手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ

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chapter※12※※※※※※※※※

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「やっと美鳥様から連絡がありましたか…連絡が無いものですから心配で。でも私から連絡を入れてもうるさい父親のようかと我慢して、こっそり調べたのですがDelayもありませんから…実は先ほど能勢支配人にこれもこっそりメールしたんです。そしたら無事到着されていると…」
「もう、西田さん…マジでやめて下さいって。美鳥様は24歳の大人で、世界中どこにぽつんと置かれようがコミュニケーションが取れる方ですよ?高級ホテルだけでなくB&Bなどにも気軽に泊まり歩いていらっしゃったんでしょ?」
「あの頃の美鳥様は完全なヨーロッパ人でしたから」
「ヨーロッパ人でも北海道旅行は出来ますから…あっ、内線出て下さい。美鳥様のことは忘れて仕事、仕事」

朝からソワソワしている西田に遠藤が仕事を振る。

「朱鷺様、第二東京銀行頭取が来られたので応接室へご案内致します」
「ん、頼む」

すぐに西田が部屋を出てドアが閉まると

「朱鷺様も朱鷺様ですけどね。エグゼクティブを取るなんて…一番部屋数の多いスタンダードに泊まって満足できるかを確かめないと」
「それなら、それは遠藤がすればいい」
「…スイートでないところを誉めておこうかと思うほどの返事ですね…向こうでの移動も手配してたりして…」
「もちろん今日も明後日も一日車を使えるようにしてある」
「…西田さんには黙っておきます…」

遠藤が大袈裟にため息をついた。
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