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chapter※08※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
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危ない…危なかった…久しぶりの香りに思い起こされる記憶…あの香りだけを纏った美鳥を抱くことが何度もあった…最後もそうだった…
自分の髪や体から微かにあの香りがするようで自室のバスルームへ飛び込むと、熱い湯と冷たい水のシャワーを交互に浴びる。
美鳥のことを気にかけるのは当然だから忙しいなどのうちには入らない。
子どもの頃からずっとやってきていることだ。
食事中に父さんが‘そんなことが素直に口に出せるいい子に育ってくれて嬉しい’と美鳥に言ったときには俺が育てたと言いそうになった。
当面の問題は企画の進め方と日都銀行か…ふっ…それも全て美鳥が心配しなくていいように捌かないといけないな。
そして柏木専務…いや、柏木龍之介。
彼がいつどんな風に美鳥にアプローチしたのか、今も連絡を取っているのか、美鳥に一切聞いていないので知らない。
気にならないわけはない。
しかし俺がそれを美鳥に聞くと、美鳥のペースと順序で考えていられなくなるから聞かない。
どれだけ気をつけていても、俺の口調や音色で美鳥も俺の気持ちを読み取ってしまうから。
シャワーを終えて髪を拭きながら仕事のメールをチェックする。
その中に東京の湾岸ホテル…遠藤が支配人だった、日都銀行令嬢がよく訪れるという店舗の支配人からのメールがあった。
内容は1階ラウンジで‘仮名称·ハッピーアワー’を5月限定実施、という報告だ。
各店舗の支配人が決定することは多く、それについて俺は報告を受けるだけだ。
ホテルのラウンジとバーはレストランと違ってホテル直営。
そしてラウンジは店舗によるが、湾岸のラウンジは昼間はカフェ、6時からはアルコールも出している。
そこで5月だけ5時からの1時間はアルコールを割引で提供することをすでに決定。
さらにその期間限定でオークワイナリーのワインを扱うことも検討中ということが書かれていた。
問題ない、どんどん新しいことはやってくれ。
自分の髪や体から微かにあの香りがするようで自室のバスルームへ飛び込むと、熱い湯と冷たい水のシャワーを交互に浴びる。
美鳥のことを気にかけるのは当然だから忙しいなどのうちには入らない。
子どもの頃からずっとやってきていることだ。
食事中に父さんが‘そんなことが素直に口に出せるいい子に育ってくれて嬉しい’と美鳥に言ったときには俺が育てたと言いそうになった。
当面の問題は企画の進め方と日都銀行か…ふっ…それも全て美鳥が心配しなくていいように捌かないといけないな。
そして柏木専務…いや、柏木龍之介。
彼がいつどんな風に美鳥にアプローチしたのか、今も連絡を取っているのか、美鳥に一切聞いていないので知らない。
気にならないわけはない。
しかし俺がそれを美鳥に聞くと、美鳥のペースと順序で考えていられなくなるから聞かない。
どれだけ気をつけていても、俺の口調や音色で美鳥も俺の気持ちを読み取ってしまうから。
シャワーを終えて髪を拭きながら仕事のメールをチェックする。
その中に東京の湾岸ホテル…遠藤が支配人だった、日都銀行令嬢がよく訪れるという店舗の支配人からのメールがあった。
内容は1階ラウンジで‘仮名称·ハッピーアワー’を5月限定実施、という報告だ。
各店舗の支配人が決定することは多く、それについて俺は報告を受けるだけだ。
ホテルのラウンジとバーはレストランと違ってホテル直営。
そしてラウンジは店舗によるが、湾岸のラウンジは昼間はカフェ、6時からはアルコールも出している。
そこで5月だけ5時からの1時間はアルコールを割引で提供することをすでに決定。
さらにその期間限定でオークワイナリーのワインを扱うことも検討中ということが書かれていた。
問題ない、どんどん新しいことはやってくれ。
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