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親密性の確立 7

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「でも、さっきタクがサイサイのヘソだしがいいか、憧れるか言ってただろ?それはあるのかも。今日サイサイに会って感じたわ」
「どういうこと?」
「先週あの女、ピアス開けて来たんだよ。サイサイと同じように右に2個、左に1個」
「きもっ」

羅依がボソッと言うのでチラッと見る。

「いいのかな、香さん…私は全然いいんだけど」
「うん?才花、どうした?」

羅依が私をベンチプレスのベンチに座らせて、自分も並んで座る。

「就活中だと思うの。私なら全く気にならないけど、就活って同じ格好で歩いてるでしょ?そんな真っ只中に開けたら…ホールが安定するまで取れないのにいいのかなって…外資系とかなら大丈夫かな?」
「業種や社風によるだろうな」
「まあ、才花ちゃんは気にならないだろうね」
「なんかタク、意味深…」
「だって、その格好でも外に行けるだろ?」
「普通にこれで走ってる人いるでしょ?」
「日本人はあまりいないよ」
「……」
「才花は日本人なんて狭い括りで生きてねぇよ。タクの尺度で喋んな」
「羅依の勝ち。よし、出来たよ、サイサイ」
「ありがとうございます」
「それを見て、全部動きは分かる?」
「はい、大丈夫です」
「じゃあ、家ではそれをやって、ここには週2回」
「1回じゃなく2回?」
「競技復帰するなら3回って言うけど、今のところ2回。これで生活スポーツレベルで十分に何でも楽しめるところまでは半年の見込み。もちろんメニューはどんどん変わっていくよ。ゴールが変わっても対応するから、ボクとコミュニケーション取りながら進めていこう」

緒方先生の空いてる曜日と時間で私のトレーニング日は固定してもらって、帰りがけにひとつ質問をした。

「先生…もし、私がダンスを再開したら…えっと…あと10日ほどで膝は日常生活に支障がなくなるはずなんです」
「うん」
「そのあと、ダンスを再開したら…いえ、すみません。自分でも何が言いたいのかわからないです」
「才花、大丈夫だ」

羅依が私の頭を横から引き寄せる。

「体が動くと踊ってしまうかもしれないよな…才花だから」
「うん…」
「サイサイ、それはかまわないけど、あくまでも膝は日常生活レベルだよ?今だって、左膝に負荷がかからない動きで踊ってもかまわない。むしろ、トレーニングメニュー以外の柔らかい細かい動きは歓迎」
「今もダンス出来る…?」
「足が一本使えなくても、ボクたちより上手だと思うよ?」

私からすれば膝が使えないと踊れないけど…この先のことを少し考えてみようと思えた。
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