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番外編② アーリンの残念なチート物語 学園改革と布教活動
第8話 土棲《ドワーフ》一族
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門前で騒ぐのもどうかと考えて、迎賓館の応接室に場所を移す。
シャル王女はマルゴット姫を警戒している雰囲気があるけど、無理やり追い返すことはできないみたいで溜息をついていた。
応接室のソファに向かい合って座ると、まずはシャル王女がマルゴット姫や彼女の国のことを詳しく紹介と説明をしてくれた。
マルゴット姫はウェルロイトガル国の現国王の姫である。
ウェルロイトガル国は鍛冶と付与に長けた土棲一族の国で、その鍛冶や付与の技は秘匿されている。
独自の文化や風習があり、険しい山にあるウェルロイトガル国は鉱山として掘った坑道を利用した住居がほとんどで、他国から入国するには特別な許可がないと入ることができない。
閉鎖的な部分もあるが、古の大賢者から『知識の部屋』の作製と修理を任せれたので、世界中の国や町に土棲一族が住んでいるようだ。
ヴィンチザート王国にも土棲一族がいたけど、最近になりマルゴット姫がウェルロイトガル国から訪ねてきてテックスを紹介して欲しいと要求してきたらしい。
ヴィンチザート国王は魔法契約により説明も紹介もできないと断った。
しかし、理由は分からないがマルゴット姫はどうしてもテックスに会いたいようで、独自に王都の研修施設も尋ねたようだ。だが現状ではテックスの方針でヴィンチザート王国の住民しか研修施設を利用できない。だから研修区画にすら入ることができず、情報を集めて私に会いにきたらしい。
私は話を聞きながらも目を閉じてシャル王女の話を聞いて頷いているマルゴット姫のタプンと揺れるほっぺたから視線を外せなかった。
シャル王女の話が終わるとマルゴット姫は目を開いて私を見つめて口を開いた。
「そういうことでアーリン殿、私のお願いを聞いてもらえるだろうか?」
今日は勘弁してほしい……。
すぐにでもお風呂で癒されたいと思っていたのに、さらに重たい話などする気はない。しかし、あのほっぺたに心惹かれる……。
「どんなお願いか知りませんが、今日は遠慮してもらえますか?」
マルゴット姫は残念そうな表情を見せたけど、断ったわけではないからか渋々頷いてくれた。
「それなら早くお風呂で汗を流しましょう!」
シャル王女はマルゴット姫を帰らせようと思ったのか、すぐにお風呂に入ろうと言い出した。シャル王女も毎日のようにお風呂に入っている。それどころか一日に何度もお風呂に入り、そのまま迎賓館に泊まることも多くなっている。
「ま、まて、お風呂とは熱い湯に入ることだな!? 我が一族は熱い湯に入るのが大好きだ。頼む、私にもお風呂を入らせてくれ!」
マルゴット姫があまりにも真剣に頼むので詳しく話を聞く。
ウェルロイトガル国では坑道からお湯が出る場所がたくあるのでお風呂がたくさんあり、採掘で汚れた体をお風呂で洗うのから土棲一族がお風呂に入る習慣があるようだ。
だからお風呂の良さも知っていて、ヴィンチザート王国にお風呂文化がないので、本当にお風呂に入りたかったようだ。
それを聞いて魅惑のほっぺたへの執着もあり、私はマルゴット姫たちにお風呂に入ることを許可する。横でシャル王女が渋い顔をしていたけど、一緒にお風呂に向かうのであった。
マルゴット姫の予想を裏切るほどの大きさのお風呂に、ポヨンポヨンと跳ねて喜ぶ姿にシャル王女も笑顔を向けるのであった。
しかし、テンマ先生の作ったお風呂の魔道具を見るたびにしつこく質問してくるのは勘弁してほしい……。
「お風呂は疲れを癒す場所です。これ以上質問したら帰ってもらいますわ!」
マルゴット姫のほっぺたを両手で挟み込むようにして話す。
「ほめんにゃさい……」
怒りの籠った私の声にマルゴット姫はすぐに謝罪してくれた。
くぅ~、やっぱりこの感触はピョン吉に似てるわぁ~!
