一緒に夫婦の部屋に戻って準備をする。
クレアさんが旦那様を呼びに行くと、涙が込み上げてくるのを必死に我慢する。
旦那様に悲しい顔を見せてはダメ!
すぐに旦那様が部屋に入ってくると、優しく手を取り、耳元で囁いた。
「辛い思いをさせてゴメン」
思わず旦那様の顔を見ると、本当に申し訳なさそうに私を見つめてくれる。
あぁ、そのお言葉が聞けただけで、私はどんな事でも耐えられる気がする。
旦那様は私の事を考えてくれてる! 見てくれている!
クレアさんと差が出来ようと、旦那様は何時かその差を埋めてくれる。そう思わせてくれただけで私は幸せです。
自分でも気が付かずに涙が溢れ出ていた。
旦那様は頬を伝う涙に優しくキスをしてくれた。
せ、せめてキスだけでも!
私は恥ずかしく思いながらも、自分から旦那様の唇に自分の唇を重ねる。
まるで頭の芯から痺れる光のようなものが全身を貫いた気がした。
腰が抜けたように足がガタガタと震え、立っていられなかった。
そんな私を旦那様は抱きしめて、支えながらキスを続けてくれる。
旦那様が離れようとする唇を、力の入らない体で必死に追いかける。
「あっ」
唇が離れると、思わず寂しさから声が出てしまう。
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でも、すぐに夢の世界へ逆戻りする。
まるで自分が完全に旦那様とひとつになり、クレアさんから聞いた神の下に行った気がして意識を失ってしまった。
◇ ◇ ◇ ◇
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ふふふっ、私は愚かな心配をずっとしていたのね。
旦那様はクレアさんと同じように愛してくれたじゃないのぉ。
眠りながらも私を優しく抱きしめる旦那様を見て、自分の心配していたことが、全く見当違いだと自覚する。
レベッカ夫人もメイド仲間も嘘ばかりじゃない!
夢のような昨晩を思い出して、何度も求めて来た旦那様を思い浮かべながら、色々教えてくれた人たちに文句を言う。
それとも旦那様が特別なのかしら?
そんな事を考えていると旦那様が目を覚ます。
「んぅ、ラナおはよう」
寝惚けた可愛らしい表情でそう言うと、私の胸に頭を埋めてくる。
その仕草が可愛くて、思わず私も抱きしめてしまう。
「ダメだよぉ、そんな事されたらぁ」
えっ、ま、まさか!?
「ラナが誘ったんだからね?」
「あっ」
クレアさんの言う通りだぁ。朝から旦那様は……あふん。
クレアさんの言う通りじゃなかった!
旦那様は朝から二回も私を求めて………。
◇ ◇ ◇ ◇
朝からの信じられない旦那様の……。
昼食に行こうと言われたが、た、立ち上がれない!?
足がガクガクとして力が入らないよぉ。
「ポーション飲む?」
旦那様はそんな事を言い出すが、高価なポーションをこんな事に?
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