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「俺の場合、きっかけはバレンタインの日」
「会ってない…」
「何がきっかけになるかはわからないものだね。俺が会ったのはえいちゃん」
だよね…
「彼女と喧嘩した様子を話してくれたんだけどさ、聞きながら‘彼女が正しいだろ。気持ちを考えろよ’って思っていたわけ。そんな俺の気配に気づくはずもなく‘彼女は俺を疑っているわけではないけれどモヤモヤするって…’って言うえいちゃんに、もはやノロケか?ってツッコミそうになったよ。めちゃくちゃいい女じゃん。好きな男の顔色を見て遠慮がちながらも自分の気持ちを伝えている様子が目に浮かんだね…のっぺらぼうの彼女だったけど」
それが私?
「‘愛されてるねぇ、うらやましい。口にせず、ブスッと不機嫌になられるより言ってくれる方がずっといいし。彼女モテるでしょ?’って本音をえいちゃんに漏らして…その時は終了。で、俺の無意識の念が通じたのか、香歩に会えた。しかもまた遠慮がちながらも凛としてオバサンに物申しているところに出くわした。惚れたねぇ…俺の思った通りのいい女だと思った。物言いが俺のど真ん中。のっぺらぼうだった彼女が香歩になった。あの瞬間、生涯可愛がりたい相手、同じ空間を共有したい相手を見つけたんだ、俺」
そう言って私の指先にチュッ…とキスした千紘は
「あの日から毎日好きになってるよ、香歩。不安そうなところも、家で大切にされているところも、よく飲んでよく食べるところも、お人好しなところも、どこをどう取っても好きだね。香歩の全部が俺のど真ん中に突き刺さってくる…俺をどうにかしてよ、香歩」
もう一度指先にキスをした。
「会ってない…」
「何がきっかけになるかはわからないものだね。俺が会ったのはえいちゃん」
だよね…
「彼女と喧嘩した様子を話してくれたんだけどさ、聞きながら‘彼女が正しいだろ。気持ちを考えろよ’って思っていたわけ。そんな俺の気配に気づくはずもなく‘彼女は俺を疑っているわけではないけれどモヤモヤするって…’って言うえいちゃんに、もはやノロケか?ってツッコミそうになったよ。めちゃくちゃいい女じゃん。好きな男の顔色を見て遠慮がちながらも自分の気持ちを伝えている様子が目に浮かんだね…のっぺらぼうの彼女だったけど」
それが私?
「‘愛されてるねぇ、うらやましい。口にせず、ブスッと不機嫌になられるより言ってくれる方がずっといいし。彼女モテるでしょ?’って本音をえいちゃんに漏らして…その時は終了。で、俺の無意識の念が通じたのか、香歩に会えた。しかもまた遠慮がちながらも凛としてオバサンに物申しているところに出くわした。惚れたねぇ…俺の思った通りのいい女だと思った。物言いが俺のど真ん中。のっぺらぼうだった彼女が香歩になった。あの瞬間、生涯可愛がりたい相手、同じ空間を共有したい相手を見つけたんだ、俺」
そう言って私の指先にチュッ…とキスした千紘は
「あの日から毎日好きになってるよ、香歩。不安そうなところも、家で大切にされているところも、よく飲んでよく食べるところも、お人好しなところも、どこをどう取っても好きだね。香歩の全部が俺のど真ん中に突き刺さってくる…俺をどうにかしてよ、香歩」
もう一度指先にキスをした。
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