それから私は子供の手を引くようにマルゴット姫をエステ用の施術台に案内する。彼女は不思議そうに施術台を見ていたが、隣の施術台に私がうつ伏せで寝ると、同じように施術台に上がる。
すぐにエステ担当のメイドが私達にテンマ先生が作成したエステ用ジェルを塗り始める。
「ニョホホホ!」
マルゴット姫は初めての感触に変な声を出す。
私はこれまでも同じような声を出すご夫人やご令嬢を見てきたので、気にせずに施術を受けるのであった。
最初はあられもない声を出して何度も逃げ出そうとしていた彼女も、次第にエステの気持ち良さになれたのか、途中からは施術者に完全に身を任せていた。
マルゴット姫の従者の二人も最初は警戒していたけど、次第にマルゴット姫の肌がモチモチ&ツルツルなり、テンマ式リンスで髪に艶が出ているのを見て、彼女達もエステを受けたのである。
マルゴット姫が徐々に素直な雰囲気になったので、私は可愛いい妹ができた気になり、何かと面倒を見るのであった。
「アーリンさん、マルゴット姫は百歳を超えていますわよ。土棲一族は人族より寿命が3倍以上長いから勘違いしますけどね。ふふふ」
う、ウソォーーー!
妹のようにマルゴット姫の髪の毛を乾かしているとシャル王女から驚く話をされたのである。
「アーリン殿、手が止まっているぞ」
相変わらずマルゴット姫の話し方は子供っぽくないだけでなく、女性らしくもない。でも声や後ろを振り返り私を見つめる表情も子供らしい可愛らしさがある。
「前を向いてください!」
私は柔らかいほっぺに人差し指を使って前を向かせようとしたが、指はほっぺたに吸い込まれるように沈んでいく。
「わかった」
マルゴット姫は可愛らしい声で返事して素直に前を向く。私はすでに彼女の年齢のことを忘れて、再び髪の毛を乾かし始めるのであった。
シャル王女はマルゴット姫を警戒している雰囲気があるけど、無理やり追い返すことはできないみたいで溜息をついていた。
応接室のソファに向かい合って座ると、まずはシャル王女がマルゴット姫や彼女の国のことを詳しく紹介と説明をしてくれた。
マルゴット姫はウェルロイトガル国の現国王の姫である。
ウェルロイトガル国は鍛冶と付与に長けた土棲一族の国で、その鍛冶や付与の技は秘匿されている。
独自の文化や風習があり、険しい山にあるウェルロイトガル国は鉱山として掘った坑道を利用した住居がほとんどで、他国から入国するには特別な許可がないと入ることができない。
閉鎖的な部分もあるが、古の大賢者から『知識の部屋』の作製と修理を任せれたので、世界中の国や町に土棲一族が住んでいるようだ。
ヴィンチザート王国にも土棲一族がいたけど、最近になりマルゴット姫がウェルロイトガル国から訪ねてきてテックスを紹介して欲しいと要求してきたらしい。
ヴィンチザート国王は魔法契約により説明も紹介もできないと断った。
しかし、理由は分からないがマルゴット姫はどうしてもテックスに会いたいようで、独自に王都の研修施設も尋ねたようだ。だが現状ではテックスの方針でヴィンチザート王国の住民しか研修施設を利用できない。だから研修区画にすら入ることができず、情報を集めて私に会いにきたらしい。
私は話を聞きながらも目を閉じてシャル王女の話を聞いて頷いているマルゴット姫のタプンと揺れるほっぺたから視線を外せなかった。
シャル王女の話が終わるとマルゴット姫は目を開いて私を見つめて口を開いた。
「そういうことでアーリン殿、私のお願いを聞いてもらえるだろうか?」
今日は勘弁してほしい……。
すぐにでもお風呂で癒されたいと思っていたのに、さらに重たい話などする気はない。しかし、あのほっぺたに心惹かれる……。
