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他人の介入
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美琴さんのヒュッ…と息を呑むのが聞こえ
「別に営業を続けることは出来るよ。オーナーが代わるだけなんだから」
並木さんは平然とそう続けた。
「瑛ちゃん…どうしよう…」
香歩と並木さんが出て行った店のカウンターの中でしゃがみ込んだ美琴さんのところまで行き、そっと立たせるとカウンターの椅子に座らせる。
「どうしよう…」
そう唇を震わせ瞳に涙を溜める彼女に
「オーナーが代わると何が困るの?」
俺にわからないこともあるのだろうからゆっくりと聞いてみる。
「…お給料なのか、売り上げの何%か…私の受け取る契約はオーナー次第で変わるだろうし…店の形態も飲み屋にしたいと言われれば応じるしかない」
「いい待遇になることもあり得るんでしょ?」
「そうだけど…こんなに早く売却された場合は悪くなることの方が多いと思う…」
「お兄さんから受け継いだ店だから頑張って。応援できるように、また食べに来るよ」
「ありがとう、瑛ちゃん。心強いわ」
震える手で俺の手を掴まれ手を引きかけたけれど
「瑛ちゃんは、今、これくらいでヤキモチを妬かれる心配はないわ。外に目を向けてもいいのよ?今日の食堂の話も私、驚いたもの。本人の前だから言葉を選んで可愛いヤキモチって言ったけれど、醜い嫉妬よね?お昼休憩中だってお仕事の話をすることもあるだろうし、告白は断っているんだからね。避けることなく自然に一緒に食べたりしないと、一緒に働くのに気まずいよね」
俺を慰めるようにゆっくりと手の甲を撫でられた。
「別に営業を続けることは出来るよ。オーナーが代わるだけなんだから」
並木さんは平然とそう続けた。
「瑛ちゃん…どうしよう…」
香歩と並木さんが出て行った店のカウンターの中でしゃがみ込んだ美琴さんのところまで行き、そっと立たせるとカウンターの椅子に座らせる。
「どうしよう…」
そう唇を震わせ瞳に涙を溜める彼女に
「オーナーが代わると何が困るの?」
俺にわからないこともあるのだろうからゆっくりと聞いてみる。
「…お給料なのか、売り上げの何%か…私の受け取る契約はオーナー次第で変わるだろうし…店の形態も飲み屋にしたいと言われれば応じるしかない」
「いい待遇になることもあり得るんでしょ?」
「そうだけど…こんなに早く売却された場合は悪くなることの方が多いと思う…」
「お兄さんから受け継いだ店だから頑張って。応援できるように、また食べに来るよ」
「ありがとう、瑛ちゃん。心強いわ」
震える手で俺の手を掴まれ手を引きかけたけれど
「瑛ちゃんは、今、これくらいでヤキモチを妬かれる心配はないわ。外に目を向けてもいいのよ?今日の食堂の話も私、驚いたもの。本人の前だから言葉を選んで可愛いヤキモチって言ったけれど、醜い嫉妬よね?お昼休憩中だってお仕事の話をすることもあるだろうし、告白は断っているんだからね。避けることなく自然に一緒に食べたりしないと、一緒に働くのに気まずいよね」
俺を慰めるようにゆっくりと手の甲を撫でられた。
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