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chapter※03※※※※※※
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「ただいま戻りました」
朱鷺か西田さんが電話中だといけないので小さな声で言いながら部屋に入ると
「どうだった?」
いきなり朱鷺に聞かれた。
「今はもうレストランの方はおられません。管理営業部門スタッフが勢揃いです」
「4時半以降は全員飲みに行けと部長が言ったらしいですよ」
「西田さん、よくご存知ですね。知らなかった…座って話している方もいたので何らかの情報交換をされているのでしょうね」
そう言いながら、もらったペットボトルの水を開けると一気に半分ほど飲む。
「この水、美味しいな…どこのだろ?」
「会場で配ったなら山梨だろうな」
「え?朱鷺、なんで分かるの?」
「山梨は富士山や南アルプス、八ヶ岳などの高峰に囲まれた日本を代表する山岳県だ。県土の70%以上を森林が占めるなど豊かな自然に恵まれているから良質なミネラルウォーターで有名」
「それは日本人として常識の範囲内の知識?」
「ふっ…何かあったのか?」
「今日は‘比肩’比べるに肩、がわからなくて教えてもらったし、すごく勉強した気分」
「まだ成長期だな、美鳥」
「身長は無理だよね?」
「無理だな」
「…どうしてもう少し大きく生んでくれなかったのかなぁ」
「平均だ」
「日本のね」
「日本人だからいいだろ」
世界人って少し前に川崎さんと話したなと思いながらメールチェックをする。
ほとんど西田さんが処理してくれたあとだったので、今度は郵便物の仕分けをすると朱鷺宛に一通の招待状が届いていた。
日都銀行はNinagawa Queen's Hotelのメインバンクだ。
その日都銀行設立100年の記念パーティーへの招待状が届いた。
朱鷺へ伝えると
「参加しないわけにはいかないな。スケジューラに入れておいて」
「はい」
すぐに共有のスケジューラに入力する。
コンコンコン…遠藤支配人かと思い立ち上がりドアを開けると
「失礼します、郵便物と別に荷物がありました」
総務から荷物が上がってきた。
後ろから遠藤支配人が戻ってくるのが見えるのでドアを大きく開けて受け取る。
「ありがとうございます」
宛名は朱鷺と私で差出人は…
朱鷺か西田さんが電話中だといけないので小さな声で言いながら部屋に入ると
「どうだった?」
いきなり朱鷺に聞かれた。
「今はもうレストランの方はおられません。管理営業部門スタッフが勢揃いです」
「4時半以降は全員飲みに行けと部長が言ったらしいですよ」
「西田さん、よくご存知ですね。知らなかった…座って話している方もいたので何らかの情報交換をされているのでしょうね」
そう言いながら、もらったペットボトルの水を開けると一気に半分ほど飲む。
「この水、美味しいな…どこのだろ?」
「会場で配ったなら山梨だろうな」
「え?朱鷺、なんで分かるの?」
「山梨は富士山や南アルプス、八ヶ岳などの高峰に囲まれた日本を代表する山岳県だ。県土の70%以上を森林が占めるなど豊かな自然に恵まれているから良質なミネラルウォーターで有名」
「それは日本人として常識の範囲内の知識?」
「ふっ…何かあったのか?」
「今日は‘比肩’比べるに肩、がわからなくて教えてもらったし、すごく勉強した気分」
「まだ成長期だな、美鳥」
「身長は無理だよね?」
「無理だな」
「…どうしてもう少し大きく生んでくれなかったのかなぁ」
「平均だ」
「日本のね」
「日本人だからいいだろ」
世界人って少し前に川崎さんと話したなと思いながらメールチェックをする。
ほとんど西田さんが処理してくれたあとだったので、今度は郵便物の仕分けをすると朱鷺宛に一通の招待状が届いていた。
日都銀行はNinagawa Queen's Hotelのメインバンクだ。
その日都銀行設立100年の記念パーティーへの招待状が届いた。
朱鷺へ伝えると
「参加しないわけにはいかないな。スケジューラに入れておいて」
「はい」
すぐに共有のスケジューラに入力する。
コンコンコン…遠藤支配人かと思い立ち上がりドアを開けると
「失礼します、郵便物と別に荷物がありました」
総務から荷物が上がってきた。
後ろから遠藤支配人が戻ってくるのが見えるのでドアを大きく開けて受け取る。
「ありがとうございます」
宛名は朱鷺と私で差出人は…
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