「どんなお願いか知りませんが、今日は遠慮してもらえますか?」
マルゴット姫は残念そうな表情を見せたけど、断ったわけではないからか渋々頷いてくれた。
「それなら早くお風呂で汗を流しましょう!」
シャル王女はマルゴット姫を帰らせようと思ったのか、すぐにお風呂に入ろうと言い出した。シャル王女も毎日のようにお風呂に入っている。それどころか一日に何度もお風呂に入り、そのまま迎賓館に泊まることも多くなっている。
「ま、まて、お風呂とは熱い湯に入ることだな!? 我が一族は熱い湯に入るのが大好きだ。頼む、私にもお風呂を入らせてくれ!」
マルゴット姫があまりにも真剣に頼むので詳しく話を聞く。
ウェルロイトガル国では坑道からお湯が出る場所がたくあるのでお風呂がたくさんあり、採掘で汚れた体をお風呂で洗うのから土棲一族がお風呂に入る習慣があるようだ。
だからお風呂の良さも知っていて、ヴィンチザート王国にお風呂文化がないので、本当にお風呂に入りたかったようだ。
それを聞いて魅惑のほっぺたへの執着もあり、私はマルゴット姫たちにお風呂に入ることを許可する。横でシャル王女が渋い顔をしていたけど、一緒にお風呂に向かうのであった。
マルゴット姫の予想を裏切るほどの大きさのお風呂に、ポヨンポヨンと跳ねて喜ぶ姿にシャル王女も笑顔を向けるのであった。
しかし、テンマ先生の作ったお風呂の魔道具を見るたびにしつこく質問してくるのは勘弁してほしい……。
「お風呂は疲れを癒す場所です。これ以上質問したら帰ってもらいますわ!」
マルゴット姫のほっぺたを両手で挟み込むようにして話す。
「ほめんにゃさい……」
怒りの籠った私の声にマルゴット姫はすぐに謝罪してくれた。
くぅ~、やっぱりこの感触はピョン吉に似てるわぁ~!
それから私は子供の手を引くようにマルゴット姫をエステ用の施術台に案内する。彼女は不思議そうに施術台を見ていたが、隣の施術台に私がうつ伏せで寝ると、同じように施術台に上がる。
すぐにエステ担当のメイドが私達にテンマ先生が作成したエステ用ジェルを塗り始める。
「ニョホホホ!」
マルゴット姫は初めての感触に変な声を出す。
私はこれまでも同じような声を出すご夫人やご令嬢を見てきたので、気にせずに施術を受けるのであった。
最初はあられもない声を出して何度も逃げ出そうとしていた彼女も、次第にエステの気持ち良さになれたのか、途中からは施術者に完全に身を任せていた。
マルゴット姫の従者の二人も最初は警戒していたけど、次第にマルゴット姫の肌がモチモチ&ツルツルなり、テンマ式リンスで髪に艶が出ているのを見て、彼女達もエステを受けたのである。
マルゴット姫が徐々に素直な雰囲気になったので、私は可愛いい妹ができた気になり、何かと面倒を見るのであった。
「アーリンさん、マルゴット姫は百歳を超えていますわよ。土棲一族は人族より寿命が3倍以上長いから勘違いしますけどね。ふふふ」
う、ウソォーーー!
妹のようにマルゴット姫の髪の毛を乾かしているとシャル王女から驚く話をされたのである。
「アーリン殿、手が止まっているぞ」
相変わらずマルゴット姫の話し方は子供っぽくないだけでなく、女性らしくもない。でも声や後ろを振り返り私を見つめる表情も子供らしい可愛らしさがある。
「前を向いてください!」
私は柔らかいほっぺに人差し指を使って前を向かせようとしたが、指はほっぺたに吸い込まれるように沈んでいく。
「わかった」
マルゴット姫は可愛らしい声で返事して素直に前を向く。私はすでに彼女の年齢のことを忘れて、再び髪の毛を乾かし始めるのであった。
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