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chapter※06※※※※※※※※※※※※※※※
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「みーどーり、そろそろ俺を見て」
そう言って私が見ているメニューを向かい側からツンツンとつついて揺らす龍を見ると愉しそうに笑ってる。
「ファミレスのメニューに負けてる…俺」
「…ふふっ、この大きさも魅力のひとつかなぁ…大きいよね」
とページを捲って顔を隠すようにする。
「俺も大きいよ」
「そうだよね、うらやましい」
「うらやましいの?」
頷きながらメニューを閉じた私は
「うん、うらやましい。もう少し大きくなりたかった」
「小さくはないだろ?」
「四捨五入使用で158…あと5センチは欲しかったなぁ」
「ヒールで理想身長?」
「…気づいても言わないのが大人じゃない?」
「今日は美鳥の目線が低いと思ってた」
「あーまだ言う」
「美鳥には何でも言ってしまうな…小さい美鳥も可愛い」
「小さくはないって言ったのに…」
「膨れても可愛い。スーツにヒールの美鳥より今日は小さい美鳥だろ?小鳥ちゃん?」
「…初めて言われた…小鳥ちゃん…ちょっと可愛く聞こえてしまうところがまた悔しい」
「ははっ、調子戻ったね、美鳥。良かった」
彼は長い腕を伸ばして私の頭をポンポンとしたあと、その手で頬杖をついて私を見つめる。
「家の話から…メニュー見ながらもトーンが微妙に落ちてたからね。調子戻って良かった。落ちてるなら落ちてるで何でも話してくれたら嬉しいけどね、俺は。美鳥より数年長く生きてる分くらいは余裕で聞けると思うよ」
「龍はファミレスで良かったの?」
「いいよ。美鳥の好きなものがわかって嬉しい」
「意外だったんじゃない?」
「ちょっとね」
「それは…私が蜷川だから?」
「ううん、違う。俺、食べたいものある?って聞いただろ?」
「うん」
「そこで例えば…ハンバーグとか蕎麦って答えが返ってきてから、どこに行こうかって話をすると想像していたのに場所指定してくれたのが意外だった」
「あっ…なるほど、ごめんなさい」
「うん?何で?俺のデートのプランニング力を試されなくてホッとしたよ」
そこで龍には、ステーキをメインにしたミックスグリル、私にはハンバーグをメインにしたミックスグリルが運ばれてきた。
そう言って私が見ているメニューを向かい側からツンツンとつついて揺らす龍を見ると愉しそうに笑ってる。
「ファミレスのメニューに負けてる…俺」
「…ふふっ、この大きさも魅力のひとつかなぁ…大きいよね」
とページを捲って顔を隠すようにする。
「俺も大きいよ」
「そうだよね、うらやましい」
「うらやましいの?」
頷きながらメニューを閉じた私は
「うん、うらやましい。もう少し大きくなりたかった」
「小さくはないだろ?」
「四捨五入使用で158…あと5センチは欲しかったなぁ」
「ヒールで理想身長?」
「…気づいても言わないのが大人じゃない?」
「今日は美鳥の目線が低いと思ってた」
「あーまだ言う」
「美鳥には何でも言ってしまうな…小さい美鳥も可愛い」
「小さくはないって言ったのに…」
「膨れても可愛い。スーツにヒールの美鳥より今日は小さい美鳥だろ?小鳥ちゃん?」
「…初めて言われた…小鳥ちゃん…ちょっと可愛く聞こえてしまうところがまた悔しい」
「ははっ、調子戻ったね、美鳥。良かった」
彼は長い腕を伸ばして私の頭をポンポンとしたあと、その手で頬杖をついて私を見つめる。
「家の話から…メニュー見ながらもトーンが微妙に落ちてたからね。調子戻って良かった。落ちてるなら落ちてるで何でも話してくれたら嬉しいけどね、俺は。美鳥より数年長く生きてる分くらいは余裕で聞けると思うよ」
「龍はファミレスで良かったの?」
「いいよ。美鳥の好きなものがわかって嬉しい」
「意外だったんじゃない?」
「ちょっとね」
「それは…私が蜷川だから?」
「ううん、違う。俺、食べたいものある?って聞いただろ?」
「うん」
「そこで例えば…ハンバーグとか蕎麦って答えが返ってきてから、どこに行こうかって話をすると想像していたのに場所指定してくれたのが意外だった」
「あっ…なるほど、ごめんなさい」
「うん?何で?俺のデートのプランニング力を試されなくてホッとしたよ」
そこで龍には、ステーキをメインにしたミックスグリル、私にはハンバーグをメインにしたミックスグリルが運ばれてきた。
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